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石井式漢字学習 石井勲 (『致知』2003年12月号より) ① /「日本の名句名言」増原良彦 講談社現代新書 1988年 ②【再掲載 2014.4】 [読書記録 教育]

今回は、月刊誌『致知』2003年12月号より、石井勲さんの
「石井式漢字学習」の紹介 1回目です。


『致知』での対談ですが、
石井式漢字学習法の一端が分かります。


もう一つ、再掲載となりますが、増原良彦さんの
「日本の名句名言」②を載せます。
増原良彦さんとは、今月亡くなられたひろさちやさんの本名です。
ご冥福をお祈りします。





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☆石井式漢字学習 石井勲 (『致知』2003年12月号より) ①

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◎ 深刻な読書離れの根底にある日本語力の著しい低下。なぜ国民の
 日本語力はかくも低下してきたのか。
  漢字教育を通じて教育改革に取り組んできた石井氏と、戦後教育
 の問屋点を鈍く指摘し続けてきた小堀氏に、歴史を振り返り、また
 各々の体験を交えながら、日本語力低下の要因と、復活の条件につ
 いてお話し合いいただいた。



◇石井勲(NPO法人日本漢字教育振興協会会長)

 いしい・いさお 大正8年山梨県生まれ。昭和17年大東文化学院
本科・高等科卒業。26年全日本国語教育協議会全国大会で漢字教育
の重要性を発表。28年新宿区立淀橋第一小学校で研究を始める。43
年幼年国語協会発足。48年石井教育研究所を設立。平成元年第37回
菊池寛賞受賞。6年日本漢字教育振興協会会長就任、現在に至る。
『幼児はみな天才』『漢字興国論』『幼児は漢字で天才になる』『日本
語塾』など、漢字教育に関する多数の著書がある。



◇小堀桂一郎(東京大学名誉教授)

こぼり・けいいちろう 昭和8年東京都生まれ。33年東京大学文
学部独文科を卒業。43年博士課程修了。この間にドイツ留学し、43
年東京大学助教授。60年同教授。専門は比較文学、比較文化。平成
6年退官し、明星大学教授。傍ら、日本を守る国民会議編纂の「新
編日本史」の編纂監修に参加するなど、改憲派文化人として活発な
活動を続ける。著書に『若き日の森鴎外』『古典の知恵袋』『宰相鈴
木貫太郎』『さらば東京裁判史観』他多数がある。



◇『日本語力を復活させよ』

小堀 
  日本の教育は、戦後始まった国語破壊政策を端緒として、以後
 半世紀余り年々崩壊の一路をたどってきました。

  しかしここへきて、これをなんとかして回復しようという動き
 が出てきましたね。

  少々遅きに失した感はありますが。


石井 
  やっぱり二宮尊徳翁がおっしゃっているように、陰が極まらな
 いと、陽が生じないんですよ。悪くなりきらないとわからない。

  やっとこの頃わかる人が若い世代の中から出てきたのを見て、
 ようやく陰極まって陽が生じ始めたなあと私も思っているんです。


小堀 
  これから改善・解決していかなければならない制度的な問題は
 たくさんありますが、幸いどうやって回復すればよいかという道
 はすでに見えています。

  これには、長年漢字教育に取り組んでこられた石井先生のご功
 績が非常に大きいと思うのですが、ご活動をお始めになって、も
 う半世紀以上になりますね。


石井 

  はい。日本の教育は根本から間違っていることに気づいて、そ
 れを言いだしたのが私が31歳の時でしたから、53年前です。

  その後幼児教育に取り組むようになったのが35年前です。

  いまの教育問題の根本には、冒頭におっしゃった国語破壊と、
 それに伴う読書離れがありますが、その要因として、やはり戦後
 国語審議会が、敗戦を機に新仮名遣いというものを作って、漢字
 をだんだんとなくしていこうという戦略を立てた。

  それを国民が見過ごしてしまったということが、一番の原因で
 あると思うんです。


小堀 
  その通りだと思います。


石井 
  これは、表記と実際の発音とのズレをなくしていこうという動
 きなんですが、似たような現象は世界中にありましてね。

  どの国の言語学者も、このズレを不合理だとして、表音通りに
 変えてしまおうというんです。

  ところが、そのたびにみんなから総スカンをくらってきた。

  フランスでも戦後同じようなことがありましてね、ものすごい
 非難攻撃を浴びて、すぐに引っ込めたと。

  私の知る限りでは、フランス語ぐらい表記と発音がズレている
 国語はないと思うんです。

  そこでさえもそういう情勢なのに、そのズレが一番少なくて、
 ほとんど問題にならないような日本で、学者が同じようなことを
 言いだして、しかも国民が素直にそれに従ってしまったんですね。


小堀 
  これはドイツ語でも同じでございましてね。

  ドイツ語の綴りは西洋近代語の中では比較的発音と綴りが一致
 しているほうなのですが、やはり現代の発音と一致させろという
 表音派の運動が以前からあって、そのたびに、語源を示している
 古い綴りを保存 することが大事なのだという保守派の意見で押
 し返してきたのです。
   
  ところが最近になって、ついに表音派が勝ちを占めて、ドイツ
 語の綴りが大きく変わっていく気配なのです。

  一番わかりやすい例として、電話は、teiephonとギリシャ語由
 来の″ph″が使われています。

  ところが発音からすれば、″f″と同じだから″f″で綴るべ
 きだという意見があって、それがついに大勢を占めるようになっ
 た。
 
  心ある人は非常に憂慮しておりますけれども、日本とよく似た事
 情になっております。










☆「日本の名句名言」増原良彦 講談社現代新書 1988年 ②【再掲載 2014.4】

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◇「朝には紅顔ありて…」蓮如『御ふみ』

◎「朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり」


□蓮如(1415~1499)浄土真宗本願寺中興の祖
門徒教化のため消息(手紙)形式の法語 ~ 教徒拡大
消息文を集めたものが「御ふみ」「御文」「御文章」

◎ 白骨の御文章
  

□原拠は『和漢朗詠集』

原詩 藤原義孝
 「朝には紅顔あって世路に誇るといへども暮には白骨となって郊原
  に朽ちぬ」


□この世は無常 無常の世においては無常のできごとが続く

  人間のはかなきことは、老少不定のさかひ(境地)なれば、たれ
 の人も、はやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏をふかくたの
 みまいらせて、念仏もうすべきものなり



◇「つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのふけふとは思はざりしを」在原業平

□エピクロス(前341~271)快楽主義

 心境の平静こそが「快」

 = 隠れて生きよ


□在原業平(825~880)

◎「つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのうけふとは思わざりしを」
『古今和歌集』『伊勢物語』『大和物語』にも



◇「何せうぞくすんで一期は夢よ。ただ狂へ」『閑吟集』
 
□農耕民族 
 手を掛ければ増収
 → あくせく働く


□牧畜民族 
 じっと家畜を見ていればよい
 ~ あくせくしない

 ◎「何せうぞくすんで一期は夢よ。ただ狂へ」
何になろうまじめくさって 一生は夢よ ひたすら遊び狂えよ 
   =新イソップ 無常の人生



◇「一期一会」 井伊直弼『茶話一会集』

□一期一会
   一生に一度の出会いのつもりで茶会を催すこと

窮屈すぎるのではないか?(筆者=増原氏)



◇「大愚良寛」

◎ 災難に逢時節には災難に逢がよく候。死ぬ時節には死ぬがよく
 候。是はこれ災難をのがるる妙法にて候。
  |
災難に逢えばどっぷりと災難に浸かればよい。
  逃れられないならそうするほか仕方がない。

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「ユートピアを求めて」安岡正篤 DCS 2002年 ①(前半) /「カリスマ教師の心づくり塾」原田隆史 日経プレミアシリーズ 2008年 ① [読書記録 一般]

今回は、安岡正篤さんの
「ユートピアを求めて」の1回目(前半)を紹介します。




出版社の案内には、


「本書は、名著『老荘思想』を著した安岡正篤師が『老子』
 を講じた筆録です。老荘思想の神髄をついた講話は、俗世
 の汚濁と頽廃を救う妙薬として、読む者を神秘的なユート
 ピアに誘い、現代文明に毒された我々の心を沈静・慰藉し、
 やがて解脱へと導いてくれることでしょう。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った自分自身への戒めの言葉は‥

・「老=熟(な)れる よく練れておる-特に徳が円熟
黄老…尊い人  老子…庶民」


・「中国は時間を掛け練達、熟練することを尊ぶ 『老酒』
対して日本は生新、生一本を愛する 『生一本』」


・「思想の変遷 - 老・荘・儒・道・禅」


・「我々は生きる限り海老のように新鮮で古い殻を脱却して
  ゆかなければならない」





もう一つ、再掲載となりますが、原田隆史さんの
「カリスマ教師の心づくり塾」①を載せます。
エネルギッシュな原田さんに励まされます。






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☆「ユートピアを求めて」安岡正篤 DCS 2002年 ①(前半)

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<老子選講>
◇序論

□中国文化の始まり

 「黄」と「老」の持つ意味
孔孟と老荘 「黄老」

  古代人は黄色を愛し重んじた


□中国の「老」と日本の「生(き)」

 老    熟(な)れる よく練れておる - 特に徳が円熟
×老獪 老廃 ◎老熟 老成  
黄老 … 尊い人
老子 … 庶民

 生   新鮮 生 純粋

 中国  時間を掛け練達、熟練することを尊ぶ 「老酒」
↑↓
日本  生新 生一本を愛する        「生一本」


□老子は実在した人物か

 帝王で言えば黄帝これに対する賢人哲人はまず老子

 老子 … 非常な老熟、練達の哲人

  
□歴史上の老子

 漢の始めの政治  
   黄老をむねとした  老子-名前は李耳(耳の大きな人)

漢の武帝  儒教を取り入れる


□思想の変遷 - 老・荘・儒・道・禅

陰陽五行思想の再評価
木・火・土・金・水の五気 → 作用が五行
最も大切 相生・相克関係


□天地人一体感

 老子 ~ 「天より人が生じた」
人間は常に天と結ばれている「天に参ずる」
本当の人間は常に豊かに自然・天地というものに根を
     下ろさなければならない


□「史記」の中の老子と孔子

 昔の商人「深く蔵して虚しさが若し」
でかでかと物を並べるなんて浅はかで衒うようなもので、
   それを好まなかった
= 学問、道徳

  「君子は盛徳、容貌愚なるが若し」
     孔子もいろいろ修業、苦労して偉くなった


□化する-遽伯玉(きょはくぎょく)と王陽明の言葉

 遽 「行年五十にして四十九の非を知る」

 王陽明(1472-1528) 儒者

 准南子 「六十にして六十化す」幾つになっても新しい



□老化を防ぐ秘訣とは

 海老がめでたいわけ
   = 秋になると幾つになってもよく殻を脱ぐ

◎ 常に新鮮 ~ 老朽しない
○ 固陋(ころう)にならない = 維新

 生きる限りは維新
少なくとも精神教養は永遠
   我々は生きる限り海老のように新鮮で古い殻を脱却して
  ゆかなければならない     

◎黄老思想 老荘思想 儒教

  ◎儒教 - 修己治人
◎老荘 - 人間自然
◎能化(よく化する) 大化

 長寿の秘訣
  = まことの生活 真理に従って生きる


□今老子を学ぶことの意義

 生きる限り常にきびきびと創造してゆく

 日本言論界
   報道界の低級、頽廃、堕落、紛糾


□道と徳-玄徳を養う

 これを生じるものが道であり、これを養うものが徳である
    
 玄徳と明徳 
儒教-明徳
老荘-玄徳(徳の根源的なもの)







