SSブログ

「目からウロコの教育を考えるヒント」清水義範 講談社 2001年 ① /「動的平衡」福岡伸一 木楽舎 2009年 ④【再掲載 2012.9】 [読書記録 教育]

今回は、清水義範さんの
「目からウロコの教育を考えるヒント」1回目の紹介です。




出版社の紹介には

「こんな時代だからこそ、教育を根本から考えよう!『子供たちがあぶない』
『教育の危機』『日本はお先真っ暗』 それってホントですか?子供大好きの
シミズ博士がとことん考え尽くした、大納得の異色教育論。」
 
とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「学力低下説の根拠はあるのか? → 具体的なデータはあまりない」


・「文部省は、校内暴力が問題視されたあたりから『詰め込み教育を少しゆる
めよう…』とゆとり教育路線をとった。これにより校内暴力は減ったが、
  登校拒否,学級崩壊が増加した」


・「2003年の新学習指導要領で、文科省は、学ぶべき事は3割減らそうとし
  た。難しいことは大学に入ってから専門的にやればいい、大学はしっか
り勉強しないと出にくいようにするよう路線変更した。にもかかわら
ず、『高校までの教育方針に変更があることを知らない』大学側が入っ
てくる学生が昔と同じレベルにないと言って不満を漏らし、大騒動と
なった」


・「国民総中流社会が崩壊し、少数のアッパークラスと多数のロウァークラス
に分かれるアメリカ型階層社会の方向にふれたことにより、国民全体の学
  力が低下することになったのではないか」




もう一つ、再掲載になりますが、福岡伸一さんの
「動的平衡」④を載せます。
14年前の本になるのですね。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
2.jpg





<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「目からウロコの教育を考えるヒント」清水義範 講談社 2001年 ①

1.jpg

◇国民的学力低下の行く末は

□学力低下説の根拠はあるのか?
具体的なデータはあまりない
文部省「ゆとりの教育」 校内暴力が問題視された頃から
↓ ◎ 文部省「詰め込み教育を少しゆるめよう…」
校内暴力は減った が 登校拒否,学級崩壊

2003「新学習指導要領で学ぶべき事は3割減らそう」(文科省)
文科省 
       難しいことは大学に入ってから専門的にやればいい
= 大学はしっかり勉強しないと出にくくする

 高校までの教育方針に変更があることを知らない大学側が,
       入ってくる学生が昔と同じレベルにないと言って不満を漏らし
       ている。
  

□国民全体の学力が低下している
  ◎ 飽食社会では勉学が魅力的でなくなり意欲が向けられなくなる(清水)
      ↓
    アメリカ型階層社会の方向に
      少数のアッパークラス と 多数のロウァークラス
       = 国民総中流社会が崩壊               |
   ◎ 日本の社会構造が変化して,深刻な学力低下が起こるかもしれない
    微妙な時期に,文科省は「全員が分かるように」なんて言って学習レ
    ベルを下げる改革をしているのだが,それはひょっとして取り返しの
    付かない大失敗につながるのではないか?(清水) 







☆「動的平衡」福岡伸一 木楽舎 2009年 ④【再掲載 2012.9】

◇第5章 生命は時計仕掛けか?  ES細胞の不思議

□生命の仕組みを解き明かす方法
  2007ノーベル医学生理学賞
   「ノックアウトマウス」
      マリオ・カペッキ(米国・ユタ大) 
      オソバ・スミシーズ(米国・ノースカロライナ大学)  


□身体=約60兆個の細胞
 ・受精卵を「立ち止まらせる方法」はないか 
     ES細胞
      - 分化プログラムの一時停止

 ・「空気が読めない細胞」
    空気が読めない(KY)
        しかし、増えることを辞めない細胞 = ES細胞
分裂して数を増やすけれども何ものにもなろうとしない
分化のプログラムが細胞の中でストップ
  「分化の時計を止めたままでいられる」細胞  1981年


□数撃ちゃ当たる
  ES細胞
    = 専門化(分化)へのプログラムは停止
        一方で増殖は限りなく    


□ES細胞を胞胚に戻したら
  万能細胞
    - 多機能性細胞


□ガン細胞とES細胞の共通点
   自分の分際を見失って、しかし、無限に増殖することをやめない細胞  
 ※ ガン細胞はES細胞の表裏一体


□ノックアウトマウスの完成
  2個以上の胚に由来する個体「キメラ」

 「えびす丸一号」に何か起こったか
   膵臓 GP2タンパク質

  ノックアウトマウスをつくる

  しかし結果には恵まれなかった

   生命は何らかの方法で欠落を埋め戻そうとする
     生命の柔らかさ、可変性、全体としてのバランスを保つ機能
     ◎「動的な平衡」


□ES細胞は再生医学の切り札か?
  ・テクノロジーの内側はまったくのブラックボックス
     △メカニズムは理解されていない
     △コントロールできない   

 ・ES細胞の分化プロセスはブラックボックス

  生命というプロセスが、あくまでも時間の関数であり、それを逆戻
    りさせることは不可能だ!
  ヒトゲノム - 遺伝指数が約2万個



◇第6章 ヒトと病原体との戦い  イタチごっこは終わらない

□うつる病気とうつらない病気
  マラリア
      mal「悪い」aria「空気」
    → ① ミスアマ説    痒気
② コンタキオン説   接触


□森鴎外の失敗
  ・日露戦争 約3万人が脚気
  海軍 高木兼寛
         → 食事を改めた 麦飯食に
陸軍 感染症
鈴木梅太郎 ビタミンB1の発見
   しかし鴎外は、死ぬまで脚気症にこだわった

   ・細菌学の開祖 ロベルト・コッホ
   コッホ 1876年 炭疽菌  1883年 コレラ菌
  北里柴三郎 破傷風菌
  (ベルリン大学) 血清療法  1894年 ペスト菌


□種の違いは何か 
  病原体がうつるのは基本的に同種間
     「種の壁」
 種が異なると生殖ができない
    - 精子、卵子細胞表面に存在する分子の相互認識
      ◎結合を行うのが細胞の表面にあるミクロなタンパク質分子
    鍵と鍵穴の関係
  レオポン 亜種は異なるが種は同じ


□カニバリズムを忌避する理由
  カニバリズム忌避
     … 病原体から守る働きのある「種の壁」を無視するから
 パプアニューギニア
    風土病 - クールー病
フォレ族 1950年代~1960年代
後のノーベル生理学受賞 ダニエル・カーネトン・ガイジュセック
◎ 死者の脳を食べる儀式をやめさせるとクールー病は一世代
        のうちになくなった


□抗生物質の発見
  ・コッホの原則 
   ① ある一定の病気には一定の微生物(細菌)が発見されること
  ② その微生物を分離し、感受性のある動物に感染させて同じ病気を
      起こすこと
   ③ その病巣部から同じ微生物が分離されること

<克服>
       炭疽病、結核、ペスト、コレラ、天然痘、発疹チフス

   ・抗生物質が決め手
  微生物が産出し他の微生物の増殖を抑制する物質の総称で英国
     人医師フレミングが青カビの中からペニシリンを発見してから
◎ ペニシリン
      フレミング 
        青カビを液体培養で → 抗菌物質

ブドウ糖球菌による化膿を押さえ込む

nice!(156)  コメント(6) 
共通テーマ:学校