大人のための修学旅行 奈良の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ③ /「欲ばり過ぎるニッポンの教育」苅谷剛彦・増田ユリヤ 講談社現代新書 2006年 ②【再掲載 2012.8】 [読書記録 一般]
今回は、5月12日に続いて武光誠さんの
「大人のための修学旅行 奈良の歴史」の紹介 3回目です。
出版社の紹介には
「学生時代に奈良を訪れたが、日本史の流れをしっかりふまえて旅することが
できたら……大和朝廷から天平文化まで、この国の成り立ちが名所旧跡を通
して理解できる『読む修学旅行』の本。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「古墳伝播の速さ」
・「『大物主神』三輪山の神信仰 日本最古の神社のいわれとは?
・拝殿はあるが本殿はない
・禁足地有り
・現在は『三輪の明神さん』
・酒の神・疫病を鎮める神
・境内で売られる卵を買い、三輪山の蛇に供える参拝者の姿
= 明神さんは蛇の姿との伝」
・「大和朝廷の有力者は、三輪山の神が治める土地を拡大するために各地の豪
族を従えなければならない、と考えた」
・「三輪山の神を祀り始めたことにより、強い指導力を持つ王家が生まれ、古墳
が築かれ、朝廷の組織が整い、古代都市纏向がつくられた。」
もう一つ、再掲載になりますが、苅谷剛彦さん、増田ユリヤさんの
「欲張りすぎるニッポンの教育」②を載せます。
- 教育予算,一学級あたりの子どもの数には一切手を付けずに「望ましさ」
だけに引っ張られて教育改革が全国一律で行われることになった
- 教育予算 OPEC平均はGDPの3.5% 日本は2.7%と最低限
- 子ども一人あたりに目を向けることが必要とする教育を求めておいて,そ
のための基盤整備にはお金を出さないし,時間的余裕も与えない
無理が無理を生み教職志望者の減少につながっているように感じます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「大人のための修学旅行 奈良の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ③
◇日本の原点大和朝廷はいかにして生まれたか(3)
□古代史の定説を覆した古墳 [東田古墳群]
東田古墳群の成り立ち
纏向遺跡の西北はずれ
東南隅に箸中古墳群
日本最古の纏向石塚古墳
纏向石塚古墳 日本最古 200年頃
邪馬台国が30の小国をまとめた(1880年代)の少し後に大
和朝廷が誕生し、古墳が発生した
|
◎纏向型 前方部が小さい 5基
大陸との交流を示す施設
纏向型
最後の纏向型が箸中古墳群のホケノ山古墳
ホケノ山古墳 240年頃 石囲木棺 - 朝鮮系
∥
◎ 古墳伝播の速さ
檜原神社
元伊勢
伊勢神宮ができるまで天照大神
拝殿、本殿がない = 三輪山を拝むため
□大和朝廷の守り神としての信仰 [大神(おおみわ)神社]
日本最古の神社のいわれとは?
「大物主神」三輪山の神信仰
拝殿はあるが本殿はない
禁足地有り
現在は「三輪の明神さん」
酒の神・疫病を鎮める神
境内で売られる卵を買い、三輪山の蛇に供える参拝者の姿
= 明神さんは蛇の姿との伝
三輪山から出土した祭祀用土器
登山口-狭井神社
山ノ神遺跡
山頂に高宮(こうみや)神社
~ かつて神座日向(みわにいますひむかい)神社
古代王朝成立の過程は
縄文以来 精霊信仰(アニミズム)
↓ 自然を司る多くの神々(精霊)を祀っていた
3世紀初
三輪山で精霊信仰の流れを汲む新たな信仰
精霊を指導する有力な神の存在と発想
当然大王の守り神であるからだれもがそれを祀らねばならない
↓
◎ 首長霊信仰
個人・血縁集団毎に思い思いの神を祀る
↓
国家規模の祭祀の時代への転換
亡くなった大王は三輪山の神と共に大和朝廷を守る神とされ、
古墳で祀られた
↓
大和朝廷の有力者
「三輪山の神が治める土地を拡大するために各地の豪族を従えなけ
ればならない」と考えた
↓
◎ 日本統一へ
地方で祀られた神が三輪山の神の分身、その配下の神とされた
そういった神を祀る地方の首長も古墳に祀られた
◎ 朝廷の守り神としての機能
① 農耕神である三輪山の神(地方)
② 武神である石上の神(朝廷のみ)
|
のち、三輪山の信仰の中の太陽神に対する部分だけが分かれて、
天照大神信仰が生まれた
~ 次第に石上の祭りが重んじられなくなった
∥
◎ 三輪山の神を祀り始めたことにより、強い指導力を持つ王家が
生まれ、古墳が築かれ、朝廷の組織が整い、古代都市纏向がつく
られた。
海拓榴市(つばいち)
交易の市
- 聖徳太子の時代に隋の使者の歓迎の行事が開かれた
☆「欲ばり過ぎるニッポンの教育」苅谷剛彦・増田ユリヤ 講談社現代新書 2006年 ②【再掲載 2012.8】
◇絶対評価と相対評価
日本の教育制度は絶対評価の厳しさを無視している
受験は相対評価の厳しさ
日本の絶対評価は「個別評価化」
→ 序列化へとつながる
絶対的な基準で変わる「自分らしさ」
←→ 日本:心情的優しさ
親はテストの点数ではかる評価を選ぶ
国際的な評価は絶対評価
21世紀型社会では さまよう若者が増える
日本人的生きやすさを生み出してきた制度
子どもを導く力量が総合学習には必要だった
教育改革は修得主義を目指したものではなかったか?
