「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ②(後半) /「子どもの民俗学」大藤ゆき 草戸文化 1982年 ②【再掲載 2012.8】 [読書記録 一般]
今回は、11月1日に続いて、三浦雅士さんの
「石坂洋次郎の逆襲」の紹介 2回目(後半)です。
石坂さんと民俗学がつながるようには思いませんでしたが…
出版社の案内には、
「石坂洋次郎は少しも終わっていない、むしろ今こそ話題にされなければな
らない−。折口信夫、宮本常一、エマニュエル・トッドらが浮かび上がら
せる、おもしろくも深い石坂文学の新世界。『東奥日報』連載を加筆し単
行本化」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥
・「民俗学に裏打ちされた石坂の手法」
・「宮本民俗学 ~ 庶民の生活の歴史がなくて何が歴史学というのか!」
・「『エロ話の上手な女の多くが愛夫家であるのもおもしろい。女たちの
エロばなしの明るい世界は女たちが幸福であることを意味している』
宮本常一」
・「白狐が葛の葉姫に化け安倍○○と契りを結び、一子安倍晴明をもう
けたが、正体を知られ古巣に帰った … 葛の葉伝説」
もう一つ、再掲載になりますが、大藤ゆきさんの
「子どもの民俗学」②を載せます。
ここに書かれていることを自分が子どもの頃、よく聞きました。
しかし、この頃では…。
記録することの大切さを強く感じます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ②(後半)
◇民俗学徒・石坂洋次郎
1 宮本常一との共通性
同級生・奥野信太郎の眼
石坂 ~ 純文学かつ大衆文学
柳田國男の弟子 齋藤吉彦
中央アジアにつながる「草を刈る娘」
民俗学に裏打ちされた石坂の手法
あるべき日本文学史においては
宮本常一「土佐源氏」
坂本長利の一人芝居 1967(S42)~
オーラル・ヒストリー = 聞き書き
~ 民俗学の手法
宮本民俗学
~ 庶民の生活の歴史がなくて何が歴史学というのか!
女系制 - 母親の祖母とのつながり
祖母の話の中にこそ
宮本常一 1907(明40)年生 石坂の7つ下
「エロ話の上手な女の多くが愛夫家であるのもおもしろい。女
たちのエロばなしの明るい世界は女たちが幸福であることを
意味している。」
2 俯瞰する眼
「楢山節考」を読んで
石坂洋次郎にあって、深澤七郎にないもの
俯瞰する眼がない深澤
その奥には暗さが潜んでいる
母系制
- 内婚制に結びつくいとこ婚
「ある丘の小さなほこら」
神話空間「無銭旅行の巻」
「日本残酷物語」に先駆ける
3 異族の論理
柳田國男 折口信夫 石坂洋次郎
思想的血脈として
柳田國男、折口信夫から
→ 保守 - 小林秀雄
→ 革新 - 宮本常一 - 谷川健一 網野善彦
折口信夫「古代研究」
折口信夫「信夫墓の話」
白狐が葛の葉姫に化け安倍○○と契りを結び、一子安倍晴
明をもうけたが、正体を知られ古巣に帰った
… 葛の葉伝説
外婚
略奪婚
川端康成の「若い人」評
<大幅略>
◇あとがき
「東奥日報」2017.7.29~2018.5.19
毎週土曜日朝刊文化面 43回連載
◇三浦雅士
1946年生
1970年代「ユリイカ」「現代思想」編集長
1980年代 評論家に転じ、文芸、芸術を中心に活動
1990年代 「ダンスマガジン」編集長
1994年 思想誌「大航海」創刊
☆「子どもの民俗学」大藤ゆき 草戸文化 1982年 ②【再掲載 2012.8】
◇農業・女・子育て(2)
□人の一生のとらえ方
折り目
- 通過儀礼(社会的承認+本人の自覚)
大勢の人々の共力を得ること
共食 … 大勢の人々と同じ食べ物を食べ強い結合
子どもを育てる目標 「一人前の大人になること」15歳
第一期 子どもの時代 ~ 7歳 多くの祝い
第二期 少年少女時代 7~15歳
一人前の準備期 群れの中でもまれる
体の成長の著しい時
第三期 男15歳 一人前
若者組への参加 = 成年式
第四期 成人としての人生の盛りの時代 15~40歳代 青壮年期
結婚して一家を構えて一軒前となり社会人として働く
時期で,結婚という大きな儀礼により完全な社会人とな
る。
第五期 40~50歳代
長老として指導する中年期 長男が15歳くらい=跡継ぎ
第六期 61歳以後 老年期
多くの祝い 還暦・古稀・喜寿・米寿
第七期 死 葬式
厄年
男 2 5 7 13 15 25 42 61 77 88
女 3 7 9 13 19 33 61 77 88
儀礼 - 祝いは子供期と老年期に集中
= 人生の始めと終わりには人手を借りねば生きていけない弱い時期
◇妊娠に伴う儀礼
□身ごもると言うこと
身ごもる「子どもは神からの授かりもの」
神と自然に対して敬虔なおそれと慎みの心
「子どもは授かりもの,男でも女でもいいんだ,七つまでは神の子だからよ」
↑↓
◎ 人間の不遜さ - 「生命でも自由にできる」
不自然な出産は人間のいのちに対する敬虔さを失わせるものに
なっているのではないか?
