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「他人の目を気にせず生きる技術」諸富祥彦 大和出版 2003年 ① /「日本の歴史を読み直す」網野善彦 筑摩書房 1991年 ②【再掲載 2015.10】 [読書記録 一般]

今回は諸富祥彦さんの、
「他人の目を気にせず生きる技術」の紹介 1回目です。



出版社の案内には、

「気にしなければ、もっとラクになれる…もっとやりたいことができ
 る…わかっているのに、なぜやめられないのだろう?人生が変わる
 ヒント」。

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「眼目は『他人の目をある程度は意識しながらも、それはそれ、と
割り切って自分らしく生きることのできる人』になること。」


・「隠れたカリキュラム(ヒドゥン・カリキュラム)
・本気で個性など発揮していられない ・独創的であってはならな
  い ・自立的であってはならない ・横並びの仲間意識から排除さ
  れてはいけない 等々… その学校のウラ文化は親世代にも波及
  している」


・「学校教育においては、意図的なスローガンとしての『個の尊重』
  と暗黙のルールとしての『集団主義』が混在している」


・「最近は仲間や身内の目だけを気にする傾向が強くなっている。孤
独力を育てることが必要ではないか?」


もう一つ、再掲載になりますが、網野善彦さんの
「日本の歴史を読み直す」②を紹介します。
- 市場は聖なる世界と俗界との境に設定されていた
おもしろく感じます。




☆「他人の目を気にせず生きる技術」諸富祥彦 大和出版 2003年 ①

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◇もう「他人の目」に振り回されずに生きたいあなたに
  眼目は
   「他人の目をある程度は意識しながらも、それはそれ、と割り
    切って自分らしく生きることのできる人」
   になること。


◇なぜこんなに「他人の目」が気になるのか  
  ◎孤独を恐れる心理
□「みんなと同じでなければ生きていけない」 
 仲間から外れないための努力
     「横並びの浅はかな平等主義」が日本社会の元凶
  ピアプレッシャー(仲間圧力)
      → 同調圧力
   女子高生、女子大生のファッション  
     いざとなれば開き直れる
     男の方がより深く排他的   
     心の奥底では仲間から外れることを恐れる

□根強く残る「ウラ文化」
日本
    ~ 「村八分の文化」 
        ◎オモテの文化
          = 「個を生かす」
◎ウラ文化
          =個性を圧殺しないでいられない暗黙の文化
「隠れたカリキュラム(ヒドゥン・カリキュラム)」
・本気で個性など発揮していられない
     ・独創的であってはならない 
・自立的であってはならない
・横並びの仲間意識から排除されてはいけない
~ ◎ 学校のウラ文化は親世代にも波及

□時代の変化が生んだ不安 
「個性を伸ばす」 
   ←→ なぜ隠れたカリキュラムで個性は殺されてしまうのか
= ◎ 屈折した人間真理が潜んでいる
   安定が崩れ不安が膨らんでしまい逆に集団の結束を強めようと
  する心理 
= 生徒指導の影響
      「個性を大事にと言いながら事細かな服装チェックや持
       ち物検査などで子どもたちの心を枠にはめようと必死
       になっている」
◎ 学校教育における意図的なスローガンとしての「個の尊重」
   と暗黙のルールとしての「集団主義」の混在

□「ひとり」になるのを恐れる心理
オバタリアンと若者の共通点
オバタリアンにとっての他者
     - 狭い範囲の仲間や身内に執着
   仲間の目は気になるけれど、しかし一方他者一般
      (世間)の目は気にならない
◎ 最近は仲間や身内の目だけを気にする傾向が強くなっている
いじめより孤立が辛い
ランチタイム症候群の女性 対人恐怖の男性
原因
     「1年生になったら友達百人できるかな」プレッシャー
     「いじめられるより孤立する方が辛い」   

□自分の「内なる力」に気付けば胸をはって生きられる
「孤独力」を育てる方法
自分のペースの子
      「自分はみんなに友達になってもらえない値打ちの低い
       人間だ」
~ 劣等感にとらわれている場合が多い
   孤独力の必要性
     集団や仲間に依存したり迎合したりせず、一人になり自分
    の心と対話し、自分の生き方を見付けていく能力
     = 自分を今のままそのままで認めてくれる他者との関係
      の中ではじめて自分の心の声に本当に素直になれる    
神経症、対人恐怖症
     ~ 人に気に入られたいと思い詰めすぎる心の状態
       人の目を気にし過ぎる心の状態が原因    

