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「自信を育てる発達障害の子のためのできる道具」佐藤義竹 小学館 2023年 [読書記録 教育]

今日、6月2日日曜日の2つ目として、佐藤義竹さんの
「自信を育てる発達障害の子のためのできる道具」を紹介します。

何か月前に読んだ内容をノートにまとめた要約を、
本日よりワープロでまとめ始めました。

困ることを減らす「モノ」が写真と共に分かりやすく紹介されており、
誰にとっても不安を減らす本だと作業中に思いました。

教員、保護者、介護の方はじめ、多くの方におすすめの本です。


出版社の案内には、

「特別支援教育では『手立て』をとても大切にしていると佐藤義竹先生
 は言います。手立てとは、『子どもが○○することができる』ために
 配慮されるもの。それは言葉かけであったり、教材教具までさまざま
 です。本書はそうした視点をもって『手立て』のひとつである道具を
 紹介しています。また2024年4月1日より施行される『合理的配慮
 の義務化』を意識したつくりにもなっています。合理的配慮とは、障
 害児者が健常者と平等(あるいは公平)な機会を得られるよう配慮さ
 れること。障害者差別解消法に定められており、これまでは努力義
 務だったが、「義務化」に変わり、すべての事業所に適用されるもので
 す。
 障害のあるなしにかかわらず、手立てのひとつである道具は、多くの
 人の生活を支えてくれるはずだという佐藤先生のメッセージがつまっ
 た内容となっています。
 ・発達障害の子のための道具100点以上を紹介しています。幅広い選
  択肢を提供する本です。
 ・情報も『よりよく生きるための道具』。就学先や福祉サービスの情
  報をわかりやすく発信するコラムページも充実しています」



興味をもつ道具があれば、ぜひ検索してください。



教材メーカーの教材カタログに載せられているものも多いのですが、
このような丁寧な説明があると学校でも利用しやすくなると感じました。

なお表示価格は本に掲載されたものです。




☆「自信を育てる発達障害の子のためのできる道具」佐藤義竹 小学館 2023年

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◇佐藤義竹
筑波大学附属大塚特別支援学校研究主任、教務主任
  教材 「すきなのどっち?」「きもちつたえるボード」 
「トライゲーム やってみたいのはどっち?」
  著書 「一日一歩スモールステップ時計ワークシート」
「今すぐ使える!特別支援アイデア教材50」合同出版

◇はじめに
手立ては安心感を後押ししてくれる
「(手立ての活用を通して)~できる」
    → 自己肯定感
手立ては誰にとっても有益で、
  「これがあれば大丈夫と安心感を与えてくれる」


<身の回りのこと>

◎最初は一緒に使いながらその道具になれることが大切
①失敗しないような工夫がある道具
②自分で取り組みやすい道具
③見て分かる工夫のある動具

◇食べこぼしが少なくなる
こぼさず、倒さず、かけすぎず。「一人で上手に食べられた」体験を!
1 食器を安定させるマット - こぼしても安心です
◎「ノンスリップマット」・「ノンスリップマットミニ」(株)台和
  
 2 左利きの子には左利き用を - すくいやすいソフトタイプ
 幼児~小学生 
    ◎「ソフトスプーン」幼児用 ¥1.100 (株)ののじ
  
 3 すくいやすい安定した形 - 見た目もおしゃれ 
SMAGL1
    ◎「スモールクリプレート」「…ボウル」¥799 
                     イケヤ・ジャパン
  
 4 底広で安定感とフィット感がありもちやすい形状 
飲み物をよくこぼす子に
    ◎「ベビーカップ」2パック¥2,860ベビービョルン(株)
  
 5 かけ過ぎを防ぐプッシュ式 - 力加減の難しい子にお勧め  
◎「プッシュワン」 M¥1,045 S¥979 (株)台和
  
 6 食べやすい大きさにカット  出張でも役立つ 
◎「ベビー用フードカッター(ケース付き)」 ¥1,650 
                       (株)グリーンベル
  
 ※ポイント
   ・こぼさずすくえる ・ちょうどよい加減で掛けられる 


◇身体や手を上手に洗える
 A 手順を見える化
◎「発達支援ポスター くり返して身につけよう」等
         (1)~(3) 各 ¥1,870 合同出版

 B「きれいに洗えた」が見て分かる 
◎「手洗い練習スタンプ おててポン」 ¥550
                     (株)シャチハタ


◇忘れ物が少なくなる
A 締めると色が変わる鍵カバー - 不安解消
◎CheKEY ¥1,595 美和ロック(株)

 B 確認してスライドしてカチッ - 出かける前の習慣に
     ◎子ども用持ち物チェッカー ¥495  スケーター(株)

 C「忘れないで」とスイングポップで目立たせる方法も
   揺れ動く  
    ◎「ちょっと待ったスイングポップ(べじこ)」 
3枚セット ¥1,000 大美工芸(株)


◇佐藤先生からのメッセージ① 
 - パニックの伝え方 イライラを自分で調整
  ◎学校と情報の共有を 
- チームとして子どもを支える お互いに合意形成を図れる接点
   を見つけていく
  
