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「日本残酷物語を読む」畑中章宏 平凡社 2015年 /「みんなの学校問題」池上彰 講談社 1999年 ④【再掲載 2015.8】 [読書記録 民俗]

今日は7月17日、水曜日です。



今回は、畑中章宏さんの
「日本残酷物語を読む」要約の一部を紹介します。


今年6月のNHK Eテレの
「100分 de 名著 宮本常一『忘れられた日本人』」に
畑中章宏さんが解説者として登場されていました。
「日本残酷物語」の監修者の一人が宮本常一さんでした。
畑中さんは、平凡社の編集者だったとのこと。




出版社の案内には、

「高度成長の坂道を登りつつあった昭和30年代半ば、宮本常一、谷川
 健一らが中心となって平凡社から刊行された『日本残酷物語』。名も
 なき民衆の営みを『物語』として記録した、この叢書はその後の民衆
 史、生活史のみならず、記録文学などにも大きな影響を与えた。新た
 な民衆像を求めて描きだそうとしたのは、いかなる『日本』だったか。
『最低辺に埋もれた』人びとの記録。」


とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「小さき者たちの歴史 - 最底辺の歴史」


・「棄老伝承 - 老人を粗末にする風習」


・「監修者には4人の長あるが、実質は宮本のみ」




もう一つ、再掲載になりますが、池上彰さんの
「みんなの学校問題」④を載せます。
- 1956年教育委員の公選制がなくなり任命制となったことにより、
  文部省と教育委員会に上下関係がうまれた
文科省は通達さえ出せば責任を果たせると考えているのでしょうか。





☆「日本残酷物語を読む」畑中章宏 平凡社 2015年

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◇はじめに
 「日本残酷物語」昭和34(1959)年~昭和36(1961)年
    監修  宮本常一 山本周五郎 楫西光連 山代巴
    カット 山本忠敬  
    装飾  佐藤仁
    編集  谷川健一 小林禅一郎 児玉惇
    小さき者たちの歴史 - 最底辺の歴史

◇宮本常一と谷川健一
1.残酷とは何か
  さまざまな残酷
    遠野物語
     ―「デンブラ野」蓮台野 鳥辺野(北野とともに)
      「オジ捨て森」「オバ捨て森」 
     ~ 棄老伝承  老人を粗末にする風習
 
 「美」と「残酷」
   柳田 ― 残酷  ←→  人間苦の記録 「炭焼きの話」
   暗い顔をした人々が東北にはいる
 
  民話と民衆
   ~ 土佐源氏
 
  『民話』という雑誌
   宮本「年よりたち」を連載


2.新しい民衆
  4人の監修者 
    ◎しかし、実質は宮本のみ
 
  谷川健一と「民俗学」
 
  谷川から見た柳田と宮本 

<以下略>







☆「みんなの学校問題」池上彰 講談社 1999年 ④【再掲載 2015.8】

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◇文部省は何をするところ
 文部省 = 虎ノ門 
   本省と文化庁
     文部大臣 政務次官 事務次官 
   六つの局

 総務部 
   大臣官房 トップ官房長
 局長同等ポスト 
     将来の事務次官候補

 形の上ではトップの生涯学習局 
   放送大学
   大学検定

 柱の初等中等局 
   小 - 初等 
   中 - 前期中等
   高校- 後期中等

 学級定数を決める教育助成局
   養成 採用も 
   日本人学校

 大学を担当する高等教育局

 体育局
   給食も

 「青年の家」も文部省

 中教審  
   10年先の教育の在り方・方針 教育の哲学
  教課審  
     具体的な中身の検討 方針
  協力者会議  
     週時数 分野 実行のレールを敷く 
     現場の先生も加わる

 文部省と教育委員会との関係
   指導助言官庁
    ~ 強制ではない  
   通達 → 通知



◇教育委員会とは何だ
 全国の都道府県と市町村にある教育委員会
   5人の教育委員と事務局
   教育委員長 教育長
    - 地域に住み,人格高潔で教育・文化に識見を有する者  
      5年任期

 教育委員会の力
   その地域の教育や文化についての権限を持つ(公立に限られる)

 素人(教育委員長)が監督し,専門家(教育長)が支える
   住民統制 「レイマン・コントロール」

 有権者が選挙できなくなった教育委員
   1956年 
    公選制がなくなる 
     → 任命制

 ◎文部省と教育委員会に上下関係が

 挫折した中野区の試み
   準公選制 1994年廃止

 教育委員会をどう活性化させるか
  - 名誉職に成り下がった
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樋口清之さんはこんなことを⑦-「日本の風俗の謎」 大和書房 2011年 (1) /「やる気を育てる」坂本昇一 出典不明【再々掲載】 [読書記録 民俗]

今日は5月5日、日曜日です。


今回は、5月2日に続いて「樋口清之さんはこんなことを」7回目、
「日本之風俗の謎」の紹介 1回目です。



出版社の案内には、


「『挨拶でお辞儀を意味』『敷居を踏んではいけない理由』『年越しソバの
真の起源』…礼儀作法から年中行事まで、この一冊でわかる!」


とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「道徳はウェットな知恵。道徳が形として表れたものが礼儀作法」


・「お茶の精神は和敬清寂。お茶からエチケット性を取ったら『茶術』に
  なる」


・「三行半は簡単に出せなかった。出すと男は所払いか百たたきとなった。
日本は本来、男卑ではないが女尊の社会」




もう一つ、再々掲載になりますが、坂本昇一さんの
「やる気を育てる」を載せます。
ここに書かれているような教員は少なくなってきたように感じます。




☆樋口清之さんはこんなことを⑦-「日本の風俗の謎」 大和書房 2011年 (1)
 
