「子は親を救うために心の病になる」高橋和己 筑摩書房 2010年 ②(後) /「河合隼雄の人生読本」潮出版社 1997年 【再掲載 2017.4】 [読書記録 一般]
今日は5月7日、火曜日です。
今回は、5月4日に続いて、高橋和己さんの
「忘子は親を救うために心の病になる」の紹介2回目(後)です。
出版社の案内には、
「親のために、引きこもった男の子。摂食障害になった女の子。善悪が逆転した
感覚を持ち『虐待の連鎖』に悩む子育てママ。親とのつながりを持てずに育っ
た 女性の、『異邦人』のような存在感の希薄さ…。様々な症例を基に解明さ
れる、親子という『生きづらさ』の原点と、その解決。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「言ってほしかった言葉は『ごめんね』ではなく『ありがとう』。
『苦労かけたね。頑張ってくれて、ありがとう』」
・「『社会的な存在感』は同じものを求めているという確信から生まれる」
・「3つのキーワード ①アウトサイダー(異邦人) ② 中年クライシス
③ 価値の相対化」
これらのことがすべてに当てはまるということはないと思いますが、
考える材料になると感じました。
もう一つ、再掲載になりますが、
「河合隼雄の人生読本」を載せます。
4月終わりから少しずつサツマイモの畝づくりを進めています。
苗が育つのが遅れているのですが、少しずつ挿しています。
肌の色が随分黒くなってきました。
☆「子は親を救うために心の病になる」高橋和己 筑摩書房 2010年 ②(後)
◇娘の摂食障害が母親の人生を回復させた
1 拒食症は「我慢が第一」という生き方の結果
拒食症と過食症
我慢の自己目的化
娘の拒食症が治った頃、母親が鬱病になった
「お母さんは自分を生きていない、お祖母ちゃんを生きている」
母親から教わった我慢を娘は生きようとする
2 互いの我慢が取れて母と娘の人生が回復する
摂食障害が回復する4段階
第1段階
単なる思春期のダイエットだと思っている時期
第2段階
親が病気だと認識する段階
すれ違い
第3段階
病気の原因が親子関係に由来すると理解する段階
第4段階
母親が自分の生き方を振り返る段階
言ってほしかった言葉は「ごめんね」ではなく「ありがとう」
母親と一緒にいた記憶がないのは我慢をしていたから
「苦労かけたね。頑張ってくれて、ありがとう」
娘から教えてもらう人生の安心感
◇虐待されて育った子は「善と悪が逆」になっている
1 虐待を受けて育った母が子どもを追いつめる
分類と原因
内容
① 身体的虐待
② 性的虐待
③ 心理的虐待
④ ネグレクト
原因
① 親の「精神障害」「発達障害」
② 親の心理的なストレス
◎「耐えるのがわたしの存在感の拠り所だった」
2 虐待が止まらないのは心理システムが逆転しているから
普通の人と善と悪が逆になっている
虐待の連鎖
◇親とのつながりをもてなかった子の不思議な訴え
1 親とのつながりをもてないと世界は希薄化する
人生
「安心」「愛情」「お金」「賞賛」
「孤独感」ではなく「孤立感」
母親の心理状態を推測する
親がいないと心理システムができない
障がいのある親の元で育った子どもは、この世界との関係を持てな
い。希薄な存在感を抱えて生きていかなければならない。
2 この世界での解決は「親と出会う」前に戻ること
希薄な存在感、偽物のわたし
母親の生涯を受け入れる
◎「社会的な存在感」は同じものを求めているという確信から生まれる
◇心の発達段階の最終「宇宙期」とは何か
1 生きている実感が「ある」「ない」の違い
生きている実感は親から教わるもの
心理システムに影響する3つの親子関係
2 成人期の先、「宇宙期」を推測する
3つのキーワード
- ① アウトサイダー(異邦人) スナフキン
② 中年クライシス
③ 価値の相対化
◎ 日常生活の意味が変わり、求めてきた人間関係が見える
◇高橋和己
精神科医 医学博士
1953年生 東京医科歯科大学神経精神科
都立松沢病院 → 退職後都内でクリニック
☆「河合隼雄の人生読本」潮出版社 1997年 【再掲載 2017.4】
◇不登校
本人及びそれを取り巻く人々,固有課題発見の契機としてとららえようと
している
- 新しい生き方
◇人生の質
文化の空間を相対化する努力が必要
◇死後生の存在
一般論が通じない世界
