「子どもと読みたい科学の本棚」藤嶋昭・菱沼光代 東京書籍 2013年 /「夢を現実に-子供、保護者が進学したい学校とはどのような学校でしょうか?-」原田隆史(大阪市立松虫中学校・生徒指導主事=当時) 『少年育成』2002.12月号【再掲載 2012.7】 [読書記録 教育]
今回は、藤嶋昭さん、菱沼光代さんの
「子どもと読みたい科学の本棚」を紹介します。
出版社の著者紹介には
「東京理科大学学長・藤嶋昭先生が、読書体験を踏まえながら紹介する、これ
だけは読んでおきたい科学の読書案内。名作絵本から最近話題の新書まで、
いろいろなジャンルから科学の面白い本150冊を紹介します。幼少期からの
読書体験の充実によって、理科嫌いや、理科離れも解決。大人が読んでも楽
しい本ばかりです。」
とあります。
要約というよりも、いずれ読みたいと記録したものです。
いくつかすでに読んだ本もありました。
池田潔さんの「自由と規律」のタイトルを見て、科学の本ではないのですが、
初めて読んだときに感激したことを思い出しました。
もう一つ、再掲載になりますが、月刊『少年育成』誌(2002年12月号)より
原田隆史さんの「夢を現実に」を載せます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「子どもと読みたい科学の本棚」藤嶋昭・菱沼光代 東京書籍 2013年
◇科学に触れる本棚
「どうぶつがすき」パトリック・マクドネル あすなろ書房 2011
「もりのなか」「またもりへ」マリー・ホール・エッツ 福音館書店 1963 1964
「しずくのぼうけん」マリア・テルリコフスカ 福音館書店 1969
「はじめてであう すうがくの絵本1」安野光雄 福音館書店 1982
「じめんのうえとじめんのした」アーマ・E・ウェバー 福音館書店 1968
「やあ出会えたねダンゴムシ」今森光彦 アリス館 2002
「よあけ」ユリー・シュルヴィッツ 福音館書店 1977
「さくら」長谷川摂子 福音館書店 2005
「むくどりのゆめ」浜田廣介 金の星社 2005
「森と虫たちの1年」海野和男 岩崎書店 1987
「落ち葉」平山和子 福音館書店 2001
「エリセラさんご」水木桂子 朔北社 2000
「みんなうんち」五味太郎 福音館書店 1977
「ひとまねこざるびょういんへいく」マーガレット・レイ 岩波書店 1968
「かみであそぼう」小林実 ほるぷ出版 1985
「しょうぼうじどうしゃじぷた」渡邉茂男 福音館書店 1963
「本のれきし5000年」辻村益朗 福音館書店 1989
「雪の写真家ベントレー」ジャクリーン・ブリッグス・マーティン BL出版 1999
「せいめいのれきし」バージニア・リー・バートン 岩波書店 1964
「生命の樹」ピーター・シス 徳間書店 2005
「いきているひかり」モリー・バング&ベニー・チサム 評論社 2012
「わたしのひかり」モリー・バング 評論社 2011
「輝くなぞ」田中章 結城千代子 2012
「視覚ミステリー絵本」ウォルター・ウィック あすなろ書房 1999
「道具と機械の本」デービッド・マコーレイ 岩波書店 2011
「星座を見つけよう」H.A.レイ 福音館書店 1969
「星の使者ガリレオ・ガリレイ」ピーター・シス 徳間書店 1997
「天動説の絵本」安野光雄 福音館書店 1979
◇科学を感じる本棚
「世界のたね」アイリッコ・ニュート NHK出版 1999
「ホーキング博士のスペース・アドベンチャー」岩崎書店 2008~2011
「目で見る数学」ジュニー・ホール さ・え・ら書房 2006
「目で見る科学」ロバート・ウィンストン さ・え・ら書房 2008
「家って何だろう」益子義弘 インデックスコミュニケーションズ 2004
