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月刊「少年育成」より ④-「教師は教育改革についていけるか?」 竹原泰三 /「日本の名著 3分間読書100」嶋岡晨 海竜社 2003年 ① 前半【再掲載 2015.12】 [読書記録 教育]

今回は、5月7日に続いて、
キーワード「月刊『少年育成』」より4回目の紹介です。


竹原泰三さんの「教師は教育改革についていけるか?」です。
記事の時期は不明ですが、ゆとり路線が転換される頃のことだと思います。
教員の勤務状況の実態を考えての改革とはとても思えません。
教育改革の効果を振り返ることなく次から次への改革。
「教員に考える暇を与えないように‥」?


なぜ現在、教員志望者が減ってきているのか、
その理由が何となくわかるような気がします。


もう一つ、再掲載となりますが、嶋岡晨さんの
「日本の名著 3分間読書100」①を載せます。
日本の古典がコンパクトに示されています。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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☆月刊「少年育成」より ④-「教師は教育改革についていけるか?」 竹原泰三

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◇「教師は教育改革についていけるか?」 竹原泰三

 東京・品川区の小学校に「すまいるスクール」というのがあるそうだ。


 小学生が放課後や土曜日に遊んだり学んだりする場所として、去年9月
に第一号が開校、今年9月には新たに3校が開校した。


 場所は学校の空き教室を利用したり、敷地内に別の建物を建てたりとそ
れぞれ工夫している。


 少子化で学校の教室が余っているのもこうした試みができる理由の一つ
である。


 その中身だが、「教室」はパソコン教室や英会話など、各学校で異なる
が、自由時間は好きなように過ごすのが原則。囲碁やトランプなどのゲー
ムをしたり、校庭での運動、折り紙、自習を想定しているという。補習を
中心とする勉強会もあり、1、2年生は週1回、それ以外は週2回で、プ
リントなどを活用している。