☆「カリスマ教師の心づくり塾」原田隆史 日経プレミアシリーズ 2008年 ①

〈出版社の案内〉
多くの問題を抱えた学校に赴任し、捨て身の教育を実践。得意の
陸上競技を通じて生徒たちの心を変えて、在職7年間で13回の
日本一に導いた。子供たちの心のコップを上向きにし、夢や目標
を与えて、自立型人間に変えてきたその手法とは?現役教師1400
人が学び、企業研修でも採用が相次ぐ、原田式心づくりの指導法
を紹介。
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◇原田隆史

 大阪・京都・東京教師塾頭 原田教育研究所長

 1960年大阪生 奈良教育大学卒 松虫中学校 2003年退任


◇はじめに

 人間力 - 人を感動させる力
       源は「本気になること」



◇教育乱世の時代に
 
□「捨て身」の教育の始まり 

 松虫中 - 7年間で13回の日本一 


□乱世の教育と「おかず理論」

 = 好きなものから始める


□若者達の心が分かりますか

① 自己完結(自分の器を狭めて夢を持たない)  
   「ムリムリ」

② アンビバレンツ(社会にもまれない為感情がコロコロ変わる)

③ 自己決定権(何か分からないけどわたしの自由)    
   「すごいらオレ」

④ ミーイズム(自分の利益のみ考え他人のことを考えない)

⑤ まじめの崩壊
    「ばれなかったらいいだろう」「正しいことより得なこと」価値観

⑥ 規則には従わないがオーラとムードには従う 
   空気 

⑦ 充実感・満足感・達成感が欲しい

⑧ 分かってほしい

⑨ 居場所がほしい

⑩ 癒されたい


□理念なき教師は何もできない 

 夢・思い・理念


□理念作りのためのロジックツリー
 
<ロジックツリーの作り方>

① 現実の教育活動、実践の中で、自分が大切だ、この活動が
 極めて重要だと思い、実行できていることをすべて付箋に書
 き出す指導内容

② 次に、実行には移せていないが、大切だと思っていること
 を思うがままにすべて書き出す

③ 自分が尊敬する人物を思い描き、その人物の特徴あるプラ
 スの行動、心惹かれることを想像力を働かせながら付箋に書
 き出す = 行動指針

④ 付箋が出そろったら、3~4個のグループに分ける

⑤ そのグループの特徴を記述する
    指導指針

⑥ その特徴の付箋を眺め、自分の教育の芯中核を言葉で表現する
    理念
「自分の特徴はこうなんだ。だからこう指導するんだ」
      → それに基づいた指導


□自立型人間を育てる

 教師塾の理念

 = 「日本をより良くする自立型人間の育成」
  ◎ セルフコントロール能力 
    ◎ 意志の力と愛の力


□お袋の一言 
 「まず自分を変えなさい」主体変容
  教師自身が自立型人間に
   「仕事と思うな人生と思え」

 心を変える前に行動・態度を変えてみる


□教師塾の三種の神器

① 長期目標設定用紙 
     自分で目標を立てる 最高の目標、中間の目標、絶対できる目標
  成功の分析と失敗の分析
長期目標設定用紙(平野達郎・独行法教育研修センター)

②ルーティンチェック票
    毎日のルーティン目標 10個に○と×

③日誌
   前日 - 翌日の行動予定とその日に必ずやること
当日 - 
    ○一日の行動評価 
       総評、心理、身体、仕事、人間、生活、教養
○「プラスの影響を与えた言葉や出来事」
「今日の自分のベスト3」
    ○「今日をもう一度やり直せるとしたら」
        もし、今日をもう一度できるとしたら?

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「寝学塾・絶望名言 太宰治 - 待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね。太宰治」頭木弘樹 『月刊 ラジオ深夜便』2021.4 /東井義雄さんの言葉⑧【再掲載 2012.4】 [読書記録 一般]

今回は、『月刊ラジオ深夜便』より頭木弘樹さんの
「寝学塾・絶望名言 太宰治」を紹介します。


ラジオ深夜便放送の内容を、
読みやすい文章にまとめてくれた月刊誌が好きで、
毎月届けてもらっています。


『月刊誌 ラジオ深夜便』のサイトには、
「放送とリスナーをつなぐ月刊誌」と記されています。

https://radio.nhk-sc.or.jp/




もう一つ、再掲載となりますが、
日本のペスタロッチとも呼ばれることもあった東井義雄さんの
「東井義雄さんの言葉⑧」を載せます。
出典が何かは不明ですが、
わたしにはなるほどと思うことばかりです。
「古い」の言葉で片付けられてしまうのでしょうか。





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☆「寝学塾・絶望名言 太宰治 - 待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね。太宰治」頭木弘樹 『月刊 ラジオ深夜便』2021.4

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◇太宰は「戻らないメロス」 だった
 
 太宰治に『走れメロス』という短編があります。


 実はそれとよく似た出来事が、作家・檀一雄との間に起きてい
ました。


 仲の良い友人であった二人は、あるときすっかり熱海で遊びほ
うけて、支払いが滞ってしまいます。


 そこで太宰は檀を残して、ひとり東京に金を借りに行くのです
が、約束の日になっても戻りませんでした。


 困った檀は東京に探しに行きます。


 するとなんと、井伏鱒二宅で将棋を指しているではありません
か。

「何だ、君。あんまりじやないか」

 怒った檀に太宰が答えます。

「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」


 待たせるほうだって辛いのだというわけですが、いわば太宰は
「戻らないメロス」だったのです。


 このいきさつは、檀が『小説太宰治』に書いています。


 そんな迷惑をかける人とは早々に縁を切ればいいのに…。


 最近は特にこういう考え方の人が増えているように思うのです
が、私はそうは思いません。



□ワクチン友達のすすめ

 エアコンが発達して、私たちは少々の温度変化でもすぐに「暑
い」「寒い」と不快を覚えるようになりました。


 適温温度帯というようなものが、狭くなっているのではないで
しょうか。


 これが、人間関係とも似たところがあるように思うのです。


 自分にとって快適な人とばかりつきあっていると快適人間帯み
たいなものが狭くなり、ちょっとしたことで不快を感じるのでは
ないでしょうか。


 日頃から少し不快な人ともつきあっていれば、それが防げるの
ではないか。


 これが、私の「ワクチン友達のすすめ」なのです。


 ワクチンとは、単純に一言ってしまうと、弱めた病原体を体内
に投与して抗体を作り、強い病原体に耐えられるよぅにするもの
です。


 困った友達と、ふだんからつきあっていれば、より困った人に
出会っても、傷つきにくく、耐えられるよぅになるかもしれませ
ん。 


 もちろん友達ですから本当に病気になってしまうような人に
は近づかないほうがいいですね。


 とにかく、快適な人にばかり囲まれようとするのは、無菌室で
生活するようなもので危険なことです。


 檀一雄が太宰治とつきあい続けたように、困った友人でも怒り
ながらつきあっていくほうが、人生全体としてはいろいろな人と
会えるのではないかと、私はそんなふうに思います。


 実際、檀はずいぶん他の人に迷惑をかけていましたし、太宰は
中原中也にひどい目に遭わされていました。


 上には上がいるのですね。

            「絶望名言ミニ(2018年12月12日放送)より









☆東井義雄さんの言葉⑧【再掲載 2012.4】

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◇身体で書くということ

□文は身体で書くもの
生活綴り方の精神
  = 文は生活をぶつけて書くもの・文は身体で書くもの

▲ 小手先の技術に
◎ 技術は技巧ではない。もっと主体的なもの。


□詳しくということ
1「もっと詳しく書きなさい」
折角頑張っていることを見ようともしないで書き付けた指導

2 表れているところだけがすべてではない
○佐古田好一校長「母親教室二十一夜」
  子どもの舌足らずの表現のそこに隠れているものを誰の目
  にも見え表現の世界に表していくこと

 ※ ないものに何かを付けて詳しくするのではない。あるには
  あるのだが,沈み,隠れているもの見えないものを見える世
  界に浮かべていく仕事,それこそが「詳しく書く」というこ
  と

3 無意識の意識化
 「値打ち」の意識化・自覚化



◇段落指導をめぐって
□段落意識と相手意識  
  様々に相手を意識することが段落を生み出し,段落意識を練
 り鍛える


□思考の論理的修練と段落の形成 


□身体で書かせるための指導
 書く必然を組織する
  → どんな場でもごまかさずに真実を書く

人間を鍛える 
  → 問題を自分の問題として取り組むような教室にしたい



◇読解指導

① 子どもからスタートすることの大切さ  
   本当の力は外から与えることはできない

② 読みの意欲を大事にすることの大切さ

③ ひとり調べの意義と集団思考の意義
   「三人寄れば文殊の知恵」
  
④ 見直されなければならない学習帳の役割



◇板書技術

① 板書を見直す

② 与えるねらいと板書  
   まちがえを子どもが書く場を

③ 板書でどう子どもの発言を取り上げていくか

④ 分け合う黒板・練習黒板
   一通り読ませる
   自由読み
     ~ 分からない字・難しい字を自由に板書

 ※ 黒板利用の方法を考えることによって,一人の躓きの是正
  を通して,みんなの力を確かなものにすることができる。
 
⑤ 教師の身振り手振りの延長としての黒板



◇「話し合い」の意味するもの

□「調和」の忘却

  日本  出たとこ勝負・無計画


□戦後25年の若者

よく文句を言うようになった

不平・不満の目
  = 巨大尊大な「自我」
  
 いうことを聞かない

 ○衝動  →  思考  →  行動
 (思考が省かれることが多くなった)

○力のいる仕事・面倒な仕事を避けるようになった
               (両方とも左手)

※ 著しい「不調和」
 

□戦後教育の中で果たして「話し合い」は育てられたか
 ①討議
    ~ 「さみしさ」が残る

   理由 = 自己主張によって成立
       「バカヤロー」「ナンセンス」
   ↑↓

 ②話し合い
    討議を救うもの
◎聞き合いによって成立
※ 自分を押し出すことよりも他から学ぼうとして他か
     ら吸収しようとする

◎ 他を活かしながら自らを耕し豊かにする
(共感を生む)

 ※ 戦後の授業は「話し合い」という名前でほとんど「討議」
  を見せてもらった。
  話し合いが回復されるなら,子どもの像も,もう少し人間
  らしいものに描かれるようになる。

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「怒らないコツ」植西聰 自由国民社 2018年 /「教育大混乱」プロ教師の会 洋泉社新書  2007年 ③(最終)【再掲載 2012.3】 [読書記録 一般]

今回は、植西聰さんの
「怒らないコツ」を紹介します。



家に帰ると安心してしまうからでしょう、家族に対して
怒ってしまった後、後悔することがしばしばあります。
何とかしたいと考えて、読んでしまうジャンルの一冊です。

途中(P73)までの要約ですが。


出版社の案内には、


「あなたが怒れば怒るほど、幸せはあなたから遠ざかっていく。
 感情的にならずに生きたいあなたに。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った自分自身への戒めの言葉は‥

