「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ①(前半) /キーワード「家庭訪問」(わたしの教育ノートから) [読書記録 一般]
今回は、三浦雅士さんの
「石坂洋次郎の逆襲」1回目(前半)の紹介です。
学生の頃よく読んでいた石坂さんの作品。
さわやかな話が多かったような記憶があります。
「変しい変しい」はよく知られていますね。
えっ、折口信夫?宮本常一?
どんなつながりがあるのだろうと読んだ本です。
なお、三浦雅士さんは『ユリイカ』『現代思想』の元編集長とのこと。
出版社の案内には、
「石坂洋次郎は少しも終わっていない、むしろ今こそ話題にされなければな
らない−。折口信夫、宮本常一、エマニュエル・トッドらが浮かび上がら
せる、おもしろくも深い石坂文学の新世界。『東奥日報』連載を加筆し単
行本化」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥
・「石坂洋次郎の作品は70年代、売れ行きが一気に落ちた。忘れられた作
家といえるのかもしれないが、明朗健全に女を主体として描いた」
・「折口信夫の民俗学の影響を受けた石坂は、津軽の女は強くて主体的だが、
じつはその方が人間本来の姿であり、日本古来のものだと考えた。その
上で石坂はユーモアをもって伝えた。女が強いのは日本古来の姿だと考
えていた。石坂洋次郎と宮本常一の類似性」
・「石坂は主体的な女性を追究した果てに、戸籍問題、家族とは何かという
根本的な問題にまで行きついたのである」
・「一つの社会は見る眼によって男性中心主義のようにも女性中心主義のよ
うにも見える」
もう一つ、わたしの教育ノートから「キーワード家庭訪問」を載せます。
家庭訪問を行わない学校が増えてきました。
煩わしさ、時間を合わせる大変さはわかるのですが…
要約を読み直し、家庭訪問のよい面を懐かしく思い出しました。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ①(前半)
◇はじめに
□忘れられた作家 70年代、売れ行きが一気に落ちた
明朗健全
「女を主体として描く」
強い女
① 東北
女なしの生活はあり得なかった
② 慶応で視野を大きく広げた
柳田國男と折口信夫
石坂洋次郎
折口信夫の民俗学
津軽の女は強くて主体的だが、じつはその方が人間本来の姿だ
と考えた
→ 日本古来のもの
- 石坂はユーモアをもって伝えた
◎ 女が強いのは日本古来の姿だと考えていた
家付き娘の婿
- 柳田國男 斎藤茂吉 折口信夫の父
※ 石坂洋次郎と宮本常一の類似性
□半世紀を経た「逆襲」
70年代石坂最後の三作品
「ある告白」
「血液型などこわくない」
「女そして男」
※ 明朗健全な近親相姦
~ 小説としては無類におもしろい
→ 問われているのは近親相姦というより戸籍制度そのもの
◎ 石坂は主体的な女性を追究した果てに、戸籍問題、家族とは何かと
いう根本的な問題にまで行きついたのである
忘れるには惜しい作家、いや忘れてはならない作家
女の強さにおいて東南アジアこそ日本の源流だと考えていたに違いない
石坂の一歳年下に女性文化人類学者マーガレット・ミード
「サモアの青春」1928
◎ 女とは何か、男とは何かを追究してゆく石坂はどこか人類学に近い
※ 石坂は過激な小説家
□石坂洋次郎
1900年弘前生
弘前中学 - 慶応国文科卒 - 旧制弘前高等女子高に勤務
「青い山脈」1947
「若い人」S33
「麦死なず」S36
「百万人の作家」
1966菊池寛賞受賞
1986伊東市の自宅で没
◇誰もかもわかっていない
1 折口信夫の影
「若い人」
女の支配
選ぶのは女 ― 私生児
フロイスの報告
昭和前期の民俗
◎ 日本の女性は昔から極めて自由であった
◎ 母系制の神話
「感傷的少女小説」の背景に潜むもの
◎ 現代に息づく古代の発想 ← 折口信夫
◎ 仏文から国文への転科
「信夫妻の話」の奥行
しかし触れはしない
◎ 母なるものは父系性の成立とともに・・・
2 無意識にして根底的な左翼批判
優柔不断の意味
一つの社会は見る眼によって男性中心主義のようにも女性中心
主義のようにも見える
自己欺瞞を暴く
「麦死なず」の期せざる射程
弱さ、ひねくれ、開き直り
石坂は戦前から戦後民主主義
3 驚くべき一貫性
ぶれなかったのは男女同権