「ファーブル昆虫記(全八巻)」ジャン・アンリ・ファーブル 集英社 2005
「木を植えた男」ジャン・ジオノ あすなろ書房 1989
「葉っぱのフレディ」レオ・バスカリーナ 童話屋 1998
「ファラデー ろうそく物語」マイケル・ファラデー 法政大学出版局 1974
「空気の発見」三宅泰雄 角川ソフィア文庫 1962
「素数ゼミの謎」吉村仁 文藝春秋 2005
「天と地 ヘブン&アース」アマンダ・レンショーほか ファイドン 2005
「世界一空が美しい大陸 南極の図鑑」武田康男 草思社 2010
「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン 新潮社 1996
「大いなる旅路」星野道夫 PHP研究所 2002
「ソフィーの世界」ヨースタイン・ゴルデル NHK出版 1995
「世界がもし100人の村だったら」池田香代子 マガジンハウス 2001
◇藤嶋昭の書斎から
「父が子に語る世界歴史(全八巻)」シャワーハルラール・ネルー みすず書房 2002
「人生に二度読む本」城山三郎 平岩外四 講談社文庫 2010
「無人島に生きる十六人」須川邦彦 新潮文庫2003
「自由と規律」池田潔 岩波書店 1949
「生物と無生物のあいだ」福岡伸一 講談社現代新書 2007
「がん遺伝子の発見」黒木登志夫 中公新書 1996
「柿の種」寺田寅彦 岩波文庫 1996
「新書がベスト10冊で思考が100冊で生き方が変わる」小飼弾 ベスト新書 2010
◇加古里子(かこさとし)さんの本
<以下略>
☆「夢を現実に-子供、保護者が進学したい学校とはどのような学校でしょうか?-」原田隆史(大阪市立松虫中学校・生徒指導主事=当時) 『少年育成』2002.12月号【再掲載 2012.7】
◇赴任当時の状況
松虫中学校は大阪市の中心部、阿倍野区と西成区に位置しています。校区内
には不況の影響をまともに受ける地域があります。裏屏の向こうにはホームレ
スの方たちのテントが30張。毎日の生活がままならぬ人々を感じながら生徒
は逞しく、元気に生き抜いています。
今から7年前に松虫中学校に赴任しました。当時は多くの指導上の問題を抱
えていました。これからの教育の方向性を定めるため校区を回り情報を集め、
状況を分析しました。
無いものが3つ。
① 夢
② リーダー
③ 誇り
が足りませんでした。
早速に生徒会を招集し
「今日から全力を上げて頑張ろう。日本一の学校にするぞ」
と呼びかけました。
生徒の反応は冷たく
「先生無理。そんなんできるわけない」
と自分自身の可能力を億じず完全に自己完結していました。
◇人材確保
校区内の小学校からは、私立中学校へ進学する者も多く、勉強、リーダー性、
スポーツの3拍子揃った子供たちも私学へ流失していました。
人材教育といいますが、当時の本校の状態やこれからの少子化を見据えて考
えると、人材確保が必要になります。公立中学校でも学校経営という切り口で、
教育する人材をまず確保しなければなりません。
そのためには学校や先生が自らの活動の成果を発信し、地域からの支持を得、
地域内の人材を確保するために夢とビジョンを語らなければなりません(校区
内での青少年健全育成活動の一環として、陸上スポーツクラブを立ち上げまし
た。
小学校1年生から6年生までの80名近くが在籍し、保護者会組識が週に1
度、スポーツを通して児童の健全育成活動を実賎しています。本校を会楊に活
動する際には、中学生がマンツーマンで指導にあたり、指導を通じて自己を向
上させる機会を与えています。
また保護者とのネットワークを構築することで、問題を未然に防いだり、保
護者の教育への積極的参加を啓発しています。
◇夢の学校とは
子供、保護者が進学したい学校とはどのような学校でしょうか?
