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「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」松井和 エイデル研究所 1999年 ② /「妖怪と怨霊の日本史」田中聡 集英社新書 2002年 ③【再掲載 2015.8】 [読書記録 教育]

今回は、9月10日に続いて松井和さんの
「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」2回目の紹介です。


20年以上も前に出版された本ですが、
著者が予測したような社会になってきているのではないかと感じます。




出版社の案内には、

「親たちは、『子育て』を幸福の基盤に、人間らしさを身につけて来ました。
 その機会を組織的に奪うと、社会からモラルや秩序、忍耐力が消えてい
 きます。親の役割りを、教育機関や福祉がしようとする時、家庭崩壊が
 始まります。三人に一人が未婚の母から産まれる欧米社会に、私たちは
 何を学ぶのか。『自然』という言葉の意味するものは何なのか。奇跡的
 にまだ家庭が崩壊していない日本で、教育界・保育界、そして親たちの
 意識改革が同時に行われれば、ひょっとして間に合うかもしれません。
 先進国に共通する家庭崩壊・学校崩壊の流れを、非論理的なアニミズム
 文化に根強く依存している日本人がくい止めることが出来れば、後に続
 く発展途上国の親子の幸せに無限に貢献することになりはしないか。今、
 地球環境の破壊が叫ばれるなか、日本人の役割は、家庭崩壊・学校崩壊
 に対応する方策を見つけ出すことにあるのかもしれません。『誰の責任
 か』を模索するのではなく、『誰が責任を感じる社会か』を決めてしま
 うことが鍵です。これは、言葉に縛られはじめた人間達への、地球から
 のメッセージです。」

とあります。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「親たちの子育て放棄 希望を簡単に放棄する混沌の前兆期」


・「1998年年1月アメリカで政府が子育てをという、親による子育てに見
切りを付けるという点で画期的な法案『タレント・フェアクロス』法
  案が提出されたが、否決された。実の親がいるにもかかわらず政府が
孤児院を作ってそこで子供を育てようとする法案が既に出ている(民
  主主義のアメリカで?)。」


・「福祉が進めば必ず家庭は崩壊する。家庭が崩壊すると社会的秩序が
保てなくなり犯罪や幼児虐待が爆発的に増える。…もはや大がかりな
福祉で弱者を救うしか手だてはなくなる。それで子供は育つが、親は
育つだろうか?福祉学者,心理学者はおかしくないか」


・「子育てには忍耐が必要。人間は子育ての最初の一年,二年で忍耐力を
  試されているのか?『そのため赤ん坊はわざわざ言葉をしゃべらない
で生まれて来るではないか』」





もう一つ、再掲載となりますが、田中聡さんの
「妖怪と怨霊の日本史」③を載せます。
「キツネ」が「来つ寝」とは…。



<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

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☆「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」松井和 エイデル研究所 1999年 ②

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◇家族の絆と社会の幸福論

□親たちの幸福論

 アメリカの子供の3人に一人が未婚の母(5年前は4人に一人)
= 父親不在の家庭増


 アメリカでは子供が18歳になるまでに40%の親が離婚する

アメリカのような競争社会で女手一つは大変


 首都ワシントンDCでは60%の家庭に父親像なし

ワシントン市「プロジェクト2000」10年前
公立学校を使って父親像
(米国の小学校は女性教師)

3人に一人のアメリカ人男性が父親としての役割を果たさず,はじめ
  から子育てに関わらない

※「親たちの子育て放棄」
希望を簡単に放棄する混沌の前兆期



□政府がやる子育て?

 1998年 ウィスコンシン州
子供が犯した罪で親を罰する
(ペア・レンタル・ファイン)
◎ 今アメリカでは「母子家庭に問題があるんだ」と多くの人が平気
    で言い切るようになった

 1998年1月「タレント・フェアクロス」法案
政府が子育てを → 否決
◎ 親による子育てに見切りを付けるという点で画期的な法案

※ 実の親がいるにもかかわらず政府が孤児院を作ってそこで子供を
    育てようとする法案が既に出ている(民主主義のアメリカで?)