  ◎ パニックや不安も、手立てがあれば大丈夫と子ども自身が知る
   ことが大事 

 A 気になる環境音をカットしながら人の声は聞こえる耳栓
   ◎3M E-A-R ウルトラフィット耳栓340-4004 ¥1,290
                     スリーエムジャパン(株)

 B 大きな声を出したくなったときに。我慢しなくても大丈夫。
    ストレス解消 ◎ボイトレエクサ ¥2,178 (株)ニーズ
   
 C イライラしたときにプチプチ。手にほどよい刺激でストレス解消。
       ◎プチプチAIR BANDAI  ¥1,078 (株)バンダイ      

 ※できるポイント
   ・携帯でき、出先でのイライラ、不安を解消できる
   ・ストレスを発散できる  ・自分で落ち着くことができる  
     
◇学校での忘れ物が少なくなる
準備するもの、提出するものを一か所で見渡せるように

 <途中まで 以下略>
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樋口清之さんはこんなことを⑫-「神道からみたこの国の心」樋口清之 井沢元彦 徳間書店 1995年 (1) /「子どもの学力は読解力で決まる」齋藤孝 朝日新聞出版社 2012年【再掲載 2017.4】 [読書記録 歴史]

今日は6月2日、日曜日です。


今回は、5月26日に続いて「樋口清之さんはこんなことを」12回目、
「神道からみたこの国の心」の紹介 1回目です。


わたしは大変おもしろく読みました。


出版社の案内には、


「日本人はひとり残らず神道の信徒である。世界一宗教心の篤い国民の
 『内なる原理』とは何か」


とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「神道系の大学 國學院大學・皇學館大學・桃山学院大学」


・「火の神が灯の神様,炊事の神様と小さく機能を分断していく。職能
  により自分の神様として祀る。信仰にどんな意味があるかより,信
  じていること自体が大切」


・「祟り神は紙一重といえ、人間が主体で,人間の対応如何で良い神様
にも悪い神様にもなる。善悪で割り切れないところがあるのが、西
欧合理主義とは違う。最初は悪い神でも,やがて良い神になってい
くことがある。日本では祟り神を封じ込めないでなだめて御機嫌をと
る」


・「神道の神様 ①優れた人を神様として祀る ②祟りそうだから祀る」




もう一つ、再掲載になりますが、齋藤孝さんの
「子どもの学力は読解力で決まる」を載せます。
わたしには大変学びになった本です。




☆樋口清之さんはこんなことを⑫-「神道からみたこの国の心」樋口清之 井沢元彦 徳間書店 1995年 (1)

1.jpg

◇日本人にとって神道とは何か
戦前の国家神道
   ~ 神道及び天皇の一つの利用法(不敬な利用法)


  神道は教義なき宗教 
    神道系の大学 
     - 國學院大學・皇學館大學・桃山学院大学
「言挙せず」


  日常生活の中の神々 
    20年に一度の遷宮
清浄感 
      禊ぎの思想・お祓い
神道的な抽象的形式的行為 
      → 生産


  神道と仏教は闘ったか
   「罪」と「穢れ」が結びつく


  日本人の行動規範  
    祓詞,祝詞,祭式
神道ダイジェスト版
平田篤胤「古道大意」「霊能真柱」
八百万の神  
      どの神を信じても良い
善悪・明暗・表裏を説明


  アジア的な考えとは何か
神道の特徴として伝道をしない
多神教的な風土
     ~ 神様に分業的機能


  日本では女神が強い 
    自分たちの神には性がある 
     = 人間的
日本人の信仰が生活的


  日本人の信仰は世界一強い
火の神
     ~ 灯の神様,炊事の神様と小さく機能を分断
→ 職能により自分の神様として祀る
信仰
      ~ 自分が満足すればよい
◎ 信仰にどんな意味があるかより,信じていること自
        体が大切
 


◇日本人が特殊だと言われる理由
  神々を創り出すこころ 
    日本人の性格には神道の影響
おおらかさ
     - いいかげんさ,大雑把にもつながる
◎「納得しなければ決して許さない」「とことん追求する」
       という人たちはいじめられやすい
   

  神々を創り出す    
    東郷平八郎・乃木希典・二宮尊徳 
『霊魂不滅』
      神道では霊魂は不滅で不変,人間であったときの性格を変
     わらず持ち続ける。しかも再生する。


  神道の神様 
    ① 優れた人を神様として祀る
② 祟りそうだから祀る
   

  縁結びの神様の正体は?
菅原道真
     - 天神様 芸術学問の神様? 雷?
◎祟り神は紙一重 
       人間が主体で,人間の対応如何で良い神様にも悪い神様
      にもなる。
       = 善悪で割り切れない
◎西欧合理主義とは違う
最初は悪い神でも,やがて良い神になっていく(神道)
- 日本では祟り神を封じ込めない
         → 宥めて御機嫌を取る


