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「あの町この町」加藤鎮毅 ひくまの出版 1981年 /「非行の予防学」佐々木光郎 三学出版 2011年 ③【再掲載 2016.5】 [読書記録 郷土]

今日は3月26日、火曜日です。

今回は、加藤鎮毅さんの
「あの町この町」を紹介します。
新しい任地が決まったときにその地域のことを調べますが、
駅南に勤めていた頃読んだ本だと思います。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「浜津が言いづらいからハーマツか?」


・「『八幡宮由来記』、『十六夜日記』から浜松か?」


・「天竜川の呼び名は、あら玉川、広瀬川、天中川、天竜川へと変遷し
  ていったか。」


もう一つ、再掲載になりますが、佐々木光郎さんの
「非行の予防学」③を載せます。

本日は勤務校で離任式があります。
わたしも40年間の学校勤務から離れます。






☆「あの町この町」加藤鎮毅 ひくまの出版 1981年

◇加藤鎮毅
1935生 中区曳馬町
 遠州の歴史を学ぶ会 浜松市かるた協会会長


◇ハーマツについて 
万葉集
巻一  白波の浜松か枝の手向けくさ幾代までにか年の経るらむ  
                            川島皇子
 いざ子ども早く日本へ大伴の三津の浜松待ち恋ひぬらぬ  
                            山上憶良
  巻二  磐代の浜松が枝を引き結びま草くあらばまたかへりみむ    
                            有馬皇子
巻三  昨日こそ君はありしか思はぬに浜松の上に雲たなびく   
                            大伴三中
  巻十二 豊国の企救の浜松ねもころになにしか妹に相言ひとめけむ
                           柿本人麻呂
  巻十五 ぬばたまの夜明かしにも船は漕ぎ行かな三津の浜松
        待ち変ひぬらぬ           中臣朝臣宅守
  巻二十 住吉の浜松が根の下延べて我が見る小野の草な刈そね   
                            大伴家持 
 普通名詞ばかり 
固有名詞は「倭名抄」の国衙 源順(911~983)
「浜松」「波万万都」「浜津」
- 浜津が言いづらいからハーマツか?
  
 浜の松から浜松  
「八幡宮由来記」
     小沢渡の浜辺より一本の松が引馬野に
浜の松より浜松
  「十六夜日記」 
     こよい引馬の宿と言うところにとどまる。この所のおおかた
    の名をば浜松といいし…

 天竜川と馬込川 
天竜川 
    あら玉川
    - 広瀬川 
    - 天中川
     - 天竜川(室町末頃)
「続日本紀」「文徳実録」平安中~


◇町名
江西地区 13町
海老塚町 海老 ~ 入江                              
    ① 海老を食してその殻をまとめて捨てた。                      - 塚を作ったこれより海老塚
    ② 大量の海老が打ち上げられた                           - 懇ろに葬る 塚 海老塚
    ③ 開拓者が、健康で腰が曲がるまで寿命を保って「生まれ、
     育ち、生活」した
      土地のために貢献しようと誓い合って海老塚村と命名
    ④ 「蛇塚」→「海老塚」  
    ⑤(著者)地形が海老のような形でないか                        - 水、津波の犠牲になった人々を弔った塚があったの
       ではないか
  
   駅南   4町                                  
    砂山町 「曳馬拾遺」1711年 杉浦国頭
      当時は沙山 
        「さして高きにあらず、かりそめの岡山也、たたいさ
         このみ有て、土石も見へすふりぬる松の生しけるに…」              - 高くない砂丘が点在していたのか?
        吉宗の頃から開墾 
        有数の美田 
         - 穀倉地区 
        いちめんの田
         ~ スズメ 俗称「スズメの村」                     - 当初 砂山(沙山)村
     → 白脇村大字砂山                          
1882(明治15)年 浜松八幡地
1904(明治37)年 浜松町に合併(竜禅寺 寺島と共に)
1925(大正14)年 
         この町に先祖が住み着いた頃、見渡せば砂山と松原
        だったと言われる昔を偲んで「砂山町」に
         高山定吉(菅原町自治会長 映画評論家・郷土史家) 



☆「非行の予防学」佐々木光郎 三学出版 2011年 ③【再掲載 2016.5】

1.JPG

Ⅲ 配慮のある家庭環境

1 住まいと非行①
   住まいと年齢 
     中学生 
      ~ 一日の疲れを癒やす場が必要
勉強机    
     ないと「学ぶ楽しさ」から遠のく
心地の悪さ
    = 子どもの年齢に慎重な気配りを
別々の玄関  
   個室も使われ方による
    入室の許可

