今回は、8月4日に続いて、田中耕治さんの、
「時代を拓いた教師たちⅡ」の紹介 4回目です。
戦後教育実践の流れがよく分かります。
出版社の案内には、
「発言したくてたまらない。子どもたちが心待ちにする授業とは―教育実践の豊かな蓄積
が、混迷する現代を切り拓く。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「作文教育 - ものやことからの本当のすがたを,自己のこころをくぐりぬけさせな
がら正しくとらえさせることにある。書き言葉を通して,自己と現実を確かにとらえ
させ,学び合うことである」
・「人々の工夫や努力の向こう側にある「みえない世界」を子どもが「みえる」ようにし
ていかなければならない」
・「山本宣治との出会い」
- 「山宣」よく聞きます。
もう一つ、再掲載となりますが、鍵山秀三郎さんの
「志について」①を載せます。
「志について」は中学生に向けての講演会の内容ですが 心に響きます。このような話を
中学生の時に聞くことができるのは 幸運だと感じます。
今日も一日休みを取っております。
早朝5時にはお墓で松を焚きます。
その後は宿題もあれば家の仕事もあります。
のんびりやります。
☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「時代を拓いた教師たちⅡ」田中耕治 日本標準 2009年 ④
◇教科の世界を深める
1.田宮輝夫と作文教育 -自己と現実を確かにとらえ学び合う-
□生活をつづる
週に一時間作文の時間
□もう一つのありのまま
1927年 東京生 中央大法卒 ~1987.3小学校教諭
「日本作文の会」会員
□文章表現の指導という問い
- 指導内容・系統の探求
作文教育
「ものやことからの本当のすがたを,自己のこころをくぐりぬけさせながら正しくとらえ
させることにある。書き言葉を通して,自己と現実を確かにとらえさせ,学び合うこと
である」
□「認識と表現」そして「生活と表現」
綴り方教師 野名龍二との見解の違い
田宮
「日常生活を文章で表現することを通して,現実認識と生活意欲を統一し,子どもの中に
人間らしさを見いだしていく教育」
2.鈴木正気(せいき)と産業学習 -「みえない」世界が「みえる」ようになる社会科教育-
□「うおをとる」
鈴木正気
茨城県公立小学校教諭 1960年代~1970年代
1973年度 「うおをとる」
□「みえない」世界を「みえる」ようにする
鈴木正気 1931年 島根県生 → 小三で茨城県に
1950年 大学進学を断念し助教諭に
1960年代 「自然地理」の実施
1973年 日立市立久慈小学校
① 地域の人々の生産から子どもが学ぶもの
②「わたり」つながりという考え方
③ 地域を教材にすること
□工夫や努力の向こう側にあるもの
人々の工夫や努力の向こう側にある「みえない世界」を子どもが「みえる」ようにして
いかなければならない
3.玉田泰太郎と理科授業の創造 -到達目標の設定と学習課題方式の提唱-
□授業づくりの名人 科学教育研究協議会メンバー(1954年設立)
玉田泰太郎
1927年愛媛県生 愛媛師範卒(1947)→東京理科大(1951年卒)
1952 小学校教師に 1969~1985 渋谷区立長谷戸小学校
□内容はより少なく教材はより豊かに
到達目標と方向目標
□「学習課題方式」とノート指導
① 教師による学習課題の提示
② 子どもが自分の考えをノートに書く
③ 教師が,異なる意見に対する子どもの意見分布を挙手で確認
④ 子どもによる意見の発表・討論
⑤「人の意見を聞いて」を子どもがノートに書く。
⑥ 討論後の意見変更・分布を教師が子どもたちの挙手によって確認する
⑦ 教師が(場合によっては子どもも)実験で確かめる
⑧ 子どもは意見の結果と分かったことをノートに書く
⑨ 実験の結果を分かったことを早く掛けた子から
4.阿原成光と英語教育 -「人間らしさ」を尊重した英語教育-
□心の真実を伝え合う人間らしいコミュニケーションを
LOUDLY,KINDLY,CLEARY 発声三原則
「人間らしさ」が奪われていく時代状況の中で
自己表現と教材 人間的学びと機械的学びの統一
外国語教育の内容 「言語・文化・表現」
アルファベットカードゲーム,ビルディングゲーム
