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「安売り王一代」安田隆夫 文藝春秋 2015年 ①(前半) /「一人称の教育社会学 学校にできること」志水宏吉 角川選書 2010年 ②【再掲載 2013.11】 [読書記録 一般]

今回は、安田隆夫さんの
「安売り王一代」を紹介します。


出版社の案内には、


「26期連続増収増益という前代未聞の偉業を成し遂げたドン・キホーテ。だが、創業者、
安田隆夫の人生はまさに失敗と苦難の連続だった。『逆張り』『権限委譲』『夜の市場』
 をキーワードにのし上がった男の波乱万丈の一代記!」


とあります。



「ミラクルを可能にした10のキーワード」
の項目を見ただけで、ドン・キホーテを想像することができます。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「ネガティブモード脱出法 = 4,5日休暇 → ひきこもり → 徹底して考え抜く」
- とてもできそうもありません、わたしは。


・「苦肉の策  圧縮陳列 と POP洪水」


・「営業 物流 集金の三権分立」


・「明確な基準 
   タイムリミット  最小限のルール  大幅な自由裁量権」








もう一つ、再掲載となりますが、志水宏吉さんの
「一人称の教育社会学 学校にできること」②を載せます。

- 教師たちを守るべき立場にある教育学者たちは尻込みして息を潜めている

現場第一主義の学者と自分の研究第一主義の学者。
前者は少ないのではないかと感じます。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
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☆「安売り王一代」安田隆夫 文藝春秋 2015年 ①(前半)

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◇キーワード
 
 安田隆夫 

 逆張り 
   権限委譲 

   夜の市場



◇はじめに

1978年 「泥棒市場」西荻窪

1989~ ドン・キ・ホーテ



◇絶対に起業してみせる

安田隆夫
   1949(S24)大垣市生 
   慶應大法卒 
   ドヤ街で肉体労働 
   全共闘には反発


 ネガティブモード脱出法 
4,5日休暇 → ひきこもり → 徹底して考え抜く
あるがまま受容  ネット断食


 1978(29歳)「泥棒市場」
   バッタ品、廃盤品主体 スポット品を仕入れ
  
   苦肉の策 
     ◎圧縮陳列 と POP洪水     
 

 「ナイトマーケット」の発見 
    売れ筋自然減

    夜12時まで


すっぽり抜けている「夜の経済学」


 ラジオ中継によるブレーク


 「禁じ手のデパート」の成功


 1983年 「リーダー」卸売り 
革命的バッタ問屋で年商50億

電話とFAX
     営業 物流 集金の三権分立


 もう一つの「小売り再参入」理由



◇ドン・キホーテ誕生

1989年3月 ドン・キホーテ1号店(府中店)


立地で妥協してはダメ


一万円札焼失事件


権限委譲の開眼 
   権限委譲と個人商店システム

   明確な基準 
     タイムリミット 
     最小限のルール 
     大幅な自由裁量権


 「信じて頼む」経営  信じて頼む 


攻めはアグレッシブに守りはベーシックに


 バブルに踊らなかった「見」(けん)がツキを呼ぶ 


定番6割・スポット4割
1993.11 2号店杉並店  
    6割の定番で手堅く商売4割のスポットで大きな利益


 立地難を解消した「ソリューション型」出店 

  居抜き物件


 株式公開と「自分を暴走させない」ための御法度五か条


街興しの起爆剤となった新宿店
4号店(木更津95) 5号店(幕張95) 8号店(新宿 97.10)