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◇礼儀作法  人間  人と人との間
生活秩序を守る知恵
① 法律 
       ドライで客観的に形式化
② 道徳 
       ウェットな知恵、道徳が形として表れたものが礼儀作法
- 皆の承認が必要

  礼儀作法「生きていくための器 
    社会の繁栄とその中で自分自身が心身             

  共に豊かに生きていくための秩序のスタイル」
① マナー   
        法律に近いもの
利害損失による生活秩序の維持のためのルール
② エチケット 
        マナー + 道徳性 精神性

  お茶の精神 
    和敬清寂(人を敬い認め合うこと)
お茶からエチケット性を取ったら「茶術」に

  ※ 現代はマナーのみに

 
◇礼の原点  
  古事記 
    イザナギ(男神)イザナミ(女神)
いざなう 
     = 誘う 
     = 誘い合う

  柱をまわる 
    神の霊と地上の人間生活を結ぶ媒体
= お祭り

  礼儀作法の原点
   = 信仰から

 
◇武士道   
  「わざ」+ルール=「術」

術 + ○ = 法

  法 + 道徳性 =道

  武士道
   = 侍の道
   = もののふの道

  三行半は簡単に出せない
   → 出すと男は所払いか百たたき
= 日本は本来男卑ではないが女尊の社会

 
◇おじぎ   
  無抵抗の表現
   - 相手に敵意のないことを伝える(弥生の昔から)

  相手 
   魂振り 
   相手の魂を振り動かして魂を再生産する

 
◇左側通行  
  刀が触れ合うことを避けるため
- 江戸時代は作法として左側通行
大名同士が参勤交代で行き違うと身分の低い方が進行方向
      の左側に寄って止まる
=「どうぞお先に」と言って譲り合って止まる
※ 「お先に」は日本だけ
相手から見て左側が上座

 
◇右手の礼法 
  右利き 
   - 左手は心臓を押さえる(護身)
- 右手は攻撃に

 
◇握手    
  日本人 
    昔は喜びの表現
     - 手をとって喜ぶ
男女の愛情表現

 
◇三つ指   
  拝 
   - 指で菱形
   - 鼻を入れる
 
 
◇紹介    
  外国
   - 上から下へ  
  日本
   - 下から上へ
= 取り次ぎ、家屋構造の影響
前座-二つ目-真打ち

 
◇床の間   
  書院 - 書斎 
   幽玄を語る部屋

 
◇敷居    
  保護
   - 危険 
  隙間から刀
   → 敷居は主人の顔

 
◇上座    
  心臓が左 
   - その人から見て右から物 左に刀







☆「やる気を育てる」坂本昇一 出典不明【再々掲載】

1 「やる気」を育てる雰囲気作り
《出勤》
 ① 出勤したら,すぐ教室へ…誰が早く来ているかな,数人のすでに登
  校した子どもに「早いなあ」と声をかける。子供たちと雑談する。


《職員朝会》  
 ① 職員朝会が先生の歌声で始まれば最高。職員室から先生方の歌声が
  流れてくる。子供たちはすばらしい何かを感じるだろう。

 ② 職員朝会,学年朝会が終わると,すぐ教室へ行く。お茶を一杯する
  ことなく…。子供たちは担任を待っている。


《朝の短学活》
① 学級担任は出席簿を自分で持って出る。出席点検は子どもにさせず,
  担任教師が毎日出席簿順に,大きな声で一人一人の名前を呼ぶ。特に
  気になる子,昨日休んだ子,早退した子などには必ず声をかける

 ② その日に誕生日を迎えた子どもには,黒板の右隅に赤チョークで,
  「今日は,○○君と△△さんの誕生日です。おめでとう。」と書いて,
  学級全員に紹介して祝福する。
  これは,その日,一日中消さない。

 ③ 今日一日,自分の目標を何にするか自己決定するための「黙想」の
  時間を2分間作る。


《授業》
 ① 行動開始一分前(教師の率先垂範の行動)…子供たちにチャイム着
  席を守らせる前に,まず教師自身が鳴り終わるまでに教室にはいる。

 ② 授業終了も一分前に…チャイムが鳴り終わるまでにきちんと授業を
  終わる。

 ③ 指名するときは,座席順でなく,必ず名前を呼ぶ。

 ④ 毎時間,全員を指名して,それぞれの子どもに自己実現のチャンス
  を与える。

 ⑤ 子どもの発言をできるだけ板書して,かつ,その氏名も一緒に記入
  する。

⑥ 子どもに返す答案の片隅に,それぞれの子どもに適した励ましの言
  葉やコメントをひとこと書く。


《休憩時間》
 ① 望ましくない行動の子どもには,まず理由を聞いてみる。頭ごなし
  に叱らない。

 ② 廊下などですれ違った子どもに声を掛ける。


《昼食時間》
 ① 月・水・金などの曜日を決めて,弁当を持って教室へ出掛け,子供
  と一緒に食べる。
   子どもが寄ってくる。担任の弁当のおかずは?ときには,子どもと
  おかずを交換しても良いだろう。(隔世の感が = ハマコウ註)

 ② 学級内の友人関係,グループ関係がよく分かる。


《清掃》
 ① 教師は,指示・監督ばかりでなく,子供と一緒になって掃除に取り
  組む。

 ② 「やってみせ」「言って聞かせて」「させてみせ」「ほめてやらねば
  子どもは動かない」


《帰りの短学活》
 ① 学級のみんなに知らせたい,考えさせたい班ノートの内容を発表す
  る。

 ② 今日一日を各自が深く静かに考え,自分を見つめて,これからの方
  向を自己決定する「黙想」の時間を2分間用意する。


※ 子どもの「やる気」にかかわることについて,学級担任として,朝か
 ら夕方までどんなことを雰囲気作りとして毎日やったらよいかについて,
 具体的にあげてみた。(著者)




