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鷲田小彌太さんはこんなことを ⑬-「新学問のすすめ」マガジンハウス 1997年 (1) /「はじめて学ぶ日本児童文学史」鳥越信 ミネルヴァ書房 2001年 ②【再掲載 2016.9】 [読書記録 一般]

今回は、8月27日に続いてわたしの読書ノートから、
「鷲田小彌太さんはこんなことを」13回目、
「新学問のすすめ」1回目の紹介です。




出版社の案内には

「楽しく生きるために、何をどう学び活かしていくか。仕事と生活に役立
 つ『新・学問』の快楽的修得法。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「『昼の労苦 夜の快楽』ゲーテ」


・「1970年以降、労働時間短縮・高度消費社会へと突入し、レジャーを
 満喫する大衆が増えた。それにより、生きがい論は自然消滅した。」


・「モラトリアムとは、いつまでも自分の生き方(アイデンティティ)
を決めることができない人間、つまり、自己決定能力に欠けた人間を
指す。肯定的にとらえれば、自分の人生の様々な可能性を探すことが
できる多様な能力の持ち主出現したともいえる。」




もう一つ、再掲載となりますが、鳥越信さんの
「はじめて学ぶ日本児童文学史」②を載せます。
昔の児童文学を読むのも楽しいものです。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆鷲田小彌太さんはこんなことを ⑬-「新学問のすすめ」マガジンハウス 1997年 (1) 

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◇なぜ学ぶのかが問われなければならない理由(1)

□江藤淳
  慶大最終講義(1997.1.27)
「私立の活計」をなそうと思う者は,肩で息をするほどの厳しいト
   レーニング勉強を自らに強いなければならない旨を力説。
「昼の労苦 夜の快楽」ゲーテ


□「新・生きがい論」が必要になった
生きがい論の消長
1966 神谷美恵子『生きがいについて』ベストセラー
◎それ以前は衣食住のため

◎衣食住「仕事人間」 + α

   1970年以降 
     労働時間短縮・高度消費社会への突入
(世界で一番財布の膨らんだ大衆)
→ 「レジャー」満喫
◎生きがい論は自然消滅
1970年代以降 
サラリーマン → アフター5に生きる悦び
主婦 → カルチャーセンター,イベント参加
学生 → 勉学の外
老人 → 旅,社交


□「新・生きがい論」
  スタイルの問題
① 労働,勉強という分野
必要悪と見なされてきた
→ それ自体の中に人生上の目的,意味,価値を見出す必要
(賃金のために働く,一流大学にはいるために勉強するので
        はない)
② 非労働・非勉強分野
「レジャー」に「開放」(免れる)意味

自立した目的・意味・価値を持たざるを得なくなった


□高学歴社会二つの意味
高度知識・技術社会
  高学歴社会   
      以前の社会:家族や職場が知識や技術を教える場所
= 大学を出ただけで社会的に認知
     → 高学歴化

  モラトリアムの肯定的意味
教育期間 = 生産・労働時間が免除された期間
エリクソン「モラトリアム人間」
= いつまでも自分の生き方(アイデンティティ)を決める
       ことができない人間
= 自己決定能力に欠けた人間

    肯定的意味
      自分の人生の様々な可能性を探すことができる多様な能力の
     持ち主出現







☆「はじめて学ぶ日本児童文学史」鳥越信 ミネルヴァ書房 2001年 ②【再掲載 2016.9】

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◇<異文化>移入としての翻訳
□鎖国による統制
 1593年「エソポノハブラス」イソップ物語70編 俗文体(口語体)
   『伊曽保物語』9種刊行
 黒田麺虚訳『凛荒紀事』ロビンソン・クルーソー 1648年
 横山由清訳『魯敏遜浮行紀略』1857年


□文明開化と啓蒙主義
1868~1888年 
    70点の内1/2が翻訳書-多くは啓蒙書
新モラル 
    スマイルス・中村正直『西国立志編』1870年
外国歴史地理
   

□学校教育の普及と翻訳書
  J.ベルヌが受ける


□翻訳文学の役割
日本の創作童話 
    1890年~ アンデルセンより半世紀の遅れ
言文一致
変換点 
    1890年 若松賤子『小公子』バーネット



<お伽噺の時代>
◇時代思潮
□新局面
 『少年園』1888年 『日本之少年』1889年 『小国民』1889年
『少年文庫』1889年 『少年文武』1890年
  1980年 『教育勅語』
 1891年~『少年文学』叢書 全32巻
第一巻 『こがね丸』大ベストセラー
『少年世界』1895年 『幼年世界』1900年 『少女世界』1906年
『幼年画報』1906年
 博文館
金滝堂書店  『少年界』『少女界』1902年
実業之日本社 『日本少年』1906年  『少女の友』1908年


□お伽噺と各種古典や民話・伝説



□1900年代「立川文庫」 シリーズ



◇創作児童文学の出発
□不平等条約 
  1886年 ノルマントン号事件 国粋主義的民族主義的雰囲気


□教育勅語  徳育・修養
1891年ごろ 『少年文学』叢書1891年~ 
巌谷小波『こがね丸』
それ以前は三輪弘志『少年之玉』
※ 少ない購読可能層


□日清戦争
  博文館「少年世界」巌谷小波編集長


□日露戦争前後 
  少女向けのものも 北田薄氷が先駆者


□『少年之玉』三輪弘志 
  鬼頭平兵衛1896年


□「こがね丸」巌谷小波 博文館 1891年
 ふじの山,お伽歌劇,口演童話,昔話,軽妙洒脱,楽しませる
しかし,類型的,善悪が明快


□『先生様々』北田薄氷 
   少年世界1898年5月
本名尊子 - 少女小説の先駆者 継子いじめ


□口演童話 
  明治期-お伽口演者は童話家  
     全国各地に職業的童話家もいた
子供会・学校・日曜学校で


□演劇   
  中川霞城 児童劇
「お伽芝居」-「対話」


□詩歌  
 『小学唱歌集』三編(1881~1884)
田村虎蔵の尽力で言文一致体唱歌

 『幼年唱歌』全10編1900~1902

「尋常小学唱歌」1905年 「高等小学唱歌」1906年

文部省『尋常小学読本唱歌』
岩野泡鳴 160編 → 近代童話(大正期)

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