2 住まいと非行②
茂る雑草  
     総じて多くの困難を抱えた家族の場合は、周囲の清掃が行き
    届かず雑然としているところが多かった
環境と非行との相関関係は高い
ケリング・ウィルソン(米)「割れ窓理論」
     「だらしないままでもいいよ」    
     「きまりだったら守らなくていいよ」
= 非行準備制
   表札と玄関 
    (1)いろいろな困難を抱える家庭ほど表札がない
         親の自尊感情が低い 
         ひとりぼっちの子育て
(2)玄関 
        = それが親の対人関係の力量と養育能力を如実に物
         語る
◎ 玄関はオモテ(外)とウチ(個人)をつなぐ門
間取り  
     個室 ○自立への一歩
       ×たまり場
大切
      =「家の真ん中に居間を作り、子どもは居間から自室に行
        くような間取り」

3 離婚と再婚  ひとり親家庭と再婚家庭(ステップファミリー)
間違った認識(シナリオ) 
     ×ひとり親は悪い
     ×再婚家族に対する根拠のない見方
   うまくいかない家族
(1)生別した親の悪口を盛んに言う
(2)近隣親族から相手にされない
        「孤立した家庭」ネグレクトへ
(3)子どもからの「被害」を訴える親が実に多い
       子どもの前で「お前のために苦労している」と愚痴る
ステップファミリーの心入れ
(1)新家庭を作るとき、子どもの年齢や心の動きにどれほど
      配慮し、その意思を尊重したか
    丁寧な準備が必要
(2)「実親」を性急に演じようとしたか
(3)一方の実親との関係をうまく整理をつけたか
◎ 大人は子どもの最善の利益を考える余裕をもたない

4 ステップファミリーの知恵
年齢 
     小5~中学生 反発が強い
     = 兄弟でも年齢により反応が違う
ステップファミリーの知恵
うまくいかなかった理由
(1)パートナー紹介等のうまく取り持つ努力が成されていな
      い場合
(2)子どもの意見や意向を尊重しないで勧めている場合
(3)せっかちに「本当の子ども」を強いる
    → 大人がわだかまりを和らげる努力を!
     互いのよい悪いを認めあえる関係に!
非行の本当の背景  
     以前の大人観
離縁話  
     思春期のステップファミリーにはもろさがある

5 親の付き合いと非行
親の背を見て育つ  
     親のもつまずい「能力」を学習し、自らも他とうまく交わる
    力を失っていく
非行をつくる親 
     親自身が今を生き生きと生きていない
       「自分に甘く、他者に非常に厳しい」
権威に頼る

6 父親の役割
負の父親像
父との風呂
教育家庭の父親
母親の役目

7 祖父母と非行
登場するさせられる祖父母
祖父母クローズアップ 
    (1)親権が祖父母にあるような雰囲気の家族
(2)祖父母がやむを得ず引き受けている場合
強すぎる祖父母
養育しない親  
     声掛けは必要
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「土のいろ集成 第十巻」ひくまの出版 1987年 /「話し言葉の日本語」井上ひさし・平田オリザ 小学館 2002年 【再掲載 2013.7】 [読書記録 郷土]