◇きまり
 「学級の決まりは教師が一方的に決める」
   生活・安全・差別
 「友達を思いやる気持ちを持とう」
  →  教師の実践で 
     ◎「チャイムと同時に」



◇心のチャンネル 坂本昇一
  子供がいじめについて他に伝えやすいようにチャンネルづくりが教師
 と子供の信頼づくり
 - どれだけ教師がチャンネルを持っているか
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明日24日(日)まで第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024  「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 ⑤(最終) /『子どもから大人になれない日本人』深谷昌志 リヨン社 2005年 ①(前半)【再掲載 2016.8】 [読書記録 民俗]

今回は、3月20日に続いて、斎藤卓志さんの、
「世間師 宮本常一の仕事」の紹介5回目 最終です。



出版社の案内には、

「『忘れられた日本人』などで知られる民俗学者・宮本常一の生涯を
追った評伝。日本全国を旅した宮本の仕事を探索するとともに、学者
的でも民俗的でも高踏的でもない、宮本の人間に対するやさしさと温
かさを伝える。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『宮本は神(宗教)の問題をやらなかった』 『宮本にとっての神は庶民
  だ』- 谷川健一」


・「お猿さんの芸で笑うんだけど人が笑っている笑顔も目に入る。全然知らない人
たちが一緒にお猿産の芸を見て童心に帰っていい笑顔になる。猿まわしは輪の
  芸能だ。- 宮本常一」


・「『電波の流れる先に行って,野良でも炉端でも聞いて帰って話をする。
スタジオで考えるな,現場で考えろ。』 - 宮本常一が永六輔に」


・「人が人を信頼し得るということが,しあわせというもので,しあわ
せというものは人が人を信じる以外にないのです。人を信じない
  世界にしあわせというものはないのです。 - 宮本常一」




もう一つ、再掲載になりますが、深谷昌志さんの
「子どもから大人になれない日本人」①を載せます。
- 「ギフテッド」と「スローラナー」二対する教育
この考え方は大切だとわたしは思うのですが、
日本に導入されたらどうなるだろうと考えてしまいました。

第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 HiD2024


いよいよ明日24日(日)までジオラマの甲子園が開催中。
観覧無料、直接投票もできます。
会場はザザシティ浜松 西館1階特設会場です。
時間があればぜひ。
※ 浜松ジオラマファクトリー Fasebook

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☆「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 ⑤(最終)

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◇周防大島に帰る
□兄・村崎義正と弟・村崎修二
村崎修二 S52(1977)4.8宮本常一と会う
「修ちゃん」と呼ばれた
猿回しの芸の復活を頼んだ 
      「文化を守ることは命を守る行為」
    宮本は村崎を京大の今西錦司に紹介している
  生きた文化 
       「体験」「想像」「記憶」「関心」

□最晩年 
  『東和町誌』全一巻
  『民衆の生活と文化』未来社 昭和53年
後書き 
      米山俊直,田村善次郎,宮田登
寄稿者 
      伊藤幹治,網野善彦,竹田亘,村武精一,宮田登,
      米山俊直、祖父江孝男,坪井洋文,田村善次郎,石毛直道,
      稲垣尚友、加藤俊秀,神崎宣武,潮田鉄雄,高松圭吉
  谷川健一
    「宮本は神(宗教)の問題をやらなかった」
    「宮本にとっての神は庶民だ」   
猿回しは「輪の芸能」(宮本)
     お猿さんの芸で笑うんだけど人が笑っている笑顔も目に入る。全然知
らない人たちが一緒にお猿産の芸を見て童心に帰っていい笑顔になる。
暖かいムード
 

            
◇旅駆けた常一
□民俗学者宮本常一の孤独
終始アカデミックの外に
武蔵野美大,観光文化研究所 
~ 友には恵まれたが朋のいる場所ではなかった    
    ◎ 聞いた内容が,それを誇ってくれた人への信頼によって裏
     打ちされている
- 自分が見てきたことへのこだわり 
        研究者の領域からはみ出た
  永六輔「時代の証言者」(朝日新聞 平成18年2月2日)
宮本が永に…
     「電波の流れる先に行って,野良でも炉端でも聞いて帰って
      話をする。スタジオで考えるな,現場で考えろ。」
→ フットワークの良さ
生き物としての芸能再生のために 
      鬼太鼓座
木下忠(愛知大学) 
     「宮本さんにはカリスマがある」
      東の菅江真澄 西の宮本常一
立ち位置は常に「いま」
      多くの年寄りから話を聞いた

□絵巻の仕事
絵と解説

□宮本最晩年の講演から
「人が人を信頼し得るということが,しあわせというもので,しあ
   わせというものは人が人を信じる以外にないのです。人を信じな
   い世界にしあわせというものはないのです」


◇あとがき
□稲武の夏焼温泉へ 
  設楽町名倉の後藤治夫さんに呼ばれて
後藤さん 93歳
      『シベリア抑留記』春風社 2005年
序文は澤地久枝

□谷川先生より教えられた「宮本のテーマは人だ」
  = 宮本の人間に対する優しさ温かさ

□宮本アサ子さん 
  「常一伝は書き手によってさまざまな形になりましょう」





☆『子どもから大人になれない日本人』深谷昌志 リヨン社 2005年 ①(前半)【再掲載 2016.8】

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◇親離れ子離れした人間関係に
① 子どもの意見や考えに耳を傾けよう = 子どもも中学生になると、
自分の世界を持つ。
  親が自分の意見や考えをいう前に、子どもの考えを話させよう。親
 が思っている以上に成長している子どもの姿が浮かんでくる。

② 自立のプログラムを作ろう = こづかいでどこまでまかなうか。門
 限を何時までにするか。ケイタイの費用限度をどう考えるかなど、領
 域を分けて、子どもの自立を具体的 に考えよう。
  そして、子どもの年齢に応じた形で自立のプログラムを考えよう。