5.小田切明徳と性教育実践-「性」と「生」について学ぶ理科の授業-
□ニックネームは歩く「性教育」
1969年~
同志社中学校 理科
①動物の生殖
②鳥,ほ乳類の生殖
③性分化,男女の役割
④受精,妊娠,出産
⑤性交・避妊
⑥マスターベーション,性の歴史
特に重視「性交」「性器」「自慰」
※ 山本宣治との出会い
□小田切の山宣流性教育の実践
□性はおおらかに,性をしなやかに
☆「志について」 鍵山秀三郎 ①【再掲載 2016.8】
人間が生きていくうえで、もっとも大切なことは「志」を持つということだと思います。
「志」を人間の「欲望」と勘違いしている人がいますけれども、「志」と「欲望」はまっ
たく違うものです。
本当の「志」とはどういうものなのか。
いくつもの条件がありますけれども、今日は三つの条件を挙げてお話ししましょう。
まず一番目は、高い山のようにはるか彼方にあって、簡単に手にすることができないも
のでなければならないということです。
手を伸ばしても引き寄せることができない。
つまり、高い「志」というものは簡単にかなえられない。そういう大きくて遠くにあるものだということです。
二番目は、これも大事でして、その「志」に向けて皆さんが努力したとき、その努力が
自分自身のためになるばかりでなく、社会のためにもなり、学校のためにもなり、国家の
ためにもなる。
それだけではなしに、地球上に住むすべての人のためになる。このことが大事な条件で
す。
個人の「欲望」というのは、自分のためにはなっても、社会のためにはならない。国家
のためにもならないことが多いものです。
ここが「志」と決定的に違うところです。自分一人だけのためになることは、「志」で
はなく、単なる「欲望」だと思います。
三番目は、こういう「志」を自分で決めたら、寝ても醒めても忘れない。どんな困難が
立ちはだかろうとも、絶対に諦めない。石にしがみついてでも努力する。この心構えがな
くてはいけません。
一度心にこうと決めたら、自分自身に対する自分の約束を守りぬく。これが三つ目の条
件です。
さらに付け加えるとすれば、「志」に向かって行動していく過程で、人を感動させるこ
とができているかどうかということも大事な点です。
もう一つは、自らも感動しつつ、それを継続できているかどうかということです。
どうか皆さん、このことをいつまでも忘れないで、いつも思い出しながら生きていって
いただきたいと思います。
◇「心の大きさ・広さ」について
スポーツ選手のようにいくら背の高い人でも、私の三倍も五倍もある人はおりません。
また、相撲取りのように体重のある人でも、私の五倍も十倍もある人はおりません。
つまり、人間の身体が「大きい、小さい」といっても、その差はせいぜい私の二倍から
四倍くらいが限度だということです。
では、人間の心の「大きさ・広さ」 はどうでしょう。
とても十倍、百倍というような差ではありません。
人によっては、千倍、一万倍、いやもう数字では表せないくらいの差となることもあり
ます。
ところが、心は目で見ることができません。
したがって、物差しで計ったり、秤で重さを測ったりすることができません。
では、どうやって心の「大きさ・広さ」を判断するか。
一つの基準として、自分のことしか考えられない人。こういう人が心が小さく狭い人だ
ということができると思います。
せいぜい考えても、自分の家族のことぐらい。自分さえよければいいというようなこと
ばかりを考え、そういう行動をとっている人の心は、狭くて小さくて浅いんですね。
一方、心が大きく広い人というのは、自分のことも大事、家族のことも大事、学校全体
のことも大事、お友達も大事、日本の社会が大事、地球に住んでいるすべての人が大事と
いうように、自分と同じように周囲のことを思いやることのできる人のことです。
そういう考えになったとき、心はどんどん大きく広くなっていくわけです。
ですから、皆さんはまだ中学生で身体が小さいですけれども、身体が小さくても、これ
から大きくて広い心を持つことはできるわけです。
そのためには、できるだけ自分以外の人のことを気遣うことです。さらに、自分を取り
巻く地域社会、国家、宇宙のことまで考えて生活をすることです。ますます、自分の心を