・「相手が間違っていると決めつける前に相手の話をよく聞く」


・「ディレイ・テクニック 
  ― 反応を遅らせることで怒りが生じるのを抑える」


・「我を張って衝突するよりも上手に妥協して仲良くなる」


・「『クロスポジション』によって相手の立場に立ってみる」


・「自分なりの呪文を用意しておく
  『コーピング・マントラ』 『気にしない』
  『小さい小さい』  『どうにかなる』」



分かってはいるのですが、なかなか…。
何とかしたいという気持ちをもつだけでもよいと、
自分に思い聞かせています。





もう一つ、再掲載となりますが、プロ教師の会の
「教育大混乱」③を載せます。
案内に指摘されている課題からの教育再生は、
いつ見えるようになるのかと考えます。

「わが子の成績だけにこだわる親と、競争と効率と市場の
 論理で教育を語るだけではこの国の教育再生はみえてこ
 ない。もうこの国はほんとうにだめなのか。」





<浜松のオリーブ園>

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☆「怒らないコツ」植西聰 自由国民社 2018年

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◇怒りは人生に災いをもたらす
 
 激しく怒ることで人はたくさんの損をしている
   怒らないことで幸福と成功に近づける

   「短気は損気」
 


 怒りっぽい人ほど心臓病のリスクが高まってしまう
   健康な人は「怒らないこと」をモットーにして生きている

   「タイプA型行動パターン」原因はストレス



 怒らないことで心身ともに健康な生活を送れる
   安らぎに満ちた生活を送ることを考える

   怒らない、ストレスのない生活を



 怒りの感情は結局は自分自身に災いをもたらす
   怒らないことは自分自身の幸福につながる

   イソップ物語「人とキツネ」



 怒りの感情で身を滅ぼしてしまうこともある
   怒りにかられ無茶なことをしないように注意する



 自分が怒りっぽい人間だと自覚できていない人もいる
   自分の性格に気付きそして生まれ変わる決心をする



 「いつも自分は正しい」という考え方を捨て去ってみる
   相手が間違っていると決めつける前に相手の話をよく聞く



 カチンとくることがあってもすぐに反応しないように気を付ける
   怒りで相手の話を折らない  

   相手の話を最後まで聞く

   ディレイ・テクニック 
    ― 反応を遅らせることで怒りが生じるのを抑える



 怒りに駆られて行動すると手痛い敗北をすることになる
   怒っていると正しいアドバイスが耳に入らなくなる



 怒りを「敵」と考えて怒らない人生を心掛ける
   最大の敵は自分自身の心の「怒り」の感情である

   「怒りを敵と思え」(徳川家康)



 怒らないということによって人生に打ち勝つ
   「欲張らない」(貪)
   「愚かでいない」(瞋)
   「怒らない」(痴)心がけ




◇よき人間関係のために怒らない

 人間関係を大切にするために「怒らない」を心掛ける
   怒って自分を支える人を失わないようにする

   三木清「怒りとは分離である」



 妥協できない人は怒りっぽく 妥協できる人は穏やかに生きる(政治家)
   我を張って衝突するよりも上手に妥協して仲良くなる



 人を叱るときには感情的に叱ってはいけない
   理性的に穏やかに叱る

    「菜根譚」人の悪を攻むるには、はなはだ厳なることなかれ

     感情的にならず、理性的に穏やかに相手を叱ることが重要



 善良な気持からの失敗であれば、あえて叱らないほうがいい
   相手がどういう心がけで失敗したのかよく考えてみる

   孔子「過ちを観て、ここに仁を知る」



 信望は「怒る人」よりも「優しい心遣いの人」に集まっていく
   感情的に叱る人は指導者になれない



 感情的になる人は損をし、怒らない人が得をする
   感情的になりやすい人の周りからは人が離れていく



 「クロスポジション」によって相手の立場に立ってみる
   自分が怒ったら相手はどう感じるかを考えてみる



 相手の性格を知れば腹立たしい気持ちが和らいでいく
   「信頼されていない」と考える前に相手の性格を知る



 自分と異なる価値観を持つ相手を認めて受け入れる
   「人はそれぞれ異なる価値観を持つ」と再確認する

    自分の価値観の物差しを相手にあてはめない



 「期待しているから厳しく怒る」のでは失敗してしまう
   期待していることをしっかり相手に伝える




◇とっさの怒りを鎮める方法とは

 10秒間だけ「ストップシンキング」を試みてみる
   心の中で何も考えずに10数える



 怒鳴り散らすから一層怒りの感情が大きくなる
   ゆっくり深呼吸 まずは気持ちを落ち着ける

   徳富蘆花 
    「怒りは言葉とともに増え、動くとともに加わるものだ」



 怒りの感情を口にせず、心の中で忘れ去ってしまうのがいい
   怒りの感情を口にしないのが「禅」の生き方になる
    → 口にしない



 怒りの感情にとらわれた時にはゆっくり深呼吸してみる



 怒りを鎮めるための自分なりの呪文を用意しておく
   「コーピング・マントラ」
   「気にしない」
   「小さい小さい」
   「どうにかなる」
             


~ P73 途中まで









☆「教育大混乱」プロ教師の会 洋泉社新書  2007年 ③(最終)【再掲載 2012.3】

<出版社の案内>
緊急の教育課題は「学力低下問題」か「子ども・若者問題」か?
今日の教育不全は、学力低下にあるのではない。学ばない、学
ぼうとしない子どもにこそあるのだ。なぜこれを直視しないの
か?1980年代中葉以後に顕著になった、子どもの変容を認めず、
学校が悪い、教師がダメだ、といった犯人探しに右往左往し、
挙句は、愛国心があればいじめがなくなるとか子どもは本来学
びたがっているのだから、ダメ教師を査定して排除すれば子ど
もは学ぶはずだなどと現実を無視した、床屋政談にうつつをぬ
かす。わが子の成績だけにこだわる親と、競争と効率と市場の
論理で教育を語るだけではこの国の教育再生はみえてこない。
もうこの国はほんとうにだめなのか。
1.jpg


7.イジメの正体とその解決  喜入 克
  
 イジメの基本型 

 
 「イジメを根絶する」のウソ
  

 「先生は見て見ぬふりをしている」のではない
    見ようと思っても見えないし、聞こうと思っても情報が
   入らない
  

 「被害者を守り加害者を罰せよ」の無理
    元々は人間関係のトラブルが原因  


 近しいから話せない 
  → 斜めの関係の必要
  

 価値を語れない弱さ - 今こそ価値を語るべきだ
  自殺予告 ← イジメをするやつより卑劣だ!
              ↑
   郷中教育 「負けるな」「ウソをつくな」「弱い者をいじめるな」
  



8.「愛国心」は教育を再生するキーワードになり得ない 藤田敏明

 改正教育基本法が成立した          
  

 理念法から政策法へ
  「愛国心」とはいいとこ取りなのか


 法で倫理を規定すること


 愛国心と公共性
  

 何が正しいか分からない



9.「できる子」と「できない子」はどのように差が付いていくか  北村則行
  
 持って生まれた子どもの能力と環境や親の資質
  できる子は教師の言うことを聴いて理解することができる
生活のいろいろな所で知識を吸収している
  

 勉強に向かう姿勢の違い
  できない子
     ~ ・教師の指導に従おうとしない
       ・学びにハートが入っていない
  ※できることできない子は最初から明確に…


 親の権威なくしては子どもは育てられない



10.わが子だけ勝ち組になればいいのか? 諏訪哲二
  
 ある雑誌の不快なインタビュー
  ~ 「プレジデントファミリー」
  

 徹底した「市場の論理」と消費者ニーズの重視 


 わが子の学力を育てるのは家庭?


 「わが子の学力」に自閉する教育への不安
  

 親を恫喝するおぞましい「親力」の提唱 
  親野智可等 → 「100%親の力が…」 本当か?
  

 家庭が準学校化する社会の行く先は?
   わが子も実は他者であるという配慮や思いやりがない



11.教育を経済や政治の言葉で考えて本当に大丈夫か? 諏訪哲二
  
 「近代能力主義」派と「超近代能力主義」派
  

 父母大衆の要求に左右される日本の教育


 教育や学力を買う時代の到来


 「得になるから勉強する」というメッセージ


 「教育のために死ねない教師はダメ」という非人間的な空論
    ワ○○社長・WM氏 = イケスケナイ下司野郎


 近代的個人は教育でつくられる
  「塾」 … 「学ぼうとする者」が知識を学びに通う所 

  「学校」… 子どもを社会的個人に向かうべき「学ぼうとする者」
       に変身させる所

  ◎ 学校は「学ぼうとする者」が知識を買う所ではない。「競争・
   市場の論理」だけでは人間形成がないがしろにされる。

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大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑬(最終) /「言葉の力」 内田樹 神戸女学院大学 『教師のチカラ』より 【再掲載 2019.5】 [読書記録 一般]

今回は、4月23日に続いて、武光誠さんの
「大人のための修学旅行 京都の歴史」13回目の紹介 最終です。


出版社の案内には、


「日本史の流れをしっかりふまえたうえでもう一度京都を巡ってみたいという願
 望をかなえる“読む修学旅行”の本。歴史的舞台となった名所旧跡から、日本
 史の実像が浮かびあがる。」


とあります。



わたしが京都を訪ねるときに持って行きたい本です。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「南北朝争乱と関係が深い嵯峨野」


・「南北朝ゆかりの深い地 真言宗大覚寺派」


・「南北朝時代は『ばさら(権威を破ること)の時代』」


・「天龍寺 
  吉野で亡くなった後醍醐天皇の供養のために尊氏が建てた」


・「京都の『禅文化』と『日本精神』『和』」




もう一つ、再掲載となりますが、内田樹さんの
「言葉の力」を載せます。
文科省のいう「言葉の力」とは…。




昨日は、帰宅してからすぐに苗床からサツマイモの苗を70本切り、
夕方、先日作った畝に挿しました。
その間に、畝を一本、管理機を使って作りました。
慌ただしい午後でしたが、充実していました。
雨がちょうどよい具合に降ってくれると助かるのですが。




<浜松のオリーブ園>

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和Olieve 園のサイト





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静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
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☆「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑬(最終)

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◇南北朝争乱と武家が開花させた禅宗文化

□中世社会の大きな転換点

 王政復古を経た政権交代
長期にわたる南北朝の混迷

14世紀初期
      持明院統(北朝)
大覚寺統(南朝)

   大覚寺統の後醍醐天皇の不満が長期の動乱のきっかけを作った

元弘の変(1331年) 失敗

南北朝の対立 50年間
1392年 南朝の亀山天皇から北朝の後小松天皇に譲位


 武家による禅宗の文化  
   北山文化


 南北朝争乱と関係が深い嵯峨野


 嵯峨野が神聖な土地になったわけ
秦氏の勢力下 
     野宮の潔斎


 既存の権威を破る 「ばさら」
   南北朝時代は「ばさら(権威を破ること)の時代」

 


□大覚寺統(南朝)の本拠地 [大覚寺①]

 南北朝ゆかりの深い地
   真言宗大覚寺派


 両統対立の火種
   

 後宇多上皇の院政の本拠地
   

 
□南北朝講話の舞台(大覚寺②)

 前身は嵯峨天皇の離宮 


 南朝方から働きかけた和睦
   

 相次ぐ戦乱の歴史を経て


 野路井家

 

□南北朝争乱の英雄が眠る寺[宝筺院]