③ 弱みを見せよう
  = 子どもは親をビッグな存在と思っている。そして、親をいつま
   でたっても超えられないと感じている。それだけに、子どもが中
   学生くらいになったら、親は子どもに弱みを見せよう。
    弱みを突破口として、子どもは自立の道をたどれるようになる。

④ 時には、本音でぶつかる
  = 親としての弱みを見せ、子どもの意見を聞くのがすべてではな
   い。時には、本音でぶつかろう。とくに絶対に譲れないと思うよ
   うなことは、安易に妥協しないで、親としての権威を示そう。
    強い親とぶつかって、自立するから、しっかりとした子どもが
   育つのである。

⑤ 親をやめる
  = 母親が細かく世話をしていると、子どもはそれを当たり前と思
   い、そうした環境に安住しやすい。
    そこで、子どもが中学生くらいになったら、世話をするという
意味での親をやめる時があってよいのではないか。

⑥ 親も自分の世界を持つ
  = 親、とくに専業主婦の母親は、子育てに専念するので、自分の
   世界を持ちにくい。そのため、子どもが親離れの時期になった時、
   子どもにしがみつきがちになる。
    子どもが小学校高学年になったら、子離れの準備として、母親
   は自分の世界を持つための努力を重ねるべきであろう。


◇個人差への対応
  海外へ行く時、小学校を訪問するようにしている。
  高校や大学はどこの社会でもそれほど変わりはない。
  しかし、義務教育の学校は津々浦々まで設置されるので、その社会
 の問題がストレートな形で学校の姿に現れてくる。
  アメリカ・サンフランシスコの学校を訪ねた時、小学4年生のクラ
 ス23名の内、メキシコ、中国、韓国、エジプトなど、14の母国語を
 話す子どもがいた。5年生は23名で、13言語だった。
  もっともそうした他民族社会の姿は、ヨーロッパの学級にも見られ
 る。
  ドイツのフランクフルトを訪ねた時、ドイツ系と思えない子どもが
 多かった。担当官に聞いてみると、市内の学校に在籍する生徒の内、
 ドイツ人は4割で、半数以上が他国籍だった。
  さらに、ニュージーランドのオークランドでもサモアやフイージー
 など、少数民族との共存問題が学級内にも影を投げかけていた。
  マニラでタガログ語と英語、マレーシアでは、マレー語、中国語、
 英語など、教室内で使う言語が問題になるくらいに、多民族の状態は
 教育を難しくしている。
  使用している言葉が異なるから、着る物から勉強への構えまで、す
 べての面で子ども一人一人が異なる。
  そうした多様さへの対応が学校として困難な課題となる。
  日本では考えられない事態だが、サンフランシスコの給食を例にと
 ると、食事は、
  ① 全部を家から持ってくる子、
  ② 主食を持参し、飲み物だけ買う子、
  ③ ランチを食べる子

 とにわかれ、③のランチも、アジア、アメリカ、メキシコの選択があ
 り、その上、アレルギーなどの対策もとられていた。
  韓国育ちの子どもはキムチが好きだし、中国生まれは饅頭が好物だ。
  宗教上の理由から肉を食べない人もいるし、信条的なベジタリアン
 もいる。したがって、日本のように一つのメニューで学校給食を展開
 することはできないらしい。
  子どもの個体差への対応が浸透しているので、欧米の学校では、普
 通のことのように、学力別の編成がおこなわれている。
  数人の子どもがいれば、一人一人の顔かたちが違うように、学習に
 対する構えが異なる。
  だから、個人差に対応する形で、授業が展開される。
  しかし、学校で尋ねてみると、かなり慎重に個人差への対応を実践
 しているのがわかる。
  どこの親も、可能なら「ギフテッド」(知的に恵まれた)クラスの子
 どもを入れたい。そして、「スローラーナー」クラスは避けたい。「ギ
 フテッド」の子どもが自信を持ち、スローラーナーはひけ目を感じが
 ちだ。
  そこで、多くの学校では、スローラーナーのクラスは
   ① 少人数で、
   ② 校内のよい場所に教室があり、
   ③ 力量の優れた教師が担当する。
  それと同時に、ギフテッドのクラスでは、
   ① 授業の進度を速めるのではなく、
   ② ボランティア活動を重視する、
   ③ アメフトのようなチーム・スポーツを大事にする、
   ④ デイベイト(討議)を多用する、
   ⑤ 読書を薦める
 などを配慮している場合が多い。
  校長に話を聞いてみると、ギフテッドの子どもは知的に恵まれてい
 るのだから、勉強を教えれば小学生でも高校レベルの教材をマスター
 できる。
  しかし、そんなに先回りして教えても意味があると思えない。ただ、
 ギフテッドの子どもは、いずれ一流の大学へ進学して社会のリーダー
 になる人材だ。
  それなのに、スローラーナーを蔑視したりしがちだ。
  だから
   ◎ 福祉施設などで社会的な弱者への共感性を育てると同時に、
   ◎ 団体スポーツをして、集団内での行動の仕方を習得させる。
   ◎ 読書で自分なりの見方を作るだけでなく、
   ◎ 話し合いの技術を磨くことが大事だ。
  ギフテッドの子どもは、傲慢な若者に育ちやすい問題児だと思って
 対応すべきだという。
  こうした指摘を、特定の校長だけではなく、多くの学校で聞くこと
 ができた。
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第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 22日より  「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 2008年 ④ /「学校教育うらおもて事典」佐藤秀夫 小学館 2000年 ①【再掲載 2016.9】 [読書記録 民俗]