大きく広くしていっていただきたいと思います。
「時代を拓いた教師たちⅡ」の紹介 4回目です。
戦後教育実践の流れがよく分かります。
出版社の案内には、
「発言したくてたまらない。子どもたちが心待ちにする授業とは―教育実践の豊かな蓄積
が、混迷する現代を切り拓く。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「作文教育 - ものやことからの本当のすがたを,自己のこころをくぐりぬけさせな
がら正しくとらえさせることにある。書き言葉を通して,自己と現実を確かにとらえ
させ,学び合うことである」
・「人々の工夫や努力の向こう側にある「みえない世界」を子どもが「みえる」ようにし
ていかなければならない」
・「山本宣治との出会い」
- 「山宣」よく聞きます。
もう一つ、再掲載となりますが、鍵山秀三郎さんの
「志について」①を載せます。
「志について」は中学生に向けての講演会の内容ですが 心に響きます。このような話を
中学生の時に聞くことができるのは 幸運だと感じます。
今日も一日休みを取っております。
早朝5時にはお墓で松を焚きます。
その後は宿題もあれば家の仕事もあります。
のんびりやります。
☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「時代を拓いた教師たちⅡ」田中耕治 日本標準 2009年 ④
◇教科の世界を深める
1.田宮輝夫と作文教育 -自己と現実を確かにとらえ学び合う-
□生活をつづる
週に一時間作文の時間
□もう一つのありのまま
1927年 東京生 中央大法卒 ~1987.3小学校教諭
「日本作文の会」会員
□文章表現の指導という問い
- 指導内容・系統の探求
作文教育
「ものやことからの本当のすがたを,自己のこころをくぐりぬけさせながら正しくとらえ
させることにある。書き言葉を通して,自己と現実を確かにとらえさせ,学び合うこと
である」
□「認識と表現」そして「生活と表現」
綴り方教師 野名龍二との見解の違い
田宮
「日常生活を文章で表現することを通して,現実認識と生活意欲を統一し,子どもの中に
人間らしさを見いだしていく教育」
2.鈴木正気(せいき)と産業学習 -「みえない」世界が「みえる」ようになる社会科教育-
□「うおをとる」
鈴木正気
茨城県公立小学校教諭 1960年代~1970年代
1973年度 「うおをとる」
□「みえない」世界を「みえる」ようにする
鈴木正気 1931年 島根県生 → 小三で茨城県に
1950年 大学進学を断念し助教諭に
1960年代 「自然地理」の実施
1973年 日立市立久慈小学校
① 地域の人々の生産から子どもが学ぶもの
②「わたり」つながりという考え方
③ 地域を教材にすること
□工夫や努力の向こう側にあるもの
人々の工夫や努力の向こう側にある「みえない世界」を子どもが「みえる」ようにして
いかなければならない
3.玉田泰太郎と理科授業の創造 -到達目標の設定と学習課題方式の提唱-
□授業づくりの名人 科学教育研究協議会メンバー(1954年設立)
玉田泰太郎
1927年愛媛県生 愛媛師範卒(1947)→東京理科大(1951年卒)
1952 小学校教師に 1969~1985 渋谷区立長谷戸小学校
□内容はより少なく教材はより豊かに
到達目標と方向目標
□「学習課題方式」とノート指導
① 教師による学習課題の提示
② 子どもが自分の考えをノートに書く
③ 教師が,異なる意見に対する子どもの意見分布を挙手で確認
④ 子どもによる意見の発表・討論
⑤「人の意見を聞いて」を子どもがノートに書く。
⑥ 討論後の意見変更・分布を教師が子どもたちの挙手によって確認する
⑦ 教師が(場合によっては子どもも)実験で確かめる
⑧ 子どもは意見の結果と分かったことをノートに書く
⑨ 実験の結果を分かったことを早く掛けた子から
4.阿原成光と英語教育 -「人間らしさ」を尊重した英語教育-
□心の真実を伝え合う人間らしいコミュニケーションを
LOUDLY,KINDLY,CLEARY 発声三原則
「人間らしさ」が奪われていく時代状況の中で
自己表現と教材 人間的学びと機械的学びの統一
外国語教育の内容 「言語・文化・表現」
アルファベットカードゲーム,ビルディングゲーム