 楠木親子の「桜井の別れ」


 新田義貞首塚

 

□敵味方を越えた南北朝の縮図 [天龍寺]

 後醍醐天皇と足利尊氏の奇妙な関係
天龍寺 
      吉野で亡くなった後醍醐天皇の供養のために尊氏が建てた
(夢窓礎石がすすめた)


 室町幕府の保護下で繁栄を築く


 創建当時の面影を残す塔と庭園


 祇王寺
   「平家物語」白拍子祇王の物語にまつわる
    明治28(1895)年復興

 

□無窓礎石 一門相承の寺 [臨川寺]

 南朝ゆかりの禅宗寺院


 無窓礎石に帰依した尊氏による保護


 見所の多い中門と石庭


 小督塚

 

□庭園づくりの名手と自然の力との妙 [西芳寺]

 聖徳太子にかかわる伝説


 浄土宗寺院から臨済宗寺院へ
行基が聖徳太子の別邸を寺院化


 苔寺の異名をもつ美しい庭園


 地蔵院

 

□足利家の時代をしのばせる寺 [等持院]

 足利尊氏の葬儀の地


 足利家の菩提寺となる


 長く「悪玉」とされた足利家
「平家物語」「太平記」 
      勧善懲悪 - 善玉と悪玉の区別

※ 足利家の子孫は幕府の高家(朝廷相手の儀式を取り仕切
     る役目)として続いており、足利家にまつわる寺社も多い

◎ 今日では足利尊氏の役割を高く評価する意見もある
       - 人々の生活の安定


 真如寺




◇京都
「禅文化」―「日本精神」「和」










☆「言葉の力」 内田樹 神戸女学院大学 『教師のチカラ』より 【再掲載 2019.5】

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 もはや旧聞に属するが、数年前文科省が「ゆとり教育」の看板をおろ
したときに、それに代わって「言葉の力」を指導者の基本理念に置き換
える決定を下したことがある。


 直前の国際学力調査で、「学習や職業に対して無気力な子ども」が増
えつつあることを指摘されたことを受けての政策転換である。


 論理的思考力や表現力が足りないから、これを選択的に涵養しなけ
ればならないという文科省のねらいはわからないではない。


 だが、果たしてこのような政策を起案している当の官僚たちや政府
委員たちの「言葉の力」は適切に機能しているのかどうか、それがひ
どく不安になったことを覚えている。


 というのは、同時期に朝日新聞が「言葉のチカラ」についての奇妙
なキャンペーンを展開したからである。


そこにはこんなコピーが使われていた。



「音楽は感情的で、残酷で、ときに無力だ。それでも私たちは信じて
 いる、言葉のチカラを。ジャーナリスト宣言。朝日新聞」



 私はこれを駅貼りポスターで一読したときに肌に粟を生じた。


 このようなコピーを平然と書く人間と、それを「気持ちが悪い」と
いうことを感じないで天下に告知するマスメディアの人間たちの「言
葉の力」の衰えに恐怖に近いものを感じたからである。


 この短い文のうちには、言葉についてのつよいイデオロギー的な予
断が含まれている。


 それは「言葉は道具だ」という言語観である。


 まず主体がいる。


 言語が発される以前にすでに言語運用の主体が権利上存在する。


 その主体には、言語以前にすでに感情があり、他者への害意があり、
権力意志がある。


 言語は、その主体の「すでに内在する感情」や「他者への害意」を
現勢化するヴィークルにすぎない。


 そして、言葉が「ときに無力である」という言い方から推論するに、
言語の力はどうやらそれがもたらす現実変成の成果によって考量され
るようである。


 発語者の意図のとおりに現実を変える言葉は「有力」であり、そう
でない言葉は「無力」である。


 何よりコピーライターがここで「力」ではなく「チカラ」というカ
タカナ表記をあえて選んだことに私はむしろ興味を惹かれた(本稿が
寄稿されている媒体も「チカラ」をカタカナ表記しているが、そこに
は共通する選好があるのかも知れない)。



 コピーライターはたぶん学習指導要領が用いる「論理的思考力」と
か「表現力」とかいうときの「力」では弱いと思ったのだろう。


 そういう「力」はふつう潜勢的なもの、内在する資質について用い
られる。


 だが、「チカラ」はそうではない。


 それは現勢化したもの、外にかたちを表したもの、その効果や価値
を数値的に考慮し、別の「チカラ」と強弱や優劣を比較できるもので
ある。


 たぶんそういう理解でよいと思う。


 「コノテーション」(言外の含意)をつよく指示する意図がなけれ
ば人間は表記を変えない。


 だが、人間のもつさまざまな「力」は、必ずしも外形的・数値的に
考量できる「チカラ」ばかりではない。


 むしろ、表に出ることなく、潜勢態のまま、発現される機会を待っ
ている「力」の方がずっと本質的なもののように私には思われる。


 たとえば「胆力」というのは、つよいストレスに遭遇したとき、そ
の危地を生き延びる上で死活的に重要な資質だが、それは危機的状況
にあっても「ふだんと変わらぬ悠揚迫らぬ構え」をとることができる
という仕方で発現される。


 つまり、外形的に何も変わらない、何も徴候化しないということが
胆力の手柄なのである。


 だから、「チカラ」をもっぱら外形的な数値化できる成果や達成に
よって計測することを望む人の眼に「胆力」はたぶん見えない。


 当然ながら、彼らは「胆力を練るための教育プロセス」というよう
なものについては考えない。


 そのようなものがありうるということさえ考えない。



 「生命力」も同じである。


 「生きる力」とは平たく言ってしまえば「何でも食える」「どこ
でも寝られる」「誰とでも友達になれる」というベーシックな三極
の能力にほぼ尽くされる。


 要するに、与えられた場に適応し、手持ちの有限のリソースを最
大限活用する能力である。



 無人島に漂着するとか、最前線に送られるとか、ぎりぎりの環境
を生き延びるためには必須のものだが、現代の学校教育には、その
ような能力を育てるための体系的プログラムは存在しない。




 「学力」も同じである。



 ほとんどの人はこれを「成績」と同義語で、点数化し、優劣を比
較できるものと思っいる。


 けれども、学力とは「学ぶ力」のことである。


 それはたまたま外形的に成績や評価として表示されることもある
が本来はかたちをもたないものだ。


 というのは、「学ぶ力」とは「自分の無知や非力を自覚できるこ
と」、「自分が学ぶべきことは何かを先駆的に知ること」、「自分を
教え導くはずの人(メンター)を探り当てることができること」
といった一連の能力のことだからだ。


 これらの力は成果や達成では示されない。


 学ぶ力は「欠性態」としてのみ存在する。


 何かが欠けているという自覚の強度のことを「学ぶ力」と呼ぶ
からである。


 「おのれの未熟の自覚」、「ある種の知識や技能についての欠落
感」、「師に承認されたいという欲望」といったものは存在する
とは別の仕方で私たちの生き方に深い影響を及ぼすのである。


 「学ぶ力」は欠性的にしか存在しない。


 だが、それを励起し、支援し、開発するための実践的プログラ
ムはもちろん存在する。


 経験を積んだ教師はそのことを知っている。


 悪い方の例だけを挙げるが、例えば「成績が悪いと社会下層に
格付けされる」という恐怖心は学習の動機づけとして間違いなく
有用である。


 この「恐怖心」は実際には「未来において自分が失うかもしれ
ないものについての欠落感の先取り」という複雑な心理操作を子
どもに要求している。


 そして、経験が教えるのは、恐怖心の強い子ともほど高い確率
で「ガリ勉」になるということである。


 この子どもの「学ぶ力」の中核にあるのは「恐怖心」である。


 「先取りされた喪失感」もまたある種の欠性態であることに違
いはない。


 ただ、それは同学齢集団内の競争で相対優位をめざす以上の目
標を持たない。
                                               

 だから、「恐怖心の強い子ども」は自分の成績を向上させるの
と同じ努力を(場合によってはそれ以上の努力を)競争相手の成
績を下げるためにも注ぐことになる。


 私はそのような努力を「学ぶ力」とは呼びたくない。


 「言葉の力」という本題に戻る。


 私が長い迂回を通じて言いたかったことはもうだいたいおわか
りいただけたと思う。


 私が言いたいのは、人間的な意味での「力」は、何を達成した
か、どのような成果を上げたか、どのような利益をもたらしたか
というような実定的基準によっては考量されないということであ
る。



 「言葉の力」も同じである。


 「言葉の力」はそれが達成した成果やそれが発語者にもたらし
た利益によって計測されるのではない。


 そうではなくて、「言葉の力」とは、私たちが現にそれを用い
て自分の思考や感情を述べているときの言葉の不正確さ、不適
切さを悲しむ能力のことを言うのである。


 言葉がつねに過剰であるか不足であるかして、どうしても「自
分が言いたいこと」に届かないことに苦しむ能力を言うのである。
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「深谷昌志さんはこんなことを」⑧-『子供らしさと学校の終焉』黎明書房 2000年 (3) / 新津の伝説③「海から上った虚空蔵仏」  浜松市南区新橋町(にっぱし)【再掲載 2014.3】 [読書記録 教育]

今回は、4月15日に続いて、わたしの「教育ノート」から
「深谷昌志さんはこんなことを」の紹介 8回目です。

『子供らしさと学校の終焉』の要約 3回目です。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「少子化への対応『数少ない子を如何に健全に育てるか』」


・「1980年の『将来に向けて頑張る』中学生から
1995年の『家庭を大事にする心の優しい』中学生へ」


・「挫折感を伴った素直さ,逃避の心情に裏打ちされた優しさ
→若者らしい若者が姿を消した」




もう一つ、再掲載となりますが、浜松市南部海岸地区の
「新津(しんづ)の伝説③『海から上がった虚空蔵仏』を載せます。
郷土の伝説、虚空蔵様大祭のお詣りを子どもの頃楽しみにしていました。
今年は60年に一度の虚空蔵菩薩御開帳一般参拝があるとのこと。
期間:6月12日(日)~6月19日(日) 10時~15時






<浜松のオリーブ園>

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☆「深谷昌志さんはこんなことを」⑧-『子供らしさと学校の終焉』黎明書房 2000年 (3)

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◇少子化問題の普及

 少子化ショック領域
(1)品質の向上

(2)領域の拡大

(3)他領域への転身

(4)内部のリストラ


 
◇一人っ子への評価

□「一人っ子はわがまま?」
短所  自己中心的になりやすい
↑↓
長所  おっとりしている しつけが行き届いている


□子供の数は子供や親のあり方に様々な影響
  多兄弟の傾向
     経済的に苦しくても親の愛情に包まれて育つ
友だちが多く,生活習慣しっかりした意欲的な子

  一人っ子の傾向
     親の目が行き届き,きちんとしつけ,礼儀正しい
しかし,自分勝手でわがまま

 

◇少子化への対応

 「数少ない子を如何に健全に育てるか」



◇中学生の変化 1980年と1995年との比較

 (1)優しさ指向の高まり

 (2)達成意欲の低下
「つけたい」のに「つけない」と思っている子

 (3)親を越えにくい
「子供から青年になる過程で子供は親を乗り越えて育つ」
    と言われた
= 精神的自律の遅れ

□この15年間(1980~1995)に

① 社会的達成意欲の低下

 ② 親を越えにくい

 ③ 性差の少ない家庭をつくる形への変化


 1980年 「将来に向けて頑張る」中学生から

 1995年 「家庭を大事にする心の優しい」中学生へ
 

◇高校生への変化 1980年と1992年との比較

 (1)進学へのこだわりが減った
「入れそうなところへ入ろう」
     = 無駄な努力はしない方がよい
※ 傷付くことのない人生を!