◎ 人に気に入られるためには、こうでなければならない、
      ああでなければならない、決してこうであってはならな
      い、と思い詰め、今ここでこうしている自分が他者の目
      にどう見えているのかが不安でならない
→  そのために心が縮み上がって身動きができなく
         なってしまう
   ロジャース
    「ただその人が語るまま、訴えるままを聴き続けるのが大切だ」  
= 思いのままに語るのを受けとめてもらっているうちに
      自分の心と対話が始まり、心が調整されてくる

□受け入れられると心が軽くなる
他者の助けがなくても自分の内面に隠れている力に気付きさえ
  すれば、あなただってそう人の目なんか気にせず胸をはって生き
   られるようになるでしょう







☆「日本の歴史を読み直す」網野善彦 筑摩書房 1991年 ②【再掲載 2015.10】

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◇文字の普及と国家 
  口頭
    片仮名 少数派
読み・書く  
    平仮名 律令国家の文書主義
  平安末・鎌倉 
    宗教家 
     - 平仮名書状
書体の変化  
      明治期には激変
◎表の世界と裏の世界
明治にはいると片仮名が増える
  法律・軍隊用語・初等教育(戦後は平仮名を先に)


◇宋銭
和同開珎8世紀
    - 皇朝十二銭 10世紀
     畿内のみ … 呪術的な意味(寺院基壇に置かれる)
13世紀~14世紀  
   土地売買を銭で
 - 銭の流入が激しくなる
米が交換・支払い手段  
     = 価値尺度機能を失っていない


◇富の象徴
13世紀~14世紀 
    富の蓄蔵手段 -
      富裕な人  
      有徳人 = 拝金主義
丸に四角な穴
   - 銭の流通
→ ◎ 日本の社会の均質化の進行
中国大陸の銭  
    宋銭・元銭・明銭
技術は持っていたのに?
虹が立つと市を立てなくてはならない習慣
    ~ あの世とこの世の架け橋
       = 交易して神を喜ばす
市場  
    神の世界と人間の世界
   = 聖なる世界と俗界との境に設定
市   
    モノを一旦 神のモノにしてしまう
市場
     =「歌垣」の場
   一人の男・一人の女として自由交渉
モノも人も縁が切れる


◇利息
  出挙
    初穂は翌年種籾として農民に貸し出される
  = 種籾 + 利稲(若干のお礼) 普通は5割
農業生産を媒介とすればそれほど高くはない
初穂 
   「初尾」「初穂」「上分」
    ◎ 神仏に捧げられたものを人間世界で使った場合,神仏に
     対するお礼として利息を返すという形で金融
  ◎ 商人・金融業者は俗人にはできなかった
     - 神仏の直属民
◎ 神仏に直属するという形で初めて金融 
      神人・寄人・供御人
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「死を考える100冊の本」久我勝利 致知出版社 2012年 ②(後) /「宮本常一著作集51 私の学んだ人」宮本常一 未来社 2012年 ④【再掲載 2015.8】 [読書記録 一般]

今回は、3月8日に続いて久我勝利さんの、
「死を考える100冊の本」の紹介 2回目(後)です。


出版社の案内には、

「本書は、まず何より死を考えるための読書案内ですが、死に関する
名言集でもあり、死の小さな百科事典ともなっています。」

とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「欲望を捨てなければ死ぬときに後悔することになる」


・「一度きり この人生が大切なのだ」


・「自己は個体としては死ぬとしても、肉体の死後も子孫の生命との連
鎖に置いて生き続けることができることになる」


・「『死』と『無常』の教育を!」



もう一つ、再掲載になりますが、宮本常一さんの
「宮本常一著作集51 私の学んだ人」④を載せます。
地域の産業、文化を守るために努力される方々を教えてくれます。


浜松市立小学校の卒業式は今日行われます。
6年生の授業にも入っていました。
立派に卒業していく姿をにこやかに見届けられるでしょう。




☆「死を考える100冊の本」久我勝利 致知出版社 2012年 ②(後)

