SSブログ

「『家栽の人』から君への遺言」毛利甚八 講談社 2015年 ⑧(最終) /「Iotは日本企業への警告である」齋藤ウィリアム浩幸 ダイヤモンド社 2015年 ②(後半)【再掲載 2016.10】 [読書記録 教育]

今日は10月30日、水曜日です。


今回は、10月27日に続いて、毛利甚八さんの
「『家栽の人』から君への遺言」の紹介8回目 最終です。


少年育成についての話です。


出版社の案内には、

「ヒット作『家栽の人』で一躍人気マンガ原作者となりながら、著者は、
その成功を素直に喜べない自分に出会う。現実離れした人物像を『家
栽の人』の主人公にしてしまったことに苦しみ、著者が突き当たった
のが、戦後の少年法が抱える問題だった。少年法への無知、無理解が、
ピント外れの少年法叩きを生む日本社会の現状を嘆く著者に、2014年
夏、末期の食道がんが見つかる。すでに肝臓、リンパ節、肺にも転移
していた…。」

とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「教師は市教委、または児相へ通告すべきだった」


・「担任はすぐに知らせるべきだったし,少女を『非行少年』として家
裁へ通告する義務があった。『傷害罪』として警察に届け出る必要も
  あった。しかし、担任は一人で抱え込んでしまった。」


・「教員たちはよい教師である必要はなかった。彼らが普通の社会人と
して少年法や児童福祉法を学び、それを運用してさえいれば悲劇を
  救うチャンスは何度も転がっていたのである。」



 生徒指導上の問題にしても、虐待にしても教師には市教委なり児童相
談所なりに報告の義務があります。
 虐待されたような跡を見て、学校が判断し、児相に報告し、必要な措
置が行われます。
その後が課題です。学校、特に担任や管理職と保護者の間がどうして
もギクシャクしてしまうことがあります。子どもが健全に育ってもらい
たいのは両者同じなので、よい関係になっていくこともあるのですが‥。
 そのサポートの必要性を強く感じます。




もう一つ、再掲載になりますが、齋藤ウィリアム浩幸さんの
「Iotは日本企業への警告である」②を載せます。




☆「『家栽の人』から君への遺言」毛利甚八 講談社 2015年 ⑧(最終)

1.jpg

◇佐世保の君に送る手紙(2)

□佐世保高一同級生殺害事件は防ぐことができた
  2015.3.9 長崎県教育委員会発表報告書 
  事件 2014.7.26夜
翌27日03:20ごろ
         警察官が被疑者少女の部屋を訪ねて被害者の遺体を
        発見、被疑者少女は午前6:11逮捕


  異物混入事件
2010年小6時 12月給食への異物混入事件
少女が同級生二名の給食に「微量の粉末洗剤等を希釈
       したものを5回」混入
翌日スクールカウンセラーを要請 
        少女「憂さ晴らしになった」

    父親(弁護士)
      「子どものいたずら」と軽く見ようとした    
→ 学校側と対立し投稿できないまま卒業
少女 成績のよい優等生から問題児に
  ◎ 教師は市教委、または児相へ通告すべきだった

    母親の死と父親殴打事件
佐世保北中へ進学 
      ※ 小学6年の事件を校長以外は知らず


  2014.3 中3 
    眠っていた父親をバットで殴りけがをさせる
前年10月に母親を病気で亡くしたばかり
父から担任への以来
      「誰にも言わないでほしい」
◎ 担任はすぐに知らせるべきだったし,少女を「非行少年」
      として家裁へ通告する義務があった。「傷害罪」として警
      察に届け出る必要もあった。しかし、担任は一人で抱え込
      んでしまった。
     

  担任は少女と話し、
    「人を殺したかったので相手は誰でもよかった。あなたでもよ
     かった」
    と、決定的な言葉を聞き取っているのにもかかわらず‥
    - 父親との約束を守り続けた。 
      
    報告は4月24日 精神科医
       4月25日 校長 副校長 高一学年主任 

◎ 教員たちはよい教師である必要はなかった。彼らが普通の社会
   人として少年法や児童福祉法を学び、それを運用してさえいれば
   悲劇を救うチャンスは何度も転がっていたのである。