第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 HiD2024


今年もジオラマの甲子園が今週末に浜松で開かれ、
一般公開展示が行われます。
観覧は無料、作品をご覧になり直接投票ができます。
会場はザザシティ浜松 西館1階特設会場です。
ぜひ、足をお運びください。
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今回は、3月12日に続いて、斎藤卓志さんの、
「世間師 宮本常一の仕事」の紹介 4回目です。



出版社の案内には、

「『忘れられた日本人』などで知られる民俗学者・宮本常一の生涯を
追った評伝。日本全国を旅した宮本の仕事を探索するとともに、学者
的でも民俗的でも高踏的でもない、宮本の人間に対するやさしさと温
かさを伝える。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『今日歴史学者は多いが歴史家は極めて少ない』 桑原武夫」


・「宮本のキーワードは『実践者』」


・「あるくみるきくが理念 →『わたしの日本地図』シリーズ」


・「だれにも分かるように書け」
「学者に向かって書くな」
「行かなければ話にならない」


・「『自然は美しい しかし 人の手が加わるとあたたかくなる
そのあたたかなものを求めて 歩いてみよう」宮本常一」



もう一つ、再掲載になりますが、佐藤秀夫さんの
「学校教育うらおもて事典」①を載せます。
本書を読み、初めて知ったことがかなりありました。




☆「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社  2,008年 ④

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◇豊かな国の民俗学
□文化財保護委員会 
  昭和37~
    3カ年計画 緊急調査 30箇所
自分で直接聞いた体験から言葉を紡いでいる

□池沢夏樹『忘れられた日本人』の感想
◎ この人の学問の特徴はまず持って明るいことではないだろうか。
    風通しが良くて,開放的で,明るい 
   = 論文は書かないがメッセージは伝える

□桑原武夫 
  『日本の名著』中公新書 1962
「今日歴史学者は多いが歴史家は極めて少ない」

□宮本の文章は私的なもの
宮本のキーワード 「実践者」
「民俗をやってきたのは人間が生きる尊さ,生きる意味は何かの
    追求でしかないんですよね」
本来の伝説とは
   -「ものを産みだし変えていく力」

□猿回しの復活 
  村崎義正,村崎修二兄弟
人は繋がりの中で生きている,人とつながることが人として生
   きることだ。

□司馬遼太郎 
  「宮本常一 - 同時代の証言」日本観光文化研究所
『21世紀に生きる君たちへ』平成8年



◇滞在地 「東京・府中」
□谷沢明(愛知淑徳大学) 
  「宮本は褒めて育てる人」
  「どうじゃ,おもしろいじゃろか」
「あるくみるきく」
    → 「あるくみるきく」が理念
      『わたしの日本地図』シリーズ

□昭和36年 
  府中市に家 54歳  
    大西伍一(旧友)が図書館長 慶友社

□昭和40(1965)年
  武蔵野美術大学教授

□須藤功 
  民俗学写真家 
  『お祭りさん』昭和38年 
    浜松自衛隊で広報 「まつり同好会」
 「だれにも分かるように書け」
      「学者に向かって書くな」
『昭和のくらし』全十巻 
  『西浦のまつり』 未来社 1970
「行かなければ話にならない」



◇タネを播く
□「その気にさせる」
テレビ番組『日本の詩情』 
     自然は美しい
しかし
人の手が加わるとあたたかくなる
そのあたたかなものを求めて
歩いてみよう         宮本常一







☆「学校教育うらおもて事典」佐藤秀夫 小学館 2000年 ①【再掲載 2016.9】

[出版社の案内]
21世紀・学校の大改革を目前に、学校の慣行『モノ・コト』の成り立
ちをうらからおもてから掘り起こす事典。○×△、内申書、総合的な
学習、日の丸、君が代等39項目について徹底解明。

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◇一条校  
□正規の学校
 = 学校教育法・第一条規定 
文部省所轄
小学校・中学校・高等学校・大学・聾学校・盲学校  
養護学校・高等専門学校・中高一貫校(中等教育学校)

□「正規の学校」観 
専修学校と各種学校は含まれない
各種学校への道を選ぶ
自由学園(羽仁もと子)文化学院(西村伊作) 明治学院
  在日外国人学校には極めて冷たい 国権主義的教育観


◇中学校
  三等区分 
    大中小 
     ~ 明治日本の開発
中学入学
    他の社会的特権性は認められなかった
 

◇大学校  
  大学校
   = 文部省以外の官公庁所管の学校の名称
「大学」の登場
    1886年 森有礼の「諸学校令」
最頂点
   - 帝国大学に
   「校」をつけない
  文部省の縄張りから外れたもの
- 警察大学校,防衛大学校,防衛医科大学校,海上保安大学校
~ 無視できない


◇予備校  
  進学の予備 
   = 自校の専門教育課程への予備課程に他ならなかった
  受験の予備 
    公正な選抜 
     → 入学時の選抜試験の厳密化に収斂
    ヨーロッパのような「二つの国民」の形成回避
    → 受験予備 激烈化
  予備校の成立 
   - 私立大学によるものが多かった


