「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」暮しの手帖社 2023年 ③ /「『子どもと大人』ことば・からだ・心」 河合隼雄・見田宗介・谷川俊太郎 1997年 【再掲載 2017.2】 [読書記録 一般]
今日は6月8日、土曜日です。
今回は、5月19日に続いて暮しの手帖社から出されている
「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」
の紹介 3回目です。
出版社の案内には、
「豪華執筆陣で贈る珠玉の随筆集『あなたの暮らしを教えてください』
は、『暮しの手帖』の本誌と別冊に寄せられた『暮らし』がテーマの随
筆作品を選りすぐり、全4冊にまとめたシリーズです。
第2集は、日々の気付きにまつわるお話を集めています。当時の話題に
触れて感じたこと、近所の猫やお店のこと、仕事や家事を通しての発見
や、趣味や学びのなかで思うことなど、小さな日常をいつくしみたくな
る一冊です。」
とあります。
もう一つ再掲載になりますが河合隼雄さん、見田宗介さん、谷川俊太郎さんの
「『子どもと大人』ことば・からだ・心」を載せます。
☆「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」暮しの手帖社 2023年 ③
◇過去から見る未来 赤川次郎
山のように買い込んで、見ていないDVDが並んだ我が家の棚を眺めてい
て、先日ふと目に止った一本を取り出して見た。
1971年のアメリカ映画、『ラストショー』。
当時、日本でも外国映画の第一位に選ばれた傑作だ。
アメリカ西部のさびれた田舎町。
ただ一軒の映画館が、後継者がなく、閉館することになる。
その最後の上映が、原題の『ザ・れラストピクチャーショー』である。
高校を出ても行き場のない少年たちの、やり場のない焦燥感。
憧れの女の子を巡る乱闘。
高校教師の夫に構われない孤独な妻が高校生との情事に溺れる…。
何もない荒涼とした風景の中に、繁栄から取り残された田舎町の人々のド
ラマが描かれる。
今見てもモノクロの画面が心にしみる名作である。
このDVDを買ったときには気付かなかったのだが製作から何十年もたっ
て、監督や役者たちにインタビューした映像が特典として付いていた。
この作品からは、ジェフブリッジス・シビルシェパ-ドなどのスター
が育っている。
監督、ピーターボグダノヴイッチのインタビューは、やや重苦しいもの
だった。
ボグダノヴイッチにとって、『ラストショー』は監督第二作。
この前には『殺人者はライフルを持っている』という低予算のB級アク
ション映画があるだけだ。
演劇や小説と違って、映画は感性の生み出す部分が大きく、その点では音
楽に近い。
年齢をとったからいいものができるとは限らないのである。
ボグダノヴイッチも、
「こんなに早く傑作を撮ってしまうと、後が大変なんだ…」
と苦い口調で語っている。
『ラストショー』の後、話題になったのは、テイタムオニールが史
上最年少でアカデミー助演女優賞をとった『ペーパームーン』くらいで、
82歳で亡くなるまで、『ラストショー』に並ぶ作品は撮っていない。
「早過ぎた傑作」が、大きなプレッシャ-になっていたことは事実だろう。
『ラストショー』の中で最後に上映されるのは、ジョン・ウェインの西
部劇『赤い河』である。
アメリカが開拓者精神で、ひたすら前進していた時代を象徴する映画を見せ
ることで、現実の映画館の外の、乾いた風が吹き抜ける町の寂しさを際立たせ
ている。
主人公の若者の一人は軍隊に入りかって殴り合いをした友人と固く抱き合っ
て別れる。
考えてみれば、行き場のない若者たちの閉塞感は、今の日本の空気とも似
ている。
アメリカの「負の部分」を追いかけている日本。
非正規労働者が溢れる一方で、仕事のない若者たち、老いた親の介護によ
る失業…。
政権がこの現実に何も手を打たないのは、若者たちが「軍隊にでも行くし
かない」状況を作りたいからなのかもしれない、とふと思った。
2014年9月
☆「『子どもと大人』ことば・からだ・心」 河合隼雄・見田宗介・谷川俊太郎 1997年 【再掲載 2017.2】
[出版社の案内]
大人はなぜ子供がわからないか。子供と大人の関係を根底から捉え直し、
人間が生きるという意味を徹底的に問う。子供と大人をめぐるホットな
問題に「ことば・からだ・心」に深く関わってきた3人が鋭く迫る。
◇はだかの子供
裸足・裸で生き生きと
ソンダークス・クライド(日曜版)
日曜以外はどの子も粗末なもの
粗末なものを着て好き勝手を
子供っぽさ
マイナス
- 良識のなさ・責任感のなさ・自覚のなさ
プラス
- ◎ 常識をすごく知っているがとらわれない
◎ 破壊力
◇子供と大人
成長と発展の世界
- 大人
・ 人と人とのアレンジ
・ 調製するルールのファンクション
今の子供
・ おもしろがらない
・ モノが豊かで「そんなの知っている」
= ◎ 感動・感激がなくなった
感動することを恐れる社会
自殺と事故死の中間領域の増加
生きる意欲?