フェミニストに嫌われるマルクス主義批判
ベストセラーと知識人
小林秀雄の評
「卑屈な無気力な田舎の教員」の底力
<中略>
☆キーワード「家庭訪問」(わたしの教育ノートから)
◇家庭訪問
目的 : 子どもがどういう家庭環境で生活しているかを知る
= 家庭環境チェック
◇家庭訪問
学校での子供の良い働きや学習での頑張りを話す
1 時刻を守る
2 子供を交えての時間を持つ
3 教師は聞き役に回る
4 玄関で
◇家庭訪問グッズ
子どもに調査カード
① あなたの得意なことを教えてください
② 帰ってからどんなことをしていますか
③ 一番の友達はだれですか
④ おうちでしているお手伝いは何ですか
二つのことを聞く
① 望んでいることは何
② 一番力を入れて欲しいことは何
◇八ツ塚実さんの詩
「家庭訪問」
みんなが書いた地図をたよりに
ぼくは一人 テクテク歩く
できるだけ人にたずねないで
一軒一軒さがしあてる
ひどい地図もあって
行ったり来たり
どうしてもわからない家もある
迷路のような山手の坂道
重いカバンを背おって
大きなカバンをさげて
みんなが毎朝あるく道
毎夕たどる道
それと同じ道を ぼくもたどる
一歩一歩 坂道をのぼる
坂道をくだる
こんな遠くから通ってくるのか
この坂道をのぼっているのか
通いなれたみんなの道を
ぼくが今あるいて行く
(後略)
◇絆のないところに教育はない(八ツ塚実さん)
家庭訪問
… 家の人の話を聞きに行く 環境、教育理念
「うちの子暗いでしょう」(父)
30点取ったとき叱りとばした
テストの点数という魔物
家庭訪問の後
→ 個人面談
◎ 親と子供の心がつながっていてくれることが教師としての仕事を
進める上で一番
◎ 大切なこと
「絆なきところに教育なし」
<家庭訪問>
双方に気が重い家庭訪問
家庭訪問を通して見えてくるもの
家庭や親がこんなにも変わってしまったのか
↓
どの家庭も母親がとても強い・エネルギッシュである
◎ エネルギッシュな母親と優しいパパの中で翻弄される子供
自立が最大のテーマ
◇家庭訪問
くれぐれも交通事故に遭わない
親から学ぶ姿勢
根底にある子供を思う姿勢はだれより強い
◇家庭訪問
学校での子供の良い働きや学習での頑張りを話す
1 時刻を守る
2 子供を交えての時間を持つ
3 教師は聞き役に回る
4 玄関で
「石坂洋次郎の逆襲」1回目(前半)の紹介です。
学生の頃よく読んでいた石坂さんの作品。
さわやかな話が多かったような記憶があります。
「変しい変しい」はよく知られていますね。
えっ、折口信夫?宮本常一?
どんなつながりがあるのだろうと読んだ本です。
なお、三浦雅士さんは『ユリイカ』『現代思想』の元編集長とのこと。
出版社の案内には、
「石坂洋次郎は少しも終わっていない、むしろ今こそ話題にされなければな
らない−。折口信夫、宮本常一、エマニュエル・トッドらが浮かび上がら
せる、おもしろくも深い石坂文学の新世界。『東奥日報』連載を加筆し単
行本化」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥
・「石坂洋次郎の作品は70年代、売れ行きが一気に落ちた。忘れられた作
家といえるのかもしれないが、明朗健全に女を主体として描いた」
・「折口信夫の民俗学の影響を受けた石坂は、津軽の女は強くて主体的だが、
じつはその方が人間本来の姿であり、日本古来のものだと考えた。その
上で石坂はユーモアをもって伝えた。女が強いのは日本古来の姿だと考
えていた。石坂洋次郎と宮本常一の類似性」
・「石坂は主体的な女性を追究した果てに、戸籍問題、家族とは何かという
根本的な問題にまで行きついたのである」
・「一つの社会は見る眼によって男性中心主義のようにも女性中心主義のよ
うにも見える」
もう一つ、わたしの教育ノートから「キーワード家庭訪問」を載せます。
家庭訪問を行わない学校が増えてきました。
煩わしさ、時間を合わせる大変さはわかるのですが…
要約を読み直し、家庭訪問のよい面を懐かしく思い出しました。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ①(前半)
◇はじめに
□忘れられた作家 70年代、売れ行きが一気に落ちた
明朗健全
「女を主体として描く」
強い女
① 東北
女なしの生活はあり得なかった
② 慶応で視野を大きく広げた
柳田國男と折口信夫
