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「教室に正義を」 諸富祥彦 図書文化 [読書記録 教育]

昨日は
久しぶりに雨のない1日
もう少し
すっきり晴れると思っていたのに
曇り空の1日でした

夕刻
職員の御家庭のお通夜に
本年度に入ってから
四件目の御不幸
辛いことです

今日は
少し長くなってしまいますが
教員を勇気づける言葉をくれる
諸富祥彦氏の「教室に正義を」
を紹介します

 どうすれば,いじめられている子を救えるのか? 
 どうすれば,いじめを許さない「正義の子ども」を育てることができるか?

に答える内容です
現代のいじめの特徴、それへの対策が
細かく書かれた
大変参考になる本です

大人社会にも当たり前のように見られるいじめ
なくすことの難しさを強く感じます

しかし、なくさなくては…
辛い思いをする子が出ないように…

一読をお勧めします







 
☆「教室に正義を」諸富祥彦 図書文化

◇はじめに
執筆目的
 ①どうすれば,いじめられている子を救えるのか? 
②どうすれば,いじめを許さない「正義の子ども」を育てることができるか?

◇現代のいじめ
1.いじめられている子の行動の特徴
いじめ問題の根深さ - 強い自己否定
いじめを相談しようとしない
 理由 ① 親に迷惑を掛けたくない,心配させたくない
  ② 親(先生)に言うと,もっといじめがひどくなる
③ 言うと自分がいじめられていることが周囲に知
        れてしまい事実が固定化されてしまうのがこわい

無理に学校に通い続ける
理由 ① 学校を休むと「親にちくった」と思われ,さら
        にいじめがひどくなるのではないかと不安に感じる
② 学校をしばらく休んだ後,他の子にどう見られるか
         が怖い

2.現代のいじめが見えにくい,これだけの理由
いじめが起こる年齢
      小学校が多い - 深刻なのは中学生
動機と対処方法
     「がまん」 → がまんするからこさいじめが継続
2種類の「いじめ」
①快楽主義的ないじめ
          「力が弱いから」「態度が鈍いから」など
②教育的動機によるいじめ
         「あの人のこんなところが悪いから」
「○○ができないあの子はよくないから」
(暗にあの子のためを隠れ蓑に)
教育的動機によるいじめの危険性
「相手に悪い所があるんだから…」と正当化
       → ブレーキが利きにくい
  |
教師までも 
   「どんなことがあってもいじめはいけない」伝達
現代の「いじめられっ子」の特徴
対象-「一見わがままで生意気な子」
※ わがままで強気で言葉も汚い「いじめられている
       子」に幻惑されないでほしい
        ~ 背後にある子どもたちの心のダメージ

3.いじめられている子が出す「サイン」
いじめの3つのサイン
   ① 言語化  「つらい」「いたくないよ」 
← ×気にするな,もっと強くなれ
               あなたにも悪い所が  
② 症状化  身体的不調(特に消化器系,不眠)
③ 行動化  普段と行動が変わる
               ~ 交友関係の変化

サインをつかんだ後の聞き方
「もしかしたら自分がいじめられているんじゃないかな,
    なんて想うこともあるかな?」

◇いじめが起きた!まず対応せよ!緊急対応の7か条
第1条 教師と保護者から言ってはいけない3つの言
だめな3つの言葉
①そんなこと気にしないようにすればいいのよ
②もっとあなたが強くなればいいのよ
③あなたにも悪いところがあるわよね
子どもたちの不信感を生む 
    まずチャンスを逃さないこと

第2条 子どもの話を「真に受けて」聴く
話しやすい雰囲気をつくる
カウンセリングマインド せかせかしない
      この先生なら確実にかまってくれる
  この先生なら邪魔っ気に扱わない
子どもの話を受け止める
      「我慢しなくていいんだよ」
  「泣いてもいいんだよ」

第3条 第一原則は被害者保護の徹底
いじめ対応の大原則
      ①被害者保護 ②問題解決 ③実体解明
「君のことは絶対に守る。先生にできることは全部
      やるので安心していいよ。」
 いじめられたこの心を置き去りにしない
いじめた子や学級への指導は本人の了解の上で

第4条 家庭といじめ対応のチームを結成する 
担任,学年主任,教育相談員,生徒指導主任,兄弟の担任,
      仲のいい教師 (コーディネーター役)
方針を決めて1~2週間ほど対応
学校主導で家庭とチームを作る 
      対立に陥らない 対応順序理解を求める
      学校がイニシアチブ 家庭での様子を把握する 
      子どものペースに合わせることの確認
対応のポイントは子どもの心と命
保護者同士を対決させない

第5条 いじめられた子の心と体を休ませる
いじめられた子が休みたいと訴えたとき
       休んでいる間の連携
子どもの心のペースに合わせる 休む事への無理解…
  
第6条 いじめから守るための転校
いじめた相手から引き離す
なぜ転校を受け入れないのか
       - 転校では解決しないという考え
なぜ被害者が転校するのか
転校を提示する場合の留意点
①子どもの意志とペースを尊重する
②誤解を招かないための留意点
どんな学校-2,3校区離れた学校
転校後の支援

第7条 いじめに関わる両者を引き離す
加害者の強制転校の必要性 - 私立学校
出席停止の考え方
2条件 ① 加害者を出席停止にすることで被害者の
          心が守られる
② 加害者に対する指導 ケアを行い立ち直
          る援助をする
出席停止で指導する場合の留意点
①別室指導 ②自己肯定感を育てる体験活動
  ③責任を取ることを覚える
         ④加害者の心のケアも行う

◇いじめのない学級・学校をつくる 予防・開発的対応の6か条

< 今回は略 >



◇おわりに
「正義の感覚」に満ちた学校を!
   キーワード「君を守り隊」「クラス会議」
参考資料:『君を守りたい いじめゼロを実現した公立中学校の秘密』
中嶋博行 朝日新聞社
『教室の悪魔 見えないいじめを解決するために』
山脇由美子 ポプラ社
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