 (2)社会的な達成の弱さ

 (3)家庭志向の高まり
= 性差に対応して役割分化意識が急速に薄れている

共生型家庭への傾斜傾向
 男子が優しさを増す反面,女子が元気になった

仕事をほどほどにして自分の生活を大事にする

 (4)挫折でない家庭志向を
挫折感を伴った素直さ,逃避の心情に裏打ちされた優しさ

若者らしい若者が姿を消した
自己志向的なのか自己中心的なのか?
正直に言うと「自己中心的」が圧倒的に多い

 ◎ 課題:自己志向的な価値観をいかに生徒に植え付けるか?








☆新津の伝説③「海から上った虚空蔵仏」  浜松市南区新橋(にっぱし)町【再掲載 2014.3】

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<浜松市南区の蔵興寺(通称虚空蔵寺)>


 今からおよそ、1250年も前の話である。


 浜松市の南、太平洋に程近い、米津の村の漁師、ある夜ふと見ると、
池上に光るものがあり、あたりを、ぼうっと明るく照していた。


「なんだろう」


「変だな」


 漁師達は不思議でならなかった。


 そうしたことが二晩も三晩も続いた。


 金色のその光りは、浜に打ちよせる波頭に輝いて、唯事とは思えな
かった。


「これはきっと、海の巾に、何かおるのだよ」


「よし、網を曳いて探して見よう」


 次の日、打の漁師達は、海に網を入れて探してみた。

 すると網に何か重いものがかかってきた。


「おや」


 引き上げて見ると、それは一体の仏像たった。

 
 しかも、虚空蔵菩薩の像である。


「勿体ない、仏様だ」


 驚いた漁師達は、思わずも手を合わせて拝むのだった。


 そして早速、村の蔵興寺に持って行った。


 蔵興寺の和尚はそれを見ると、


「ほう、これはこれは、海から上るとは有難いことだ。
 わしの寺で祀らせて頂きましょう」


と大喜びで、お堂を建てて祀ることとした。


 これが今、浜松市新橋町にある、虚空蔵様であるという。


 この虚空談菩薩は、毎年2月13日が縁日で、子供の智恵の仏様と
して、その日は参詣者で大にぎわいである。

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「最高の住まいをつくるリフォームの教科書」佐川旭 林直樹 PHP研究所 2014年 ⑤(最終) / キーワード「作文」③【再掲載 2012.10】 [読書記録 一般]

今回は、4月21日に続いて、佐川旭さん、林直樹さんの
「最高の住まいをつくるリフォームの教科書」5回目の紹介 最終です。



出版社の案内には、


「生活情報サイトAll Aboutの『家を建てる』で長年ナビゲータを務
 める“間取り博士"が、好評の前作『最高の住まいをつくる「間取
 り」の教科書』に続いて、住宅の『リフォーム』についてゼロか
 らわかりやすく解説します。リフォームの形としては、大きく分
 けて、(1)いま住んで いる家全体を、より快適に改善する。(2)
 新たに中古のマンションや一戸建てを手に入れて、住みやすい形
 にリノベーションする。(3)家の傷んだ小規模な部分を修繕する
 といったものがあります。日本全体で新築の物件が過剰供給に
 なっているなか、今後ますます増えていくとみられる(1)(2)の
 ケースについておもに解説します。はじめに建築家ならではの
 8つの視点を述べ、その後に『リフォームの基礎知識』から『こ
 だわりリフォーム』までを、図やイラストを多く取り入れながら
 解説し、具体的にわかりやすくなるよう心がけています。」


とあります。


今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「コストを抑えるには
①残せるモノは残し ②機能を重視し ③優先順位を決める」


・「小規模でも大切な打合せ書面」


・「住足りて礼節を知る」





もう一つ、再掲載となりますが、
「キーワード『作文』」③を載せます。
作文指導に力を入れていた頃を思い出します。





<浜松のオリーブ園>

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☆「最高の住まいをつくるリフォームの教科書」佐川旭 林直樹 PHP研究所 2014年 ⑤(最終)

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◇防ぎたいトラブル

格安リフォームの留意点
チラシの大幅値引きには裏がある

コストを抑えるには
① 残せるモノは残す

② 機能を重視する

③ 優先順位を決める


 悪質な訪問販売
クーリングオフ


曖昧な契約
小規模でも大切な打合せ書面
※住宅リフォーム推進協会 ダウンロード可


 工事の遅れ
工程表をもらう


イメージの違い



◇ライフスタイル別にこだわりリフォーム

バリアフリーリフォーム
   浴室-3枚引き戸・滑りにくい床・手摺り・バリアフリー浴槽

   階段-手摺り・足元灯

   廊下・居室-手摺りの下地・引き戸      


エコリフォーム
   エコジョーズ(10万円程度のアップで) 
   エコキュート
   保温浴室


 家事ラクリフォーム


ペットとの暮らし
   日当たりのよいインナーテラス 

   傷に強い素材(すべりにくい)

   傷に強い腰壁  


夫婦だけのリフォーム
   共有 独立


 二世帯同居リフォーム


思い出リフォーム



◇おわりに

フロー型社会からストック型社会へ


 工事目的
  ① 住宅・設備の老朽化

  ② 使い勝手の改善・好みへの変更

  ③ 省エネルギー対策

  ④ 老後への備え 高齢対策

  ⑤ 安全性の向上
 

「住足りて礼節を知る」



◇佐川旭
一級建築士 佐川旭建築研究所代表

1951年福島県生 日大工学部卒

「家を建てる」ALL About ナビゲーター



◇林直樹
住宅ジャーナリスト

 PHPビジュアル実用BOOKSシリーズ








☆キーワード「作文」③◇200字作文- 上條晴夫「書けない子をなくす作文指導のコツ」学事出版 2006年 【再掲載 2012.10】

<出版社の案内>
どんな子も作文を書けるようになる作文指導のノウハウ(=コツ)
と、子どもが作文の授業にノってくる様々な手法による作文指導
のアイデア(=ネタ)を網羅した、作文指導の虎の巻!
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□大きさ 
 ① 子どもが少し頑張ると書ける大きさ

 ② エピソード(話)一つに合う大きさ

③ ひとかたまりの考えを盛れる大きさ


□進行  
 ① 場面を区切る

 ② 自分の好きな場面を一つ選び,その場面でおもしろかったこと
  を一つだけ200字作文に書く。

 ③ 一つ書けたら,黒板の下に正の字の一画を書く。

 ④ 書けた作文を箱の中に出し,新しい200字作文用紙を取って,
  また書く。



◇生活綴り方運動

□概要 1910(明治43)年~今日 民間教育運動・思想運動
生活に題材。綴り方を手だてに,内部から変革し,子ども
   たちの自立した主体形成を目指す学校内部運動。
 

□概念崩しの運動

  芦田恵之助 随意選題の提唱

鈴木三重吉に基礎

1930年代 
    小砂丘忠義 「綴方生活」創刊
国分一太郎
東北では「北方教育」1930

1950年代 
    無着成恭「山びこ学校」1951
小西健二郎「学級革命」1955
東井義雄「村を育てる学力」1957

    ① 教師と生徒,生徒間に平等の原則

    ② 上から注入される概念崩し

 
□大人の生活記録運動

大新聞
 「大衆の生活に根付いた自らの実感と言葉による文化の創造を目
  指す,草の根の思想運動 」



◇学年別発達段階「作文」
 
 1年 順序をたどって簡単な文章を書く  


 2年 順序を整理して文章を書く

 
 3年 事柄ごとの区切りや中心を考えて文章を書く


 4年 中心点が明確になる書き方を考えて書く


 5年 主題や容姿が明確に表れるように構成を考えて書く


 6年 目的に応じて,文や文章の組み立ての効果を考えたり,文
   章全体の流れを考えたりして文章を書く。


□ポイント 

 1年 時間の順序や自分間行動の順序
 短く分かりやすい文章に

  
 2年 整理して書く
書く事柄の並べ方
書かせるとき「はじめに」「次に」「さらに」
順序を表す接続語の使い方に注意

  
 3年 区切りを考えて書く
段落や簡単な構成を考えて

接続語に着目
併せて,一字下げの表記方法も

  
 4年 中心点を明確に
どんなことを どんな順序で どこに重点

文を書く前に構成を考えさせる

  
 5年 主題,要旨が明確になるよう構成
「書き出し」「展開」「結び」の順
結びから考えさせることも

  
 6年 目的に応じた効果的な表現を考えて書く
相手を意識

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「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑫ /「先生が忙しすぎるをあきらめない」妹尾昌俊 教育開発研究所 2017年 ①【再掲載 2019.2】 [読書記録 一般]

今回は、4月20日に続いて、武光誠さんの
「大人のための修学旅行 京都の歴史」12回目の紹介です。




出版社の案内には、


「日本史の流れをしっかりふまえたうえでもう一度京都を巡ってみたい
 という願望をかなえる“読む修学旅行”の本。歴史的舞台となった名
 所旧跡から、日本史の実像が浮かびあがる。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「地方で力を付けた浄土真宗
15世紀教主蓮如の北陸地方での意欲的に布教して一大勢力に!」


・「浄土真宗の勢力の弱体化を図る江戸幕府の意向で分裂か?
顕如・教如父子の意見の対立による?」


・「六波羅探題 公家の中にも朝廷の目付役西園寺家
  後鳥羽上皇の企てをいち早く知らせた功績による」


・「敵将を供養した熊谷直実
直実の出家の真相は源頼朝が自分に加担しなかったことに抗議」



もう一つ、再掲載となりますが、妹尾昌俊さんの
「先生が忙しすぎるをあきらめない」①を載せます。
教員の多忙化が大きな話題となってからしばらくたちます。
しかし、現場は変わっておらず、
職場によっては、ますます多忙となっているところも…。
その結果、新規採用教員の競争率も低下傾向が続いています。
「公務員試験サクセス」のサイトを見ると、
令和2年度全国小学校の教員採用試験の全体の倍率は2.6倍
全国中学校の教員採用試験の全体の倍率は4.4倍でした。
小学校の倍率で2倍を切る県・政令指定都市は14でした。
「今なら、教員採用試験を突破できるチャンスは大きいといえる
でしょう。」
と書かれていますが複雑な気持ちです。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。




☆「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑫

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◇藤原氏の盛衰を物語る国風文化と呪術信仰(7)

□布教への熱意と流刑の歴史 [西本願寺]

 浄土真宗の開祖・親鸞


 地方で力を付けた浄土真宗
15世紀教主蓮如の北陸地方での意欲的な布教 → 一大勢力

一向一揆  本願寺 山科→大阪
石山本願寺 1570-1580 信長との戦い


    ◎宗主の顕如が信長と講話した後、本願寺は紀伊、和泉、
     大阪天満を転々とした
    |

    天正19(1591)年秀吉の招きで現在の西本願寺(京都)


 独自の財源による江戸建築の粋


 龍谷大学図書館
大学探検隊
    - 本願寺22世宗主大谷光瑞が組織
今も龍谷大学文学部は西本願寺境内

 

□分裂後の教団のあゆみ [東本願寺]

