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キーワード 読書について23-「読む-時代の風景342冊」中村達也 TBSブリタニカ 1992年 /「学校の役割は終わったのか」NHK出版 2001年 ④ 【再掲載 2012.6】 [読書記録 一般]

今回は、4月11日に続いて、キーワード「読書について」の紹介23回目、
中村達也さんの「読む-時代の風景342冊」を紹介します。



出版社の案内には、


「本書では、342冊の本を、発行年月日順に配列して批評を試みてある。著著、
書名、出版社、発行年月日、価格を示し、翻訳書の場合には、原著者、原著
 名、原著発行年も記してある。地球と社会を読み解く評論集。1974~1992。」


とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「隣人愛の実践と利潤の獲得とは,次第に後者を自己目的とするようなエー
  トスに支配されるようになる 『社会科学における人間』大塚久雄」


・「あなたの老いを誰が見る」


・「産業化の中で故郷と豊かなときを失い,さらに与太郎の存在をも許容する
社会システムの冗長性を失って一元的な効率化が求められてきた。」



もう一つ、再掲載になりますが、NHK出版
「学校の役割は終わったのか」④を載せます。
ここに書かれているようなことが話題にも上らないことが課題だと
わたしは強く感じます。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆キーワード 読書について23-「読む-時代の風景342冊」中村達也 TBSブリタニカ 1992年
 
◇「社会科学における人間」大塚久雄 岩波新書 1977年
南北問題    
     ロビンソン的人間類型

   人間疎外の問題
     資本主義の精神 - プロティスタンティズムの倫理
◎資本主義の精神
「隣人愛の実践と利潤の獲得とは,次第に後者を自己目的とするよう
     なエートスに支配されるようになる」
 


◇「不確実性の時代」ガルブレイス TBSブリタニカ 1978年

「誰もが貧しい世界では,貧困について特に注目すべき事はない。それが
   注目されるべきとなり,また許し難いものとなののは,大多数の人々が
   裕福な社会においてである。そして裕福な社会の貧困の説明は…一部の
   人々を貧しいままにして,またそうさせておくところの豊かな人々の社
   会の性格に求めなければならない。」
 


◇「あなたの老いを誰が見る」大熊 一夫 朝日ノンフィクション 1986年

姥捨て全盛時代
 捨てられた老人が収容されている

介護でパニックになっている家庭の支援システム
老人を背負い込んだ家族だけが生き地獄を
 


◇「知的職人の世紀」室田 泰弘  中央経済社 1986年
望ましい社会  
     ○ 永続できる社会
○ 多様性が維持される社会
○ 個々の創意が生かされる社会

   ◎ 産業化の中で「故郷」と「豊かなとき」を失い,さらに「与太郎」
    の存在をも許容する社会システムの冗長性を失って一元的な効率化が
    求められてきた。







☆「学校の役割は終わったのか」NHK出版 2001年 ④ 【再掲載 2012.6】

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◇学習指導要領・教科書検定とは何か(1)

□学習指導要領は何のために存在するのか
 合計7種類

 目的
   ①「国民を育成する」 ← 学習指導要領
国民の共通基盤、国庫負担制度
②「地域の人材を育成する」
地域のための教育の中心
        - 市町村教委
1948.7教育委員会法 
         第1条(1956廃止)
教委 = 地域に於ける教育の独自性
          - 確保・保持

   性質 
    「全国的なカリキュラム(教育課程)の大綱的な基準であり全国的に一
     定の教育水準と国民として必要とされる資質・能力を確保すること
     を目的とする」

  ◎ 教育の内容と教授方法を大まかに定めている基準
  ↓
◎ 教科書を通して教育現場に顕在化するもの
 


□誰がいつ内容を決め執筆しているか 
 大きな方向性
   - 教育課程審議会
  文部大臣が諮問し答申を得てから文部省がその答申に沿った改
      訂作業を行う
78名 識者により構成される 人選は文部省 

  執筆
   - 文部省から委嘱された大学教授や教師などの専門家集団 約600名
1995.4 文相 中教審に「21世紀教育のあり方」諮問
1996.7 中教審答申
1998.8 文相 教育課程審に「基準の改善」諮問
1998.7  〃 答申
1998.12 文相 新学習指導要領を告示
2002.4 小中学校で完全実施
2003.4 高校で全面実施
告示~完全実施=移行期間



□学習指導要領に法的拘束力はあるのか
 日教組 
    「国家が学校教育を管理統制するためのルール」

 1947 教師の手引き書 
     文部省著作・発行「試案」 
      = 法的拘束力がない
「今度はむしろ下の方からみんなの力でいろいろと作り上げていく」

  1958 第二次改訂 
    「試案」→「告示」
「告示」
◎ 各大臣が掌握する事務に関して、公示を必要とすると決めた
       場合、各大臣が発する
◎ 文部省は「絶対的な基準教育課程」であると主張
        → 教育界大論争
↑↓
    ◎ 現場は、教育現場の自主性を損なうものとして反発
     =「教育への国家の介入は許されるのか」テーマ
      教育基本法第10条 
           「…不当な支配に服することなく…」
      教育権論争 
           「権限は保護者にあるのか教師にあるのか国家にあるのか」

  「学力テスト裁判」最高裁判決
1976年5月「…法的性質を有する」
◎ 「必要かつ相当な範囲で」の条件付きで介入を認めた

◎ 「国家」「地域」のバランスを取ることが大切

◎ 絶えず検討・検証の必要
 


□新学習指導要領の中味 
 1958年 改訂
       「詰め込み教育」

 1968~1969 第3次改訂 
       「詰め込み教育」のピーク

以降 時間・内容とも削減 + 「豊かな人間性」
  <日本経済状況の推移と軌を一とする>

  今回の改訂(出版当時-ハマコウ註) 
    第15期中教審答申 「ゆとり」と「生きる力」

日本の学校はおもしろくないところであり多くの子供は嫌々勉強している

  ◎新学習指導要領の骨子
    「教科内容を厳選する(大幅削減)ことで、基礎基本を徹底的に教える
     『ゆとり』を生み出し、同時に、自主的に学び自ら考える力(生き
     る力)を養成して、特色ある教育・学校づくりを進めるために、『総
     合的な学習の時間』を創設する」

  ○「総合的な学習の時間」と学力低下の危惧
     改訂の目玉 
        ①「総合的な学習の時間」
 ②「教科内容の厳選」

  ①総合 コアカリキュラムに近いもの
(例)国際理解、環境、情報、福祉、健康
学校や地域に根ざして教師の創意工夫で行う
小3~ 週3時間
中 ~ 週2時間   評価方法は記述式
高 105~210単位

新たな重荷になりかねない
         他のセクターへの教育機能の分散

  ②教育内容の厳選
約3割削減
       → 「学力低下不安」と「公立離れ」
 ◎ 文部科学省と現場教師の温度差

教師の主体性の欠如
      → 権限の付与と表裏の関係
今、教委や教師に実質的な権限がどれほどあるのか?
国 → 県教委 → 市教委 → 学校 縦割り社会
= 教師は末端に位置する
↑↓
     ◎ 意欲の回復には、教育行政の実質的な地方分権が不可欠の条件
      ではないか

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