→ 「私たちの人生は,私たちだけで作るものではありません」
◇夫婦関係
問題
= 旧来の日本的夫婦関係のモデルに対して欧米のモデルが輸入されてき
て、どちらに従って良いのか分からずに混乱が生じている
+ 平均寿命の伸び
◇中沢新一
「人間が今本当に求めているものは自分の生命とのリアルな接触と言うことだ
とぼくは思う。今のところ宗教は科学よりもそれに答える能力の点では勝っ
ているところもある。
しかし,本当の意味で答えることのできる宗教というのは今人々を引きつけ
ている自分の魅力の殆どを自ら否定することができ,自分が宗教であること
をのりこえることができたものだけだ。」
- 宗教の多くはイデオロギーの代用物
↑
「人間は死という絶対のリアルを通して生きることの意味を考える」ことがで
きる
◎ 近代は死を回避することに力を入れすぎた
◎「人間は大人になるために必ず死と接触するというのが人間の歴史的な知
恵です」
◇生きる知恵
□なるようになるさ
「気にしない,無理しない,思うようにいかなくても好きになればきっとう
まくいく」
□ 大人
= 周囲に配慮し,努力を続け,自分の失敗を反省し,他を喜ばせ,常に誤り
はないかと気を配って生きている
□スヌーピーの時間
時計の時間ではない自分の時間
老人と子供は時間に縛られていない
「あのころは良かった」
□孤独の味
アメリカ人の嫌うもの「孤独」「沈黙」
□私を生きる
人生の完全燃焼は難しい
□好きなものは好き
◇教育者としてのおばあちゃん
「何を勉強してきたか」ということばかり言われて、一番大事な「人間が育つ
こと」が忘れられている
父母は未来
祖父母は昔のことの伝承
- 厳しさ,頑固さ
子供は親に反発することで強くなる
人間が生きている
躾
- ピシッとやる中にゆとりが必要
トリックスター
= 教育者にもトリックスター性を悪戯者
悪戯がうまくいったときは良いことにつながり,そうでないと悪いこ
とにつながる
外すことが大切
◇本のある日々
たましいとの関連
~ ファンタジー
◇ふつうがえらい
佐野洋子のエッセイ「ふつうがえらい」(新潮文庫)
- 正しくて面白い
◇友情のコツ
工藤直子は人生の達人
「まるごと好きです」(ちくま文庫)
友情のコツ
- 人生のコツはどこにでも誰にでも通用するというものではない
今回は、5月4日に続いて、高橋和己さんの
「忘子は親を救うために心の病になる」の紹介2回目(後)です。
出版社の案内には、
「親のために、引きこもった男の子。摂食障害になった女の子。善悪が逆転した
感覚を持ち『虐待の連鎖』に悩む子育てママ。親とのつながりを持てずに育っ
た 女性の、『異邦人』のような存在感の希薄さ…。様々な症例を基に解明さ
れる、親子という『生きづらさ』の原点と、その解決。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「言ってほしかった言葉は『ごめんね』ではなく『ありがとう』。
『苦労かけたね。頑張ってくれて、ありがとう』」
・「『社会的な存在感』は同じものを求めているという確信から生まれる」
・「3つのキーワード ①アウトサイダー(異邦人) ② 中年クライシス
③ 価値の相対化」
これらのことがすべてに当てはまるということはないと思いますが、
考える材料になると感じました。
もう一つ、再掲載になりますが、
「河合隼雄の人生読本」を載せます。
4月終わりから少しずつサツマイモの畝づくりを進めています。
苗が育つのが遅れているのですが、少しずつ挿しています。
肌の色が随分黒くなってきました。
☆「子は親を救うために心の病になる」高橋和己 筑摩書房 2010年 ②(後)
◇娘の摂食障害が母親の人生を回復させた
1 拒食症は「我慢が第一」という生き方の結果
拒食症と過食症
我慢の自己目的化
娘の拒食症が治った頃、母親が鬱病になった
「お母さんは自分を生きていない、お祖母ちゃんを生きている」
母親から教わった我慢を娘は生きようとする
2 互いの我慢が取れて母と娘の人生が回復する
摂食障害が回復する4段階
第1段階
単なる思春期のダイエットだと思っている時期
第2段階
親が病気だと認識する段階
すれ違い
第3段階
病気の原因が親子関係に由来すると理解する段階
第4段階
母親が自分の生き方を振り返る段階
言ってほしかった言葉は「ごめんね」ではなく「ありがとう」