 父子の対立による分裂
浄土真宗の勢力の弱体化を図る江戸幕府の意向で分裂か?
天海(天台宗) 顕如・教如父子の意見の対立


 次第に力を付けた東本願寺
顕如の次男の准如  本願寺12世教主

秀吉に迎えられて西本願寺
↑↓
兄の教如が反発
江戸幕府 慶長7(1602)年 教如に京内の寺地
  ↓
12世教主を名乗り分離
東西分裂後 
     東本願寺 ~ 北陸地方、東海地方


 大師堂と本堂  
   東本願寺-宗教研究  
1665年 高倉学舎 → 大谷大学


 渉成園

 


□天皇にとっての最大の脅威 [六波羅探題跡]

 武家政権とゆかりの深い土地
六波羅探題 
     南北2つの政庁 
       南 - 平氏関係の土地
北 - 頼朝邸跡


 朝廷監視のための出先機関
天皇が武士に不利なことをしないように常に朝廷を監視

公家の中にも朝廷の目付役
    - 西園寺家
  後鳥羽上皇の企てをいち早く知らせた功績


 武士によって滅ぼされた六波羅探題
1333年5月7日 足利尊氏等の攻撃で滅びる


 大谷本廟

 

□念仏を唱え、救済活動をした [六波羅蜜寺]

 「どくろ原」の霊を成仏させる


 市聖・空也の多大な業績
  空也(903-972)


 民間仏教の拠点となる 
西光寺 → 六波羅蜜寺


 大道珍皇寺

 

□民衆に受け入れられた千手念仏 [知恩院]

 浄土宗の開祖・法然


 知恩院のおこり 
   大谷寺知恩教院


 江戸幕府の保護で民間に浸透
徳川家康 浄土教の信者
   明治初まで門跡


 宮崎友禅像

 

□座禅を組んで悟りを開く [建仁寺]

 禅の教えをもたらした栄西
南宋に 1168年1187年 → 禅宗創始


 源頼家の援助による建仁寺の完成
旧仏教の圧力を避け幕府勢力圏の六波羅そばに


 武家層の支持を得た


 安井金比羅宮

 

□庶民の出家を可能にした新仏教 [金戒院光明寺]

 敵将を供養した熊谷直実


 直実の出家の真相
源頼朝が自分に加担しなかったことを抗議して出家


 法然の教えにひかれた直実
   黒谷 → 吉水


 岡崎別院
   岡崎御坊の後身









☆「先生が忙しすぎるをあきらめない」妹尾昌俊 教育開発研究所 2017年 ①【再掲載 2019.2】

<出版社の案内>
日本の教員の長時間労働、いわゆる“ブラック"な職場環境が大きな
社会問題となっています。学校はなぜ「多忙」で「長時間労働」な
のか、学校の多忙の実態を豊富な調査データをもとに分析するとと
もに、深刻化する学校の「多忙」の状況を改善していくために、「勤
務実態の見える化」「分業化」「部活動の改善」「外部人材の活用」
などの学校改善をどう実現するか、今日からできる効果的な学校改
善のアイデアを、学校現場のよさと弱みを熟知する著者が提示しま
す。
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◇はじめに
 ① データ

②「志」生き方 

③「アクション」



◇だれが、どのくらい忙しいのか
□ 日本の学校の長時間過密勤務の実態
 ・ぐずって泣く自分の子供を抱きしめる力もない

 ・日本の先生の労働時間は世界一 

 ・他の学力先進国と比べて月60~80時間長く働いている

 ・小学校の6割、中学校の8割近くが過労死ライン

 ・他業種と比べても学校の過重労働の異常さは突出

 ・学校の多忙はほぼ通年 

 ・1日10分間も休憩を取れない長時間過密労働

 ・労働基準法違反が学校の常識

 ・勤務時間外労働、休憩時間なしを当然視する学校と教育行政
名目だけの休憩時間

 ・若手ほど過重労働だが平均的な50歳代も過労死ライン

 ・平均だけ見ても高い - 月200hもいる


□ブラックの内訳 - 先生達はいったい何に忙しいのか
 ・相当の時間を掛けているのは
    指導準備、給食清掃、成績処理、等

 ・部活が授業準備にも匹敵するほどのことも

 ・長時間労働の教師は授業準備や自己研鑽にも熱心


□多忙感の現状 - 現実をどう感じているのか
 ・9割近くが仕事に追われ、生活にゆとりがない



◇忙しいのは何が問題か
□長時間労働の弊害
  - 「熱心にやっているのだからいい」では済ませられない
  
◎多忙化の多大な弊害
① 授業準備や自己研鑽への影響
先生の読書量は1日30分間あるかないか
子供にとってよかれと思ったことが結果的に反対になること
    もある
学校は組織あるいはチームとして機能しているか

 ② 半数近くがとても疲れている現場
6割の教師がバーンアウトの危険


□死と隣り合わせの職場
 ・教師の過労死  2011.6.6 中 26歳

 ・新採半年で自殺 2006   小 25歳

 ・自殺でなくなる先生が跡を絶たない

 ・相次ぐベテラン教師の過労死

 ・繰り返された悲しみからわたしたちが学ぶべきこと

 ・仕事への満足度に応じて必要なケア

 ・前向きにも課題
   - 歯止めが利かなくなる

 ・やりたくないという人は声を出しづらく聞いてもらいにくい


□先生が忙しすぎる現状は未来の損失
 ③ 子供への悪影響
    生産性の観点からも悪影響
  教師が不人気職となり質も低下


 ④ 教職を選ばない人が増える
  倍率低下傾向
  深刻な人手不足
     教員のなり手も近い将来いなくなる

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「発達障害のある子を理解して育てる本」田中哲 藤原里美 GAKKEN 2014年 ②(後半) /「あの世とこの世をつなぐお別れの作法」矢作直樹 ダイヤモンド社 2013年 ③(最終)【再掲載 2015.8】 [読書記録 教育]

今回は、4月18日に続いて田中哲さん 藤原里美さんの
「発達障害のある子を理解して育てる本」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、


「『どうしてこんなに育てにくいの?』
『子どもの発達が気になる、発達障害かも?』
と思ったときには、本書を手にとってください。
子どもの行動には、必ず意味があります。
その意味がわかると、子どもも大人も楽になります。
本書には、子どもの行動やその理由・気持ちを理解し、
発達障害の特性に合わせて、じょうずに関わり育てて
いくための最新情報が満載です。
発達障害の基礎知識、ケース別対応、園・学校・専門機関の
活用法など、総合的に理解でき、明日からどうすればよいか
がわかります。保護者・支援者向け。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「発達障害のとらえ方
  親の躾や育て方が原因ではない
    発達の凸凹の差が大きい子ども 
困っているかどうかが一つの基準
障害かどうかその基準は曖昧」


・「診断基準が2013年にDSM-5に改訂された。
自閉症がまとめられ『自閉症スペクトラム症/自閉症スペク
  トラム障害(ASD)=連続体』一つの呼び方になった。」


・「かかわりのポイント 
シンプルに分かりやすい言葉掛けを!
人との関わりを通して言葉を育てる   など」
- ポイントが示されているところがやくだちます。




もう一つ、再掲載となりますが、矢作直樹さんの
「あの世とこの世をつなぐお別れの作法」③を載せます。
還暦を過ぎて、死について考える時間が増えています。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
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☆「発達障害のある子を理解して育てる本」田中哲 藤原里美 GAKKEN 2014年 ②(後半)

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◇第1章 発達障害って?発達障害の基礎的知識

□発達障害のとらえ方

 ・親の躾や育て方が原因ではありません
  
 ・発達の凸凹の差が大きい子ども 

 ・困っているかどうかが一つの基準
    日常生活の困難

 ・障害かどうかその基準は曖昧

 ・環境・常識が変わると障害も変わる
  診断名 
     - 2つ付けられるようになった

 ・発達障害は増えているの?
         全体   LD  ADHD  ASD
小学校全体 7.7% 5.7 3.5 1.3
1年 9.8% 7.3 4.5 1.5
2年 8.2% 6.3 3.8 1.5
3年 7.5% 5.5 3.3 1.0



□診断基準の改定で変わったこと

 DSM
  → 2013 改訂 DSM-5に

    ◎自閉症が一つの呼び方に
     まとめて
    「自閉症スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)  
連続体・集合体



□発達障害と診断されたら?
  
 早期の診断より早期の気付き 

 遺伝するの?
遺伝する可能性はゼロではない

 障害があっても発達します
治る治らないではなく「発達します」が適切
困難が気にならないくらい「発達」する
 
 ○ 自閉症スペクトラム障害(ASD)
    
 ○ 注意欠如多動性障害(ADHD)
    
 ○ 学習障害(LD)
    
 ○ 発達性協調運動障害(DCO)



□自閉症スペクトラム障害(ASD)    

 主な特性
   ・人とのコミュニケーションが苦手

・興味の偏り こだわりが強い

・感覚の偏り 動きがぎこちない

・長所才能  
      ◎ 嘘を言わない
◎ 興味のあることをとことん追究する
◎ 一度見たり聞いたりしたことを忘れない
  
 どんな様子?
・人とのコミュニケーションが苦手
乳幼児の時から関わりづらい

   ・独特な言葉遣い
言葉が出ない オウム返し 大人びた言い方 棒読み
       
   ・言葉をその通りに受け取る  
      慣用句が通じない  

   ・相手の気持ちに気付かない

   ・空気が読めない

 興味の偏り
   ・こだわりが強い

   ・気持ちを切り替えられない

   ・興味・関心の幅が狭く深い
      ○○博士 コンピュータ

   ・同じ動きを繰り返す

 感覚の偏り
   ・動きがぎこちない

   ・感覚が鋭敏すぎる 鈍感すぎる

   ・不器用 運動が苦手
  

 かかわりのポイント 
  ◎ シンプルに分かりやすい言葉掛けを!

