SSブログ

山折哲雄さんはこんなことを ⑱-「こころ旅」山折哲雄対談集 現代書館 1997年 (4) /「人生のくくり方」 加藤秀俊 NHKブックス 1981年 ⑤【再掲載 2017.5】 [読書記録 宗教]

今日は9月5日、木曜日です。



今回は、8月24日に続き、
山折哲雄さんはこんなことをの紹介18回目、
「こころの旅」の紹介 4回目です。


出版社の案内には、


「沌とした時代状況の中で、宗教学者、山折哲雄が白洲正子、アレック
 ス・カー、佐々木幸綱、河合隼雄、松原泰道、杉山二郎、大澤真幸、
 谷沢永一、山下悦子、森岡正博、芹沢俊介との対話を通して、人の生
 き方、心の有様を様々に問う。」


とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「老年期 絶望と叡智」


・「インドのライフサイクル-四住期 学生期・家住期・林住期・遊行期」


・「日本では神に近いのは老人か子ども」


・「老人の時間は次第に時計から離れていく」



もう一つ、再掲載になりますが、加藤秀俊さんの
「人生のくくり方」⑤を載せます。




☆山折哲雄さんはこんなことを ⑱-「こころ旅」山折哲雄対談集 現代書館 1997年 (4)

1.jpg

◇河合隼雄「フールな老賢者」老年性の心理 
   1928年生 国際日本文化研究所長  老年期の心理学

□エリクソンの老人論
 「若きルター」「ガンディーの心理」
  老年期 絶望と叡智
アメリカ
   → 生に焦点 葬式も明るく


□悠々した老人
アメリカ 
    何もせず座っている老人 = 負の価値
中国   
    太極拳 ~ 生き生きと = 呼吸法


□インドと中国のライフサイクル
東洋のライフサイクル
   - 死ぬまで一つの流れとして
西洋のライフサイクル
   - 直線的
インドのライフサイクル 
   - 四住期 学生期・家住期・林住期・遊行期


□二つの永遠性 
孔子 老子
   = 老人
仏陀 菩薩 
   = 青年
◎ 日本では神に近いのは老人か子ども


□老人と若い女性 
  翁
   - 優しい翁と怖い翁


□老人の時間・自然の時間
姥捨て山 
    ~ 灰縄 
  違う観点から
    ~ 時間概念
映画「黄昏」「花いちもんめ」
   ◎時計の時間 と 時計でない時間
    老人の時間 = 次第に時計から離れていく


□ガンジス川のほとりのホスピス
 インド・ガンジス川「死を待つための家」
姥捨て山に行く人は心がつながっていった
←→ 心を切られて病院に入る 
       = 姥捨て山よりもっと残酷か?


老人と子どもとのトリックスター
老人のトリックスター性が子どもを導く。
柳田-子ども 折口-老人


死期に表れる「老人の像」
死期 断食 幻影 
 

フールな老賢者



老年におとずれる思春期
離婚 行動の仕方が思春期的
思春期の子がこんな家みたいなんオもしろないわとパーと家出するのと同様
   に離婚


老いと宗教
預言者は短命な生き方







☆「人生のくくり方」 加藤秀俊 NHKブックス 1981年 ⑤【再掲載 2017.5】

1.JPG
 
◇親離れ・子離れ(2)
□若者は最大の消費者
ロストウ
   「子供は究極の消費財」
    = ペットかわいさのあまり自らの楽しみを犠牲にしてペット
     たちに多大な投資をしている
    ※ かわいがることと愛情を持つことは別

□自立の問題は親の問題
基本的躾をしなかった親にも問題がある

□土居健郎『甘えの構造』
甘え 
   「甘えとは乳児の精神がある程度発達して母親が自分とは別の存
    在であることを知覚した後に,その母親を求めることを指して
    言う」
甘え
    - アマ(天)観念
    = 味覚の甘さ
◎甘え = 依存 日本社会の特徴

□小此木啓吾『モラトリアム人間の時代』~「対象消失」
モラトリアム人間
   - あれこれやってみて、だんだん自分が分かってくるだろう
   あれもこれもやってみたけどすべてダメだった…も
自己存在の基盤の微弱さを自覚
   → 対象消失はそれほど大きな悲しみにはならない

□甘え  
  人間の依存関係 = 責任問題
人間は誰かに甘え,依存しているわけですから,それは責任
    のなすり合いの構造にもすぐに転化する可能性を持っている
  土居氏
    「日本人の罪悪感は,裏切り行為に発して謝罪に終わるという
     構造を極めて鮮明に示している」
  ◎ 日本社会では謝罪ですべてが精算される

◇日本社会
① 親離れ子離れの難しい社会

  ② 甘える関係から離脱することのできない社会
  ◎ 私たち現代の日本人は,永久に大人と子供の間を振り子の様に
   揺れ動いている存在
   → 最終的には甘えの構造の究極の解決方法としての謝罪によっ
    てすべてを精算するという習慣
nice!(122)  コメント(2) 
共通テーマ:学校