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「おじいさんになったね」南伸坊 海竜社 2015年 /「学級再生」小林正幸 講談社現代新書 2001年 ⑥(最終)【再掲載 2016.1】 [読書記録 一般]

今日は3月31日、日曜日です。


今回は南伸坊さんの
「おじいちゃんになったね」を紹介します。



出版社の案内には、

「ワレワレは老人である! おにぎり頭でお馴染みシンボーさんも早67
 歳。いつまでも気分は新米、「おじいさんになったね」と言われても
 実感は正直ないが、 どうせならばゴキゲンなおじいさんになりたい。
 日常をちょっとひねった視点で楽しむコツが満載。 団塊世代。加齢
 なる日々の実感エッセイ33編。」

とあります。


要約とはいうものの目次と変わりないものになってしまいました。


わたしもおじいちゃん。
鏡を見たり、おなかを見たり、躓いたり、
おじいちゃんになったねと実感します。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「眩暈は老化」


・「卵焼き 缶詰 干し柿」


・「いいおじいさんになる」


・「百寿者と血液中のアディボネクチン(善玉ホルモン)」



いいおじいちゃん、
どんなおじいちゃんを目指そうかと考えています。




もう一つ、再掲載になりますが、小林正幸さんの
「学級再生」⑥を載せます。




☆「おじいさんになったね」南伸坊 海竜社 2015年

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◇おじいさんになったね
 オウンゴール
  唾液が変な方に入る
  わたしの日本語論
  目がまわった話
  眩暈
     - 老化
  眼鏡の忘れもの
  白髪について考えた
  ハミング健康法
  アイポットの使い方
  人類縮小化計画
  赤瀬川源平先生 藤森照信先生
  卵焼きが好き
  卵焼き 缶詰 干し柿
  眼鏡に注文がある
  いいおじいさんになる

◇おじいさんは山に芝刈りに
  奈良に行ってきた
 動物園に行ってきた
  お墓参りに行ってきた
  ハイクで怪談
  感心な鹿
  和美ちゃんのこと
  歴史上の本人
  すっすぃんの出身地
  コグレさんはいい人
  荒れない成人式
  関西パンダ

◇おじいさんが掘ってみると
  カツラ論
   ニュアンス
  孫褒め
  水筒のキャップの方位磁石
  ジーンズのはき方
  まんま草の陰謀
  いちぐーをてらす
  1969年~
     一隅を照らす運動
  びゃむびゃむ
 オレオレ詐欺国営化
  和風ハロウィン
  気分がすぐれない
  大晦日大合戦

◇おわりに
 百寿者  
    血液中にアディボネクチン
     - 善玉ホルモン

◇南伸坊
 1947年東京生  
  イラストレーター、エッセイスト、漫画家
  「ガロ」編集長 
    → フリー イラストレーター





☆「学級再生」小林正幸 講談社現代新書 2001年 ⑥(最終)【再掲載 2016.1】

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◇保護者と学校の協力のためには
情報公開の必要性  
    どのように公開していくか

仕切り直し 
    ① 「何が問題か」「どうなりたいか」目的明確化
② 指導方針は何で何が為されてきたか
    ③ どのような点がよくなりどのような点が問題として残されている
      のか
    ④ 今までと違い,今後どのような方針がとられる必要がある
     のか
    ⑤ その方針によりどのような効果が及ぶのか

教師間の協力がなければ何も始まらない

保護者会はどのように失敗するのか
話し合いの流れをつくるには - グループ別討議
  大切 「これからどうすればよいか」
    小グループ (各グループに教師が記録係として入る)

◇予防するには
子どもの社会性はどう育まれるのか
  ソーシャルスキル 
      ① 教えられて(言語的教示)
  ② 人の真似をして(モデリングによる学習)
③ 試してみて(リハーサル)
④ 結果から学んで(オペラント学習 フィードバック)

  モデルの不在と社会性の発達 
    ②④(上記)の不足 → 集団遊び
  心地よい体験の不足がもたらすもの
   対人関係の少なさが生む 
     → 奇妙な思いこみ
  頭でっかち 

  対人関係体験の不足 
   = 自分の思いこみの世界
◎ 攻撃的 と 回避的 の二つに二極分化

  どんな社会性が必要なのか
「親密ではあるが,馴れ合いでない新たな人間関係のありよう
     が模索されなければならない」


◇学校を心地よい場所にする
学校の心地よさは 
    ① 人間関係の中で起きる心地よさ  
        安心・安定 
 ② リラックスして落ち着いた雰囲気がもつ心地よさ
  × 努力と根性
  