   ◎ 人との関わりを通して言葉を育てる

   ◎ 落ち着ける環境を用意する

   ◎ 事前に知らせる

   ◎ 見て分かる伝え方をする

   ◎ 興味の幅を広げる手助けをする

   ◎ 苦手な感覚は避け、足りない感覚は入れる

~途中まで








☆「あの世とこの世をつなぐお別れの作法」矢作直樹 ダイヤモンド社 2013年 ③(最終)【再掲載 2015.8】
<出版社の案内>
『死後の生』があるからこそ、逝く人にも、送る人にも、なすべき
大事なことがある。医師として大勢の死に逝く場面に立ち会い、と
きに他界の存在をかいま見て理解した、生と死の意義。死は終わり
でない。新しい生命への旅立ちである。旅立つ魂を見送る臨床医の
温かいまなざしの書。
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◇幸せなお別れを約束する言葉

 ◎言葉は相手を救い自分を救う

  「ありがとう」   
 
  「助かります」   
 
  「おかげさまで」   
 
  「大丈夫」
 
  「頼りになるね」  
 
  「楽しそうだね」  
 
  「やってみたら」   
 
  「ほっとする」
 
  「それでいいんですよ」 
 
  「いいね」   
 
  「さすがですね」   
 
  「何とかなる」
 
  「またね」  
 
  「またお会いしましょう」 
 
  「幸せでした」    
 
  「いただきます」



◇「あの世」を知れば「この世」が分かる

 あの世はこの世と似て非なるもの
◎ あの世はこの世みたい


亡き母が教えてくれたあの世の様子
・居心地がいい
・会いたい人には会え会いたくない人には会わずにすむ
  ・こちらの様子は見ようと思えば見える
・こちらの思いはみな直接伝わる


 あの世のことは「何も心配がいらない」
スウェデンボルグ『霊界日記』たま出版 1772.3.29亡くなる


 あの世を信じる人が増えている


霊性を学ぶための第一歩を知る
ハーバード大学のリサ・ランドール教授
  「ワープする宇宙」「異次元は存在する」NHK出版


輪廻転生の前に「霊心体」を数えること
   自利と他利 
輪廻転生  チベット仏教


 あの世を学ぶための書籍
「古代霊は語る」近藤千雄訳 潮文社 
     シルバーバーチの霊訓ダイジェスト

  「霊媒の書・スピリチュアリズムの真髄現象編」
     アラン・カルディック編

  「モーゼの霊訓」WSモーゼス 近藤千雄訳 
     コスモ・テン・パブリケーション 

「スウェデンボルグの天界と地獄」高橋和夫 PHP研究所

「あるヨギの自叙伝」パラマパンサ・ヨガナング 森北出版
     ヨガを広めた

  「バイフレーショナル・メディスン」リチャード・ガーバー 
     上野圭一訳  日本教文社


 不思議な現象には「あるかも」という態度で  
憑依 審神者(さにわ)
エネルギー・ヒーリング 北沢勇人さん


 人生という舞台のラストシーンを考える
   ◎死は門出  里帰り  今回の人生の卒業  → お祝い
   ◎今日はもう一つの誕生日
   「分霊(わけみたま)の良心」   
人生とは常に共同作業



◇矢作直樹
1981 金沢大学医学部卒
2001~ 東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授
      及び医学部附属病院救急部・集中治療部部長

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「最高の住まいをつくるリフォームの教科書」佐川旭 林直樹 PHP研究所 2014年 ④ /「野口流 授業の作法」野口芳宏 学陽書房 2008年 ①【再掲載 2020.2】 [読書記録 一般]

今回は、4月17日に続いて、佐川旭さん、林直樹さんの
「最高の住まいをつくるリフォームの教科書」の紹介 4回目です。



出版社の案内には、


「生活情報サイトAll Aboutの『家を建てる』で長年ナビゲータを務める“間取
 り博士"が、好評の前作『最高の住まいをつくる「間取り」の教 科書』に続
 いて、住宅の『リフォーム』についてゼロからわかりやすく解説します。
 リフォームの形としては、大きく分けて、(1)いま住んでいる家全体を、より
 快適に改善する。(2)新たに中古のマンションや一戸建てを手に入れて、住み
 やすい形にリノベーションする。(3)家の傷んだ小規模な部分を修繕する。
 といったものがあります。日本全体で新築の物件が過剰供給になっているな
 か、今後ますます増えていくとみられる(1)(2)のケースについておもに解説し
 ます。はじめに建築家ならではの8つの視点を述べ、その後に『リフォームの
 基礎知識』から『こだわりリフォーム』までを、図やイラストを多く取り入れ
 ながら解説し、具体的にわかりやすくなるよう心がけています。」


とあります。



今回は主に部屋別のリフォームに必要なものと便利なものの紹介です。
「LAN」がたくさん出てきますが、今ではWi-Fiとなるでしょうか。
わずか8年間ですが、急に進展する分野があることが分かります。





もう一つ、再掲載となりますが、野口芳宏さんの
「野口流 授業の作法」①を載せます。
わたしが若い頃、野口さんの本をよく読みました。
大変勉強になることを教わることができます。
優しく厳しく教えてくださる先輩が以前は多いものでした。
それを伝えていくのがわたしたち「ベテラン」、
と呼ばれるものの役目です。
しかし、あまりに現場が忙しくて、
コミュニケーションを取る時間がありません。
ましてや、半日勤務のわたしは、授業に追い立てられる毎日。
教育文化が続いていくだろうかという心配を強く感じています。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。




☆「最高の住まいをつくるリフォームの教科書」佐川旭 林直樹 PHP研究所 2014年 ④

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◇部屋別リフォーム

 リビングダイニング 
   ◎必要  インターホン エアコン 火災報知器

   ○便利  LAN 床暖 天井埋め込み型スピーカー


 キッチン      
   ◎必要  IHコンロ フード 給湯リモコン インターホン 

   ○便利  コンセント フットスイッチ 収納
 

 寝室        
   ◎必要  エアコン インターホン 火災報知器

   ○便利  LAN 収納コンセント


 玄関        
   ◎必要  ゆっくり開閉する扉 手すり 
           
   ○便利  電気錠 予備コンセント バリアフリー 収納
 

 廊下  
   ◎必要  掃除用コンセント コンセント

   ○便利  インターホン ピクチャーレール ニッチ 活用
  奥行きの浅い本棚
 

 浴室        
   ◎必要  風呂リモコン 手すり ブザー 天井換気扇

   ○便利  乾燥機 収納ボックス
システムバスか造作か
 

 洗面脱衣室     
   ◎必要  家電 コンセント タオル掛け

   ○便利  タッチレス水栓
洗濯機とタオル収納 タオルウォーマー
 

 トイレ       
   ◎必要  換気扇 リモコン コンセント
           
   ○便利  手洗いカウンター ヒーター 収納
 

 ユーティリティ



◇資金計画と見積もり
 
□費用の目安              
浴室・洗面  150~200万

LDK     250~300万

キッチン    80~100万

壁面収納    50~100万

全面   1000~1500万
 

□工事費の仕組み
材料費と施工費
 

□予算の立て方
  貯蓄額 - 出費予定の合計 = リフォーム費用
 

□ローンの借り方
 

□中古住宅購入時のローン 
 

□見積もりの取り方

 ◎現場調査は各会社の力量を見るよい機会となる

 ◎一社二時間以上とみる
・工事範囲
・内容の要望
・時期 契約10%-着工30%-中間30%-竣工・引き渡し30%
      50% 50% 
・予算
 

□予算オーバーの原因

  詰めの甘さ 予備費を計上
 

□工事費以外の費用
家具・カーテン・家電 トランクルーム代 引っ越し代 諸費用
 

□活用したい優遇制度
耐震診断・耐震補強、介護のための回収
 

□リフォームの保証・保険
瑕疵保険










☆「野口流 授業の作法」野口芳宏 学陽書房 2008年 ①【再掲載 2020.2】

<出版社の案内>
発表のさせ方、説明の仕方…どうしていますか?授業実践を中心に、
教室での基本的な心構えから、準備と宿題、通知表に対する考え方
まで。心得ておきたい、名人に学ぶ教師が児童に対する姿勢。
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◇序章 授業以前の基礎作法
 
□ 1  生き方の基本を教える。鍛える。それが授業の基礎
   
  2  向上的変容を目指す  


□授業で教えること

 = 昨日よりも今日、今日よりも明日へと向上しながら変化して
  いくことを求め続ける姿勢、そしてその努力から得られる喜び


(1) 言葉遣い - 自分と子どもの間に確固たる「線」を引く

  相手にあった言葉を選ぶ

  立場を表す言葉遣い
    - 線をきちんと引く

  指示は短く、力を込めてはっきりと


(2) 身なり-「個性の教育」は無用。個性は教師が育てるものではない    

  他者に不快感を与えないこと
    授業時の服装

  教育は個性をつぶす仕事?  
    個性 
   = 潰されても潰されても本人の内側から芽吹き発現するもの。
    鍛えられたあげくに見えてくる、その人自身の魂のかたち。
    個性が海上に出る氷山の一角だとしたら、教育の役割は氷山
    を支える大きな海中の部分、常識や社会性を育てていくため
    のもの。


(3) 態度 - 「指導力」不足は「謙虚力」不足

  成長の条件 
   ◎「心のコップはいつも上向きに」
◎「伸びていく上で最も大切な条件は『素直』ということだ」


  まず実践。そして検証し、探究し続ける
   ◎基準は自らの「実践」 
      いいことだと思ったらやってみて、その後、検証
→ その繰り返しにより深い人間観、指導力向上へ


(4) 文字 - 下手だからこそうまくなれる

  言い訳して逃れる傲慢

 ◎「下手な人ほどうまくなれる」

 = 才能がないおかげで、努力することの大切さや、その結果がも
  たらしてくれる可能性を知ることができる

 


(5) 文章 - より多く書き、より多く読み、より多く考える

  よい文章とは何か 
   = 分かりやすく読み手に伝わる文章

 ◎上手な文章を書く秘訣 「三多の原理」
① できるだけたくさん書くこと

② 質 = 何を伝えたいのか考える
大きなテーマ
      → 関連内容メモ
      → 項目毎に小見出し

③ 人の文章をより多く読む

※ 読書会の実施

 ※ 簡素平明にして面白く、読む人に勇気を与え、なおかつ自身の成長の記録となる


(6) 勉強 - 学び続ける教師だけが、教える資格を持つ

  円熟期の中だるみ

  大村はま
◎「教師というのは持ち前の知識でその日その日を過ごしていける危険な職業です」
   ◎恐いのは教師自身の「心の枯渇」

  ◎何か一つ、昨日とは違うことを
自身のこころに新鮮な水をやらなければ心は枯れていく
→ 発問の工夫、報告文書のまとめ、笑わせる仕掛け


(7) 授業 - より多くの人に見てもらい、評価してもらう

  他人の目に授業をさらす

  場数を踏む      

  他人の目は鏡


(8) 素顔 - 若々しさを保つ。自分だけの魅力をつくる

  ◎自分自身の喜びのために  
    何らかの創作活動に

  職業選択の分岐点  
    ◎まず授業におもしろみを見出す

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「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑪ /「ひろさちやのあきらめ力」ひろさちや 青春出版社 2009年 ①【再掲載 2020.1】 [読書記録 一般]

今回は、4月12日に続いて、武光誠さんの
「大人のための修学旅行 京都の歴史」11回目の紹介です。




出版社の案内には、


「日本史の流れをしっかりふまえたうえでもう一度京都を巡ってみたいという願
 望をかなえる“読む修学旅行”の本。歴史的舞台となった名所旧跡から、日本
 史の実像が浮かびあがる。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「法皇が平氏と親しい比叡山の天台座主明雲を伊豆へ流罪にしたことに
  より、平氏と院とは正面から対立することになった」


・「源行綱の密告により明らかになった鹿ヶ谷の陰謀の黒幕は
本当に俊寛だったのか」


・「後鳥羽上皇が幕府にあれこれ勝手な要求により、承久3(1221)年
 朝廷と幕府が武力衝突した(承久の乱)」


・「鎌倉新仏教
   ①念仏      浄土宗、浄土真宗、時宗
②座禅・修養   臨済宗、曹洞宗
③お題目     法華経(日蓮)
  京都鴨川べりの洛東で法然、親鸞、栄西」




もう一つ、再掲載となりますが、ひろさちやさんの
「ひろさちやのあきらめ力」①を載せます。
ひろさんの視点は貴重だと思います。
何でもかんでも「目的、目的」。嫌になってしまいます。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑪

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◇藤原氏の盛衰を物語る国風文化と呪術信仰(6)

□「鹿ヶ谷の陰謀」の舞台裏[俊寛顕彰碑]