学校秩序が保たれ、安全で充実した学校生活が保証されなければなりません。
その中で活動する先生と生徒に共通の夢があり、その夢が保護者、地域にも共
感を呼べば最高でしょう。みんなが生き生きと一生懸命に夢実現に向かって頑
張る。そんな学校であればだれもがこぞって進学するでしょう。
私の教師としての「夢」も、このような学校を作ることでした。
生徒、教師、保護者(地域)が一体となり夢中になり追いかけるもの。自分
の、学校の地域の誇りとなり得るもの。そのようなものが是非とも欲しかった
のです。
◇目標をかかげる
神戸事件や黒磯の女教師刺殺事件を契機として、現場の中学校数育の中で、
「生きる力」を身につけさせることが急務になりました。
「生きる力」とは
① 自分で目標を立て、達成のための方法を考えやり切る力
② 礼儀作法、基本的生活習慣の指導に始まる倫理、道徳の向上
③ 健康と体力の向上をはかるカととらえています。
松虫の生徒、保護者、地域、教師である私自身の「生きるカ」を急速に高め
なければなりません。
このことを見ていくと、私が日々指等している陸上競技部指導はまさに「生
きる力」を高めるためには最適の方法でした。「生きる力」を身につけ、自ら
自分の人生を切り開く勇気と実行力を持った人。それを自立型人間と名付け教
育の目標としました。
陸上競技日本一と自立型人間になることを「夢」に全能カを注ぎ込み、誇り
ある生徒にするため「育てに育てる」決心を固めスタートしました。
前任校でも全国大会への出場と下位入賞の経験はありました。しかし、日本
一はそう簡単には行きません。「どうすれば確実に日本一にできるのだろうか。
強くする方法はないのだろうか」思案の末結論を得ました。
スポーツの世界で夢のような成績を残した人=オリンピックの金メダリスト
を分析し、真似ることにしました。
驚いたことに一流選手は技ではなく「心」を一番大切にしていました。夢を
現実にするためにメンタルトレーニングを実施し、心を作っていたのです。そ
して中学生の夢を実現させるコツを3つつかみました。それは
① 心作り指導
② 目標設定
③ 態度教育
です。
◇中学生の心理と心作り
現在の中学生は ①まじめを恥ずかしがる ②みずから自己完結する ③努
力、向上、勤勉志向の減少 ④物事をやり遂げた後に得られる、充実感、満足
感、達成感の経験がなく心が定まっていない状態です。
それらを考慮し、心作り指導と態度教育を始めに行いました。指導する側の
真剣な教えを生徒が全力で受け止め、日々確実に成長させるためには話を真剣
に聞く態度が大切です。
いくらいい話、新しいノ ウハウを伝授しようとしても、受ける個に受け止
める態度・準備がなければ水の泡と消え去ります。
例えて言うならば心のコップが上向きになっていなければ、教えを注げない
のです。心のコップが下向きならば注ぐこともできないのです。
心を上向きにする為に
① くつを揃える
② イスを入れる
③ カバンを立てる
④ 短く、元気のよい、弾んだハイという返事
⑤ 挨拶を人より早くする(気づき能力の向上)
⑥ 背筋をピンと伸ばした姿勢
の6点を指導しました。
心作り指導としては
① 心を強くすろ指導→困難で達成しにくい課題への挑戦ではなくそれぞれ
が今の力でできる事の継続(毎日の手伝い、くつを揃える等の継続を指導)
② 心を使う指導→目標を事前に立てさせ、その達成のための具体的方策、
問題点、解決策等を考えて書かせることを習慣化させる。すなわち目標設
定を技術として指導する(考え、思考=文章ととらえ、文字で表すことで
心を使わせ、目標達成のイメージを作る)
③ 心を整理する指導→子供たちは過去の自分の犯した失敗に捕らわれ、い
つまでも後悔し心を解放できていません。また、未来の自分ではどうする
こともできない不安に悩んでいるという姿が見えてきます。そこで大切な
事は心を整理しなければなりません。すなわち過去の後悔と未来の不安か
ら解放するために「できること」と「できないこと」を仕分けるテクニッ
クを指導します。具体的には毎日、日誌を書かせます。その日誌を翌日に
碇出させ、チェックし、心の整理の仕方を指導します