今回は、昭和の郷土誌、「土のいろ集成 第十巻」を紹介します。



浜松市中央図書館のデジタルアーカイブス、
発刊者「飯尾哲爾」の項には、


「飯尾哲爾(敷知郡曳馬村小学校教員)は主宰する浜松子供協会一周年記念とし
 て『土のいろ社』を結成して機関誌『土のいろ』を発刊し、民俗学方面より
 の郷土研究を志した。その第1号を刊行したのは大正13年1月であったが、
 発刊の辞に『吾々はどうしても郷土を忘れることは出来ません。郷土のもつ
 伝説や風俗の様々を時の流れにまかせて流失することは、到底私共のしのび
 得ることではありません。私共はこの時勢の推移にさからっても、これが蒐
 集保存につとめたいと思います。そして(中略)現代のそれらとの関係をも明
 らかにして行きたいと思います」とある。『土のいろ』は、発行部数毎号約
 150部、年間3、4冊の割をもって発刊され、昭和15年9月第17巻第2号
 をもって休刊にいたるまで通巻83冊を刊行している。【特集研究号】特集号
 に『遠州俚謡』『浜松凧揚』『桜が池伝説』『遠州の凧』『浜松土俗玩具』『遠
 州七不思議』『遠江国古人百人一首』『民話伝説』『鏡山歌』『きつねのはな
 し』『遠州伝説地名の起原』『遠州の方言』『克明館蔵書目録』『遠江郷土歌
 集』『郷土伝説植物考』『西遠の民家』『聞書』『鴨江見世物』『遠州風物手鏡
 百影』『遠江に於ける屋敷神』などがある。これに協力する土のいろ会員の
 中道朔爾・松井多門・三輪桂作・県善三郎・久保田閲次・吉沢純道・渥美実
 などがあった。寄稿者も遠州全域にわたり、柳田国男も『土のいろ』第4巻
 第4号には『蟷螂考』を、楠方熊南も感想文を寄せている。飯尾哲爾は『土
 のいろ』の発行にあたり自ら謄写版の原紙をきり、自ら印刷製本し、これを
 発送したという。『土のいろ』は遠州地方では古い郷土研究雑誌であり、遠
 州地方の研究に欠くことのできない参考書となっている(『土のいろ』は戦
 後復刊され通巻113冊に及んでいる)。」

 
とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…


・「すばらしい遠州七不思議考」
- 七不思議と聞くと7つあると思うのですが、遠州各地でそれぞれの
 七不思議あると知りました。


・「すばらしい遠州七不思議考」
- 今でも東区浜松アリーナ近くに六軒京本舗があります。


・「アクセント区分 浜松 湖西 白須賀 舞阪 新居 -  山口幸洋」




もう一つ、再掲載になりますが、井上ひさしさん、平田オリザさんの
「話し言葉の日本語」をのせます。





☆「土のいろ集成 第十巻」ひくまの出版 1987年

1.JPG
<画像は「店主お薦めの古書・古美術 百寿堂 浜松」サイトより>

◇土のいろ 93~100号 月報10
  宇波さんのことなど 金田一春彦
  宇波耕策『浜名湖とアクセントの分布』

  すばらしい遠州七不思議考  清水達也

  土のいろ校訂余録  佐藤彰



◇昭和33年4月 復刊10号 通刊93号
  六軒京紫蘇巻きのこと 永井治雄
    金原法橋 - 妙恩寺
         → 鈴木氏 京都 妻 まつがしそまき
    六軒茶屋の紫蘇巻き有名に   
  六軒と鈴木京次郎
        → 六軒の京さん
    女子相伝
 
  浜名湖周辺の民家について  名工大 鈴村○○ 
ネドコ ダイドコ ザシキ ヨリツキ
  西遠地方におけるお鍬まつりの流行 渥美実
 
  細谷で聞いた『花咲じじい』山口幸洋
 
  遠江国分寺と其の瓦当  加藤貞雄
 
  印刷 浜松市山下町24 しゆう文社  



◇昭和33年10月 復刊11号  通刊94号
  郷土の民話  中村義太郎
 
  遠州横須賀城の編年  加藤貞雄
 
  遠州の切支丹燈籠  原邦英
  掛川市大日寺  
    横須賀 撰要寺  
    浅羽町 方松院

  中泉奉行所「廻状」2通と前島密  田辺寛
    中泉奉行 前島密 明治2.3~9
 
  米津地蔵について  渥美実
 
  印刷 浜松市山下町24 輯文社(しゅうぶんしゃ)