 子どもたちの相手をするのは、専任の指導員一人と非常勤スタッフ8人
で、教職経験者や志望者が当たっている。


 PTAや地域の「達人」の力を借りているところもある。


 放課後は午後5時まで、土曜日や夏休みなどは午前9時から午後5時ま
で開いている。


 登録制にしているため、毎日受付で名前を書かせて出席を確認している
が、全校児童の6割から8割の児童が登録しているという。


 学習指導要領が改訂され、新たな教育のあり方が大きな課題になってい
る時だけに、なにかと参考になりそうだ。


 この新聞記事を読んで、団塊の世代の我々の時代はどうだったか、思い
出してみた。


 かつてないほどの大勢の子どもたちが一斉に小学校に入学する時期を迎
え、教室が足りない。


 いや、学校そのものが足りない。


 新しい学校が次々にできて、マンモス校は分割され、子どもたちは転校
していく。


 同じ学校にいても、新しい枚舎ができて、学校の様子はめまぐるしく変
わる。


 それでも教室が足りず、2部授業、3部授業も経験した。


 今となっては懐かしい思い出である。
 

 小学校の校庭はおおむね地域に開放されていたように思う。


 私は地方で育ったが、小学生の頃は地域の子供会のソフトボール部に所
属していたので、土曜日や日曜日は遅くまで校庭で練習をしていた。


 同じグラウンドでは自転車に乗る練習をしたり、ドッジボールを楽しん
だりする子どもも多く、小学校は地域の交流の場になっていた。


 先生や保護者は今ほどは授業のことにうるさくなかった。


 これは勉強をしなくてもいいという意味ではなく、子どもは勉強するの
が当たり前と考えられていたから、口に出して言わなくてもよかっただけ
である。


 けんかをして少しくらいけがをしても、けんかは子どもにはつき物、親
の出る幕ではないと、おおらかだった。


 子どもが学校でけがをすると、すぐに学校に文句を言うようになったの
はずっと後のことである。


 日本の教育は今、大きく変わろうとしている。


 今年は「教育改革元年」といってもいいのかもしれない。


「学力の低下をどうやって食い止めるか」

「子どもたちに休日をどう過ごさせるか」

手探りの取り組みが続いている。


 こうした現状を、全国の公立中学の先生たちは、

「もっと学校の現実をふまえた改革にしてほしい」

「改革が速すぎて余裕をなくしている」

と考えていることが、国立教育政策研究所の調査でわかったと、朝日新聞
は紹介している。


 この記事を読むと、読者の多くは、現場の先生たちは大変だ、と思うこ
とだろう。


 しかし、調査結果はその通りであっても、結果をそのまま受け入れるこ
とはできない。


 教師たちの不満の背景には、この春から導入された新しい学習指導要領
では「学力が低下する」という反発が強く、文部科学省が急きょ「学びの
すすめ」を出して学力の維持を呼びかけた、といういきさつがある。


 確かに現場の立場としては、教育方針がころころ変わっては、たまった
物ではないだろう。


 しかし、教育改革の議論の推移を見ていると、教師が反発している本当
の理由は、そのことではなく、これまで「ゆとり路線」一辺倒できていた
教育改革が、「学力優先」に方針転換しようとしていることに対する反発、
危機感ではないだろうか。


 今回の調査でも、自由記述で「教科内容の削減への不安」などを指摘し
た教員は17パーセントしかいなかったという。


 世論の多くが「学力の低下」を心配しているのに、現場の教師はほとん
ど気にしていないという、教育界の現実離れを物語っている。


 この記事の最後は「今は大改革期で、教員に、これまで以上に力量の真
価が問われているという自覚が必要だ」という言葉で締めくくっているこ
とを現場の教師も忘れないでほしい。








☆「日本の名著 3分間読書100」嶋岡晨 海竜社 2003年 ① 前半【再掲載 2015.12】

◇古事記
  712年 太安万侶選(~723)

  日本人のルーツを幻想

  男神  死者世界の汚れを祓う際、三神を生む
天照大神、素戔嗚尊、月読命



◇万葉集
  貴賤が繰り広げる人生劇 20巻4516首

  相聞(恋歌)、挽歌(死者への鎮魂歌)、雑歌(雑多な歌)の3分類

 「ますらをぶり」 - 古代人の魂・人生が読者を圧倒

  契沖によってすべての歌に読みが施された(新点本)



◇古今和歌集

  905年 紀貫之選

  天地を動かすは歌なり
    仮名序 真名序

  よみびと知らず時代
     → 六歌仙時代
     → 選者時代

  なだらかな「手弱女」(たをやめぶり)
    人工的言葉の建造物



◇竹取物語
 平安初期
    男の難から逃げる聖女のイメージ



◇伊勢物語
  十世紀初頭 
  
  作者未詳 在原業平がモデルか?

  愛と雅の歌物語 
    「恋の見本帳」 愛と喪失



◇源氏物語
  11世紀初頭 紫式部 孤高の祈り



◇梁塵秘抄
  1179~1185年 後白河院の勅撰

  庶民感覚にあふれた平安朝歌謡の集大成 
 
  「今様」集



◇今昔物語集
  1120~1140年ごろ 編者未詳

  三国世界が凝縮された最大の説話集
    全31巻 収録一千有余 説話集



◇堤中納言物語
  王朝のアウトサイダーたちの世界 
    平安末 - 鎌倉



◇和泉式部日記
  1007年頃 和泉式部  

  浮かれ女の愛と孤愁



◇枕草子
  11世紀初頭 清少納言 
    王朝の光と影
   
  類聚的章段・随想的章段・日記的章段



◇大鏡
  11世紀~12世紀初頭
    歴史に生動する人間像

  有名人の逸話集成
    藤原氏



◇山家集
  1167年か1190年 西行 

  自由漂白の歌人の足跡 

  23歳で出家~73歳 歌僧



◇新古今和歌集

  唯美的・妖艶的な歌風  
  1205年 後鳥羽院院宣

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