  総合的な学習の時間を生かす 

  「押さえつける指導」からのリバウンド

  低学年でのリラクゼーション
  動作法 
     - とけ合い技法
 掌全体を遣い子どもの型に密着させながら一連のリ
        ズムで押したり緩めたりする

  リラックスを教える技法 
    「深呼吸」鼻から

  行事で「教育的意義」を追究しすぎていないか
  行事 … 祭りを楽しむが根本
  
  楽しいイベント作り 

  パジャマデー


◇対人関係の楽しみ方を教える
楽しみ方を教える 
   - 構成的グループエンカウンター-
       ブラインド・ウォーク  
       友達のいいところ探し  
  ホンネ対ホンネ 

  ソーシャルスキル教育 
    とっておきの褒め言葉集

  ピア・サポート・プログラム

  学校で社会性を培う意味  
    最低限度のもの


◇予防の中心基地としての家庭と地域
学校を地域に開く   
    半田市
     - 学校スポーツクラブを地域に

学級を学校に開く   
    学級担任制を見直す

家庭ができること   
    子どもを見る時間を5分間増やす
 言葉を一日一つ増やす


◇エピローグ 学校再生のために
  学校教育
   - 300年程度 
    ◎ 学校は社会に出て行くための準備装置でしかない

  社会の変動に合わせて求められる社会性は変化する
   人と人とが情緒的に求め合うよさをどこまで次の世代に伝えていくこ
   とができるか

  ◎ 教育とは,前の世代が持つ願いを、後の世代に伝承するささ
   やかな営み
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「他人の目を気にせず生きる技術」諸富祥彦 大和出版 2003年 ④ /「坂東先生の教育講座」坂東義教 テレビ朝日 1978年 ①【再掲載 2016.10】 [読書記録 一般]

今日は3月30日、土曜日です。

今回は3月27日に続いて、諸富祥彦さんの、
「他人の目を気にせず生きる技術」の紹介 4回目です。



出版社の案内には、

「気にしなければ、もっとラクになれる…もっとやりたいことができ
 る…わかっているのに、なぜやめられないのだろう?人生が変わる
 ヒント」。

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「新しい人間関係のためのコミュニケーションは、自分・他人も大切
  にする自己表現」


・「しゃべらなくても、ゆったりした表情で他者の話に耳を傾ける人
は好かれる」


・「『いい人』であることをすっぱりやめる。そのために、携帯を持た
ない、すぐに応じない、連絡はFAXのみ、名刺はしばらくしたら
捨てる、年賀状は出さない、Eメールの返事もすぐには出さない」


・「適切な判断・選択の多くは『中間領域』にある」




もう一つ、再掲載になりますが、坂東義教さんの
「坂東先生の教育講座」①を載せます。



☆「他人の目を気にせず生きる技術」諸富祥彦 大和出版 2003年 ④

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◇「新しい人間関係」のためのコミュニケーション
  ※ 自分・他人も大切にする自己表現
□「自分」も「他者」も肯定する人間関係
コミュニケーションの形を変える
    「以心伝心」「阿吽の呼吸」
  自分も相手も「人生の主役」 
    アイ・アム・オーケー&ユー・アー・オーケー  
◎ 自己肯定 + 他者肯定


□「束縛し合う関係」から「共感し合う関係」へ
  自己否定と他者否定は背中合わせ
  まず「聴き上手」を目指そう 
    東山紘久「プロカウンセラーの聞く技術」創元社
  ◎ しゃべらなくても、ゆったりした表情で他者の話に耳を傾け
   る人は好かれる  


□ひとりも楽しめる自分になる
  「空気」が支配する時代は終わった
河合隼雄 中空構造
周囲に無理に合わせるよりも
  「自分だけの時間」を確保する工夫
    ◎「いい人」であることをすっぱりやめる
      ・携帯を持たない すぐに応じない  
      ・連絡はFAXのみ
      ・名刺はしばらくしたら捨てる    
      ・年賀状は出さない
      ・Eメールの返事もすぐには出さない          


□「周囲を巻き込まない生き方」のトレーニング
自分も相手も大切にする自己表現
アサーション・トレーニング
「耐えるか、キレるか」になる理由
「ほんの小さなこと」の積み重ね
① 我慢しすぎ 耐えすぎ
② 相手を大切にしつつ、言いたいことを毎日


