今回は 諸富祥彦さんの「子どもより親が怖い」を紹介します

教師と保護者との関係
以前に比べると気をつかうことが多くなってきました 

大阪大学の小野田正利さんが 保護者との関係づくりでは知られますが
明治大学の諸富祥彦さんも 教師に大きなエールを送ってくれています
 
①子どもたちへの対応 ②教師支援の難しさ ③親との付き合い方
に焦点を当てて 分かりやすく教えてくれます

保護者の世代を 
①山口百恵世代 ②松田聖子世代 ③浜崎あゆみ世代
と見る見方に新しさを感じます

学校現場で 大変参考になる本です




昨日の午前中 中央図書館に出掛け 郷土雑誌の調べもの
昭和30年代の郷土の雑誌ですが、昨日も大きな収穫がありました

次の文章はだれについて書かれたものか分かりますか?

「妾狂いに心を蕩かし、多くの金脈をもって上向をつくろい、出頭第一と
 歴昇り、飛鳥も落す勢いになる。是皆浜松の水呑百姓のキンタマの脂を
 絞り奪取りての為所也、未だあきたりぬ了見違いは改革などと聖賢めか
 してとうとうたる天下をわが家政の如く為さんとして刻薄残忍を煎じ詰
 めたる毒を流し、億兆の人民をなやますこと疫病より甚しくて…」

現代の政治家?かとも思えますが、そうではありません
江戸時代の浜松藩主、天保の改革で知られる水野忠邦に対しての文章です
水野忠邦が所替えとなったとき出された私本の名は…

「破地土等窠」はじしらず

忠邦が領民に嫌われていた様子が事細かに書かれていました

教科書でのイメージ「幕政改革に努力した老中」
とは 全く異なった姿が 書かれていました





☆「子どもより親が怖い」諸富祥彦 青春出版社 ① 2002年 



◇はじめに
「教師を支える会」①子どもたちへの対応

②教師支援の難しさ

③親とのつき合い方


◇子どもより親が教師の悩みのタネ
困った親6パターン
①すぐ逆ギレする親   素直に傷を認められず自分を守るため

  ②生活が乱れ子どもに無関心な親 親の愛情が欠けている

③教師を見下しクレームをつける親 教師のやる気を奪う保護者

④学校・教師バッシングをする親 子どもに迎合する親

⑤授業参観でうるさい親 人格未成熟

⑥親同士のトラブルを解決できない親


◇なぜ親は変わったか
(1)教師に協力的な「山口百恵世代」
40年代前半に大きな分かれ目 42,43才
「忍耐」「協調」「連帯」
    → プラスのフィードバッグが教師のモチベーションを高めた

(2)自己中心的な「松田聖子世代」
親自身が個人主義で自己中心的 = 人間関係が苦手
キレるのは傷付きやすいから

(3)我慢を知らない「浜崎あゆみ世代」
何不自由なく育ったため我慢を知らない

親と教師の相互不信が子どもをダメにする


◇教師を振り回す子どもたち
□子どもにコントロールされる教師たち
  遅刻して当たり前,携帯電話で話し始める
  子どもにとっての学級崩壊とは…お祭り騒ぎ

□学級崩壊を導く落ち着きのない子ども
教師にかまってほしい - 幼稚園の自由保育
教師はADHDに対する理解を!
  ADHD 7%=男子に多い
落ち着きなく,注目されたがり,被害者意識を持ちやすい


本当はあまり関心を示さないのがよいが,教師がつい激しく
     叱りすぎるとパニック状態に陥る
ADHD児童に対しては人間としての自信,自己肯定感をど
     うやって持たせるかが大事


教師やクラスの子どもたちから「受け入れられる」実感

  冷めた眼差しで教師を観察する
退屈に耐えられない
「注目・関心」をひきたがる子どもたち

退屈に耐えられない(欲求不満耐性が低い)