今回は 4月25日に続いて
檜谷昭彦さん「学問のすすめ」の紹介3回目(3/4)です

前回は
「二編 - 勉強しない人ほど損な人はいない」
「三編 - 独立の「気風」をいかに育て守るか」
「四編 - 「人の上に立つ人」の責任とは何か」
を紹介しました

今回は その続き

◇五編 - 人間の「勇気」はどこから生まれるか
◇六編 - 法律の貴さを論じる
◇七編 - 国民の成すべき務めを論じる
◇八編 - 自分の考えだけで他人を評価してはならない
の抜き書きです



五編からは「文明は金で買えるもの 文化は金でかえないもの」
という言葉を思い出します

六編からは「手前勝手な天誅は商売違いもいいところ」
忠臣蔵への別の視点を教えてくれます

七編からは「国民は社員であり経営者である」の言葉が
が強く印象に残ります

八編の「自分の考えだけで他人を評価してはならない」
今の世の中 改めて確認したい言葉です


檜谷昭彦さんの訳による本書
福沢諭吉さんが書かれたことを大変分かりやすく説いてくれます
新しい時代に向かう意欲 気概が大変感じらます









☆「学問のすすめ」福沢諭吉 檜谷昭彦 三笠書房 ③ 2001年




◇五編 - 人間の「勇気」はどこから生まれるか
 明治7年一月一日 式辞
「得意」の時こそ「悲しみの日」の到来に備えよ
独立の気こそすべての出発点  文明は金で買うことができる
~ 最重要  人民独立の気力
日本 文明の形態は進歩しているようだが,文明の精神,つまり人民の気力
   は日々退歩している

 中流の知識人が文明を発展させる

 読書,学問を踏まえての経験こそ勇気と力の源泉 明治7年1月


 
◇六編 - 法律の貴さを論じる
○国民は「一人二役」の務めを果たすべき
国民一人二役 ①自分の代理人として政府を立て国内の悪人をとらえ善人     
          を保護すること

②政府との約束を固く守り,法に従い保護を受けること

○法律の目から見た「忠臣蔵」事件
訴えるべきだった(殺されても)

○手前勝手な天誅は「商売違い」もいいところ

○法は「簡にして厳」であるべき 
何ともお粗末 官の「お粗末日記」 明治7年2月



◇七編 - 国民の成すべき務めを論じる
○国民はすべての勝者の経営者  (社員であり経営者である)

○社員としての「国民の義務」経営者としての「国民の権利」
国民は社員であり経営者である

○税金は払え
一年間にそれだけの金を払い政府の保護を受け安穏に世を渡れるのは大いに便利   
ではあるまいか

○一度「節」を曲げると,その悪習は子々孫々にはびこる

○「マータダム」の意義
マータダム殉教 ~世を憂えて我が身を思わず生命を捨て人民の犠牲になる者
↑↓
主人へのいいわけで手を捨てる者(忠臣義士)

○どう命を捨てるか  佐倉宗五郎 ~ マータダム殉教



◇八編 - 自分の考えだけで他人を評価してはならない
○自分の心身に備わる「五つの自由」
①身体 ②智恵 ③情欲 ④心の誠実さ ⑤意志

○自分の「分」を越えない限りでの「生きる自由」
他人の権利を妨害しない

○「女大学」のとんでもない教え