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「『家栽の人』から君への遺言」毛利甚八 講談社  2015年 ⑦  /「ハシモト式 古典入門」橋本治 ごま書房 1997年 ⑤【再掲載 2016.10】 [読書記録 教育]

今日は10月27日、日曜日です。


今回は、10月24日に続いて、毛利甚八さんの
「『家栽の人』から君への遺言」の紹介 7回目です。


少年育成についての話です。


出版社の案内には、

「ヒット作『家栽の人』で一躍人気マンガ原作者となりながら、著者は、
その成功を素直に喜べない自分に出会う。現実離れした人物像を『家
栽の人』の主人公にしてしまったことに苦しみ、著者が突き当たった
のが、戦後の少年法が抱える問題だった。少年法への無知、無理解が、
ピント外れの少年法叩きを生む日本社会の現状を嘆く著者に、2014年
夏、末期の食道がんが見つかる。すでに肝臓、リンパ節、肺にも転移
していた…。」

とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「少年院は刑務所より甘いわけではない。刑務所は時間刑、少年院は
矯正教育の場」


・「自分の実に責任が及ばない匿名で人に汚い言葉を投げつけ、個人情
報をまき散らす人々が正義を語る。彼らが罵倒する『サヨクが守ろ
うとする人権』はどちらかと言えば彼らを守る権利にほかならない。
それなのに、なぜか彼らは保守政治家や検察の傍らに座り、自分が
犯罪者を断罪する立場にあると勘違いしているようだ。」


・「国家は『人を殺す権利は国家にだけある』と主張したがっている。
法律に基づけば、死刑や戦争によって人を死なしめることができ
  る。『しかし、国民は勝手に暴力を使ってはいけない』-この広報
  のため警察もマスメディアも司法も‥」




もう一つ、再掲載になりますが、橋本治さんは
「ハシモト式 古典入門」⑤を載せます。





☆「『家栽の人』から君への遺言」毛利甚八 講談社 2015年 ⑦

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◇佐世保の君に送る手紙(1)

□天国から地獄へ
  2012年秋 
    サンデー毎日で「のぞみ」漫画

  魚をおいしく感じない
~ 別府市 K医師
     「宮本常一を歩く」の愛読者が大学病院を紹介してくれた

  告知 ステージ4B 余命6か月 
    「ひと月後に死んでもおかしくない」

がんに名前をつける

死を見つめる部屋で



□最高裁に乗り込む
  2014.8.14 12:46  
    井垣康弘さん、片山徒有さん、新合修さんと家庭局局長室へ
  エリート裁判官 
    馬渡(もうたい)直史第一課長を前に養蜂書を読み上げた
    「少年問題ネットワーク」の要望書を馬渡課長に手渡した

  「少年問題ネットワーク」2001年夏
逆送事件では詳しい少年調査票は要らない?
      家裁の少年審判機能を弱体化させ冷え冷えしたもの変えた
     ようだ
    → 2014.8.1話題に

  要望書を作る    
1 安易に逆送を選択せず徹底的な調査を要望する
2 裁判員裁判に掛けることは避けるように要望する
3 多様な処置の道を用意することを要望する
4 ‥
2014.8.14 13:00提出
 → 馬渡課長の
       「不快でたまらないのを無理に押さえ込んでいる」態度

記者会見とネット炎上  誹謗中傷
   「名無しさん」たちの大いなる誤解
→ 少年院は刑務所より甘いわけではない。刑務所は時間刑、
     少年院は矯正教育の場


コンピュータの中に真実はない
  ◎ 自分の実に責任が及ばない匿名で人に汚い言葉を投げつけ、
    個人情報をまき散らす人々が正義を語る。彼らが罵倒する「サ
    ヨクが守ろうとする人権」はどちらかと言えば彼らを守る権利
    にほかならない。それなのに、なぜか彼らは保守政治家や検察
    の傍らに座り、自分が犯罪者を断罪する立場にあると勘違いし
    ているようだ。

◎ 国家は「人を殺す権利は国家にだけある」と主張したがって
    いる。法律に基づけば、死刑や戦争によって人を死なしめるこ
    とができる。
     「しかし、国民は勝手に暴力を使ってはいけない」
      この広報のため警察もマスメディアも司法も!     

   ◎コンピュータの前を離れて、裁判の傍聴をしてみればよいのに







☆「ハシモト式 古典入門」橋本治 ごま書房 1997年 ⑤【再掲載 2016.10】

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◇どうしておじさんは「随筆」が好きか
「元禄御畳奉行の日記」をうらやましがる中国文学の研究者
江戸時代
      「畳課の課長さんが書いた日記」がベストセラーに
  中国にはない 
    漢文だけで分かりやすい表現はできない
 「漢字の量」と「漢字の難しさ」
      - 気楽な日記は生まれない
→ 19世紀 阿片戦争後 簡単な文章に
   ◎ 日本にはシンプルな生活記録がある


◇日本は随筆の国
  「書き下し文」がなかったら
   おじさんたちも「漢文+ひらがな」主流に
  リラックスして書いた


◇カタカナだらけの「今昔物語集」
「説話文学」はインテリの文学
   説話は民衆そのものでも説話文学はインテリのもの
   - 今昔物語集 「漢字+カタカナ」
  『今昔物語集』はカタカナが読みにくい
    『今昔物語集』を有名にしたのは芥川龍之介 
       - 今昔に題材を取る
「和漢混淆文」とは?
『今昔物語集』の文体は「漢文の書き下し文」
    - 和文体と漢字の書き下し文がドッキングしてできあがった
     和漢混淆文
読みやすい和文体


◇ひらがなで書かれた「物語文体」は漫画みたいなもの
「ひらがなばかり」でも読みやすい『竹取物語』
- 日本語の文章だから自然で分かりやすい
『源氏物語』が読みにくいわけ
  「和文体」は「シンプルな内容」に相応しい
     『源氏物語』複雑な内容をどこで切れるか分からない和文体
    で書いている 
  - 子どもが複雑な話をしているのと同様
   ① 主語が抜けている
② ひらがなが多い
③ 句読点がない - 平気で長い文章
※ 句読点は漢文を読むためのもの
  簡単な文章で複雑な内容を書いている
『源氏物語』は複雑な少女漫画
  ひらがなの物語を馬鹿にする光源氏
     天下一の教養人は漫画なんて読まない
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