今回は 2月4日に続いて 月刊誌『致知』より 夏目研一さん 宮本由里子さんの
「子供たちに読書力をつけさせよう」の紹介 7回目です

読書についての対談は 読書指導の参考になります


もう一つ 再掲載となりますが 林公さんの
「朝の読書」を紹介します
朝の読書の概要が分かる本です




※浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー
 ものづくりの街 浜松
 行くたびに新しい感動が得られる 山田卓司さんの世界
 詳しいことはホームページをご覧になってください
 ホームページにも魅力がいっぱい詰まっています








(1)「子供たちに読書力をつけさせよう」対談-夏目研一&宮本由里子 『致知』2003.12月号 ⑦


 
宮本 分かります。授業でも、朗読でも目いっぱい頑張って、やっとこれでいいのか
  なと思うと、また自信をなくすような出来事に出合ってしまう。
 
   私はまだ「これでいいのかな」と模索している毎日です。でも、「これでいい
  んじゃないだろうか」と信じてやっていくしかないですよね。



夏目 『致知』を朗読しながら生徒たちに言っていたことがあるんです。

   いま日本の社会では様々な問題が起きている。これを救うのはわれわれ大人よ
  り、むしろ君たちだ。もし、みんながいまの社会はダメだ、いまの大人は何して
  いるんだと思うなら、それを変えるのは君たちだ。

   いまこの『致知』の文章を聞いているみんなこそが、自分の得意とする分野で
  一流となり、リ-ダーとなって社会を創り変えていくんだ。私はそのためにいま
  ここでこうして教壇に立ち、国語を教え、『致知』の文章を読んでいるんだ、と
  何度か熱く語りました。
 
   以前から、教師の使命はこういうことかなと思っていましたが、『致知』の朗
  読を続けるうちに、ますます「ああ、そうだ。教師の使命はこれなんだ」と深く
  自覚できるようになっていきました。

   だから『致知』の授業を通して一番成長したのは自分なんですね。生徒に読み
  聞かせながら、実は自分自身が学んでいたんですね。



宮本 そうですね。本当にそうです。

   私も朗読を始めてからは自信を持って授業に臨めるようになったし、性格も明
  るくなったような気がします。
 
   教師が変わると生徒も変わるというか、一年生などはみるみるうちに読書好き
  になっていくし、国語の授業を待っていてくれる手応えが感じられます。「朗読
  の時間が楽しい、大好き」「朗読している時は、先生が一番輝く時!」なんて言
  ってもらうと、本当に幸せ者だと思います。





◇朗読の力 声の力

夏目 おそらくきょうの宮本先生のお話を聞いたら、朗読を授業に取り入れたいと思
  う学校の先生もいるだろうから、事前にお薦めの本を挙げていただきました(表)。



宮本 ここに挙げた本は、あくまでも朗読するのにお薦めの本であって、黙読となる
  とまた違うんですけど。


夏目 朗読する上でのポイントを挙げていただきたいのですが、まずは実際に宮本先
  生がどのように朗読をされるかをご披露いただきたいですね。


宮本 ええ? ここでですか。



夏目 ぜひお願いします。



宮本 じゃあ、この『ハードル」という本の一部分をちょっとだけ…。(といって朗
  々と朗読される)


夏目 いや!、さすがですね。こういう小説は平坦に読むと、どれが地の文で、どれ
  がどの登場人物の台詞か聞いているだけでは分からないですからね。その点、宮
  本先生は登場人物に合わせて読み方も変えていらっしゃって分かりやすかった。



宮本 ありがとうございます。生徒たちからはおばあちゃん役がうまいと言われてい
  ます(笑)。










(2)「朝の読書」林公 メディアパル 2006年【再掲載】

◇はじめに 

「教育とは生活の一部でありきわめて日常的な営みと考えています」


◇子どもの表現能力を育てる「朝の読書」

「朝の読書」の成果 10分間

  4原則 ①みんなでやる  
  
      ②毎日やる

③好きな本でよい

      ④ただ読むだけ


言語能力を高める「朝の読書」


「朝の読書」で漢字が読めるようになった


書きたい欲求を目覚めさせる


「分かった」と言う実感を


 感動は豊かなコミュニケーションから
 「他者とのコミュニケーション」


 わたしの授業における挑戦 = 「日常に小さな感動を!」
   ①感動を体験する機会を少しでも多く作る

  ②感動について書くチャンスを常に与え続ける


 「毎日の授業で」
  ①クラス全員一致するなら「やりたいことなら何をやってもよい」

 ②平常授業 すべて生徒一人一人勉強したいテーマを決め自分で調べてみんな
    の前で発表させる 司会進行も全員で交替

 ③次の授業までに「感動したこと」を中心に「自分のためになったこと」「覚え
    ておきたいこと」とりわけ「ほかの人の授業中の言動で教えられたこと」な
    どについて,ノートに書いてくる。全員が必ず書く。書けない時はその理由
    を書く。

  ④週二回新聞を読んで,自分の気に入った記事を切り抜き,ノートにはり,その
    意味調べをして感想を書く。


 「わたしの歴史」の新たな役割


 「わたしの歴史」=「誕生から今このときまでの自分史」
「誕生にまつわるエピソード」「名前の由来」「お父さんお母さんのこと」
「幼少期の思い出」「兄弟姉妹,その他の家族のこと」
「小学校の思い出」「友人や先生方のこと」「好きな趣味・特技など」
  「どんな子ども生活を送りたいか」「将来の夢,希望」
「わたしの読書の歴史」





◇朝の読書の目指すもの

四原則はどこから生まれたか 
   ①みんなでやる

②毎日やる

③好きな本でよい

④ただ読むだけ


 「朝の読書」を始めた理由 
    自分が必要なもの,好きなもの,自分ができるもの


 「朝の読書」の基本精神 
   ①子どもへの信頼

②個々人に寄り添う誠実さ

③分け隔てなく接すること





◇「朝の読書」に教師の力は不可欠

「読まない子」に対する指導


先生の生き方が答え 読まない理由がある子


「読まない子」は「読めない子」


読めない理由を見極める


感動は偶然には訪れない


「魂を揺さぶる」一冊の本
 乙武洋匤『五体不満足』 ミヒャエルエンデ『モモ』 
   アンネフランク『アンネの日記』 太宰治『人間失格』
家本芳郎『心に制服を着るな』 大沼安史『教育に強制はいらない』
齋藤喜博『君の可能性』


「朝の読書」と読書感想文
教師は生徒のそばに




◇「朝の読書」からの提言

 「学校の系統的な指導」を求めて

日本の学校が抱える大きな問題点とは

 系統的な読書指導を

 話聞かせ-語り聞かせ-読み聞かせ