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「学力と階層」苅谷剛彦 朝日新聞社 2014年 ④(最終) /「これが買いだ 私のキュレーション術」成毛眞 新潮社 2016年 ①(前半)【再掲載 2017.12】 [読書記録 教育]

今日は2月2日、日曜日です。


今回は、1月29日に続いて苅谷剛彦さんの
「学力と階層」の紹介4回目 最終です。


本書に書かれていることが10年後の現在の教育の問題に大きくかかわって
います。

教員採用試験の倍率低下、がもたらす教員の質の低下がもたらす影響は、
今後大きな課題になると想像します。


出版社の案内には、

「学習資本の階層差がますます拡大する日本の教育。出身階層という社
 会的条件の違いが子どもたちにもたらす決定的な差について警鐘を鳴
 らす。90年代以降、迷走を続けた教育政策を豊富なデータとともに
 検証。学力問題の第一人者が説く処方箋。」

とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『学習』という投資活動,『学習能力』という投資センス」


・「日本の大学生8割が私学。1960年には65%だったのに。費用のほ
とんどは家計が負担となっていること、厳しい修得主義を避けてき
たことが課題」


・「2001年には41校だったのが、2006年には64校と、小学校教員免許
を出す大学が急増した。しかし、新設のほとんどは偏差値50以下で
あり、小学校教員の需要増を見込んで大学生き残り策として設置さ
れたという面もある。教員養成系大学の難易度低下は教員の質に影
響を与える。教育が大事というのならそれに見合った冷静な支援と理
解が求められる」



もう一つ、再掲載になりますが、成毛眞さんの
「これが買いだ 私のキュレーション術」①を載せます。




☆「学力と階層」苅谷剛彦 朝日新聞社 2014年 ④(最終)

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◇教育の綻びをどう修正したらいいか

1 学歴社会から学習資本主義社会へ

生涯学習社会から生まれたジャパニーズ・ドリームの体現者
ナレッジ・ワーカー 世は「学び」の大合唱

   学歴社会レジュームの綻びと「学習」の離床
かつて
      ① 学歴が示す学習能力 
      ② 訓練機会 
      ③ キャリアア=学歴社会成功イメージ     
 → 自ら学び続ける「ナレッジワーカー」が求められる知識経済の出現
〇 学習社会についての言説(生涯学習社会)
     〇 学習能力(学びのすすめ)の言説

   イギリスは就業能力向上のため生涯学習の機会を拡大
イギリス
      -〇教育の市場化 
         「十全な雇用可能性」をくまなく多くの人々に身に
         付けさせる政策への転換
〇選択と競争原理
ハイスキル社会では貧困など恵まれない環境に於
         かれた人々が社会的に排除されることに警鐘

   「学習」という投資活動,「学習能力」という投資センス

   学ばなければ生き残れないから学ぶ

   選びたいから選ぶのではなく,選ぶことが余儀なくされる

   新たな階級社会の誕生か能力支配社会の実現か

 
2 受験のレベルも授業のレベルも上げられない

   未履修問題の源流
「履修」と「修得」の違い
       水の化学式を知らない
       in front ofの意味が分からない

   高度な学力を求められるヨーロッパの資格検定試験

   修得への着目をそらせた受験戦争 
     選抜しても退学させられない

   1990年代 4年生大学合格率6割前後
→ 2000年代 
    2005年 4年生大学合格率8割
2006年 私立大の40.4%が定員割れ

   日本の大学生8割が私学
     1960年 私学65% 1950年 60%
費用のほとんどは家計が負担
※ 厳しい修得主義を避けてきた


3「ダメ教師にムチ,優れた教師にアメ」政策は有効か 

   高まる期待とズレ  
     ニワトリが先か卵が先か?

