今回は 家本芳郎さんの「ザ・席替え」を紹介します

家本さん 先年 亡くなられましたが
多数の学級づくりに関する著書があります

「ザ・席替え」は題名通り席替えに焦点を当てた内容の本です
子どもたちは 席替えを よく望みます
担任が決める場合 担任の指導下子どもたちが決める場合とありますが
いずれの場合も担任の意図があります
前向きにするか コの字型にするか 個々にするか 二人一組にするか…
いろいろと悩むところです

子どもだけでなく 大人にも
「成人の直前座席移動はしない」
講演会で 後方に固まってしまい前が広く空いてしまうことがあります
そのとき 「前に詰めてください」と言わないですむように
「準備段階で席を少なめに設置」するとよいと教えてくれます
なるほど と納得します



家本さんは この本で 座席について多くのヒントを与えてくれます








☆「ザ・席替え」家本芳郎 学事出版 1998年



◇教室の机といすは動かせる

○座席配置にはいろいろある 
・教師の二つの仕事
① 子供らの座るべき席を決め必要に応じて席替えする

② ①が子どもたちの手で行えるようにする


○座席配置14タイプ 
①前向き型   ②話し合い型   ③グループ型(分団型)  
 ④グループ型(密集型) ⑤演奏会型  ⑥会議型  ⑦ディベート型 
 ⑧円卓型  ⑨密集型 ⑩散開型  ⑪整列型  ⑫複式型 
 ⑬文字型=L字型,V字型   ⑭対面型 


○なぜ,机を真っ直ぐ並べるの?
・安全対策  避難経路が確保されている,出入り口付近は開けておく

・教師から全員が見えるように
  ①教師が子ども管理 

  ②活動参加状況を調べるため

・すぐにどの子の席にも行ける
  全員の子どもから教師や黒板が見える


◇子どもの好きな席,嫌いな席 

○指定席か自由席か 
・自由席の時間を保障する 例:火金曜日の給食時

○座席決めのルール
・「二人並び」から「一人並び」へ

・身体的問題を持つ子

・背の高い子どもの席-中心を外せば …  男女混合

・同類同じうせず 
  できるだけ異質な子ども同士が並ぶように配慮

・朱と並べて赤くする 「人は人を人とす」


○座りたい席,座りたくない席 
・座席の影響力 
 ① 位置 
 ② だれが隣か 
 ③ 発言の指向性

  居心地のよい席,悪い席

・発言の力学を考慮した座席を
  発言の力学 発言力のある子どもを周辺に配置
          (各班に発言力のある子どもを)


◇席替えをどうするか

○人間や教育への関心を見る

○だれがきめるか  教師が決める,子どもたちが決める

○教師が決める場合
 ① 教師が席替えを決め誰がどこに座るか決める

② 子どもの意見で 最終的には教師が決める


○朝の会・帰りの会「みんなからのお知らせ」質問・発表・提案・報告・要求
・理想は子どもたちが決める 「公平」と「思いやり」

・席替えの方針を立てる


○席替え方法ベストテン
①~順 ②くじ引き ③ジャンケン ④話し合い ⑤入札
⑥お見合い・対面 ⑦列移動 ⑧逆流方式 ⑨遊び ⑩グループ活動


◇席替えをどう実践したか

○席替えのルール 家本氏愛用は… ①前向き型 ②グループ毎に固まって

○ローテーション方式の採用
・時計回りに一周する ローテーション方式 毎週,帰りの会で

○席替えの理由 
・座りたい席を保障
・座席には影響力がある
・別の席にも座ってみる
・移動指導の不公平さをなくす
・交わりを深めるきっかけにする
  
○教師から子どもたちへの移行 
・最初は教師が決めた
・リーダーシップとボランティア
・席替え十箇条 - 座席の決定権の委譲


◇席替えから広がる実践
「あの子と席を離して」 
・私語が多い子-私語判定会 
・座席罰の是非→援助席


◎成人の直前座席移動はしない  → 準備段階で席を少なめに設置