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「子どもたちに伝えたい昔話と絵本」藤本朝巳 平凡社 2015年 ②(後半) /「怒るヒント 善人になるのはおやめなさい」ひろさちや 青春出版社 ④ 2011年【再掲載 2012.5】 [読書記録 教育]

今回は、11月7日に続いて藤本朝巳さんの
「子どもたちに伝えたい昔話と絵本」2回目(後半)の紹介です。




出版社の著者紹介には

「絵本に興味のある学生だけでなく、じっさいに子供に接する親たち、図書
 館司書、読み聞かせグループ、幼稚園や保育の現場の人たちに向けた優し
 い語り口の絵本入門。
 『絵本は、子どもが生まれてはじめて出会う文学であり、芸術である』―
 現実に飛び込むまえに世界を知る入口であるということをスタートに、絵
 本のしくみ、眼で見て、触って、聞いて楽しむというユニークな特徴、そ
 れを活かしたメッセージの理解に力点をおいている。また同時に、絵本は
 『大人が再び出会う文学であり、芸術である』とし、より深く絵本を楽し
 むためのポイントや、絵本作家の創作の秘密にも迫っている。」
 
とあります。


今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「極端性の対比により
   弱く貧しい者が偶然幸せを手に入れる展開が愉快で楽しい。 展開に意
外性、おおらかさがある」


・「昔話の主人公は孤立者である」


・「絵本は子どもが初めて出合う文学であり芸術である」


・「物語を意識的にリズムにのせ、七五調で物語を語ること」




もう一つ、再掲載になりますが、ひろさちやさんの
「怒るヒント 善人になるのはおやめなさい」④を載せます。

- 放っておくと善人になりたがる悪癖

気をつけます。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。







☆「子どもたちに伝えたい昔話と絵本」藤本朝巳 平凡社 2015年 ②(後半)

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◇昔話の主人公はなぜ成功するのか

  「鬼のお面をかぶった娘」に見る子どもの育つプロセス

  発端句

  欠乏

  出発
    外的な要因で送り出されることが多い
    山 = 危険な場所 

  課題

  試練

  状況の一致  語りの様式

  条件の一致

  不在時の悪事

  秘密の漏洩

  悪事(いたずら)

  色 
    赤-原色

  極端性の対比
    にこにこ←→こわい

  試練
    耐えること

  課題の達成

  帰還の途中

  山 - 峠

  状況の一致
    覚えたことが役に立つ

  試練

  条件の一致
    色 - 赤 原色

  逃走
    小道具 生木とお面が娘を救う
強い者と弱い者の逆転

  色
    黄金色

  帰還

  結末句

  欠乏の解消

  極端性の対比
     ~ 弱く貧しい者が偶然幸せを手に入れる展開が愉快で楽しい
     ~ 展開性の意外性 おおらか
 
 昔話の主人公はなぜ成功するのか?
  マックス・リュティ(スイス)
   「昔話の主人公は孤立者である」
劣っている子、末っ子、障害児、怠け者

<最後部優先>
◎ メルヘンの主人公は孤立している
  「孤立者であるゆえに、いろいろな関係を結ぶ能力がある」
◎ 孤立
         → 他の組織や力とつながる可能性

  <弱い者が苦労していても励んでいればいつかは良い方向へ導かれる>
昔話を通して人生の暗い面、恐ろしい面を子どもに見せた



◇ロシアの昔話絵本「おだんごぱん」

 「おだんごぱん」の語りと文体

 <絵本は子どもが初めて出合う文学であり芸術である>
 
  丸谷才一
    子どもに伝える文
生きのいい、生気に満ちた文章でなければならない
  
  訳者 瀬田貞二
      「七五調で物語を語ること」

◎ 物語を意識的にリズムにのせる
「四四調」リズム

  昔話の語りと音

  イラストレーション 脇田和



◇ロシアの昔話絵本(2)「てぶくろ」の秘密

  話の仕掛け
    不安 → 安定

  工夫された語りのバラエティ

  工夫されたイラストレーション
         ラチョフ

  ~P162まで







☆「怒るヒント 善人になるのはおやめなさい」ひろさちや 青春出版社 ④ 2011年【再掲載 2012.5】

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◇仏教、キリスト教、イスラム教は「怒り」をこう扱った(後半)
  イスラム教の「怒る権利」

  イスラム教徒 
    「イン・シャー・アッラー」
神の思し召しがあれば



  「インシャラー」に見るイスラムの智慧
     ◎ インドネシアでは3日遅れても「インシャラー」なのに、日
      本では3秒遅れただけで殺されてしまった(校門圧死事件)
     
     ※ どうして遅刻したのかは分からない



  野蛮は本当か?同害報復の本質
   イスラム教
      「神に対する罪」(ハック・アラー)と「人に対する罪」(ハック・アーダミー)
    原則 
       「目には目を歯には歯を」= 同害報復

  ※ イスラム教においては、同害報復の原則を認めながら、その原則は
   なるべく使うなと言うアドバイスもコーランに記されている。所謂
   「血の代償(キサース)」と呼ばれている損害賠償のことで金や家畜に
   して済ませるというわけです。



  なぜコーランはここまで細かく刑を決めたのか?
   ◎ 神への罪(ハックアラー)に対してはコーランがその罰を規定して
    いる
  (例)
    窃盗 … 初犯-右手 再犯-左足 三犯-右手 四犯-右足
 強盗 … 石打の刑
姦通 … 石打の刑 4人以上の証人が必要
飲酒 … むち打ち 自由人100回 奴隷50回

  ◎「ハック・アラー」の中に殺人が入っていない
   →  基本的に怒るのは神



  仏教の「見過ごし」は貸し借りではない
   ◎「他人の過去を見てはいけない。他人がしたことしなかったことを
     見てはいけない。ただ自分がしたことしなかったことを見てそれ
     が正しかったか正しくなかったかをよく反省しなさい」

  

  怒りの火が消えていく「あきらめない」のヒント
   安田理深(1900~1982) 浄土真宗の学者
  「成り行きだなあ」
     -あきらめ



  仏像はなぜ「薄目」なのか
   明 - 窓の意味
   「窓から差し込んでくる月明かり」の意味

◎ 人の欠点を見ることなく薄らぼんやり見る

    17世紀英国聖職者 トーマス・フラー
   「結婚前には両目を大きく開いてみよ。結婚してからは片目を閉じよ」



  唯一カッと目を見開いているのが不動菩薩(お不動さん)
  お不動さんは警察官の役割



  「善人」なんてちっとも褒められたことじゃない
   ひろ
    「善人というのは相手を悪人にすることによって自分が善人になれ
     る。そういう人間だから」

   悪人は「縁が悪かった」と認められる



  放っておくと善人になりたがる悪癖
  ◎ 善人は自分がいいことをしていると思い込んでいるから自分とは
    考えや立場が違う人を悪人だと決めつけてしまう

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