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◇死があるから宗教も生まれた
□「ヨブ記」関根正雄訳
旧約聖書 
     律法<トーラー>
     創世記 出エジプト記 レビ記 民教記 申命記
3つ
    <律法> <預言者> <諸書>


□「ブッダの言葉」中村元訳
欲望を捨てなければ死ぬときに後悔することになる


□「イスラーム文化」井筒利彦
一度きり この人生が大切なのだ


□「図説エジプト死者の書」村治笙子 片岸直美
   いくつもの呪文


□「儒教とは何か」加地伸行
「自己は個体としては死ぬとしても、肉体の死後も子孫の生命と
    の連鎖に置いて生き続けることができることになる」
仏教 
     → 死後は 成仏か輪廻転生   
       墓は儒教の影響
儒教 
     ~ たましいの帰ってくる形代を白木の板で
     - 位牌
◎ 現在の日本仏教の行事は儒教化した仏教行事


□「原典訳 チベット死者の書」川崎信定
   ヒッピーが熱中 
   中陰(バルトゥ)49日 「枕経」「引導」
ユング座右の書


□「日本人の死者の書」大角修
   生と死は表裏一体 
     源信「往生要集」地獄描写
六道
    ~ 地獄 餓鬼 畜生 阿修羅 人 天
正修念仏


□「秘蔵法論」空海


□「一休」栗田勇


□「霊の真柱」平田篤胤
日本人が死んだとき霊魂はどこへ行くのか


□「わたしが死について語るなら」山折哲雄
山折哲雄 
     宗教学・民俗学 
     「死」と「無常」の教育を!



◇いつでも死は文学のテーマだった
□「方丈記」鴨長命


□「ドレの神曲」ダンテ トレ


□「ハムレット」シェイクスピア


□「エセー」モンテーニュ


□「異邦人」カミユ 不条理文学






☆「宮本常一著作集51 私の学んだ人」宮本常一 未来社 2012年 ④【再掲載 2015.8】

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◇藤永元作先生  明治36(1903)年~昭和48(1973)年
  昭和26(1951)年 
    水産庁調査研究部長
      山口県萩 
      父君は周防大島 
      車エビの生態研究
       - 養殖に成功
      対馬の人の要望を聞く
       - 港湾整備 
    宮本常一
    「…地方の政治ボスの言う声だけが中央に聞こえてくるように
     なるので時折地方の話をきかせてほしい」と電話
飲み歩き(自分の金で)
     井上靖『あした来る人』
        藤永グループの一人を主人公
  藤永さん
       栽培漁業
        ~ 魚のアパート
  昭和35(1960)年 
    水産庁退職 
     → 香川県生島に研究所
姫島の塩田を借りて海老の養殖 
  昭和38(1963)年 NHK取材旅行
   山口県山口市湯田でクルマエビ養殖場見学一行を落ち合う
       今東光 大宅壮一 五島昇 邸永漢 清水雅 
       後藤基治 藤永先生 (井上靖も参加予定)
     姫島 
       瀬戸内海水産 → 村営  にして成功


◇鮓本刀良意(虎夫) 明治43(1910)年~昭和53(1978)年
  昭和37(1962)年 
    広島県教委 民俗資料調査
      有志30名に県下30か所 一箇所ずつ 
  鮓本 三原市素崎町
       能地の家船調査
    大和町 三原市 
       椋梨ダム 
        ~ 沈む村の人に同情
      仕事を辞め調査
        → 一人でコツコツ生活や文化を調べた
      ~ 村人の信頼
  椋梨 広島県教委による民俗緊急調査 S41.12
  S41.8 鮓本さんと一緒に事前調査
神保教子 神崎宣武 吉田(香月)節子
 ◎蔵の中まで見せてくれた
        鮓本さんの人柄に頭が下がる 
  昭和42.8.26  訪ねる            
民具500点 武蔵野美術大学に寄付申し出
  ◎ 地方の古い文化はこういう人によって支えられている
      「鮓本さんの調査は誰に頼まれたものではなかった。自分
       が自分に言いつけて行ったものである。そういう仕事の
       中からあすがひらけてくる」
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