◇昭和34年3月 復刊12号 通刊95号
  特集:遠江和讃術詠歌集

  都田町の和讃  冨田準作
    遠州西行和讃  川西訓導和讃  三ヶ日町華蔵寺住職
    都田精霊和讃
 
  大日如来和讃  渥美実

  稲葉山平手監物公和讃  渥美実
     ひらてんさま 「平手氵凡秀」   

  遠江三十三所御詠歌  川上秀治
 
  犀ヶ崖大念仏和讃  川上秀治
    本多肥後守忠真戦没地碑
 
  袖ケ浦和讃及び御詠歌(下)  大村二郎
 
  万福寺黒衣地蔵尊和讃  田辺寛
 
  篠ヶ瀬増福寺の王薬師如来和讃  田辺寛
 
  油山寺薬師如来和讃  野末初江
 
  潮海寺薬師瑠璃光如来和讃
 
  活民院殿彰徳奉願和讃



◇昭和34年7月 復刊13号  通刊96号
  普門寺のたたきまつり  加藤貞雄
 
  かんからまち獅子舞について  袴田鷹郎
 
  磐田の鉈仏について
 
  写本「唐土○流○」
 
  雲立楠盆の由来  鈴木犀十郎



◇昭和34年9月  復刊14号  通刊97号
  夜泣石  袴田○○氏
 
  本興寺の建築   

  志留波の磯と贄の浦 歌 3説 
    御前崎白羽 磐田白羽 浜松白羽
 
  遠江国分寺瓦窯の考証



◇昭和35年1月  復刊15号  通刊98号
  金原明善
 
  庚申塔雑記  原邦英
 
  谷上の穴地蔵 

  ねんごう節分  小池誠二



◇昭和35年5月  復刊16号  通刊99号
  法多山田遊び祭りの歌詞について  山口直裁
 
  遠江相良と平賀源内  川崎次郎
    平賀源内遠州隠棲説
 
  アクセント  山口幸洋
    区分 浜松 湖西 白須賀 舞阪 新居



◇昭和35年11月  復刊17号  通刊100号 遠州大念仏
  特集 遠州大念仏
 
  P393 遠州大念仏分布図
       農村青年娯楽の域
       昭和5年遠州大念仏図
 
  遠州大念仏の源流を探る  宮田準作
    ① 虫送り 
 ② 雨乞い

  大念仏別伝  吉沢純道
 
 「トッタカ」  鈴木実
トッタカ = 大念仏
トッタカ = 取り霊?
        「珠なる霊をこの場所に取り寄せること」?

  大念仏の禁と当時の刑罰  小山正







☆「話し言葉の日本語」井上ひさし・平田オリザ 小学館 2002年 【再掲載 2013.7】

1.jpg

◇平田オリザ
 劇作家・演出家 
    劇団「青年座」主宰 
  桜美林大学助教授
  1962年東京生 国際基督教大学卒  
  「こまばアゴラ劇場」経営


◇井上ひさし 
  劇作家・小説家 1934年生 
  「手鎖心中」で直木賞 
  「こまつ座」代表


◇話し言葉の時代を走る乗り物としての「せりふ」
  日本語論
  (1)書き言葉の文体
  (2)共通話し言葉
  (3)文字、表記法
 (4)外来語
  (5)敬語・差別語
  日本人はおしゃべり 
    陰口が好き   
  話し言葉は取り消せない
戯曲は文学か? 時代の主義主張か?
日本語をいかに強くするか、美しくするか 
    21世紀のキーワードは「美」
言葉のワークショップ 
    ドッジボール「場所の名前を言ってからボールを投げる」


◇主語・述語の演劇と助詞・助動詞の演劇
  話し手の立場を表現する「助詞」
  漢文 
     - 呼古止点(おことてん)
     → 助詞の発見
時枝誠記の文法 
     話し手・甲につく表現
「ねさよ廃止運動」と「ねはい運動」
     昭和33年鎌倉市腰越小学校「ねさよ廃止運動」


◇敬語の使い方・使われ方
  日本語だけではない敬語表現
    敬語
     = 待遇表現
 英語 プリーズ  
    仏語 チュトワイエ
歴史の中で「敬語」はどう変わっていったか 
    商業敬語全盛の時代
 「はい喜んで」-居酒屋
「お疲れ様」と「ご苦労様」の混同


◇「方言」を生かす演劇
  方言と標準語の二重言語生活  
  NHK「青年の主張」のおかしさ
 「標準化」への3つの方法
  三宅米吉
    ① 古語標準
② 全国方言を調べて一番多い単語を選ぶ
③ 今目の当たりにつかわれている言葉(東京山の手か京都)
平田オリザ 
    国語科で 
      ① ラブレターの書き方
② 嘘のつき方
まだ未完成の日本語
「方言」と言うよりも日常の話し言葉
     地域における言文一致


◇対話
 芝居のせりふと日常会話の違い  
     日常会話の中の70%が無駄な言葉
戯曲の仲のいい対話の条件 
    不意打ちの連続
      すべて「一人称」
新劇は対話から始まり対話で終わる


◇戯曲の中の流行語
  一生に使う語彙は3,4万語  
  年月に耐えうるせりふを書きたい 
  恐るべきスピードで日本語は変わっていく


◇戯曲の構造と言葉
  「忠臣蔵」に劇の構造を見る
  演劇で一番大事なのは観客がいること
  「人生に暗転はないんだよ」


◇戯曲の組み立て方
  登場人物の設定と種類  
    演劇のルールの言語化 
    ※ 芝居は誰のものか
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