□僕が思春期に出会った死
大宮町のお婆さんの死 カエルの大虐殺 体が変わる
   
  思春期スパーク 
    中学生男子が一気に大人びた肉体をもつ

  同級生の死
    (筆者が)弔辞を読む(受け入れていない友だちの死)

  スズメバチの毒針
    葬式での薄笑い 
    高校入学 - 望んでいた高校と別の高校へ
   
  山猿とブルースリーと祖父のこと
   「金を使わないこと」「勤勉であること」
    祖父の死-寒すぎる風呂場で心不全

  文学少年(筆者)の誕生
   - H君の死と祖父の死



□維摩詰の足元で
  少年鑑別所の君へ
法務技官「資質鑑別通知書」 家裁調査官「少年調査書」
      → 3人の裁判官の合議制

  抗がん剤をやめる(筆者)
    がんが薬になれてしまった
「抗がん剤で少し人生が長くなるにしても、ベッドでしょんぼ
     り暮らすより、元気に仕事をして人生を終わりたい」
→ 抗がん剤を休んで本を書き上げた
   
  維摩経を再読する
   「維摩経」長尾雅人 中公文庫 現在なし
   
  大乗仏教 鶏の肉 結核病院跡地 夢 
   
  初めての旅
    - 大学3年でトカラ列島宝島 
        先輩が宮本常一の「日本の離島」を読んでいたから
    トカラ列島はすごすぎた
     ~ 隆起の島 

  君の失敗を見つめる 
     1998「宮本常一を歩く」 
      きっかけは「土佐源氏」4年掛けて日本中を歩いた
   
  お父さん 目と耳の対談 僕が知ったこと 君の失敗 機械論と生気論
   
  H君の真実 
    友達のO君
    「H君が死んだときああ死んでよかったなあそう思うたとよ」 
 - 子どもの頃から牛や馬のように働かされていた
   
  君の友達



◇あとがき
がんの宣告
    2014年7月中旬
2015年8月15日現在 生存している
  東優里さんに感謝
   ~ 彼女が生活を支えてくれた真の友人 


◇毛利甚八
1958年 長崎県佐世保市生
日大芸術学部文芸学科卒 
    ライターとして活動
  1987年より
    まんが「家栽の人」(画 魚戸おさむ 小学館)の原作を担う 
1994~1998年 
    民俗学者宮本常一の足跡を追う旅
     → 「宮本常一を歩く」上下
  2001年~ 
   住まいを大分に移し、地元の少年院で月に1回ウクレレを教える
  著書 
   「九州独立計画 玄海原発と九州のしあわせ」講談社  
「少年院のかたち」現代人文社
「白土三平伝」小学館





☆「Iotは日本企業への警告である」齋藤ウィリアム浩幸 ダイヤモンド社 2015年 ②(後半)【再掲載 2016.10

1 Iot日本企業への警告.jpg

◇今IoTに必要なセキュリティの十戒
 1 機密性は守られているか
 2 情報は正確で安全か
 3 途切れないか
 4 誰にどこまで許可を与えるのか
 5 そのログで責任は果たせるか
 6 後から否認される恐れはないか
 7 本当に守るべき情報は何か
 8 アクセス権限はないか
 9 多様性こそが力になる
 10 したたかにしなやかに立ち止まる


◇日本企業のチャンスはどこにあるか
 変わるのか呑み込まれるのか
 機械に仕事が奪われる
 ピポットで環境変化に対応する
 パーツづくりからの脱却
 ソフトウェアが勝負を分ける
    ソフトウェアを情報の軸に
    テスラ
     - フォームウェアのアップデートかなりに
  プラットフォームで発想する
  オープンイノベーションへのチャレンジ
  デザイン・イン・ジャパンに転換する
  「チーム」を作る         
  ビジネスモデルへの変容
 IoT時代のコミュニケーション
  ビッグデータの干し草の山から金の針を見つける
  「ダメだし」よりも「できること」を考える
  もう一度セキュリティで世界を牽引する  


◇IoT時代の日本のリーダーシップへの警告
  CEOがセキュリティで知っておきたいこと
  PDCAのサイクルで 
nice!(128)  コメント(0) 
共通テーマ:学校