5.小田切明徳と性教育実践-「性」と「生」について学ぶ理科の授業-
□ニックネームは歩く「性教育」
1969年~
同志社中学校 理科
①動物の生殖
②鳥,ほ乳類の生殖
③性分化,男女の役割
④受精,妊娠,出産
⑤性交・避妊
⑥マスターベーション,性の歴史
特に重視「性交」「性器」「自慰」
※ 山本宣治との出会い
□小田切の山宣流性教育の実践
□性はおおらかに,性をしなやかに
☆「志について」 鍵山秀三郎 ①【再掲載 2016.8】
人間が生きていくうえで、もっとも大切なことは「志」を持つということだと思います。
「志」を人間の「欲望」と勘違いしている人がいますけれども、「志」と「欲望」はまっ
たく違うものです。
本当の「志」とはどういうものなのか。
いくつもの条件がありますけれども、今日は三つの条件を挙げてお話ししましょう。
まず一番目は、高い山のようにはるか彼方にあって、簡単に手にすることができないも
のでなければならないということです。
手を伸ばしても引き寄せることができない。
つまり、高い「志」というものは簡単にかなえられない。そういう大きくて遠くにあるものだということです。
二番目は、これも大事でして、その「志」に向けて皆さんが努力したとき、その努力が
自分自身のためになるばかりでなく、社会のためにもなり、学校のためにもなり、国家の
ためにもなる。
それだけではなしに、地球上に住むすべての人のためになる。このことが大事な条件で
す。
個人の「欲望」というのは、自分のためにはなっても、社会のためにはならない。国家
のためにもならないことが多いものです。
ここが「志」と決定的に違うところです。自分一人だけのためになることは、「志」で
はなく、単なる「欲望」だと思います。
三番目は、こういう「志」を自分で決めたら、寝ても醒めても忘れない。どんな困難が
立ちはだかろうとも、絶対に諦めない。石にしがみついてでも努力する。この心構えがな
くてはいけません。
一度心にこうと決めたら、自分自身に対する自分の約束を守りぬく。これが三つ目の条
件です。
さらに付け加えるとすれば、「志」に向かって行動していく過程で、人を感動させるこ
とができているかどうかということも大事な点です。
もう一つは、自らも感動しつつ、それを継続できているかどうかということです。
どうか皆さん、このことをいつまでも忘れないで、いつも思い出しながら生きていって
いただきたいと思います。
◇「心の大きさ・広さ」について
スポーツ選手のようにいくら背の高い人でも、私の三倍も五倍もある人はおりません。
また、相撲取りのように体重のある人でも、私の五倍も十倍もある人はおりません。
つまり、人間の身体が「大きい、小さい」といっても、その差はせいぜい私の二倍から
四倍くらいが限度だということです。
では、人間の心の「大きさ・広さ」 はどうでしょう。
とても十倍、百倍というような差ではありません。
人によっては、千倍、一万倍、いやもう数字では表せないくらいの差となることもあり
ます。
ところが、心は目で見ることができません。
したがって、物差しで計ったり、秤で重さを測ったりすることができません。
では、どうやって心の「大きさ・広さ」を判断するか。
一つの基準として、自分のことしか考えられない人。こういう人が心が小さく狭い人だ
ということができると思います。
せいぜい考えても、自分の家族のことぐらい。自分さえよければいいというようなこと
ばかりを考え、そういう行動をとっている人の心は、狭くて小さくて浅いんですね。
一方、心が大きく広い人というのは、自分のことも大事、家族のことも大事、学校全体
のことも大事、お友達も大事、日本の社会が大事、地球に住んでいるすべての人が大事と
いうように、自分と同じように周囲のことを思いやることのできる人のことです。
そういう考えになったとき、心はどんどん大きく広くなっていくわけです。
ですから、皆さんはまだ中学生で身体が小さいですけれども、身体が小さくても、これ
から大きくて広い心を持つことはできるわけです。
そのためには、できるだけ自分以外の人のことを気遣うことです。さらに、自分を取り
巻く地域社会、国家、宇宙のことまで考えて生活をすることです。ますます、自分の心を
大きく広くしていっていただきたいと思います。