「新しい学力観」
- 評価論から入った
◎ 絶対的な基準がないまま観点別評価という名の絶対評価に
すり替わってしまった
◇徹底した修得主義を貫くフィンランド 増田ユリヤ
教員養成の現場を訪ねる
大学 - 教員養成学部は10倍の競争率
↓
◎教師の質を維持していくためのシステムが何重にも準備されている
小学校の教師になるには312時間の現場実習を要する
すべての場面で修得主義を貫く
高校卒業資格検定試験
難易度の高い入学試験
教師になってからも続く研修
平均年8日程度の研修
人気の高い校長研修プログラム
◎ 他業種から歓迎される教育学部出身者
フィンランドでは教師に「人間としての幅」を求めている
◇欲張りがもたらす教育格差 - 学ぶ力が資本となる社会 苅谷剛彦
学習資本主義社会の実現
偏差値
勤勉さ,我慢強さ,知識の習得能力,要領の良さなどの潜在能
力を反映しているものとして見ることができた
↓
◎ 学習者自身の自己責任に基づき学ぶ機会と自分で進んでいくこと
が求められる社会が出現した
= 学習資本主義社会
過去に習得した知識や技術よりも学習能力が人的資本形成の中核
になる
学習能力が「資本」となる社会
「自ら学ぶ力」
=「学習資本」を個人が自分の判断でいかに身に付けるかが社会
の在り方や人間関係に広く深く関わるようになる
~ 社会現実とのギャップ
◎ 教育予算,一学級あたりの子どもの数には一切手を付けずに「望ま
しさ」だけに引っ張られて教育改革が全国一律で行われることになっ
た
↓
◎しかし,教育予算は最低限
OPEC平均3.5% 日本は2.7%
◎ 子ども一人あたりに目を向けることが必要とする教育を求めておい
て,そのための基盤整備にはお金を出さないし,時間的余裕も与えな
い
◇格差というしわ寄せと近未来の改革路線
◎ 家庭の文化的な環境の違いによって,学ぶ意欲にも学ぶ力を身に付
けるための準備段階に於いても差が生まれる
「大人のための修学旅行 奈良の歴史」の紹介 3回目です。
出版社の紹介には
「学生時代に奈良を訪れたが、日本史の流れをしっかりふまえて旅することが
できたら……大和朝廷から天平文化まで、この国の成り立ちが名所旧跡を通
して理解できる『読む修学旅行』の本。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「古墳伝播の速さ」
・「『大物主神』三輪山の神信仰 日本最古の神社のいわれとは?
・拝殿はあるが本殿はない
・禁足地有り
・現在は『三輪の明神さん』
・酒の神・疫病を鎮める神
・境内で売られる卵を買い、三輪山の蛇に供える参拝者の姿
= 明神さんは蛇の姿との伝」
・「大和朝廷の有力者は、三輪山の神が治める土地を拡大するために各地の豪
族を従えなければならない、と考えた」
・「三輪山の神を祀り始めたことにより、強い指導力を持つ王家が生まれ、古墳
が築かれ、朝廷の組織が整い、古代都市纏向がつくられた。」
もう一つ、再掲載になりますが、苅谷剛彦さん、増田ユリヤさんの
「欲張りすぎるニッポンの教育」②を載せます。
- 教育予算,一学級あたりの子どもの数には一切手を付けずに「望ましさ」
だけに引っ張られて教育改革が全国一律で行われることになった
- 教育予算 OPEC平均はGDPの3.5% 日本は2.7%と最低限
- 子ども一人あたりに目を向けることが必要とする教育を求めておいて,そ
のための基盤整備にはお金を出さないし,時間的余裕も与えない
無理が無理を生み教職志望者の減少につながっているように感じます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「大人のための修学旅行 奈良の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ③
◇日本の原点大和朝廷はいかにして生まれたか(3)
□古代史の定説を覆した古墳 [東田古墳群]
東田古墳群の成り立ち
纏向遺跡の西北はずれ
東南隅に箸中古墳群
日本最古の纏向石塚古墳
纏向石塚古墳 日本最古 200年頃
邪馬台国が30の小国をまとめた(1880年代)の少し後に大
和朝廷が誕生し、古墳が発生した
|
◎纏向型 前方部が小さい 5基
大陸との交流を示す施設
纏向型
最後の纏向型が箸中古墳群のホケノ山古墳
ホケノ山古墳 240年頃 石囲木棺 - 朝鮮系
∥
◎ 古墳伝播の速さ
檜原神社
元伊勢
伊勢神宮ができるまで天照大神
拝殿、本殿がない = 三輪山を拝むため
□大和朝廷の守り神としての信仰 [大神(おおみわ)神社]
日本最古の神社のいわれとは?