-「どっちでもいいや」
◇現代社会と子供
線を通す教育を
◎ 本を読む(おもしろがって)
- 読み方(楽しんで)
今回は、5月19日に続いて暮しの手帖社から出されている
「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」
の紹介 3回目です。
出版社の案内には、
「豪華執筆陣で贈る珠玉の随筆集『あなたの暮らしを教えてください』
は、『暮しの手帖』の本誌と別冊に寄せられた『暮らし』がテーマの随
筆作品を選りすぐり、全4冊にまとめたシリーズです。
第2集は、日々の気付きにまつわるお話を集めています。当時の話題に
触れて感じたこと、近所の猫やお店のこと、仕事や家事を通しての発見
や、趣味や学びのなかで思うことなど、小さな日常をいつくしみたくな
る一冊です。」
とあります。
もう一つ再掲載になりますが河合隼雄さん、見田宗介さん、谷川俊太郎さんの
「『子どもと大人』ことば・からだ・心」を載せます。
☆「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」暮しの手帖社 2023年 ③
◇過去から見る未来 赤川次郎
山のように買い込んで、見ていないDVDが並んだ我が家の棚を眺めてい
て、先日ふと目に止った一本を取り出して見た。
1971年のアメリカ映画、『ラストショー』。
当時、日本でも外国映画の第一位に選ばれた傑作だ。
アメリカ西部のさびれた田舎町。
ただ一軒の映画館が、後継者がなく、閉館することになる。
その最後の上映が、原題の『ザ・れラストピクチャーショー』である。
高校を出ても行き場のない少年たちの、やり場のない焦燥感。
憧れの女の子を巡る乱闘。
高校教師の夫に構われない孤独な妻が高校生との情事に溺れる…。
何もない荒涼とした風景の中に、繁栄から取り残された田舎町の人々のド
ラマが描かれる。
今見てもモノクロの画面が心にしみる名作である。
このDVDを買ったときには気付かなかったのだが製作から何十年もたっ
て、監督や役者たちにインタビューした映像が特典として付いていた。
この作品からは、ジェフブリッジス・シビルシェパ-ドなどのスター
が育っている。
監督、ピーターボグダノヴイッチのインタビューは、やや重苦しいもの
だった。
ボグダノヴイッチにとって、『ラストショー』は監督第二作。
この前には『殺人者はライフルを持っている』という低予算のB級アク
ション映画があるだけだ。
演劇や小説と違って、映画は感性の生み出す部分が大きく、その点では音
楽に近い。
年齢をとったからいいものができるとは限らないのである。
ボグダノヴイッチも、
「こんなに早く傑作を撮ってしまうと、後が大変なんだ…」
と苦い口調で語っている。
『ラストショー』の後、話題になったのは、テイタムオニールが史
上最年少でアカデミー助演女優賞をとった『ペーパームーン』くらいで、
82歳で亡くなるまで、『ラストショー』に並ぶ作品は撮っていない。
「早過ぎた傑作」が、大きなプレッシャ-になっていたことは事実だろう。
『ラストショー』の中で最後に上映されるのは、ジョン・ウェインの西
部劇『赤い河』である。
アメリカが開拓者精神で、ひたすら前進していた時代を象徴する映画を見せ
ることで、現実の映画館の外の、乾いた風が吹き抜ける町の寂しさを際立たせ
ている。
主人公の若者の一人は軍隊に入りかって殴り合いをした友人と固く抱き合っ
て別れる。
考えてみれば、行き場のない若者たちの閉塞感は、今の日本の空気とも似
ている。
アメリカの「負の部分」を追いかけている日本。
非正規労働者が溢れる一方で、仕事のない若者たち、老いた親の介護によ
る失業…。
政権がこの現実に何も手を打たないのは、若者たちが「軍隊にでも行くし
かない」状況を作りたいからなのかもしれない、とふと思った。
2014年9月
☆「『子どもと大人』ことば・からだ・心」 河合隼雄・見田宗介・谷川俊太郎 1997年 【再掲載 2017.2】
[出版社の案内]
大人はなぜ子供がわからないか。子供と大人の関係を根底から捉え直し、
人間が生きるという意味を徹底的に問う。子供と大人をめぐるホットな
問題に「ことば・からだ・心」に深く関わってきた3人が鋭く迫る。
◇はだかの子供
裸足・裸で生き生きと
ソンダークス・クライド(日曜版)
日曜以外はどの子も粗末なもの
粗末なものを着て好き勝手を
子供っぽさ
マイナス
- 良識のなさ・責任感のなさ・自覚のなさ
プラス
- ◎ 常識をすごく知っているがとらわれない
◎ 破壊力
◇子供と大人
成長と発展の世界
- 大人
・ 人と人とのアレンジ
・ 調製するルールのファンクション
今の子供
・ おもしろがらない
・ モノが豊かで「そんなの知っている」
= ◎ 感動・感激がなくなった
感動することを恐れる社会
自殺と事故死の中間領域の増加
生きる意欲?
-「どっちでもいいや」
◇現代社会と子供
線を通す教育を
◎ 本を読む(おもしろがって)
- 読み方(楽しんで)