 法皇と平氏の対立
治承元年(1177)年5月

法皇が平氏と親しい比叡山の天台座主明雲を伊豆へ流罪にした

※ 平氏と院とは正面から対立することになった

   1177年6月
清盛は僧西光(藤原師光)権大納言、藤原成親ら
    院の近親を逮捕した     [鹿ヶ谷の陰謀]


 俊寛は本当に黒幕だったか
源行綱の密告
→ 西光は斬られ、成親は備前に流され殺される
鬼界が島に流罪された 藤原成経、俊寛、平成光


 弟子によって伝えられた俊寛の無念
安徳天皇誕生恩赦で成恒、康頼のみ都へ
弟子の有王が諸国行脚 → 後世まで


 霊鑑寺
   尼門跡寺院

 

□院政期の栄華を伝える寺院[三十三間堂]

 千体の千手観音像 
   1266年再建


 平忠盛の悲願
1164年 清盛により建設 → 後白河上皇に寄進
貴族 殿上人 御所内
地下人 御所の庭のみ


 今に続く通し矢の儀式


 京都国立博物館





◇庶民の心を捉えて広がる鎌倉新仏教

□武家政権下での成長

 文化の担い手は貴族から庶民へ


 承久の乱はなぜおこったか
後鳥羽上皇
     院庁に西面の武士
院庁の兵力を強化 = 幕府を力で威圧
地方での対立  
       国衙につく武士
      幕府側の守護

   上皇が幕府にあれこれ勝手な要求

承久3(1221)年 朝廷と幕府が武力衝突


 朝廷を支配下に置いた幕府
鎌倉幕府は京都に六波羅探題
朝廷の監視
    京都内外の警備  皇位継承 - 摂関人事にまで介入

◎朝廷 - 政治の実権を失い儀式と学問の場に

◎天皇が名前だけの君主に


 京都を拡大した商工民
六波羅  平氏の本拠地
        → 鎌倉幕府の常駐

◎ 京都の町を東方に拡大させる


 法然を初めとする鎌倉新仏教の誕生
鎌倉新仏教
    ①念仏      浄土宗、浄土真宗、時宗

②座禅・修養   臨済宗、曹洞宗

     ③お題目     法華経(日蓮)

     |

   ◎京都
     法然、親鸞、栄西
 鴨川べりの洛東


 広まる庶民のための文化










☆「ひろさちやのあきらめ力」ひろさちや 青春出版社 2009年 ①【再掲載 2020.1】

<出版社の案内>
国や世間などに期待するのをあきらめ、自分の好きに生きるほうが幸せ
になれる。ただ、考え方にちょっとしたコツが要る。ありのままの自分
と和解するヒントを考える本。
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◇はじめに
□現代日本の社会はまさしく「欲望上の楼閣」

 勝ち組連中に洗脳されてきた「世間の役に立つ人こそ偉い」
↓ 「何があっても欲望を失うな」
  ↓ 「いつも前向きな人こそ素晴らしい」
  ◎盲目的な信用,期待,欲望を捨てよう


「国や世間に期待せず,無駄な希望を持たず,自分を否定しないである
 がままの自分と和解して好きなように生きればいい」



◇狂った世間では,「希望」など持たない方が楽しく生きられます
□国や世間に期待する時代が終わった 
「あきらめる」
  … ものごとの本質を明らかにする = 明らめる


□日本人は金利のために働いてきた  


□オバマのアメリカは既に手遅れ
  9.11テロは自作自演?


□カネを借りずに暮らせばいい
  収入の範囲内で生活する
    「起きて半畳,寝て一畳,天下とっても二合半」
  今の日本人は
    「借金のために働き,さらに借金を重ねてはまた働く」


□信用できる金融機関ではない 
  金貸し主義はほとんど沈み掛かった泥舟


□政府に国民を守る気なんてない
 1971年 ニクソンショック 
    ① ドルと金の交換停止宣言
② ドルは麻雀の点棒になった

 自民党は売国奴 ~ 政府は銀行を守って国民をほったらかし

日本は滅びる  
  「ざまあみろ」と言えばよい


□今こそ「利己主義で生きる」すすめ


□「世の中をよくする」という大嘘
  法華経
   「三界は安きことなし,なお火宅のごとし」



◇さっさと明らめて「利己的に生きる」のが一番です
□休みたければ休めばいい
  言うべきは言う,要求すべきは要求する


□「利己主義」と「自己中」の違い


□人間には生き甲斐なんてない
 サマセット・モーム『人間の絆』
   「人は生まれ,苦しみ,そして死ぬ」

 生き甲斐をもったら,それに縛られ,追い立てられる

 ◎わたしの人生なのだから,わたしの好きなように生きますよ

 ※ 道徳的な教えは強者には適用されず弱者にだけ適用される


□ 世の中とはいつも人を束縛するもの
 ひろさちや
  「いつの世でも世の中は人を拘束し,縛り付け,奴隷化していく」
  ~ 「人生に目的なんてない。人生なんて無意味なものなのだ。」

「おれはついでに生きているんだ。生まれてきたついでにね。」
  = ついで流の生き方


□仕事を生き甲斐にするな
 笑止千万
   「何か生き甲斐を持ちなさい。仕事を生き甲斐にしなさい。」

娼婦の生き甲斐とは何だ? 泥棒の生き甲斐とは何だ?

 職業なんて汚いもの思うべき。世の中を悪くすることに与っている。


「こんな仕事のために自分の時間も家族との時間もすべて犠牲にして,
 一年があっという 間に過ぎていく…。たいした意味なんてないじゃ
 ないか,今の仕事。こんなこといつまでやっていて何になる。ばかば
 かしい。」


□給料分だけ働けば十分
 折り合い 「生活のために仕方なくやっている」

エキスパートになるプロになるということは,良く飼い慣らされた馬になること

自由なアマチュアの代表 - 貴殿

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「日本国民を作った教育」沖田行司 ミネルヴァ書房 2017年 /「加藤秀俊著作集3」中央公論社 1981年 ②【再掲載 2017.2】 [読書記録 教育]

今回は、沖田行司さんの
「日本国民を作った教育」を紹介します。


大変大雑把で部分的な要約ですが、
印象に残っている本です。


出版社の案内には、


「荒廃が叫ばれる日本の教育、その新たなすがたを見出すため、いまふり
 かえるこの国の学びの歴史。
 寺子屋・藩校・私塾といった江戸時代の学びの場に蓄積された教育遺産
 とは何か。
 明治維新ののちはじまった『国民教育』とともに、日本は何を手にいれ、
 何を失ったのか。
 そして敗戦後、占領下の教育政策をへて、いかにして現代の日本人が誕
 生したのか。
 学びのかたちの変遷に現代へのヒントをさぐる、温故知新の教育読本。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「教育が立身出世主義と結びつく度合いは、封建的な身分制社会が
  濃厚であった国ほど熾烈である。」


・「かくして、学問・教育のみならず、経済文化に至るまで、国家に
  よってオーソライズされたものに価値を見出すという思考パター
  ンが国民の間に広く浸透していくのである。」


・「国民教育のはじまりは京都町人の番組小学校」


・「山県有の言葉、『軍人勅語のようなものが教育にも必要』から生
 まれたのが『教育ニ関スル勅語』」




もう一つ、再掲載となりますが、
「加藤秀俊著作集3」を載せます。
今回紹介した2冊ですが、
どこかでつながっているような印象をもちました。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
2.jpg





<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「日本国民を作った教育」沖田行司 ミネルヴァ書房 2017年

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◇現代の教育を考える

□戦後教育とは何であったか  
  
 立身出世と教育 - 教育に熾烈な競争の原理


 ◎ 教育が立身出世主義と結びつく度合いは、封建的な身分制社会が
  濃厚であった国ほど熾烈である。

   教育に熾烈な競争原理が導入されることになった日本の近代教育
  を一貫して支配してきたのは、この競争の原理である。

   こうした国家主導型の教育システムにおいて、立身出世とは個人
  と国家との距離を縮めていくことを意味したのである。

   かくして、学問・教育のみならず、経済文化に至るまで、国家に
  よってオーソライズされたものに価値を見出すという思考パターン
  が国民の間に広く浸透していくのである。

 
□江戸の「学びの形」 常識の力と教育

 
□横井小楠(1809~1869)

 肥後熊本藩 ~ 時習館で学んだ

 
□学びの共同体

 - 私塾

 
□江戸の教育論



◇日本人の近代教育の変容

□ 国民教育のはじまり

 京都町人の番組小学校

 立身出世主義と国民教育
 

□「教育勅語」をどう見るか

1890(明治23)「教育ニ関スル勅語」

 = 山県有朋  1882「軍人勅語」のようなものが教育にも必要




◇沖田行司(おきたいくじ)

同志社大学社会学部教育文化学科教授 博士

1979 同志社大学大学院文学研究家博士後期課程修了

1989~1996 ハワイ大学日本研究科客員教授

 2004~2013 中国人民大学客座教授







☆「加藤秀俊著作集3」中央公論社 1981年 ②【再掲載 2017.2】

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◇世相史研究序説

□文字にならない歴史
 記憶の保存 
   口承の伝承 → 文字の伝承

 「歴史」 = 記憶に対する恐るべき執念の集積

 ◎偏りがある - 社会の頂点に立つことのできた限られた人々

 ◎ 数十億の人間の殆どすべては,誰にも知られないまま,不快沈殿層
  をつくっている。その上に文字になった記録が薄い上澄み部分をつく
  ってのっかっている。

 ◎「歴史学」は上澄みをよりどころにして成立した学問
       ∥
   エリートの思想と行動の軌跡

 ※ しかし,それだけを歴史と考えるのは間違いではないか?

 ◎ 上澄みは上澄みで結構。しかし,少なくともそれと並んで熱い沈殿
  層にも目を向けなければならない



□正史と稗史
 ◎歴史学 …①社会の頂点に立つ人々=上澄みをよりどころにした学問

   ②政治性

      ③正史 政治史を以てその主流とすべき


 ◎民俗学 …① 沈殿した記憶の歴史に照明

      ② 常民が主人公 ~ 世相史



 ◎「正史家」
    物事を因果の網の目で説明する

網の目に乗らないものは偶発的・例外的
切り落とす = 植木屋の職人のごとき

 
 ◎稗史  
    因果律にも法則的にも別段興味を持たない = 自然観察家
行き当たりばったり 事実の寄せ集め



 ◎世相史 
    ぼさぼさした個別的事実の集合体
  小さな経験とその産物



□市井のジャーナリズム
 常民の変化
   ~ 自らの手で記録が可能に
新聞の誕生 ~ 日録(ジャーナル)

 ① 市井の記録家
  江戸期 
      西沢一鳳,喜多村信節,神沢卓幹,浜松歌国 - 随筆 

    菅江真澄,橘南渓             -旅行家

鈴木牧之 -雪国博物誌


   場期末・明治  服部誠一,菊池貴一郎,宮武外骨,石井研堂



 ② 常民の成長が早かった
   江戸・大阪・京都  寺子屋-普通教育

   武官優位 
     → 文官優位 
     → 浮浪・有閑知識人 = 自由なインテリ



 ③ 日本人の大多数は世俗的-即物的関心
   18世紀 ~ 今世紀 

    ◎稗史材料は優れている(他国に比べて)

    = 世相史は日本史しかつくれない



□世相史の確立に向かって

 歴史学徒としての世相史学,世相史方法論の確立
  ~ 記録保全
民具,常民の記録

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