□水子地蔵の光景
以前にはなかったこと
- 簡単に中絶が行われることは命を粗末にする考えの源
□子授けの願い
子安講 = 安産,子育て,子授け
ホーコーサン(サルボ,くくり人形)-赤布
祈願 + 話し合い 子授けのお守り
子授け祈願の神
氏神,子育て地蔵,子安観音,子授け観音,塩釜様,淡島様,
水天宮、山の神,稲荷,道祖神,鬼子母神,孕石,子持ち石,
子得る岩,子持ち杉
|
◎ 子授けと同時に安産や子育ての神
昔 ~ 「産は棺に片足」
モライゴしてはらむという例も多い
モライゴ…タネゴ セリゴ
実子…エセゴ,イジワルゴ,セラタンゴ
□帯祝い
社会の子ども,帯祝い
- 一人の子どもとしての生存権
= 妊婦の社会的承認
共食(共同飯食)集まった人々の力を朝メルコとができる
オビとウブ
□妊娠・いのちへのおそれ
忌みの生活
ハレの物忌み
ケガレの物忌み
出産 = 危機
~ ◎ 生と死は表裏一体
妊娠の忌み
行動上の禁忌・食事上の禁忌
行動上 神前に出ること,葬式を見ること,火事を見ること
|
◎ 妊娠の精神的な安定を第一
食物の禁忌
塩気,辛いもの,脂っこいものを避ける
- 難産をおそれる
□胎教
帯祝い後胎教を厳しくした
「石坂洋次郎の逆襲」の紹介 2回目(後半)です。
石坂さんと民俗学がつながるようには思いませんでしたが…
出版社の案内には、
「石坂洋次郎は少しも終わっていない、むしろ今こそ話題にされなければな
らない−。折口信夫、宮本常一、エマニュエル・トッドらが浮かび上がら
せる、おもしろくも深い石坂文学の新世界。『東奥日報』連載を加筆し単
行本化」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥
・「民俗学に裏打ちされた石坂の手法」
・「宮本民俗学 ~ 庶民の生活の歴史がなくて何が歴史学というのか!」
・「『エロ話の上手な女の多くが愛夫家であるのもおもしろい。女たちの
エロばなしの明るい世界は女たちが幸福であることを意味している』
宮本常一」
・「白狐が葛の葉姫に化け安倍○○と契りを結び、一子安倍晴明をもう
けたが、正体を知られ古巣に帰った … 葛の葉伝説」
もう一つ、再掲載になりますが、大藤ゆきさんの
「子どもの民俗学」②を載せます。
ここに書かれていることを自分が子どもの頃、よく聞きました。
しかし、この頃では…。
記録することの大切さを強く感じます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ②(後半)
◇民俗学徒・石坂洋次郎
1 宮本常一との共通性
同級生・奥野信太郎の眼
石坂 ~ 純文学かつ大衆文学
柳田國男の弟子 齋藤吉彦
中央アジアにつながる「草を刈る娘」
民俗学に裏打ちされた石坂の手法
あるべき日本文学史においては
宮本常一「土佐源氏」
坂本長利の一人芝居 1967(S42)~
オーラル・ヒストリー = 聞き書き
~ 民俗学の手法
宮本民俗学
~ 庶民の生活の歴史がなくて何が歴史学というのか!