母親と一緒にいた記憶がないのは我慢をしていたから
「苦労かけたね。頑張ってくれて、ありがとう」
娘から教えてもらう人生の安心感
◇虐待されて育った子は「善と悪が逆」になっている
1 虐待を受けて育った母が子どもを追いつめる
分類と原因
内容
① 身体的虐待
② 性的虐待
③ 心理的虐待
④ ネグレクト
原因
① 親の「精神障害」「発達障害」
② 親の心理的なストレス
◎「耐えるのがわたしの存在感の拠り所だった」
2 虐待が止まらないのは心理システムが逆転しているから
普通の人と善と悪が逆になっている
虐待の連鎖
◇親とのつながりをもてなかった子の不思議な訴え
1 親とのつながりをもてないと世界は希薄化する
人生
「安心」「愛情」「お金」「賞賛」
「孤独感」ではなく「孤立感」
母親の心理状態を推測する
親がいないと心理システムができない
障がいのある親の元で育った子どもは、この世界との関係を持てな
い。希薄な存在感を抱えて生きていかなければならない。
2 この世界での解決は「親と出会う」前に戻ること
希薄な存在感、偽物のわたし
母親の生涯を受け入れる
◎「社会的な存在感」は同じものを求めているという確信から生まれる
◇心の発達段階の最終「宇宙期」とは何か
1 生きている実感が「ある」「ない」の違い
生きている実感は親から教わるもの
心理システムに影響する3つの親子関係
2 成人期の先、「宇宙期」を推測する
3つのキーワード
- ① アウトサイダー(異邦人) スナフキン
② 中年クライシス
③ 価値の相対化
◎ 日常生活の意味が変わり、求めてきた人間関係が見える
◇高橋和己
精神科医 医学博士
1953年生 東京医科歯科大学神経精神科
都立松沢病院 → 退職後都内でクリニック
☆「河合隼雄の人生読本」潮出版社 1997年 【再掲載 2017.4】
◇不登校
本人及びそれを取り巻く人々,固有課題発見の契機としてとららえようと
している
- 新しい生き方
◇人生の質
文化の空間を相対化する努力が必要
◇死後生の存在
一般論が通じない世界
→ 「私たちの人生は,私たちだけで作るものではありません」
◇夫婦関係
問題
= 旧来の日本的夫婦関係のモデルに対して欧米のモデルが輸入されてき
て、どちらに従って良いのか分からずに混乱が生じている
+ 平均寿命の伸び
◇中沢新一
「人間が今本当に求めているものは自分の生命とのリアルな接触と言うことだ
とぼくは思う。今のところ宗教は科学よりもそれに答える能力の点では勝っ
ているところもある。
しかし,本当の意味で答えることのできる宗教というのは今人々を引きつけ
ている自分の魅力の殆どを自ら否定することができ,自分が宗教であること
をのりこえることができたものだけだ。」
- 宗教の多くはイデオロギーの代用物
↑
「人間は死という絶対のリアルを通して生きることの意味を考える」ことがで
きる
◎ 近代は死を回避することに力を入れすぎた
◎「人間は大人になるために必ず死と接触するというのが人間の歴史的な知
恵です」
◇生きる知恵
□なるようになるさ
「気にしない,無理しない,思うようにいかなくても好きになればきっとう
まくいく」
□ 大人
= 周囲に配慮し,努力を続け,自分の失敗を反省し,他を喜ばせ,常に誤り
はないかと気を配って生きている
□スヌーピーの時間
時計の時間ではない自分の時間
老人と子供は時間に縛られていない
「あのころは良かった」
□孤独の味
アメリカ人の嫌うもの「孤独」「沈黙」
□私を生きる
人生の完全燃焼は難しい
□好きなものは好き
◇教育者としてのおばあちゃん
「何を勉強してきたか」ということばかり言われて、一番大事な「人間が育つ
こと」が忘れられている
父母は未来
祖父母は昔のことの伝承
- 厳しさ,頑固さ
子供は親に反発することで強くなる
人間が生きている
躾
- ピシッとやる中にゆとりが必要
トリックスター
= 教育者にもトリックスター性を悪戯者
悪戯がうまくいったときは良いことにつながり,そうでないと悪いこ
とにつながる
外すことが大切
◇本のある日々
たましいとの関連
~ ファンタジー
◇ふつうがえらい
佐野洋子のエッセイ「ふつうがえらい」(新潮文庫)
- 正しくて面白い
◇友情のコツ
工藤直子は人生の達人
「まるごと好きです」(ちくま文庫)
友情のコツ
- 人生のコツはどこにでも誰にでも通用するというものではない
コメント 0