石坂洋次郎
折口信夫の民俗学
津軽の女は強くて主体的だが、じつはその方が人間本来の姿だ
と考えた
→ 日本古来のもの
- 石坂はユーモアをもって伝えた
◎ 女が強いのは日本古来の姿だと考えていた
家付き娘の婿
- 柳田國男 斎藤茂吉 折口信夫の父
※ 石坂洋次郎と宮本常一の類似性
□半世紀を経た「逆襲」
70年代石坂最後の三作品
「ある告白」
「血液型などこわくない」
「女そして男」
※ 明朗健全な近親相姦
~ 小説としては無類におもしろい
→ 問われているのは近親相姦というより戸籍制度そのもの
◎ 石坂は主体的な女性を追究した果てに、戸籍問題、家族とは何かと
いう根本的な問題にまで行きついたのである
忘れるには惜しい作家、いや忘れてはならない作家
女の強さにおいて東南アジアこそ日本の源流だと考えていたに違いない
石坂の一歳年下に女性文化人類学者マーガレット・ミード
「サモアの青春」1928
◎ 女とは何か、男とは何かを追究してゆく石坂はどこか人類学に近い
※ 石坂は過激な小説家
□石坂洋次郎
1900年弘前生
弘前中学 - 慶応国文科卒 - 旧制弘前高等女子高に勤務
「青い山脈」1947
「若い人」S33
「麦死なず」S36
「百万人の作家」
1966菊池寛賞受賞
1986伊東市の自宅で没
◇誰もかもわかっていない
1 折口信夫の影
「若い人」
女の支配
選ぶのは女 ― 私生児
フロイスの報告
昭和前期の民俗
◎ 日本の女性は昔から極めて自由であった
◎ 母系制の神話
「感傷的少女小説」の背景に潜むもの
◎ 現代に息づく古代の発想 ← 折口信夫
◎ 仏文から国文への転科
「信夫妻の話」の奥行
しかし触れはしない
◎ 母なるものは父系性の成立とともに・・・
2 無意識にして根底的な左翼批判
優柔不断の意味
一つの社会は見る眼によって男性中心主義のようにも女性中心
主義のようにも見える
自己欺瞞を暴く
「麦死なず」の期せざる射程
弱さ、ひねくれ、開き直り
石坂は戦前から戦後民主主義
3 驚くべき一貫性
ぶれなかったのは男女同権
フェミニストに嫌われるマルクス主義批判
ベストセラーと知識人
小林秀雄の評
「卑屈な無気力な田舎の教員」の底力
<中略>
☆キーワード「家庭訪問」(わたしの教育ノートから)
◇家庭訪問
目的 : 子どもがどういう家庭環境で生活しているかを知る
= 家庭環境チェック
◇家庭訪問
学校での子供の良い働きや学習での頑張りを話す
1 時刻を守る
2 子供を交えての時間を持つ
3 教師は聞き役に回る
4 玄関で
◇家庭訪問グッズ
子どもに調査カード
① あなたの得意なことを教えてください
② 帰ってからどんなことをしていますか
③ 一番の友達はだれですか
④ おうちでしているお手伝いは何ですか
二つのことを聞く
① 望んでいることは何
② 一番力を入れて欲しいことは何
◇八ツ塚実さんの詩
「家庭訪問」
みんなが書いた地図をたよりに
ぼくは一人 テクテク歩く
できるだけ人にたずねないで
一軒一軒さがしあてる
ひどい地図もあって
行ったり来たり
どうしてもわからない家もある
迷路のような山手の坂道
重いカバンを背おって
大きなカバンをさげて
みんなが毎朝あるく道
毎夕たどる道
それと同じ道を ぼくもたどる
一歩一歩 坂道をのぼる
坂道をくだる
こんな遠くから通ってくるのか
この坂道をのぼっているのか
通いなれたみんなの道を
ぼくが今あるいて行く
(後略)
◇絆のないところに教育はない(八ツ塚実さん)
家庭訪問
… 家の人の話を聞きに行く 環境、教育理念
「うちの子暗いでしょう」(父)
30点取ったとき叱りとばした
テストの点数という魔物
家庭訪問の後
→ 個人面談
◎ 親と子供の心がつながっていてくれることが教師としての仕事を
進める上で一番
◎ 大切なこと
「絆なきところに教育なし」
<家庭訪問>
双方に気が重い家庭訪問
家庭訪問を通して見えてくるもの
家庭や親がこんなにも変わってしまったのか
↓
どの家庭も母親がとても強い・エネルギッシュである
◎ エネルギッシュな母親と優しいパパの中で翻弄される子供
自立が最大のテーマ
◇家庭訪問
くれぐれも交通事故に遭わない
親から学ぶ姿勢
根底にある子供を思う姿勢はだれより強い
◇家庭訪問
学校での子供の良い働きや学習での頑張りを話す
1 時刻を守る
2 子供を交えての時間を持つ
3 教師は聞き役に回る
4 玄関で