   「アメとムチ政策」とそれへの反応

   厳しい眼差しの「意図せざる結果」
2000年 公立小教諭採用試験の倍率 12.5倍
     01年 9.2倍 02年 6.3倍 03年 4.8倍 05年 4.5倍
     06年 4.2倍 
首都圏は2~3倍
     ※1980年代後半も4倍前後まで低下していたが,大学入試が狭き門だった 
◎2001→2006年 小学校教員免許を出す大学増 
41校  64校  ◎新設のほとんどは偏差値50以下
    ◎小学校教員の需要増を見込んで大学生き残り策として 
   
 ※ 教員養成系大学の難易度低下は教員の質に影響を与える
教育が大事というのならそれに見合った冷静な支援と理解を!

 
4「自己実現」という名の迷路  フリーターからの脱出口はあるのか 

   高卒者全体の1割がフリーター 
     20代のフリーター 200万人

   自分探しの旅 
     エリクソン「モラトリアム」
小此木啓吾 モラトリアム「真剣かつ深刻な自己探求」
↑↓
今の日本 それにほど遠く…
      ◎ 空疎じみた自分探しを奨励し宙づり状態の若者たちを
       増やしているだけ  

   個性主義と「自己実現」
高校の進路指導 
      「自分のやりたいこと」
      「自分に向いた職業=適職」
「自己理解」「自分探し」

   何もしないでフリーター

   豊かさの幻想 
     親へのパラサイト
自己実現 - 高度な自律性や創造性を備えた職人に特徴的
→ 後になって振り返ったときに「自分らしさ」を感じ
        ることのできるような具体的な経験の機会をできるだ
        け多くの若者に与えることが求められている








☆「これが買いだ 私のキュレーション術」成毛眞 新潮社 2016年 ①(前半)【再掲載 2017.12】

[ 出版社の案内 ]

最先端IT機器選び、投資先、接待手段、人物やニュースの見分け方
まで。あふれる情報に流されず、本物を見究めて自分なりの「実利」
を手にするのだ。そのためには、世間の逆を行け。成毛流「選び方」
指南!週刊新潮の人気連載『逆張りの思考』、待望の単行本化。
モリナガ・ヨウの好評イラストも多数掲載!

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◇逆張りの思考でいく

  アマノジャクに生きる 
    逆張りを押していく(ウォーレンバフェット)
     - ほったらかして待つ

  運の総量は決まっている「ウン(運)・ドン(鈍感)・コン(根性)」
 運 
     ~ つまらないことに運を使ってしまわないこと
     ホームでは端を歩かない
 鈍感
     ~ くよくよしない 
  成功に無頓着でいられる鈍さ
    根性
     ~ 同じことを飽きもせずダラダラ続けられる気質

  おもしろそうな方を選ぶ
    書評サイト「HONZ」     

  質の違う苦労を取る

  20年後によくなる家を選ぶ
 自分だけのお宝を発掘する



◇情報の取捨選択術

  一眼レフと高級コンパクトデジカメを比べる
 新商品ではなく新技術を買う
      リコー「THETA」

  カメラを使い分ける
 リコー「THETA」360度 
    DJI「OSMO」 
    オリンパス ライカ

  アップル最大の発明とは
  i TUNES STORの仕組み
    インターネットにはもう繋がない

  アマゾンの舞台裏をつく

  情報断食をしてみる
 ドローンの次の形を DJI



◇本を読むことのプラス

  本は目で楽しむ 
    福田和彦『東海道五十三次将軍家茂公卿上洛図』
    『南方熊楠菌類図鑑』  

  成毛的書店経営を検索する
 京都恵文社一乗寺店(セレクトショップ)

  悪口をブロックしない 
    『HONZ』おもしろかった本だけ

  批評よりもキュレーションする

  本棚とスマホは脳を映す
 SFこそが次に来る  
    アシモフ、ハインライン、星新一



◇人のやらないことをやる

  「帰れる場所」を作る

  ネタを仕入れる旅をする

  旅に日常を持ち込む

  旅はエックスデイの前をねらう

  「テレビ見ない自慢」を裏切る
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