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キーワード 読書について72-「はじめて学ぶ日本児童文学史」鳥越信 ミネルヴァ書房 2001年 (6) /「加藤秀俊著作集3」中央公論社 1981年 ⑥【再掲載 2017.3】 [読書記録 教育]

今日は6月11日、火曜日です。


今回は6月1日に続いて、
「キーワード 読書について」72回目、鳥越信さんの
「はじめて学ぶ日本児童文学史」の紹介 6回目です。



出版社の案内には、


「明治維新から昭和期にかけての日本児童文学の歩みを最も初期の時代
(草創期)を起点に、科学読み物・知識読み物の歴史およびキリスト教
児童文学の歴史、外国作品の歴史と幅広い視点から考察する。
【ここがポイント!!】  
  ・日本における児童文学研究の最新成果をとりこむ  
  ・好戦的・侵略的児童文学の解明を試みる  
  ・1868年から約120年間を6部に分ける」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「童話の源泉 宮沢賢治」


・「プロレタリア児童文学から生活童話へ」


・「綴り方・児童自由詩+マルクス主義的教育論 の生活綴り方運動」


・「物語性と子供性追求の道半ばで亡くなった新美南吉」




もう一つ、再掲載になりますが、
「加藤秀俊著作集3」⑥を載せます。



☆キーワード 読書について72-「はじめて学ぶ日本児童文学史」鳥越信 ミネルヴァ書房 2001年 (6)

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◇宮沢賢治 童話の源泉
「おとぎ話」から「童話」へ
比類なきファンタジー作家
童話の創作 
    1918年夏には恩師・八木英三の読み聞かせ
父の影響 
    古着商・質屋 
    父・政治郎の影響
     … 花巻仏教界を組織化
篤信の家庭 
     「白骨の御文章」暗誦
盛岡中学
    … 盛岡高等農林学校農林科 
    → 花巻農学校教師(4年6ヶ月間)
妹・トシ 
    日本女子大学入学
国柱会
    - 法華信仰 
      羅須地人協会
羅須地人協会
    ~ 終焉 
      1926~独居自炊 
      1933.9永眠38歳


<児童文学冬の時代>

◇時代思潮
1929~1940
児童文学冬の時代 ←→ 大衆的通俗的児童文学隆盛 
1932.1 「赤い鳥」に新美南吉の「ごんぎつね」

◇プロレタリア児童文学から生活童話へ
昭和恐慌 
    1927(昭和2)年春
反動の時代 
    世界大恐慌 → 窮乏のどん底
中国侵略(田中内閣)
治安維持法強化
学芸自由同盟 1933.7.10 徳田秋声幹事長 
    対ファシズム 戦後解体
「赤い鳥」休刊 
  「少年倶楽部」伸長
大仏次郎,佐藤紅緑,吉川英治,山中峯太郎
プロレタリア児童文学
    「少年戦旗」1929.5 発禁処分
白秋の児童自由詩
生活童話の誕生 
    塚原健二郎「生活主義童話」
坪田譲治,川崎大治
生活綴り方運動 
     ◎「綴り方・児童自由詩」+「マルクス主義的教育論」
1929.10 小砂丘忠義「綴方生活」
1930.2  成田忠久「北方教育 
マルクスシズム的階級論


◇新美南吉 物語性と子供性追求の道半ばで…
大衆文化全盛の中で
赤い鳥運動の中で
1913年 半田市岩滑(やなべ)生 楽観性・ユーモア
幅広く投稿
1932年 東京外大英語部
1938年 安城高等女学校 
1942.3 29歳で永眠
巽聖歌の手で  兄
のように援助 - 戦後も精力的に
未明伝統批判の中で 
    豊かなストーリー性
「校定 新美南吉全集」(大日本図書)
わかりやすさと親しみやすさ
映像的表現力 
    リアリティとストーリー設定 
    ユーモアとペーソス
葛藤対立の二面性
丹下進 
      「子供を飽きさせずに舞台に引きつける脚本には対立や葛
       藤がある」
  様々な対立はドラマを生む
童心でも郷愁でもない子供像
    「久助君もの」





☆「加藤秀俊著作集3」中央公論社 1981年 ⑥【再掲載 2017.3】

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◇均質化する社会
(1)国民文化と市民文化
□島国 山岳国
  管理しやすい
小さく孤立して人口集中
 文化度高い
    = 文字を読み書きできる大衆

□平等主義 
  義務の平等
義務教育,徴兵制
    → ナショナリズム
    → 日本という国家

□社会の均質化
  日本中に情報網
    自由民間ジャーナリズムによる均質化
→ 市民意識 
     国民意識と市民意識
  ◎ 国民が市民に優先 ←→ 西洋は市民がそのまま国民に転化


(2)価値の振り子運動
□イメージ 
  官 
   - 統制 上からのルート
民 
   - 自由 下からのルート

□振り子運動
① 官と民
  ② 伝統と近代



◇昭和史の瞬間(1)
□音の文化の始まり
- ラジオと蓄音機 - 
  大正14年~
 大衆化は品質向上から  
  マイクにとまどう 
    = リアリズムの精神
  ヒットした流行歌 昭和3年 芯入りレコード
  生活にとけ込む音 
    宮田東峰 ハーモニカを吹く大衆

□サービス事業のコンビナート
- ターミナル文化 -

□小林一三のアイデア 阪急
利潤ゼロで宅地販売
    - 池田 豊中 岡本 千里山
 ○分譲住宅
      - 高槻 西宮入口
○月賦販売
○電車の営業収入を上げる
○阪急神戸線
      - 直線
(渋沢栄一 東京 田園調布株式会社 東急)
○通勤族を買い物族に 
      阪急梅田駅にマーケット 大正14年
       → 阪急百貨店 昭和4~7年
↑↓
      五島慶太 東横百貨店 昭和9年
宝塚ファン登場
    宝塚温泉 
      ~ 宝塚唱歌隊
 行楽誘致と宅地開発
  小林一三・五島慶太
    = 通路発見者
ターミナル文化
    = 通勤文化



◇虚妄と錯覚の連鎖
- エロ・グロ・ナンセンス -
□都会のハイカラ
  1920年代アメリカ 
    狂乱の時代 ~ 大衆文化
大正10年 
    菊池滋弥
     - ジャズ輸入
  堀内敬三
     - レコード産業
アメリカ文化

□挫折と逃避
  エロ → グロ(変態・猟奇)
= 知識人の逃避の場 エロ・グロ・ナンセンス

□「出口」の妄想
エロ・グロ・ナンセンス
   = 東京 銀座
  日本のアメリカ化
  地方の東京化


◇心の憂さを晴らす
- 新しい盛り場 浅草と千日前 -
オペラからカジノへ
漫才誕生 
    千日前から漫才 安い
アチャラカ喜劇 
    エノケン 浅草が大衆娯楽
群衆と日曜日
    週を生活の区切りに


◇戦争肯定への傾斜
- のらくろ -
MAVO出身
悲しき野良犬
   現実性への転移 戦争漫画
講談社文化 
    野間清治 明治42年
大正3年「少年倶楽部」「キング」
  大正12年「少女倶楽部」 
    大正15年「幼年倶楽部」
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