「大物主神」三輪山の神信仰
拝殿はあるが本殿はない
禁足地有り
現在は「三輪の明神さん」
酒の神・疫病を鎮める神
境内で売られる卵を買い、三輪山の蛇に供える参拝者の姿
= 明神さんは蛇の姿との伝
三輪山から出土した祭祀用土器
登山口-狭井神社
山ノ神遺跡
山頂に高宮(こうみや)神社
~ かつて神座日向(みわにいますひむかい)神社
古代王朝成立の過程は
縄文以来 精霊信仰(アニミズム)
↓ 自然を司る多くの神々(精霊)を祀っていた
3世紀初
三輪山で精霊信仰の流れを汲む新たな信仰
精霊を指導する有力な神の存在と発想
当然大王の守り神であるからだれもがそれを祀らねばならない
↓
◎ 首長霊信仰
個人・血縁集団毎に思い思いの神を祀る
↓
国家規模の祭祀の時代への転換
亡くなった大王は三輪山の神と共に大和朝廷を守る神とされ、
古墳で祀られた
↓
大和朝廷の有力者
「三輪山の神が治める土地を拡大するために各地の豪族を従えなけ
ればならない」と考えた
↓
◎ 日本統一へ
地方で祀られた神が三輪山の神の分身、その配下の神とされた
そういった神を祀る地方の首長も古墳に祀られた
◎ 朝廷の守り神としての機能
① 農耕神である三輪山の神(地方)
② 武神である石上の神(朝廷のみ)
|
のち、三輪山の信仰の中の太陽神に対する部分だけが分かれて、
天照大神信仰が生まれた
~ 次第に石上の祭りが重んじられなくなった
∥
◎ 三輪山の神を祀り始めたことにより、強い指導力を持つ王家が
生まれ、古墳が築かれ、朝廷の組織が整い、古代都市纏向がつく
られた。
海拓榴市(つばいち)
交易の市
- 聖徳太子の時代に隋の使者の歓迎の行事が開かれた
☆「欲ばり過ぎるニッポンの教育」苅谷剛彦・増田ユリヤ 講談社現代新書 2006年 ②【再掲載 2012.8】
◇絶対評価と相対評価
日本の教育制度は絶対評価の厳しさを無視している
受験は相対評価の厳しさ
日本の絶対評価は「個別評価化」
→ 序列化へとつながる
絶対的な基準で変わる「自分らしさ」
←→ 日本:心情的優しさ
親はテストの点数ではかる評価を選ぶ
国際的な評価は絶対評価
21世紀型社会では さまよう若者が増える
日本人的生きやすさを生み出してきた制度
子どもを導く力量が総合学習には必要だった
教育改革は修得主義を目指したものではなかったか?
「新しい学力観」
- 評価論から入った
◎ 絶対的な基準がないまま観点別評価という名の絶対評価に
すり替わってしまった
◇徹底した修得主義を貫くフィンランド 増田ユリヤ
教員養成の現場を訪ねる
大学 - 教員養成学部は10倍の競争率
↓
◎教師の質を維持していくためのシステムが何重にも準備されている
小学校の教師になるには312時間の現場実習を要する
すべての場面で修得主義を貫く
高校卒業資格検定試験
難易度の高い入学試験
教師になってからも続く研修
平均年8日程度の研修
人気の高い校長研修プログラム
◎ 他業種から歓迎される教育学部出身者
フィンランドでは教師に「人間としての幅」を求めている
◇欲張りがもたらす教育格差 - 学ぶ力が資本となる社会 苅谷剛彦
学習資本主義社会の実現
偏差値
勤勉さ,我慢強さ,知識の習得能力,要領の良さなどの潜在能
力を反映しているものとして見ることができた
↓
◎ 学習者自身の自己責任に基づき学ぶ機会と自分で進んでいくこと
が求められる社会が出現した
= 学習資本主義社会
過去に習得した知識や技術よりも学習能力が人的資本形成の中核
になる
学習能力が「資本」となる社会
「自ら学ぶ力」
=「学習資本」を個人が自分の判断でいかに身に付けるかが社会
の在り方や人間関係に広く深く関わるようになる
~ 社会現実とのギャップ
◎ 教育予算,一学級あたりの子どもの数には一切手を付けずに「望ま
しさ」だけに引っ張られて教育改革が全国一律で行われることになっ
た
↓
◎しかし,教育予算は最低限
OPEC平均3.5% 日本は2.7%
◎ 子ども一人あたりに目を向けることが必要とする教育を求めておい
て,そのための基盤整備にはお金を出さないし,時間的余裕も与えな
い
◇格差というしわ寄せと近未来の改革路線
◎ 家庭の文化的な環境の違いによって,学ぶ意欲にも学ぶ力を身に付
けるための準備段階に於いても差が生まれる