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「激安食品の落とし穴」山本謙治 KADOKAWA 2015年(前半) /「子供問題の核心を考える(上)」 富田和巳 月刊『少年育成』2006年4月号 ① [読書記録 一般]

今回は、山本謙治さんの
「激安食品の落とし穴」の紹介 1回目(前半)です。

浜松市を中心に展開している「知久屋」さん。
昼時に行くと大変混雑しています。


出版社の案内には、


「298円の弁当、3パック57円の納豆……。なぜ、安い価格で食べ物が提供
できるのか? そこには、第一次産業からの買いたたき、水増し、添加物によ
る代替など、日本の食文化を脅かす「罠」が隠されていた――。」


とあります。





本日紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「大きな変化は、1次産業の疲弊崩壊とその状況を作った消費者、スーパー
や外食産業による価格支配」


・「『安くてうまいもの』のカラクリは、材料の原価を下げている、人をいじ
めている(=人件費) かウソをついている(=偽装) 」


・「価格は文化ともいえる。安すぎる価格は国のためにはならない。だから適
  正価格で購入すべき」








<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

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☆「激安食品の落とし穴」山本謙治 KADOKAWA 2015年(前半)

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◇はじめに

 「安い食品を求めすぎると、回り回って消費者にとって不利益なことが生じ
  ることもある」
  
  安い理由 と ある種の欠落 
 

  無自覚に食べ物を破壊してしまう消費者たち
   大きな変化 
     1 1次産業の疲弊・崩壊

  2 上の状況を作ったのは消費者

  3 スーパー・外食産業が価格を支配
 

  食べ物の本来的な価値を見失った現在
 

  社会全体を安値で覆う必要はない
    「安くてうまいもの」のカラクリ
       ・ 材料の原価を下げる 
       ・ 人をいじめる(=人件費)
       ・ ウソをつく(=偽装)  


  激安餃子は決して安くない
  大豆たんぱくで代用(豚肉)
      - 植物性たんぱく 
      ~ 値段相応


  価格は文化 
    安すぎる価格は国のためにはならない
 適正価格で購入すべき




◇弁当-298円激安価格の謎

  安すぎる弁当商品は消費者に食べ物は安いんだと誤解させる元凶だ


  格安原料の現状
  低品質米に炊飯改良剤  
    メイン具材
     - 輸入食材
 「支払う価格に応じた安全性」


  弁当価格の構成比
  原価35%  物流8% 人件費15%  利益は7%
 

  インストア弁当の激安価格が 
  アウトパック・インストア


  よいお弁当を製造・販売して成功している「知久屋」
  ポイント
      1 化学調味料 合成保存料 合成着色剤は一切使用しない
2 自社製品を提供している
3 自社農園+契約栽培農園からの有機野菜をメインに使用


  弁当・総菜の適正価格を真っ正直に訴えること




◇ファストフード ハンバーガーはなぜ安い

  日本のハンバーガーの適正価格は?


  安すぎる価格が社会に害悪をもたらす理由とハンバーガーの関係
 

  意外なことに原価計算と原材料がマッチするハンバーガー 
  一番安いハンバーガー原価
   バンズ20円 パティ30円 ピクルス・タマネギ・ケチャップ10円 計60円
 

  100円台ハンバーガーだけでは誰も儲からない


  大手ハンバーガーチェーンのチーズバーガー原価推計から見えたこと
  トリミング牛肉
     ~ 端肉  原価は67円
 

  人気のグルメバーガーの適正価格はいくらなのか? 
  1000円ぐらいか 










☆「子供問題の核心を考える(上)」 富田和巳 月刊『少年育成』2006年4月号 ①【再掲載 2012.11】

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◇あまりにもおかしい時代

 最近は子どもが被害者、学校が現場、といった凶悪事件がしばしばで、直ぐ
に「命の大切さを教える」と校長が記者会見で言う。


 11年目を迎えた阪神大震災をはじめとした災害でも「命の尊さを語り伝える」
と叫ばれる。


 人間は「生物」だから、「生」まれ「生」きていく「物(者)」である以上、
命は肉体と共に最も基本になり、教えるようなものでない。


 「肉体を敦える」と言えば、その異常さが判るだろうし、命が教えなければ
ならないようなものとしたら、言葉をもたない生物は直ぐに滅んでいる。


 もしも、子どもに「命の大切さを教えなければ」と本気で考えているとした
ら、その不自然さの根底にあるものを見つめなければ、と私は考えるが、そのような
意見はない。


 教育界は物事の基本を常にみず、耳に心地よい表面的・空虚な美辞麗句を唱
えてきた。


「どの子もやればできる」

という偽善に始まり、

「生徒が主役」
「教授より支援」

などなど,真剣に教育の本質を考えれば出ない言葉の氾濫である。

                                                             
 これが子どもや社会を年々悪くしていくさまは、世間をみれば一目瞭然。


 老子曰く「俗言は美ならず、美言は俗ならず」。

 誠に耳に心地よい「信用できない」言葉ばかりが教育界だけでなくわが国に
は満ちている。


 家庭や学校で子どもに教えるのは、「命」でなく躾や勉強といった「人間」
として「他の生物」とは違った営みに必要なものである。


 それを怠った結果が現状であると気づいて欲しい。


 繰り返す。


 本能以前の、存在そのものを「教えなければならない」異常な状況にある基
本を真剣に考え、何を教えるかである。




◇不自然が自然になった時代

 人間、特に先進国に住む人々は今や『不自然さ』が一目瞭然になった環境に
住んでいる。


 その結果、生物の2大本能、食欲と性欲も狂い始め、高等動物のもつ3番目
の集団欲もかなり危機的状態である。


 リストカットから摂食障害、引きこもりから同性愛までの増加がそれを示し
ている。


 森林浴が言われて久しく、森林に行くと自然に触れると、多くの人は思って
いるが、今や自然は地球上で極地やほんの一部に残るのみで、現代では限りな
く「手を加えた人工の」自然ばかりである。


 栄養を摂る食品で「低栄養」を表示する異常さは、「ハンバーガーとポテト
チップにケチャップをぶっかけたような不昧いもの」を特大の紙力ップに入れ
たコーラと一緒に食べるのを改めずに、健康志向でやせようと涙ぐましい努力
をする米国の現象と同根である。


 これには「ハンバーガー店が売るからいけない」と訴訟さえ起こす漫画的おま
けまで付く。




 あらゆる面で先進国の最先端を走る米国の状況をしっかり認識すると、私た
ち先進国のもつ根源的問題 -不自然が自然- がみえてくる。
 
 不自然さを不自然さで克服しようと考えている愚かな現代人。


 動物は常に「食べないと死ぬ」状態できた。高度な文明・文化をもつ人間で
さえ、一部の特権階級を除き、つい最近までは「食べないと死ぬ」状態だった
が、今や先進国では庶民に至るまで、生活習慣病をはじめ「食べると死ぬ」時
代に突入している。


 溢れる食物は食事本来の意味や価値観を考えさせなくなり、感謝しない状況
を出現させている。


 古き善き時代の慎ましさ・恥を知る・物を大切にする精神は雲散霧消し、今や
「お百姓さんに感謝しましょう」は死語になり、「食」を冒涜するテレビ番組は目
を覆いたくなる状況。


 この状況の根源は何処にあるのかを知れば、「今、何を考えればよいのか?」が
判ってくる、と私は考える。

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