今回は 4月28日に続いて
檜谷昭彦さん「学問のすすめ」の紹介4回目(4/5)です
(前回まで全4回の予定でしたが全5回となります)

前回は
◇五編 - 人間の「勇気」はどこから生まれるか
◇六編 - 法律の貴さを論じる
◇七編 - 国民の成すべき務めを論じる
◇八編 - 自分の考えだけで他人を評価してはならない
を紹介しました

今回は その続き
◇九編 - 学問の目的とは何か
◇十編 - 明日に希望がもてる生き方を
◇十一編 - ニセモノ紳士の実態
◇十二編 - 効果的なスピーチのすすめ
◇十三編 - 怨望は何よりも有害である
の抜き書きです

章のタイトルだけ見ても読みたいと感じます
檜谷昭彦さんの訳による本書
福沢諭吉さんが書かれたことを大変分かりやすく説いてくれます
興味深く読むことができるはずです

特に「学問の目的」
『世の中のためと意識して勉強し仕事をする』
大切な考え方だと思います


「学問のすすめ」を読んで考えることがたくさんありました







☆「学問のすすめ」福沢諭吉 檜谷昭彦 三笠書房 ④ 2001年



◇九編 - 学問の目的とは何か
 蟻と同等ですっかり満足している人間もいる 自分の衣食住のみ=虫けら

「世の中のため」と意識して勉強し仕事をする

感謝しようにも相手がいない「莫大な遺産」文明~莫大な遺産

われわれの責務は現代社会に活動の跡を生き生きと遺し,これを遠い後世
に伝えようとすること~責任重大



◇十編 - 明日に希望がもてる生き方を
 若いうちは易きについてはならない    外国崇拝はいい加減にやめよう

 明日の幸福を望むからこそ今日の不幸も慰められる

 今改めて自分自身の「気概」を問え  明治7年6月


◇十一編 - ニセモノ紳士の実態
人の上に立つ人の基本的考え 
   なぜ他人同士の関係に「親子の在り方」を当てはめようとするのか

 地位身分を主張する人-親子関係を社会に
一見「錦のように柔順 木石のように無心」だが,これでよいのか
   「無理」という薬をいくら調合しても迷惑ばかり 

 ニセモノ紳士(偽君子)
地位身分に伴う権限だけを主張し,自分の一存で事を運ぼうとする風潮

 小数の「義士」では頼りにならない

 地位身分と職務は全く別なもの  名分と職分



◇十二編 - 効果的なスピーチのすすめ
スピーチの説得力

自他の「見識を高める」ための議論とスピーチ
学問の真の本質はただ読書にあるのではなく精神の働きにある

 見識が人間の「品格」をつくる
経済学を学びながら家計のやりくりができないとんでもない見識人

 見識を高める唯一の手段 - 決して自己満足するな

 学校の名誉 ①学問水準が高いこと
②学問の教え方が巧みであること
③学問の人物の品行が高潔で議論に優れていること

 インド・トルコ凋落の最大原因 = 外国の優れた所をみなかった点
内外の状況の比較・検討が大切 
                           明治7年12月



◇十三編 - 怨望は何よりも有害である
 欲望は取り扱い一つで立派な「美徳」にもなる
吝嗇(ケチ)・奢多(ぜいたく)・誹謗(悪口)

 他人への「怨望」こそは諸悪の根源
紙一重  傲慢と勇敢,粗野と率直,頑迷と実直,軽率と俊敏
怨望こそが悪徳 あざむく,だます,うそをつく,さねむ,疑う
嫉妬する,卑怯な態度

 貧困その者は不平の原因ではない
「大奥体質」がまだ抜け切れていない日本
自由を妨げてはならない            明治7年12月