④ 心をきれいにする指導→目標を手にいれた瞬間にまず第一に心に浮かぶ
のが感謝の気持ちです。自分だけのカで勝った、などという傲慢で利己的
な発想では意味がありません。「ありがとうございます」「おかげさまで
す」の心が育っていかなければならないのです。感謝の心を育てるために
は清掃活動と奉仕活動を実践させます。
◇長期目標設定(資料-1)
資料-1は本校の長期目標設定用紙です。女子副部長のMさんが昨年度の
ジュニアオリンピックに向けて、大会5ケ月前に作成した実際の用紙です。
夢を目標に設定し直し、心を使い達成の為の技術を駆使し実行した結果、女子
円盤投げで見事日本第5位を手に入れました(またこの大会に参加した男子選
手2名も同様の手法を駆使し、砲丸投げで、優勝、日本第7位と大活躍しま
した。Mさんと合わせて出場3選手が全員優勝を含む入賞というまれに見る
快挙を達成し、夢を実現しました)。
設定のポイントは
① 3段階で目標を設定
② 達成の為の奉仕活動を設ける(道徳目標と呼ばれる)
③「心、技、体、生活、健康」について自己の最高と最低を把握しておく
(自分自身の幅のことをゾーンと呼ぶ)
④ 問題点の発掘と解決策の決定
⑤ 期限を決める
⑥ 優先順位(やりやすいことから始める)
⑦ 宣言する
(コミットと呼ぶ。人前で目標を発表することによりやる気を高める)
⑧ セルフトーク (自分を励ます)
⑨ ルーティン(本番で実力を発揮する為に自分なりのパターンを決めてお
く)
⑩ 書いて張る(毎日繰り返し見ることにより潜在意識に働きかけイメージ
を強化し、やる気を高める)。
◇まとめ
以上の指導原則に従い、夢を追いかけた結果
① 日本一を13回
② 大阪では男子が12連続総合優勝
③ 中学日本新記録や中学日本最高記録を樹立する
ことができました。
地元の百貨店の側面には「祝儀勝・日本一V13・松虫中学校」の横断幕が輝
いています。全国大会へ参加するたびに保護者会がバザーを開催し援助をいた
だいています。優勝者は市の教育長や区長からの表彰を受け、マスコミにも取
り上げられ、地元では子供たちの憧れの存在になりました。子供たちは3年間
の活動から自信と誇りを養い、学校や地域をリードするリーダーに育っていま
す。
地域からも「今の松虫中学校は落ち着いている。安心して子供を送れる」と
評価をいただいています。夢・誇り・リーダーが揃った時、目の前には私の
「夢の学校」がありました。
これまで共に歩んでこれた同志職員、保護者、生徒達に感謝しています。
ありがとうございました。
「子どもと読みたい科学の本棚」を紹介します。
出版社の著者紹介には
「東京理科大学学長・藤嶋昭先生が、読書体験を踏まえながら紹介する、これ
だけは読んでおきたい科学の読書案内。名作絵本から最近話題の新書まで、
いろいろなジャンルから科学の面白い本150冊を紹介します。幼少期からの
読書体験の充実によって、理科嫌いや、理科離れも解決。大人が読んでも楽
しい本ばかりです。」
とあります。
要約というよりも、いずれ読みたいと記録したものです。
いくつかすでに読んだ本もありました。
池田潔さんの「自由と規律」のタイトルを見て、科学の本ではないのですが、
初めて読んだときに感激したことを思い出しました。
もう一つ、再掲載になりますが、月刊『少年育成』誌(2002年12月号)より
原田隆史さんの「夢を現実に」を載せます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「子どもと読みたい科学の本棚」藤嶋昭・菱沼光代 東京書籍 2013年
◇科学に触れる本棚
「どうぶつがすき」パトリック・マクドネル あすなろ書房 2011
「もりのなか」「またもりへ」マリー・ホール・エッツ 福音館書店 1963 1964
「しずくのぼうけん」マリア・テルリコフスカ 福音館書店 1969
「はじめてであう すうがくの絵本1」安野光雄 福音館書店 1982
「じめんのうえとじめんのした」アーマ・E・ウェバー 福音館書店 1968
「やあ出会えたねダンゴムシ」今森光彦 アリス館 2002