◇父母会(保護者会)
父兄,保護者そして父母
「父兄」の系譜 
    1872年「学制布告書」最初で最後
「父母後見人等」から「学級児童保護者」へ
 1879「教育令」     
       - 父母及後見人等
   1890「第二次小学校令」
       - 学齢児童ヲ保護スベキ者
   1891「文部省令」
  保護の内容
・ 就学させる義務主体
・ 授業料納入
父母
   → 父母及戸主
    → 後見人
     → 後見人及戸主
1900「第三次小学校令」
      - 学齢児童保護者
「父兄会」と「母姉会」
  父兄の存在? 
    親と学校との関係 
     = 特殊日本的事情
親の協力のありよう
制度管理・教育内容
   =「オカミの学校」
維持・運営面 
   =「地域の学校」
教員給与
    ◎ 1940年まで地域負担
 = 親の金銭的・労働的な協力が不可欠
       - 家族財産に権限を持つ「父兄」集団の協力
 よって戸主会・父兄会が深く関わった
     ①ハード担当
         「父兄会」年一回
      ②ソフト担当
         「母姉会」しばしば
◎ 父兄会の母姉会化
1920年~
◎ 名目上は「母姉会」の解消,「父兄会」への吸収だったが,
     実体的には「父兄会」の解体,母姉会への単一化という矛盾
     に満ちた過程であった。
  母姉のみの父兄会は戦前から
◎西日本では「育友会」と呼ばれる
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「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 2008年 ③ /「最強最後の学習法」後藤武士 宝島社 2005年 ③(最終) 【再掲載 2016.8】 [読書記録 民俗]

今回は、3月9日に続いて、斎藤卓志さんの、
「世間師 宮本常一の仕事」の紹介 3回目です。



出版社の案内には、

「『忘れられた日本人』などで知られる民俗学者・宮本常一の生涯を
追った評伝。日本全国を旅した宮本の仕事を探索するとともに、学者
的でも民俗的でも高踏的でもない、宮本の人間に対するやさしさと温
かさを伝える。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『日本残酷物語』全5巻 別巻2 平凡社は、宮本の体験と谷川の編集
力によるところが大きい」


・「宮本の体験を『日本文化の形成』などという文化論で終わらせては
ならない。神のような美しい庶民がいるんだよ。」    谷川健一


・「人生の火は愛情に他ならない」  石牟田道子


・「柳田の偉大さは分かるが信用しない。取材旅行をしていないから」
高田宏


もう一つ、再掲載になりますが、後藤武士さんの
「最強最後の学習法」③を載せます。
先輩から伝えられてわたしが取り組んでいることと同じような方法が
たくさん挙げられていることに驚きました。



☆「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 2008年 ③

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◇編集者と出会う

□谷川健一   
  平凡社編集者
  → 研究者
宮本と組んで
      「綴り方風土記」全8巻 1953-54
「風土記日本」全6巻 1960
編集委員 大藤時彦,鎌田久子,宮本常一
「日本残酷物語」全5巻 別巻2 平凡社
宮本の体験と谷川の編集力

  谷川 平成12年の取材時
「宮本の体験を『日本文化の形成』などという文化論で終わ
      らせてはならない。神のような美しい庶民がいるんだよ。」

  石牟田道子「ちくま日本文学全集 宮本常一」解説文
  「人生の火は愛情に他ならない」

  高田宏 「編集者放浪記」 (リクルート,1988) エッソ・エナジー
柳田の偉大さは分かるが信用しない
     - 取材旅行をしていないから


□宮本常一と未来社
小箕俊介「舟山板」(さんぱん)昭和58年「宮本常一と未来社」

  西谷能雄社長 
    佐渡二見出身 (弘文堂を退社して興した)
連絡係 松田政男(日本赤軍として仏より強制送還)南島出身
  「忘れられた日本人」があまり売れなかったから著作集刊行に

  山本安英「ぶどうの会」 久米明,坂本
「民話」宮本常一,西郷竹彦,竹内実,吉沢和夫



◇岡本・深沢・宮本の対談

□深沢一郎,岡本太郎,宮本常一
「民話」18号(昭和35年3月)に対談(鼎談)が収録

「土佐ゆず原乞食」の話
メクラの話は素晴らしい
◎ 目の見えなくなった人たちというのは,共通して自分の
      中でいろいろな過去を消化していって,そして形にして一
      つの物語に位置づけてしまう

  「百鬼夜行」の芸術論  
    鬼面
     ~ 金太郎飴



◇一人芝居「土佐源氏」

□役者・坂本長利「土佐源氏」
昭和42(1967)年講演許可を得るため宮本を訪ねた
「やあ」「おうっ」
      -「芝居はするが演技してはダメ」
宮本 「民話」
◎ どのようにささやかな人生でも,それぞれが自らの
        人生を精いっぱい生きるのはやはり素晴らしいことで
        ある。生きるということは何かいろいろな意味
昭和26(1951)年 
    「山本安英とぶどうの会」の研究生に
昭和42(1967)12.1~15日間 60回
「坂本長利 『土佐源氏』の世界」S55(1975)劇書房
毛利甚八 
    「PHP」№540 平成5年5月 宮本常一さんの微笑
独演劇「土佐源氏」









☆「最強最後の学習法」後藤武士 宝島社 2005年 ③(最終) 【再掲載 2016.8】

[出版社の案内]
中学受験、高校受験で難関校に受かる、基本は国語読解力だ!誰でも出
来てすぐ結果の出る6つの学習法で、必ず難関校に受かる。若くしてカ
リスマ講師になった著者が、自らの生徒にだけ教えてきた秘蔵の学習法
を開示。その基本は国語力。読書しなくても問題集の使い方次第で読解
力がアップ。そして暗記。5分間繰り返しとボールペンの活用で、必ず
記憶できる

最強最後の学習法.gif

<まとめ>

◇1時間目 最短時間で国語力をつける

  ① 読解力がなければ、国語だけでなく他の科目の教科書も理解で
   きない。
    テレビやゲームの説明書だって読んで理解できなければ、遊ぶ
   こともできない。

  ② 読書でも読解力はつけられるが、時間がかかりすぎる。手っ取
   り早く力をつけるには市販の問題集が一番いい。

  ③ 問題集は読解問題が多く、解答編が別冊になっていて、解説が
   充実したものを選ぶこと。
    解説文を読んで、とりあえず何を言っているのかわかれば、自
   分のレベルに合っている。

