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「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」松井和 エイデル研究所 1999年 ⑦ /「大いに盛り上がる-対談集」 丸谷才一 立風書房 1997年 ①(上)【再掲載 2017.2】 [読書記録 教育]

今回は、10月5日に続いて松井和さんの
「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」の紹介 7回目です。


明るい性格がよくてそうでない性格はいけないのか?
よく発表するのがよくてノートに書き留めるだけのタイプはいけないのか?
楽しいのがよくて、辛いけれども頑張り続けるのはいけないのか?
文章を読み直し、再び考えてしまいました。




出版社の案内には、

「親たちは、『子育て』を幸福の基盤に、人間らしさを身につけて来ました。
 その機会を組織的に奪うと、社会からモラルや秩序、忍耐力が消えてい
 きます。親の役割りを、教育機関や福祉がしようとする時、家庭崩壊が
 始まります。三人に一人が未婚の母から産まれる欧米社会に、私たちは
 何を学ぶのか。『自然』という言葉の意味するものは何なのか。奇跡的
 にまだ家庭が崩壊していない日本で、教育界・保育界、そして親たちの
 意識改革が同時に行われれば、ひょっとして間に合うかもしれません。
 先進国に共通する家庭崩壊・学校崩壊の流れを、非論理的なアニミズム
 文化に根強く依存している日本人がくい止めることが出来れば、後に続
 く発展途上国の親子の幸せに無限に貢献することになりはしないか。今、
 地球環境の破壊が叫ばれるなか、日本人の役割は、家庭崩壊・学校崩壊
 に対応する方策を見つけ出すことにあるのかもしれません。『誰の責任
 か』を模索するのではなく、『誰が責任を感じる社会か』を決めてしま
 うことが鍵です。これは、言葉に縛られはじめた人間達への、地球から
 のメッセージです。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「画一教育を受けるだけの準備ができていない子供は一度お引き取り願
  うぐらいの厳しさを社会に取り戻せないと,日本もやがてアメリカの
  ような状況になる」


・「自由・自主性の空論は捨て,校則は親子の絆を測る物差しくらいに気
  軽に考えればよい」


・「発言者もマスコミに迎合し、世の中の見方考え方が実体験に基づか
ない画面の中心の疑似体験をよりどころに,ある方向へ一斉に進み始
める」


・「『のびのび』と『個性を大切に』は矛盾している。なぜ人間は『自由』
  という言葉に縛られるのか?」




もう一つ、再掲載になりますが、丸谷才一さんの対談集
「大いに盛り上がる」①を載せます。
要約が過ぎて思い出せないところもありました。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。




☆「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」松井和 エイデル研究所 1999年 ⑦

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◇画一教育か個性を伸ばす教育か(3)

□校則
「画一教育を受けるだけの準備ができていない子供は一度お引き取り願
  うぐらいの厳しさを社会に取り戻せないと,日本もやがてアメリカの
  ような状況になる」

◎ 校則を多めに作るのは手っ取り早くいい方法
「自由・自主性の空論は捨て,校則は親子の絆を測る物差しくら
     いに気軽に考えればよい」

◎「服装,茶髪,ピアスと言ったどうでもいいこと『形』をまずきっ
    ちりと校則にして嫌なら出て行きなさいと親子を脅かしてやるの
    が一番いい」

◎ 少々脅かしてやらないと現実にかえってこない変な親子が結構い
   ますから…
  |
「マスコミから叩かれる。そうなったらどっちが本気か」
          |
  ◎ 校則は落としどころ



□受験戦争傷害事件
 マスコミが批判 
    - 昔ならとなり村まで
→ 今や日本中に

  ◎ 発言者もマスコミに迎合
世の中の見方考え方が実体験に基づかない画面の中心の疑似体
    験をよりどころに,ある方向へ一斉に進み始める

◎ 現代社会の歪みはこの奇妙な伝達システムにあるのではないか?
偏った考え方「学者」「知識人」



□言葉遊び
「自由にのびのび」縛られたくない
    ~ 結婚できない

◎ 束縛されること,縛られることがいけないことなんだと社会全体で
  思い始める
おとなしい・易しい・引っ込み思案の子はいけないのか?

◎ のびのびした子ばかりになってしまったら児童文学はありえない
児童文学作家
      - 偏屈で暗い人が多い
   ルイス・キャロル 
           - ゲイの大学教授「不思議の…」
ベアトリクス・ポーター 
           - 村一番の嫌われ者
  「ピーター・ラビット」
CSルイス

 ◎「のびのび」と「個性を大切に」は矛盾している
なぜ人間は「自由」という言葉に縛られるのか?







☆「大いに盛り上がる-対談集」 丸谷才一 立風書房 1997年 ①(上)【再掲載 2017.2】
 
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◇永井荷風と昭和史(半藤一利)
□荷風文学 
  ユーモアがない 
    歴史観「下降史観」
  軍陣嫌い 
    江戸文化 - 伝統尊重の態度 
    古典主義 - 儒教


□荷風好き 
  モラリストで助平で自分の心と行動の矛盾を抱えつつやむなくプロの
 女を抱いちゃう切ない奴


□インチキ正義を喝破する
  荷風の文明史観 
    政治や経済はイデオロギーはいらない
 



◇宇野千代さんのこと(山田詠美)
□別れても男を怨まない 
  セラピストにも通じる才能 
  文章がきれい


□まことを書いて恋愛のタブーを取り払ってきた
  
□本居宣長 
  中国 - 恋愛ものがない  「大義」
  日本 - 恋愛文学ばかり  「まこと」




◇新しい宣長像(大野晋)
□四半世紀ぶりの完結「本居宣長全集」


□文学の分かる文学研究者
  歌は人間の女々しい心を表しているもの

 草深たみ  片愛と失恋
たみの結婚後 みかと三年後に結納
結納後二十日間くらい後たみの亭主なくなる

やむを得ず結婚
三ヶ月後離婚 → たみと結婚


□日本文学と中国文学
  日本文学の特性 = 恋愛を書くこと
 中国は儒教的禁忌
  |
  失恋と得恋と経験
    恋愛が人間にとってどんなに大きな苦しみを与え,大きな喜びを
   与えるか悟った

◎ 源氏物語を読む目

 日本文学の特性をすくいあげられた理由
  ① 日本文学をよく読んでいた
  ② 中国文学をよく知っていた
  ③ 自分自身の恋愛体験
  ④ 物事を徹底して考えるたちの人

 源氏物語は「もののあわれ」=「情」
究極の情の相 恋愛の相


□神道論をどう読むか
 「詞の玉緒」で偉い 日本とは何か?
   春夏秋冬
    ~ もののあわれが日本

   日本とは何だ?日本だけにあるものは何だ?

  賀茂真淵が
     「日本を明らかにしなきゃいかん」
    「儒教・仏教以前の日本を明らかにせねばいかん」
   ↓
  『古事記』を読まなければならん
  本居宣長   
      万世一系の日本を発見して書いた

  ◎ 日本のアイデンティティを確立する上で方法的に頼りにすべきも
   のは文献『古事記』
    - 西洋文学を知らず
西洋文学抜きで日本文学を擁護するためには神国理論で行くしか
   なかったんじゃないか

  ◎ 日本国そのもののアイデンティティを確立したいがために神道論
   に行き着いた

   日本文学が日本
  「敷島の 大和心を 人間はば 朝日ににほう 山桜花」
    ∥
◎ 日本文学は恋愛をあからさまに書く
        朝の光の中で

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