「よあけ」ユリー・シュルヴィッツ 福音館書店 1977
「さくら」長谷川摂子 福音館書店 2005
「むくどりのゆめ」浜田廣介 金の星社 2005
「森と虫たちの1年」海野和男 岩崎書店 1987
「落ち葉」平山和子 福音館書店 2001
「エリセラさんご」水木桂子 朔北社 2000
「みんなうんち」五味太郎 福音館書店 1977
「ひとまねこざるびょういんへいく」マーガレット・レイ 岩波書店 1968
「かみであそぼう」小林実 ほるぷ出版 1985
「しょうぼうじどうしゃじぷた」渡邉茂男 福音館書店 1963
「本のれきし5000年」辻村益朗 福音館書店 1989
「雪の写真家ベントレー」ジャクリーン・ブリッグス・マーティン BL出版 1999
「せいめいのれきし」バージニア・リー・バートン 岩波書店 1964
「生命の樹」ピーター・シス 徳間書店 2005
「いきているひかり」モリー・バング&ベニー・チサム 評論社 2012
「わたしのひかり」モリー・バング 評論社 2011
「輝くなぞ」田中章 結城千代子 2012
「視覚ミステリー絵本」ウォルター・ウィック あすなろ書房 1999
「道具と機械の本」デービッド・マコーレイ 岩波書店 2011
「星座を見つけよう」H.A.レイ 福音館書店 1969
「星の使者ガリレオ・ガリレイ」ピーター・シス 徳間書店 1997
「天動説の絵本」安野光雄 福音館書店 1979
◇科学を感じる本棚
「世界のたね」アイリッコ・ニュート NHK出版 1999
「ホーキング博士のスペース・アドベンチャー」岩崎書店 2008~2011
「目で見る数学」ジュニー・ホール さ・え・ら書房 2006
「目で見る科学」ロバート・ウィンストン さ・え・ら書房 2008
「家って何だろう」益子義弘 インデックスコミュニケーションズ 2004
「ファーブル昆虫記(全八巻)」ジャン・アンリ・ファーブル 集英社 2005
「木を植えた男」ジャン・ジオノ あすなろ書房 1989
「葉っぱのフレディ」レオ・バスカリーナ 童話屋 1998
「ファラデー ろうそく物語」マイケル・ファラデー 法政大学出版局 1974
「空気の発見」三宅泰雄 角川ソフィア文庫 1962
「素数ゼミの謎」吉村仁 文藝春秋 2005
「天と地 ヘブン&アース」アマンダ・レンショーほか ファイドン 2005
「世界一空が美しい大陸 南極の図鑑」武田康男 草思社 2010
「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン 新潮社 1996
「大いなる旅路」星野道夫 PHP研究所 2002
「ソフィーの世界」ヨースタイン・ゴルデル NHK出版 1995
「世界がもし100人の村だったら」池田香代子 マガジンハウス 2001
◇藤嶋昭の書斎から
「父が子に語る世界歴史(全八巻)」シャワーハルラール・ネルー みすず書房 2002
「人生に二度読む本」城山三郎 平岩外四 講談社文庫 2010
「無人島に生きる十六人」須川邦彦 新潮文庫2003
「自由と規律」池田潔 岩波書店 1949
「生物と無生物のあいだ」福岡伸一 講談社現代新書 2007
「がん遺伝子の発見」黒木登志夫 中公新書 1996
「柿の種」寺田寅彦 岩波文庫 1996
「新書がベスト10冊で思考が100冊で生き方が変わる」小飼弾 ベスト新書 2010
◇加古里子(かこさとし)さんの本
<以下略>
☆「夢を現実に-子供、保護者が進学したい学校とはどのような学校でしょうか?-」原田隆史(大阪市立松虫中学校・生徒指導主事=当時) 『少年育成』2002.12月号【再掲載 2012.7】
◇赴任当時の状況
松虫中学校は大阪市の中心部、阿倍野区と西成区に位置しています。校区内
には不況の影響をまともに受ける地域があります。裏屏の向こうにはホームレ
スの方たちのテントが30張。毎日の生活がままならぬ人々を感じながら生徒
は逞しく、元気に生き抜いています。
今から7年前に松虫中学校に赴任しました。当時は多くの指導上の問題を抱
えていました。これからの教育の方向性を定めるため校区を回り情報を集め、