  ④ 問題は必ず解くこと。そして、それ以上大切なのは「答え合わ
   せ」と「解説を理解すること」。
    解説が理解できなかったら得意な人に教えてもらおう。

  ⑤ どうしても問題が解けないときは答えをノートに書き写そう。
   そしてなぜその答えになるのか、自分なりの解説を書く。それを
   問題集の解説と比べるのだ。

  ⑥ 「天声人語」や「編集手帳」などの新聞のコラムにタイトルを
   付けてみよう。うまく付けられれば、内容を理解できたというこ
   と。



◇2時間目 ノート活用法

  ① ノートをうまく使えば貴重な学習記録になる。
    自分がとこを間違ったのか、どこが弱点か、あとから見返すこ
   とができる。

  ② ノートは科目ごとに1冊に固定すること。できれば、学校用と
   自習用が欲しい。ルーズリーフは整理の苦手な子には向かない。

  ③ ノートは読み返すもの。きれいでなくても、わかりやすい字で
   書こう。

  ④ 余白を十分にとれば見やすくなる。

  ⑤ あとから見直す学習記録だから、日付と見出しは忘れずに付け
   ること。

  ⑥ アンダーラインに使う色は一色にすること。なおかつ、なるべ
   く引かない。せいぜい1ページに1、2ヵ所。多いと見づらくな
   る。

  ⑦ 間違ったところは、消すな。あとから見返すときに必要。



◇3時間目-間違い学習法をただす

  ① 子どもの勉強部屋はゲーム場になるだけ。勉強は食後のリビン
   グで十分できる。

  ②「ながら勉強」も、しないより、するほうがまし。逆に音楽はい
   いBGMになる。ただし、国語と英語の長文読解は「ながら勉強」
   に向かない。

  ③ 10月と1月に始まるドラマはビデオに録画。試験期間が終わっ
   たら見よう。

  ④ シミュレーショングームとRPGはやたら時間がかかるゲーム。
   避けたほうが無難。どうしてもやりたいのなら、シューティング
   ゲームか格闘技ゲーム。



◇4時間目-「5分間」暗記法

  ① 基本的なことは暗記が必要。九九を覚えなければ算数はできな
   い。ルールを知らずして野球はできない。

  ② 子どもは暗記が苦手なんてウソ。好きなものは嫌でも覚える。
   「モーニング娘」のメンバーや好きなスポーツのルールなどはす
   ぐ覚えてしまう。

  ③ 暗記に時間をかける必要はない。電話番号のように何度も何度
   も繰り返して接していれば覚えてしまう。要は回数だ。

  ④ 中学3年分の英語の動詞を覚えてみよう。単語リストを用意し
   たら、まず25語を5分で覚える。
    時間を計りながら、必ず、書いて声に出して覚えよう。

  ⑤ 5分たったらミニテスト。リストを見ずにどれだけ覚えている
   か書き出そう。全部覚えてなくてもいい。さあ、覚えてなかった
   ものを中心にまた5分で覚えよう。
    そして4回も繰り返せばおぼえてしまうはず。

  ⑥ でも、翌日には忘れている。だから、翌日も繰り返す。昨日よ
   りは早く覚えられるはず。これを1週間も繰り返せばバッチリだ。



◇5時間目-ボールペン学習法

  ① 間違いを消してはいけない。どこでどう間違えたかを、次に生
   かすのだ。

  ② そのためにはノートにボールペン。消したくても消せない。

  ③ ボールペンの利点はそれだけではない。鉛筆と追って折れない。
   滑らかに書ける。インクが減っていくので充実感が味わえる。

  ④ 3色ボールペンは避けよう。しかし、赤ボールペンは必要。間
   違った問題は赤で答えを書き込む。「紅一点」で目立つから、あ
   とからすぐにチェックできる。

  

◇6時間目-ぬりつぶし予定表

  ① 学習予定表は時間軸で作ってはいけない。

  ② やるべき課題を書き出して、それを予定表にする。

  ③ やった課題は消していこう。残ったものがやるべきことだ。

  ④ できれば、やるべき課題を何日でやるか決めよう。

  ⑤ 課題数を日数で割ればそれが1日の目安数。ノルマにすると大
   変だけど目安はあったほうがいい。目安数にいかなくても明日や
   ればいい。気楽に構えよう。
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「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 2008年 ② /「フィンランド・メソッド入門」北川達夫 経済界 2005年 ①(上)【再掲載 2016.1】 [読書記録 民俗]

今回は、3月6日に続いて、斎藤卓志さんの、
「世間師 宮本常一の仕事」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、

「『忘れられた日本人』などで知られる民俗学者・宮本常一の生涯を
追った評伝。日本全国を旅した宮本の仕事を探索するとともに、学者
的でも民俗的でも高踏的でもない、宮本の人間に対するやさしさと温
かさを伝える。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「多くの人の力を有機的にまとめて,日本全体をよくするような考え
  方を持つこと,それこそ政治なのではあるまいか。そうすれば,日
本人全体の生活が良くなる。わたしは文明がみんなに行き渡ったと
きは,どんなことをしても,それは贅沢とは言えないと思っている。
少数の人だけしか受けられないこと,それが贅沢なのである。すべ
ての人が贅沢したいと思っている。また,けして悪くないと考える。」
渋澤敬三

・「宮本の書いたものを読んでいくと,しゃべった人の人間性までが伝
わり,話している人間が浮き上がってくる…そうして聞き取った宮
本の姿はふっとんでいる」 高松圭吉