都心と郊外の二本立て型出店


◎ミラクルを可能にした10のキーワード 

①ナイトマーケット  ゴールデンタイム22~2時

②CVD+A  コンビニエンス ディスカウント アミューズメント

③トイレットペーパーからスーパーブランドまで 300種で4万品目

④圧縮陳列

⑤脇役商品

⑥POP洪水

⑦権限委譲と主権在現  本部はチェック 半年俸制

⑧変化への対応力と「顧客最優先主義」

⑨顧客親和性

⑩モノではなく流通を売る






☆「一人称の教育社会学 学校にできること」志水宏吉 角川選書 2010年 ②【再掲載 2013.11】

<出版社の案内>
学校教育はどうあるべきか。そして、学校が備えるべき文化とは何か―。長年にわたる教
育現場での体験と人権教育の精神。そこから導き出された、子どもを伸ばすさまざまな具
体的プランとともに、「力のある学校」のつくり方を提言。学力問題など喫緊の課題にこ
たえる実践的な学校論から、生きることの意味への問いまで、教育社会学の新たな可能性
を切りひらく試み。
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1 学校のどこが問題か? -学校文化への視座-

(1)学校という空間
 
□A映画『アウト・オブ・アメリカ』
  1985「愛と哀しみの果て」シドニー・ポラック監督

  ◎ 学校は有用なものである。だが、一方で危険なものである



□B映画『学校』
     
  教室は様々な人生を学び合う場になっている



□学校との出会いは未知との遭遇

  学校で長い時間過ごすことにより、わたしたちは「過去の自分」とは異なる「新たな
 自分」を形づくっていく。そして「社会」の中に入っていく





(2)教育の二面性
  
□教育と作用

 ①教育学 
 
   性善説「教育とは子どもの中にある無限の発達可能性を引き出す営為」

→ 進歩主義 子ども中心主義

◎「社会の理想実現のための大いなる実験場」

   
 ②社会学 
 
   性悪説的 
     教育は「象徴的暴力」ブルデュー

  文化の押しつけ

   ◎「近代社会における巨大な抑圧装置」

   
 ③「若い世代に対する方法的社会化」

E.デュルケム

    「その社会のメンバーとして適切に振る舞えるようにすること」


   日本の教育学の「自信喪失」状況
だれからも文句のでない教育目的を確定できなくなっている
   
    → 「教育学は目的なき技術論に陥ってしまう」  広田照幸





(3)学校の形

□学校独特の匂いと肌触り  

   大阪大・故池田寛教授

「子ども文化という自然」 浜田寿美男-KW「倒錯」


  「学校文化という言葉」
英国教育社会学者 MFDヤング「教育知識論」

      ① 文字文化 

      ② 抽象性 

      ③ 無関連性 

      ④ 個人主義


  ◎イリッチの脱学校論 

    「学校は刑務所に似通っている」





(4)学校の夢と挫折

□近代学校制度に込められた4つの夢

①「能力主義」の夢  

    メリトクラシー(対は属性主義)


 ②「平等主義」の夢  

    公教育


 ③「統合主義」の夢


 ④「民主主義」の夢 

    民主主義の主体へ


   
□「学校とはよいものか」

  学校教育の弊害  
    △受験戦争 △落ちこぼれ △少年非行 △校内暴力

     ↓

  学校楽観論 → 1970年代 → 学校悲観論

   <マスメディア>  バッシングの旗振り役

   <地域住民>    クレーマー

   <政治家>     教育問題を票集めの材料化

   <生徒>      学校文化よりも消費文化を自己の後ろ盾に

   +

  ◎ 教師たちを守るべき立場にある教育学者たちは尻込みして息を潜めている



□時代により大きく変化する学校との関係

 1「canの時代」    戦前戦中期    未就学・長期欠席
(行ける者だけが行く)

  
 2「shouldの時代」 1970年代まで  少年非行
(頑張った者が行く)

  
 3「mustの時代」 1970~1980年代 校内暴力・いじめ
(みんなが行かなければならない)

  
 4「mayの時代」 1990年代以降   不登校・学級崩壊
(必ずしも行かなくてもよい)
     
    新自由主義 - 教育の場に競争主義・至上主義

       → 規制緩和



(5)略



(6)学校文化のさらなる探究に向けて

 ◎<学校>研究から<学校文化>研究へ

 3つの層をもつ学校文化

Ⅰ上層  …  個別学校の文化

   Ⅱ中層  …  国・時代・段階別の学校文化   

Ⅲ基盤層 …   近代の制度としての学校がもつ文化


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