状況を分析しました。
無いものが3つ。
① 夢
② リーダー
③ 誇り
が足りませんでした。
早速に生徒会を招集し
「今日から全力を上げて頑張ろう。日本一の学校にするぞ」
と呼びかけました。
生徒の反応は冷たく
「先生無理。そんなんできるわけない」
と自分自身の可能力を億じず完全に自己完結していました。
◇人材確保
校区内の小学校からは、私立中学校へ進学する者も多く、勉強、リーダー性、
スポーツの3拍子揃った子供たちも私学へ流失していました。
人材教育といいますが、当時の本校の状態やこれからの少子化を見据えて考
えると、人材確保が必要になります。公立中学校でも学校経営という切り口で、
教育する人材をまず確保しなければなりません。
そのためには学校や先生が自らの活動の成果を発信し、地域からの支持を得、
地域内の人材を確保するために夢とビジョンを語らなければなりません(校区
内での青少年健全育成活動の一環として、陸上スポーツクラブを立ち上げまし
た。
小学校1年生から6年生までの80名近くが在籍し、保護者会組識が週に1
度、スポーツを通して児童の健全育成活動を実賎しています。本校を会楊に活
動する際には、中学生がマンツーマンで指導にあたり、指導を通じて自己を向
上させる機会を与えています。
また保護者とのネットワークを構築することで、問題を未然に防いだり、保
護者の教育への積極的参加を啓発しています。
◇夢の学校とは
子供、保護者が進学したい学校とはどのような学校でしょうか?
学校秩序が保たれ、安全で充実した学校生活が保証されなければなりません。
その中で活動する先生と生徒に共通の夢があり、その夢が保護者、地域にも共
感を呼べば最高でしょう。みんなが生き生きと一生懸命に夢実現に向かって頑
張る。そんな学校であればだれもがこぞって進学するでしょう。
私の教師としての「夢」も、このような学校を作ることでした。
生徒、教師、保護者(地域)が一体となり夢中になり追いかけるもの。自分
の、学校の地域の誇りとなり得るもの。そのようなものが是非とも欲しかった
のです。
◇目標をかかげる
神戸事件や黒磯の女教師刺殺事件を契機として、現場の中学校数育の中で、
「生きる力」を身につけさせることが急務になりました。
「生きる力」とは
① 自分で目標を立て、達成のための方法を考えやり切る力
② 礼儀作法、基本的生活習慣の指導に始まる倫理、道徳の向上
③ 健康と体力の向上をはかるカととらえています。
松虫の生徒、保護者、地域、教師である私自身の「生きるカ」を急速に高め
なければなりません。
このことを見ていくと、私が日々指等している陸上競技部指導はまさに「生
きる力」を高めるためには最適の方法でした。「生きる力」を身につけ、自ら
自分の人生を切り開く勇気と実行力を持った人。それを自立型人間と名付け教
育の目標としました。
陸上競技日本一と自立型人間になることを「夢」に全能カを注ぎ込み、誇り
ある生徒にするため「育てに育てる」決心を固めスタートしました。
前任校でも全国大会への出場と下位入賞の経験はありました。しかし、日本
一はそう簡単には行きません。「どうすれば確実に日本一にできるのだろうか。
強くする方法はないのだろうか」思案の末結論を得ました。
スポーツの世界で夢のような成績を残した人=オリンピックの金メダリスト
を分析し、真似ることにしました。
驚いたことに一流選手は技ではなく「心」を一番大切にしていました。夢を
現実にするためにメンタルトレーニングを実施し、心を作っていたのです。そ
して中学生の夢を実現させるコツを3つつかみました。それは
① 心作り指導
② 目標設定
③ 態度教育
です。
◇中学生の心理と心作り
現在の中学生は ①まじめを恥ずかしがる ②みずから自己完結する ③努
力、向上、勤勉志向の減少 ④物事をやり遂げた後に得られる、充実感、満足
感、達成感の経験がなく心が定まっていない状態です。
それらを考慮し、心作り指導と態度教育を始めに行いました。指導する側の
真剣な教えを生徒が全力で受け止め、日々確実に成長させるためには話を真剣
に聞く態度が大切です。