  神様の位置      
    正面を向いていない神 
     = 拝んでもらっては困る
でも祀らなければならない
   

  自然と共有する意識  
    御輿振り・暴れ御輿-鈴振り
◎玉(魂)振りすると,神様の心も自分の気持ちも活気づく。
芸能
     = 神様に見てもらうもの 
        - 人間は二の次
    神がかり 
      狼 → 狐 
犬神信仰 コウモリ信仰 蛇
◎超自然的な部分に対する恐れ 尊敬
   
  日本人はなぜよく働くのか
    山本七平
     「日本人にとっての労働は仏行だ」 
古代の労働
     = 神様への奉仕 
     = 奉納物(日本の税の基本)
日本人の郷土意識
自分の労働のお礼を神様に対してすることで自分の生活が
     保証される
      = 労働が信仰の手段
↑↓
外国は労働が苦役 
          ワークとレイバー
稲作農耕
     … 水田監視  
        - 朝晩 水確保
稲を毎日眺め神に感謝
→ 遊ぶのが下手になる 
         飛鳥坐(あすかにます)神社
           御田植祭り 
             接触行為模倣
(明治までは実際の接触)
◎折口信夫の父がでた家


  日本人の性意識はおおらかだった
稲の生育が新しいものを生み出す
     = 人間の性的行為も新しいものを生み出す元
    歌垣
     = フリーセックスパーティ(常陸国風土記)
→ 江戸時代儒教教育でおさえられた
    ◎ 農耕生産と人間の生産が同じ意識
雑婚はない 
     ~ 本人の意思が主体
   

  日本人の頭は昔から柔軟だった
日本の農村ほど雑多な種類の植物を輸入して生産品に変えてき
   たところなど他にない
     ~ 珍(うず)
常世への憧れ
常世
       = 未知の世界 
      永遠不変の世界
       - この世も常世となりうる


  日本人の理想郷  
    混血 
     ~ 人間移動の激しさ

 
◇神道のルーツ
東アジア的シャーマニズム  
    神道  
     - 禊ぎと祓い
       再生思想
禊ぎと祓い  
      水のきれいさ・空のきれいさ・気候風土のきれいさ

  柏手を打つ本当の理由
拍手喝采の思想
      打った音響が空気にバイブレーション
  空気の中に見えない聖霊 
    今では2回
伊勢出雲は4回
拍手柏手
     = 神を招く方法
       音がでればよい・言挙げ(言葉を発すること)でもよい

  日本は言霊の国
    言霊「ごめんなさい」
「おめでとうございます」「こんにちは」
→ 「不況になるから」と言って不況になった
「負ける」と言ったから負けた
 

  日本は水に流す国
    ←→ 韓国は「恨」の国
あっさりしていない
火にくべてしまえでは大変


  「和」のルーツを求めて 
    日本人は差別意識が強い


  「建前」と「本音」の使い分けは昔から







☆「子どもの学力は読解力で決まる」齋藤孝 朝日新聞出版社 2012年【再掲載 2017.4】

1.JPG

◇はじめに

□PISA型学力 → 「新しい学力」
新しい学力
   = 知識や技能そのものだけでなく、それを実生活でどのくらい
    活用できるかという総合力、実践力なんです。
  キーワード
    ◎「読解力」


◇「学力」を伸ばすには「読解力」が欠かせない
□読解力は人生を生き抜く力である
共感力 
  要約力 
  伝達力 
  コミュニケーション力
 ◎コメンテーターの力 
     → 人を傷つけないコメントをし続ける能力

□読解力は仕事力にも欠かせない

□小学生から書き言葉を大量に仕入れる必要がある
  = 読む

□母国語の読解力さえあれば受験も乗り切れる

□小学生時代は親からの声掛けが欠かせない
大学生に週5冊の読書体験

□名作を読むことで鍛えられる
  「絶対これだけ名作教室」   

□読解力は客観的要約力と主観的コメント力の両輪からできている


◇読解力を伸ばすコツ
□早口で声に出して読んでみる
低学年  
    齋藤隆介「花咲き山」 
    芥川龍之介「くもの糸」
   宮澤賢治「やまなし」
  中学年  
    太宰治「走れメロス」 
    小川未明「赤いロウソクと人魚」
    宮澤賢治「よだかの星」
  高学年  
    太宰治「駆け込み訴え」 
    芥川龍之介「羅生門」
    シェイクスピア作品      
→ ◎ 名作を繰り返し音読する

□粗筋を話させてみる  
「一分で」
  「15秒で要約してみよう」 

□自らマークを選んで本を読み解く
  「AB読書法」 
  AB  二つのものについて比較

□感想やコメントを言ってみる

□とにかく繰り返す
  = 量を質に変える
  読書力を付けるには 
    ① 名作を音読し   
    ② 粗筋を言ってみて
    ③ 本に直接書き込んで読み解いていき
  ④ 感想を言ってみること


◇読解力は家庭との対話で
□親子で共通のテキストを持とう

□絵本で読解力を刺激する

□テレビや漫画はみんなで見る
「今の話でこの人が言いたかったことは何?」

□新聞をもっと活用しよう
実用日本語  
   = 新聞記事
     - 「結」から始まる
◎「1分でどこまで読めるかやってみよう」
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