□福祉の危険性

未婚の母
   アメリカ   33%
 イギリス   34%
フランス   37%
スウェーデン 50%
(1997年1月1日)

 ◎ 福祉が進めば必ず家庭は崩壊する
家庭が崩壊すると社会的秩序が保てなくなり犯罪や幼児虐待が爆発的
  に増える

 ◎ もはや大がかりな福祉で弱者を救うしか手だてはなくなる

 ◎ 子供は育つが親は育つだろうか?
※福祉学者,心理学者はおかしい
「血のつながりという非論理的な絆を排除して家庭という形で
      秩序を生む幸福の土台として保てるかどうか」

※ 日本は一歩手前
  学者たちが厚生省や文部省に助言して私たちの背中を押
      し欧米社会が苦しんでいる同じ領域に押し入れようとして
      いる
  ↑
 ◎ 日本は「家庭」が「個人」より重い社会を保ち続けるたった一つ
  の先進国であってほしい




□人間の愛と常識崩壊

 アメリカ
  - 誘拐事件が多い←親権を失った親によるもの
孤独感が社会を包むから愛情が犯罪を生む

 ◎ 家族という概念が崩れると,歪んだ姿で「愛」が現れてくる

 14,15,16歳の出産
原因
     フリーセックス + 温かい家庭への憧れ
不幸な家庭 = 人間関係の不幸な家庭に育った少女たち

◎ 子育てには忍耐が必要
子育てを基盤とした幸福の物差しが持てるかと同時に

人間は子育ての最初の一年,二年で忍耐力を試されている
      のか,忍耐力を付ける

  「そのため赤ん坊はわざわざ言葉をしゃべらないで生まれて来るでは
   ないか」

  ※ アメリカ 親による虐待で重症を負う子
7年前 13万人 → 1999年57万件(4倍)



□日本の状況

 未婚の母
   1%台 日本人にはすばらしい親たちが多い
「親が関心を持たなければ受験戦争など起こらない」







☆「妖怪と怨霊の日本史」田中聡 集英社新書 2002年 ③【再掲載 2015.8】

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◇哀しき雷神
□捕縛される雷神
   「日本霊異記」冒頭に


□インフラ整備と妖怪
スガルの墓 
   「電の岡」明日香村の小丘
  少子部栖軽 - 雄略天皇の臣
スガル - 秦氏の民を集め人事管理
 三輪山の神をとらえることができる力


  行基
    山林修行 邪教集団のリーダー 私度僧のリーダー
架橋や灌漑施設の修築

  行基と秦氏が関係を深める
天平3(731)年
      大井院造営以来~ 技術や人材の交流
| 土師氏との関連(土器・墳墓造営氏族)
養老7年 
      三世一身法以後 行基:地溝開発急激に活発化
  

□雷神と聖王 
  雷電
  - 「稲つるび」
  - 大地と天との交合
稲に豊穣をもたらす力

  ◎雷神は豊穣を見たらす
          
 
□天皇の聖婚は稲つるびを招き豊穣を祈る儀礼 

  雷神を捕らえる力
   = 降雨を自在にする能力
    
  ◎ 各地で灌漑工事を行い水神との交渉にも長けていたであろう行基
   集団の呪能に重なるもの
  

□狐と雷神の子どもたち
  キツネ(来つ寝)
    女に化けて男の妻に = 異類婚姻譚のスタンダード  

渡来系の霊獣の話 
     「日本霊異記」冒頭に

  道場法師の怪力 
    元興寺 → 神仏習合
  

□宇宙樹の争奪戦
  元興寺 - もと法興寺
    蘇我馬子が物部守屋を滅ぼした後で天飛鳥に建立

  古くからの聖地
   - 宇宙樹のごときケヤキ巨木
「真神原」-ケヤキの下
◎ 霊異記 ~ 神仏集合
  

□狐の追放 
  三野狐
    道場法師の子孫により追放 
8~9世紀 
    神 
     - 社内に神宮寺建立 
    神仏習合
     ~ 力は神にある

  地方支配者の共同体司祭者
   → 私的領主

  ◎ 神を祀る者こそ仏法を求める者
  

□神々のボランティア 
 行基 
   「知識(結)」~ 自発的行動

ボランティア国家
   - 仏法を礎とする神聖王国

  聖武天皇
   - 仏教王国化により危機回避をはかる

  宇佐八幡の協力
   - 大神氏 オオセノヌシ祭祀
八幡神の託宣により神々が知識に参加

  749年 陸奥国で黄金が出た幸運

八百万の神々も仏法王国に統合された

  日本を仏法により組織化する大事業


□雷神の狐愁

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