いくらいい話、新しいノ ウハウを伝授しようとしても、受ける個に受け止
める態度・準備がなければ水の泡と消え去ります。
例えて言うならば心のコップが上向きになっていなければ、教えを注げない
のです。心のコップが下向きならば注ぐこともできないのです。
心を上向きにする為に
① くつを揃える
② イスを入れる
③ カバンを立てる
④ 短く、元気のよい、弾んだハイという返事
⑤ 挨拶を人より早くする(気づき能力の向上)
⑥ 背筋をピンと伸ばした姿勢
の6点を指導しました。
心作り指導としては
① 心を強くすろ指導→困難で達成しにくい課題への挑戦ではなくそれぞれ
が今の力でできる事の継続(毎日の手伝い、くつを揃える等の継続を指導)
② 心を使う指導→目標を事前に立てさせ、その達成のための具体的方策、
問題点、解決策等を考えて書かせることを習慣化させる。すなわち目標設
定を技術として指導する(考え、思考=文章ととらえ、文字で表すことで
心を使わせ、目標達成のイメージを作る)
③ 心を整理する指導→子供たちは過去の自分の犯した失敗に捕らわれ、い
つまでも後悔し心を解放できていません。また、未来の自分ではどうする
こともできない不安に悩んでいるという姿が見えてきます。そこで大切な
事は心を整理しなければなりません。すなわち過去の後悔と未来の不安か
ら解放するために「できること」と「できないこと」を仕分けるテクニッ
クを指導します。具体的には毎日、日誌を書かせます。その日誌を翌日に
碇出させ、チェックし、心の整理の仕方を指導します
④ 心をきれいにする指導→目標を手にいれた瞬間にまず第一に心に浮かぶ
のが感謝の気持ちです。自分だけのカで勝った、などという傲慢で利己的
な発想では意味がありません。「ありがとうございます」「おかげさまで
す」の心が育っていかなければならないのです。感謝の心を育てるために
は清掃活動と奉仕活動を実践させます。
◇長期目標設定(資料-1)
資料-1は本校の長期目標設定用紙です。女子副部長のMさんが昨年度の
ジュニアオリンピックに向けて、大会5ケ月前に作成した実際の用紙です。
夢を目標に設定し直し、心を使い達成の為の技術を駆使し実行した結果、女子
円盤投げで見事日本第5位を手に入れました(またこの大会に参加した男子選
手2名も同様の手法を駆使し、砲丸投げで、優勝、日本第7位と大活躍しま
した。Mさんと合わせて出場3選手が全員優勝を含む入賞というまれに見る
快挙を達成し、夢を実現しました)。
設定のポイントは
① 3段階で目標を設定
② 達成の為の奉仕活動を設ける(道徳目標と呼ばれる)
③「心、技、体、生活、健康」について自己の最高と最低を把握しておく
(自分自身の幅のことをゾーンと呼ぶ)
④ 問題点の発掘と解決策の決定
⑤ 期限を決める
⑥ 優先順位(やりやすいことから始める)
⑦ 宣言する
(コミットと呼ぶ。人前で目標を発表することによりやる気を高める)
⑧ セルフトーク (自分を励ます)
⑨ ルーティン(本番で実力を発揮する為に自分なりのパターンを決めてお
く)
⑩ 書いて張る(毎日繰り返し見ることにより潜在意識に働きかけイメージ
を強化し、やる気を高める)。
◇まとめ
以上の指導原則に従い、夢を追いかけた結果
① 日本一を13回
② 大阪では男子が12連続総合優勝
③ 中学日本新記録や中学日本最高記録を樹立する
ことができました。
地元の百貨店の側面には「祝儀勝・日本一V13・松虫中学校」の横断幕が輝
いています。全国大会へ参加するたびに保護者会がバザーを開催し援助をいた
だいています。優勝者は市の教育長や区長からの表彰を受け、マスコミにも取
り上げられ、地元では子供たちの憧れの存在になりました。子供たちは3年間
の活動から自信と誇りを養い、学校や地域をリードするリーダーに育っていま
す。
地域からも「今の松虫中学校は落ち着いている。安心して子供を送れる」と
評価をいただいています。夢・誇り・リーダーが揃った時、目の前には私の
「夢の学校」がありました。
これまで共に歩んでこれた同志職員、保護者、生徒達に感謝しています。
ありがとうございました。