女系制 - 母親の祖母とのつながり
祖母の話の中にこそ
宮本常一 1907(明40)年生 石坂の7つ下
「エロ話の上手な女の多くが愛夫家であるのもおもしろい。女
たちのエロばなしの明るい世界は女たちが幸福であることを
意味している。」
2 俯瞰する眼
「楢山節考」を読んで
石坂洋次郎にあって、深澤七郎にないもの
俯瞰する眼がない深澤
その奥には暗さが潜んでいる
母系制
- 内婚制に結びつくいとこ婚
「ある丘の小さなほこら」
神話空間「無銭旅行の巻」
「日本残酷物語」に先駆ける
3 異族の論理
柳田國男 折口信夫 石坂洋次郎
思想的血脈として
柳田國男、折口信夫から
→ 保守 - 小林秀雄
→ 革新 - 宮本常一 - 谷川健一 網野善彦
折口信夫「古代研究」
折口信夫「信夫墓の話」
白狐が葛の葉姫に化け安倍○○と契りを結び、一子安倍晴
明をもうけたが、正体を知られ古巣に帰った
… 葛の葉伝説
外婚
略奪婚
川端康成の「若い人」評
<大幅略>
◇あとがき
「東奥日報」2017.7.29~2018.5.19
毎週土曜日朝刊文化面 43回連載
◇三浦雅士
1946年生
1970年代「ユリイカ」「現代思想」編集長
1980年代 評論家に転じ、文芸、芸術を中心に活動
1990年代 「ダンスマガジン」編集長
1994年 思想誌「大航海」創刊
☆「子どもの民俗学」大藤ゆき 草戸文化 1982年 ②【再掲載 2012.8】
◇農業・女・子育て(2)
□人の一生のとらえ方
折り目
- 通過儀礼(社会的承認+本人の自覚)
大勢の人々の共力を得ること
共食 … 大勢の人々と同じ食べ物を食べ強い結合
子どもを育てる目標 「一人前の大人になること」15歳
第一期 子どもの時代 ~ 7歳 多くの祝い
第二期 少年少女時代 7~15歳
一人前の準備期 群れの中でもまれる
体の成長の著しい時
第三期 男15歳 一人前
若者組への参加 = 成年式
第四期 成人としての人生の盛りの時代 15~40歳代 青壮年期
結婚して一家を構えて一軒前となり社会人として働く
時期で,結婚という大きな儀礼により完全な社会人とな
る。
第五期 40~50歳代
長老として指導する中年期 長男が15歳くらい=跡継ぎ
第六期 61歳以後 老年期
多くの祝い 還暦・古稀・喜寿・米寿
第七期 死 葬式
厄年
男 2 5 7 13 15 25 42 61 77 88
女 3 7 9 13 19 33 61 77 88
儀礼 - 祝いは子供期と老年期に集中
= 人生の始めと終わりには人手を借りねば生きていけない弱い時期
◇妊娠に伴う儀礼
□身ごもると言うこと
身ごもる「子どもは神からの授かりもの」
神と自然に対して敬虔なおそれと慎みの心
「子どもは授かりもの,男でも女でもいいんだ,七つまでは神の子だからよ」
↑↓
◎ 人間の不遜さ - 「生命でも自由にできる」
不自然な出産は人間のいのちに対する敬虔さを失わせるものに
なっているのではないか?
□水子地蔵の光景
以前にはなかったこと
- 簡単に中絶が行われることは命を粗末にする考えの源
□子授けの願い
子安講 = 安産,子育て,子授け
ホーコーサン(サルボ,くくり人形)-赤布
祈願 + 話し合い 子授けのお守り
子授け祈願の神
氏神,子育て地蔵,子安観音,子授け観音,塩釜様,淡島様,
水天宮、山の神,稲荷,道祖神,鬼子母神,孕石,子持ち石,
子得る岩,子持ち杉
|
◎ 子授けと同時に安産や子育ての神
昔 ~ 「産は棺に片足」
モライゴしてはらむという例も多い
モライゴ…タネゴ セリゴ
実子…エセゴ,イジワルゴ,セラタンゴ
□帯祝い
社会の子ども,帯祝い
- 一人の子どもとしての生存権
= 妊婦の社会的承認
共食(共同飯食)集まった人々の力を朝メルコとができる
オビとウブ
□妊娠・いのちへのおそれ
忌みの生活
ハレの物忌み
ケガレの物忌み
出産 = 危機
~ ◎ 生と死は表裏一体
妊娠の忌み
行動上の禁忌・食事上の禁忌
行動上 神前に出ること,葬式を見ること,火事を見ること
|
◎ 妊娠の精神的な安定を第一
食物の禁忌
塩気,辛いもの,脂っこいものを避ける
- 難産をおそれる
□胎教
帯祝い後胎教を厳しくした