・「宮本にとっての民俗学は、現実の問題を解決するための手がかりで
あった」




もう一つ、再掲載になりますが、北川達夫さんの
「フィンランド・メソッド入門」①を載せます。




☆「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 2008年 ②

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◇渋澤敬三の学問
□昭和10年4月14日 宮本,渋澤に会う
沢田四郎作 大坂・小児科専門開業医
昭和10年 アサ子(旧姓:玉田)との結婚 
    日本史学者・魚住惣五郎の紹介
「こんな我が儘な人は自分がもらってあげないと…」宮本の印象
◎ 柳田の「山の人生」と宮本の「忘れられた日本人」
渋澤 
   学問と実地 
    「学者になるな」
宮本は渋澤の判断を最優先 
    満州建国大学への誘い(恩師 森信三)を断念
東大講師への誘い(石田英一郎)も


□渋澤敬三 
  「多くの人の力を有機的にまとめて,日本全体をよくするような考
   え方を持つこと,それこそ政治なのではあるまいか。そうすれば,
   日本人全体の生活が良くなる。わたしは文明がみんなに行き渡っ
   たときは,どんなことをしても,それは贅沢とは言えないと思っ
   ている。少数の人だけしか受けられないこと,それが贅沢なので
   ある。すべての人が贅沢したいと思っている。また,けして悪く
   ないと考える。」



◇終戦前後
□高松圭吉(東京農業大学)
「柳田が縦なら渋澤は横,宮本はその間にいた」

  「宮本の書いたものを読んでいくと,しゃべった人の人間性までが
   伝わり,話している人間が浮き上がってくる…そうして聞き取っ
   た宮本の姿はふっとんでいる」



◇対馬調査
□昭和25~26 
  対馬調査 
   → 宮本のものの見方にとって一つの転換点
能登調査   
    早大・武田良三,外木典夫  東大院生・山階芳正



◇離島のために
□離島振興協議会 
  → 大見重雄入所(安城市出身) 東農大・高松門下
浅野芳正(防大教授)旧姓・山階
宮本が事務局長 
    条件
      ①無報酬 ②誰にも悪いことを悪いと言える
神保教子 
      全国離島振興協議会書記 昭和29年2月12日
宮本の表の顔 
    「忘れられた日本人」昭和35年
内なる顔
    「庶民の発見」昭和36年
   → ◎ 人間に対する揺るぎない信頼
宮本にとっての民俗学 
   = 現実の問題を解決するための手がかり
(財)日本離島センター 
     「しま」(№106 1981)宮本常一追悼号
高松圭吉「防波堤」
「何でもいいから問題提起しておけば,そこへ食いついてき
      た人がもっと深めてくれる」
田村善次郎 S28(1953)1浪後 東京農業大学
↓ 河岡武春 峠下の村調査に参加
S29 林業金融調査会 
     ◎立ち上げに宮本と高松が尽力
田村もメンバーに 
       → 宮本に引き寄せられるように行動を共に
高松圭吉(現相模女子大学教授)  外木典夫(早稲田大学教授)
河岡武春(日本常民文化研究所常任理事)
 → 若い人たちも
          神崎宣武,谷沢明,印南敏秀(武蔵野美術大学)
田村善次郎,香月洋一郎
→ 武蔵美生活文化研究所
日本観光文化研究所
  大見
   「宮本は人生の精神的支え」
大見重雄
     1993年没「離島一路-回想 大見重雄と島の仲間たち」
 全国離島振興協議会事務局長
(財)日本離島センター総務部長(H4.10~)






☆「フィンランド・メソッド入門」北川達夫 経済界 2005年 ①(上)【再掲載 2016.1】

[出版社の案内]
フィンランドの国語教科書で採用されている方法や、教育現場で用いら
れている手法を、世界ではじめて5つのメソッド、発想力・論理力・表
現力・批判的思考力・コミュニケーション力で分析。フィンランドでは
小学生から取り組んでいるカルタの考え方や書き方をはじめ、さまざま
なものの考え方・コミュニケーションの取り方などを総合的に学んでい
きます。今まで日本にはなかった教育メソッドですが、子どもから大人
までだれでも簡単に身につけることができます。

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◇フィンランド共和国
森と湖の国 
    15~20万の湖 
    国土の7割が森林  
    北部ラップランド
福祉国家  ムーミン  シベリウス


◇今なぜフィンランド・メソッドか
(北川氏)
    外交官 → 国語教師
□グローバル・コミュニケーション力
基礎  ①発想力 
      ②論理力 
      ③表現力 
  応用 ④批判的思考力 
      ⑤コミュニケーション力の育成


◇発想力
□徹底的にカルタを使う
  カルタ
   ~ マインドマップ
中央にテーマ
   ~ 連想を放射状に

□中心のテーマから  
  テーマを中央に 
    ← 先生が質問を投げ掛ける

□カルタを使って自己紹介 
  わたしは何?

□みんなで一つのカルタを書いてみる  
  発想力 → 分析力 → 創造力


◇論理力
  「ミクシ(どうして?)」 攻撃の秘密
    先生の「ミクシ」攻撃
  「意見には理由」  
   大人にも養いたい論理力  

□論理の回路を頭の中に
意見
   - 理由の論理型
①意見
②なぜなら(理由1)
③それに(理由2)
④また(理由3)

□論理力を使って物語を読みましょう
  原因と結果の法則
   - 教える側の意識を変える

□先生の着眼点は「結果よりプロセス」


◇表現力
 一番短い作文を書けるのは誰かな
「15個の単語をすべて使って作文を書こう。
   一番短い作文を書くことができるのは誰かな?」
  言葉を自由自在に使いこなす
   フォーマットを使って作文を書こう

□初歩的なメソッドで物語を創作しましょう
① 基本的人物設定    
      趣味,仕事,名前,見た目,性格,職業名等
  ② 物語の登場人物の設定
      味方,敵,何をしようとしているのか,武器等

□ショートストーリーを創作しましょう
カルタを使って発想力
  作文の書き方
    ~ パラグラフ・ライティング  
        「中心文」 + 「支持文」 
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