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山折哲雄さんはこんなことを 30 /「はじめて学ぶ日本児童文学史」鳥越信 ミネルヴァ書房 2001年 ④【再掲載 2016.10】 [読書記録 宗教]

今日は1月15日、水曜日です。


今回は1月5日に続いて「山折哲雄さんはこんなことを」の30回目、
「日本史再検討3」井沢元彦さんとの対談を紹介します。


出版社の案内には、

「『日本とは?』『日本人とは?』と問いかけられて、何人の人が明解
 に答えられるだろうか。歴史を現代の新たな視点から見直すことに
 よってその答えが見えてくる。好評シリーズ第3弾。」

とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「日本人が無宗教というのは間違い。万物に生命が宿るの普遍性」


・「目に見えない神は、フルネームがあるのに記号化され、特定の場所
に結びつき、細胞分裂を繰り返す」


・「身を隠す神(天神)と死んで葬られる神(地神)」


・「無我でなく我をコントロールする方向に。無我でなく無私」




もう一つ、再掲載になりますが、鳥越信さんの
「はじめて学ぶ日本児童文学史」④を載せます。






☆山折哲雄さんはこんなことを 30-「日本史再検討3」井沢元彦 世界文化社 1999年

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◇山折哲雄 
 日本人が無宗教というのは間違い  
    ベースは多神教 神道は教義がない
普遍性「万物に生命が宿る」
  

  古事記に見る日本人が本来持つ信仰心
    ① 目に見えない神
 ② フルネームがあるのに記号化
    ③ 特定の場所に結びつく
 ④ 細胞分裂を繰り返す
  

  神と穢れの関係 
    身を隠す神(天神)と 死んで葬られる神(地神)


  祟り信仰と仏教の役割
    人魂 = 神
  

  日本の宗教の本当の姿
  

  和の精神は仏教の影響ではない
  信じ合ううことの大切さ
  太子は「和」をまず最初に説く
  仏教から無常観
  

  儒教的修養の到達点は清き明き心
  修養の心を大衆が持った(自己鍛錬 修養による)
→ 清き明き心
      ~ 偽りのない誠の心 
      ~ 無私
    則天去私 無欲
無我でなく我をコントロールする方向に
無我でなく無私
心をいかに純粋にするか 
      初心忘るべからず
人間は死んだら神になる
      = 先祖崇拝
  

  キリスト教と個人主義
  人権思想はキリスト教から
 個人主義はキリスト教から
    ◎ 日本の集団主義は個人主義のラディカリズムを緩和す
     る装置の意味合いを持っている
    - 伊藤博文  
        欧州見学→キリスト教に対応する
価値観の必要性に気付く                         
→ 天皇家の万世一系フィクションを作り出す
天皇信仰・誠精神
- 具合の悪い自己運動
  

  日本人の基本的人間観の崩壊
    日本人独特の倫理観
      ・西洋から受け入れた個人主義
      ・儒教からの修養
      ・仏教からの無常観
   → 石田梅岩の心学が必要?
 ・人間正直であれ
 ・卑怯なことをせず,廉潔であれ
西洋「人は疑え」弱肉強食
      人間は他の人間を信じなければならないとする基
     本的な人間観をつくっていった          
日本共同体における最大の悪は裏切り(内部告発)
      危険なのは,その裏切り行為が正義の名において許
     容され始めていること





☆「はじめて学ぶ日本児童文学史」鳥越信 ミネルヴァ書房 2001年 ④【再掲載 2016.10】

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<芸術的児童文学の開花>
◇時代思潮

□1910年代 芸術的童話・童謡の時期
1910 小川未明「赤い船」 
  1916 「良友」創刊
1918 「赤い鳥」創刊 鈴木三重吉主宰
   = 子供の詩文学


◇「赤い鳥」の出現

□都市と都市中間層の成立
「子供」への関心 
    エレン・ケイ『児童の世紀』
    → 成城小学校・自由学園・文化学院
  1907年 義務教育機関が6年間に
      → 各地に高等女学校

□新しい動向
1913~1914 実業之日本社
      『愛子叢書』5冊のみ

□「赤い鳥」創刊
1918.7 芥川龍之介,有島武郎,島崎藤村,絵・清水良雄
~1929.3 休刊  
  1931.1~1936 復刊 全196冊
1919.4 「おとぎの世界」 
  1919  「金の船」 → 「金の星」~ 1929.7
1920  「童話」(~1926)

□花開く「童話」
「童心主義」 
    = 児童中心主義
関東大震災の衝撃
   → プロレタリア児童文学

□メディア拡張の兆し
「蜘蛛の糸」芥川龍之介 
     「赤い鳥」1918.7
 赤い鳥に4編
 「椋鳥の夢」浜田広介 
     「良友」1919.1
  「赤いろうそくと人魚」小川未明 
     「東京朝日新聞」夕刊1921.12.16~20
「虎ちゃんの日記」千葉省三 
     「童話」1925.9~10
「女神の死」鈴木三重吉 
     「赤い鳥」1919.7 
       = 子供向け「古事記」
「野菊」吉屋信子 
     「少女画報」1916.10


◇唱歌から芸術的童謡へ

□新興童謡と伝承童謡
 1916~ 「赤い鳥」 新興童謡
    口語体   北原白秋,三木露風,西条八十

□学校唱歌 伊沢修二 
  米国に派遣
   → 「小学唱歌集」全3巻

□少年少女詩 有本芳水

□「赤い鳥」と白秋
  白秋 
    実家倒産と人妻事件
初期
   「色の魔術師」 マザーグース
1200作品 400に曲

□「赤い鳥」の自由詩 
  児童の投稿童謡
   → 児童詩

□白秋,八十,雨情 
  三巨頭の時代

□文部省の認定と文芸の大衆化

□童心主義への批判

□戦後童謡 
  サトウハチロー 
  まど・みちお 
  阪田寛夫 
  谷川俊太郎 
  工藤直子


◇宮沢賢治 童話の源泉
「おとぎ話」から「童話」へ
比類なきファンタジー作家
童話の創作 
    1918年夏には恩師・八木英三の読み聞かせ
父の影響 
    古着商・質屋 
    父・政治郎の影響…花巻仏教界を組織化
篤信の家庭 
    「白骨の御文章」暗誦
盛岡中学
    … 盛岡高等農林学校農林科
    → 花巻農学校教師(4年6ヶ月間)
妹・トシ
 日本女子大学入学
国柱会
- 法華信仰  羅須地人協会
 羅須地人協会 ~ 終焉 
    1926~ 独居自炊 
    1933.9  永眠38歳
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