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「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」暮しの手帖社 2023年 ⑥ /「日本子育て物語-育児の社会史」 上笙一郎 筑摩書房 1991年 ⑪【再掲載 2017.3】 [読書記録 一般]

今日は2月4日、火曜日です。


今回は、2月1日に続いて、暮しの手帖社の
「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」
6回目の紹介です。


出版社の案内には、


「豪華執筆陣で贈る珠玉の随筆集『あなたの暮らしを教えてください』は、
『暮しの手帖』の本誌と別冊に寄せられた「暮らし」がテーマの随筆作
品を選りすぐり、全4冊にまとめたシリーズです。
第2集は、日々の気付きにまつわるお話を集めています。当時の話題に
触れて感じたこと、近所の猫やお店のこと、仕事や家事を通しての発見
や、趣味や学びのなかで思うことなど、小さな日常をいつくしみたくな
る一冊です。


とあります。



本を読んでみて、ちんぷんかんぷんとなることが、よくあります。



もう一つ、再掲載になりますが、上笙一郎さんの
「日本子育て物語-育児の社会史」⑪を載せます。



☆「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」暮しの手帖社 2023年 ⑥

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◇「わからない」を語りたい     花田菜々子

 最近「わからなかった」本の話を誰かとすることにハマっている。


 書店員として働くようになってから20年弱。書店員というのは職業上、本
のことを「わかっている」ていで話をしなければならない仕事だ。


 あれは名作ですよね、話題のあの本が売れているのはこういう理由でしよ
う、この本の素晴らしいところはこんなところなんです、などなど。


 噓は言わないが、わざわざネガティブな感想を表に出すことはほとんどない。


「わからなかった」は、本来はネガティブな感想ではないのだが、「読む価値
がなかった」の婉曲表現だと思われてしまうし、何より書店員としての見栄も
ある。


 そう感じていた私が「わからない」に目を向けたきっかけは、最近文学賞
を受賞したある小説を読んだときに全然面白いと感じられなかったことだっ
た。

 う一ん。

 よさがわからない。

 だが、たくさんの書店員が、心から絶賛しているようだ。

 駄作ということではなさそう。


 隣で仕事をしている文芸好きの同僚にふと尋ねてみた。

 「〇〇って読んだ私、実はよくわからなかったんだけど」

 すると意外なことに、同僚の目はパッと見開かれ、輝いていた。

 「実は私もわからなかった」
 

 だが、賞の批判や作品の悪口に話がそれてしまってはつまらない。


 私はその作品を面白いと感じる人がなぜそう感じられたのかを、純粋に知
りたいだけだからだ。


 仕事中にもかかわらず、ああでもないこうでもないと意見を交わす。


 話してみると、「わからない」を語る言葉には意外な豊かさがあることに
気づく。


 まず、自分が一応その本を読めていて、「わからなさ」を言語化できていな
いと話すことはできない。


 そして話すことができても、今度は、よい小説の基準、マイナスに思えた
表現方法、結末への懐疑…ロに出してみてはじめて、自分の意見の不確かさ
がはっきりと輪郭を持つ。


 たかが本の話なのに、自分の恥ずかしい内面を吐露せずに「わからなさ」
を語ることは、難しいのだった。


 「わかる」を語るとき、私たちは自分の弱さをさらさぬまま、自信を持っ
て語ることができる。


 本を読んでいて「わかる」と思うとき、私たちは幸せに満ちているし、心
強さをもらう。


 読書のいちばんの醍醐味とも言えるだろう。


 わかる本への言葉は、究極的には「とにかくいい」「すごい」という簡単で
足りてしまう。


 作品が心に飛び込んでいるので自分から近づく必要がないからだ。


 だが「わからない」は自分から近づかなければ、向こうから歩み寄ってき
てはくれない。


 そこに辿り着こうとして届かない言葉や想いはいつも不格好で、その人ら
しさがにじみ出ていて惹かれる。


 と言うわけで最近の私は、誰かのわからなかった本の話を採取することに
夢中なのだ。


 つまりそれは、本の話をするふりをして誰かの心の奥底に触れてみたいだ
けなのかもしれない。
2021年1月







☆「日本子育て物語-育児の社会史」 上笙一郎 筑摩書房 1991年 ⑪【再掲載 2017.3】 

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≪近代≫②

◇ボーイスカウトとスポーツ - 子供集団と遊びの近代化

□村の子供組の弱体化
  小学校長が子供組の弾圧解体
    → ボーイスカウトの登場

□ボーイスカウト運動
英国軍人
    バーデン・パウエル
 戦争から発生
   - 軍隊に倣ったものが多い
     ヒットラー・ユーゲント
   大日本青少年団
1908年 ボーイスカウト
1921年 大日本青少年連盟<少年団>
 ① 地域に囚われぬ
       ② 自由参加
   ③ 規約がある
  ④ 大人のリーダーシップ

□遊びの主流は近代スポーツへ
和楽からスポーツへ
童歌遊び から 近代的競技へ
  「偶然性」   「主体的努力」

□「おもちゃ」の商品化・金属化・動力化 
  競争原理



◇麻疹疱瘡怖からず - 近代小児医学

 「命さだめ」「器量さだめ」

 「はしか」と「疱瘡」
  1862年 江戸市中 
  麻疹死亡者 267844人

 精霊神・神祭で我が子を守る

 子供を解放した近代小児医学 
   ドイツ系小児医学

 科学の大鉈が切り捨てたもの
   生活に即した子育て法



◇「洟ったらし」の克服へ

 「洟ったらし」は子供の代名詞 
    非衛生的

 汚い子供ときれいな子供との分かれ目
   イザベラ・バード 
    『日本奥地紀行』 経済的に豊かか否か

 呪術迷信から社会衛生的な手だてへ

 病人目・寝小便小僧をなくす道
   地域社会と学校施設の双方における衛生政策



◇わが子を学校に通わせぬ親たち - 自由主義教育の試み

 新しい子育て観を持った親の登場
   「大正自由主義教育」「児童中心主義」の教育
    倉橋惣三,手塚岸衛,木下竹次

 私立学校における自由とその限界
   中村春二の成蹊小学校
   沢柳政太郎の成城小学校
  赤井米吉等の明星小学校
   → 大正13年 児童の村小学校 野村芳兵衛

 自由主義教育のうち当たった壁
   → 羽仁進と きだ・みのる のみ
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