今回は、藤原正彦さんの
「父の威厳 数学者の意地」を紹します。


数学者であられるのに
「一に国語、二に国語、三四がなくて五に算数。 あとは十以下」
の言葉で知られています。



出版社の案内には

「冷厳なはずの数学者が、涙もろくて自他共に認める猪突猛進?!妻、育ち
 盛りの息子三人と暮す著者。健全な価値観を家庭内に醸成するためには、
 父親の大局的認識と母親の現実的発想との激論はぜひ必要と考えるのに、
 正直、三人の部下を従えた女房の権勢は強まるばかり。...渾身の傑作
 『苦い勝利』、文庫初収録の15編など、父、夫、そして数学者としての
 奮戦模様を描いて、本領全開の随筆66編。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は、

・「コンピュータは第一感が苦手  第一感の重要性」


・「訴訟大国アメリカ。本質的に自己責任、あるいは確率論的不運に過ぎ
  ぬ者を他人に転嫁して金銭をせびり取る風潮」

「日本はアメリカのもっとも恥ずべき部分を模倣しようとしていないか?」


・「適度の自由は好ましいが、豊富すぎる自由は、太平洋のまっただ中に
  羅針盤なしでこぎ出た船の状況に似ている。どちらに進むことも可能
だが、どちらに進むことも決定できない。」


・「買い物の楽しさとは無味乾燥な紙幣が魅力いっぱいの紙幣に化けるこ
と」




もう一つ、再掲載となりますが、八ツ塚実さんの
「思春期の心を開く」②を載せます。
子どもとの接し方を考えさせてくれる本です。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。







<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。








☆「父の威厳 数学者の意地」藤原正彦 新潮文庫 1997年



◇数学の試験
時間を延ばすべき 
   → 2倍に


◇第一感
コンピュータは第一感が苦手
   → 第一感の重要性


◇一昔前の歌謡曲
一昔前 
   … 詩人の歌詞

  現在
   → 次第に直裁的表現


◇居眠り
原因 
   ① 寝不足  
       夜型-酒・カラオケ・深夜テレビ

   ② 都会人の人見知り


◇年寄りの情緒力
死と対峙

年寄りを尊敬するという日本の伝統は世界に胸を張って誇り得る美風
 である。


◇訴訟を恐れる社会
  訴訟対策
   … 学校

  アメリカ
   … 本質的に自己責任、あるいは確率論的不運に過ぎぬ者を他人に
    転嫁して金銭をせびり取る風潮

アメリカ統一国家運営のために論理的思考を重視
  論理は確かに有用だが、人間をすべてそれで律しようとす
      ると、人と人との間隔が冷却し、必然的に訴訟が多発する。

◎ 日本はアメリカのもっとも恥ずべき部分を模倣しようと
       していないか?


◇自由
適度の自由は好ましいが、豊富すぎる自由は、太平洋のまっただ中に
 羅針盤なしでこぎ出た船の状況に似ている。どちらに進むことも可能だ
 が、どちらに進むことも決定できない。


◇買い物
買い物の楽しさ
   = 無味乾燥な紙幣が魅力いっぱいの紙幣に化けること
 
                      <最初の部分のみ>







☆「思春期の心を開く」八ツ塚実 朱鷺書房 1990年 ②【再掲載 2017.11】



◇生んでくれてありがとう 母と子の絆

□誕生日は母親への感謝の日「お母さん、僕を生んでくれてありがとう」
本末転倒  
    「命を生み出す」母の尊さ

母親への感謝
    → その後で健やかな成長を祝う
※ 誕生日は母親への感謝の日


□人間らしさの背景
   ※「肝心なところで確かなブレーキが利く」事が大切

   父親の誕生日教育
    「命がけでお前を生んでくれた」


□子供の生き方を決める親子関係
親子関係は大切。それが生き方を決める。
    
   親子関係に亀裂が生じると教育効果は激減する

   ◎金や物でいびつになり腐っていく  

   ※ まず親子の関係ありき


□誘惑のまっただ中で
深い絆 
   ・ 父親は海外にいて何年も会うことはできないのに尊敬の気持ち
    で結ばれていた子。
 ・ 親は既に亡くなっているのにかわいがってくれた日々を胸に敬
    愛し続けてきた子

  ※「心と心のつながり」が至上

   中学生は雑菌・病原菌が溢れる中に生きている

  ◎ その中を生きていくとき、自動車教習所の練習車のように、隣に
   乗ってブレーキを踏んでくれる人が必要

 「子育ては雑菌を排除し、親が必要以上の口出しをすることではな
  い。大切なのはブレーキを踏む心を育てることだ」

この世の中、どこへ行っても雑菌がうようよしている



◇不登校の背景にあったもの

□日本各地の郷土玩具 
   教材性が高い


□禁止と命令で子供は動くのか
× 親や教師の指導の一般型は 「禁止」と「命令」

   ◎ 本物の指導 
      ・受け止めずにはおられない程の心への訴えかけ
   ・行動に移さずにはおられない状況をつくる


□起きようとすると気が遠くなる
班編制には心を砕く
    - 原案づくりに介入

   ノリオが心おきなく登校できる体制


□栄養失調による体の変調
医者
  「…どうも教育の世界は根性主義で困る。何でもかんでも叱咤激励
   して事を解決しようとする。…もっと科学的な見方をしてほしい。
   必ず原因があるということを原則としてほしい。…頑張ろうとし
   てもがんばれないような体調になることもある…」

  例:貧血・低血圧のせい 
    ◎「原因をたどれ!」

 医者 
 「学校給食にはいろいろな批判はあるが、あれが唯一の栄養補給源と
  なっている子供もいる…」


□子供の思いをとらえているか
「いのち」の問題
    ~ 若い医師  父親との話し合い


□親子の「共感志向」
 「たかが弁当」だけれど…
    - 「たかが○○されど○○」
        ◎ 一つでも多くのされども作る努力を!

  - 子供の心の痛みに対する態度と「たかが」から「されど」
     へ変えらるとき、そこは学びの窓となるのである 


□十五歳の船乗りさん
   「…サボるわけにはいかん…逃げられん…」
    ◎ 怠け癖と闘うために