□「違い」を認めて受け入れる
相手の心に届く言い方
    相手を尊重する基本
     - 互いの違いを認めること
    相手をリスペクトして自分へも配慮してくれるようお願いする  
◎無理に合わせない、従わせない
映画「トゥー・ウィークス・ノーティス」


□適切に主張し聴くためのステップ
  感情に振り回されない自己表現 
◎ 適切な判断・選択の多くは「中間領域」にある

  [自分の思っていることをうまく伝える3つのステップ]   
① 一呼吸をおく
② 言いたいことをシンプルに整理する
「わたしは~だと感じている」と言葉に
③ 自分の気持ちを適切に伝える工夫をする
「わたしは~と感じています」
「できれば~していただけませんか」

  [相手の言い分を上手に聴くための3つのステップ]   
① すぐに反応しないで一呼吸をおく
② 言葉尻にとらわれず相手が言おうとすることを理解する
拾い出す
③ 応答は可能な限りシンプルな言葉にする
「わたしメッセージ」で伝える
          ×「あなたは!」と責めない
  

□「攻撃性」も必要なエネルギー
嫌なことは嫌という 
     断りたいことははっきり断る
新聞を丸めて投げる







☆「坂東先生の教育講座」坂東義教 テレビ朝日 1978年 ①【再掲載 2016.10】

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◇愛情について
 ゲーテ
   「天には星がなければならない。大地には花がなければならな
    い。そして人間には愛がなければならない」
  愛は「の」の字から始まる
    愛は受けるもの(心理学)
     = 心からそれを受け入れてやる
「の」の字さえつけておけばよい
    例「あらあ、ほめられたの」
   → そのまんま繰り返せばよい
人間は知と情
    情で返すのが愛
愛の反射鏡を磨く
    言った言葉と同じ言葉を言って、顔も同じになって同じ気持
   ちになる
  情を受け入れてやるのは大切
認めてもらいたい願い 
    反射鏡
     = 喜びが二倍になる、痛みは半分にしてくれる
褒めて育てて大学者
カルタシス(浄化)  
     -  苦しいことをみんな聞いてもらえばほっとする
  芥川龍之介
    「ほんとにいい友達というのは、語るによく、訴えるによい」
27秒の自制心
勇気を与える忍耐力
ほしいという気持ちは平均27秒(フロイト)
      → それだけの時間稼ぎをすればよい
  

◇幸福について
笑顔を忘れないで
    安い化粧品でも笑っていればきれいになる
 奥さんの顔
     = うちの中の太陽 オクサン(SUN)
お母さんの顔つきが檀那さんの幸せを決めるのです
  「幸せに振る舞うこと」
マカレンコ
     「いい子供は必ず幸せなお母さんと一緒にいる」
心のスイッチ右左
心のスイッチ左側 
      何でも悲観的に考える人
   ないないづくし ないない考えれば不幸せ
    心のスイッチ右側 
      主体性・自主性
   見られる自分のことを「自己」セルフ
  見る自分を「自我」
  自我が満足することが大切
トイレで柏手を打つ訳
痔 
     - 嬉しくて有難くて手を打つ
◎ 自分の幸福は自分の中にある
  ショーペンハウエル
    「幸せを数える人は今すぐ幸せになる」
ドイツの諺    
     「あなたの幸せはあなたの手のひらの中にある」
= 今あるがままのそこに幸せがある
本当の財産って何だろう
校長先生
     「一億円あったら右手を買いたい」 - 名筆家
    → ああ、おれもここに一億円持っているんだ
    人間の身体は何十億円か
幸せな奥さん 
    人間の苦労の8割は取り越し苦労
死んでからじゃ遅いの
    愚痴は聞いてやれ  
    愛する
     = アクセプト 
     = 受け入れること
今その瞬間瞬間を大切に 
      そのときスイッチを右側に
固いご飯もありがたや
いい奥さん  
      顔が明るい、声が明るい、眉毛も上がる
感謝する人が幸せになる
     しわとしわを合わせる(高田好胤)
   イギリスの諺
     「血統のいい馬は決して躓かない、いい奥さんは決して不平を
      言わない」
 
◎スイッチを右側に!
   何を幸せに感じるかでその人の幸せが決まる
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「同志社からの道」朝日新聞出版社 1998年 /「学校教育うらおもて事典」佐藤秀夫 小学館 2000年 ②【再掲載 2016.9】 [読書記録 一般]

今日は3月29日、金曜日です。

今回は、同志社大学編集による
「同志社からの道」を紹介します。


出版社の案内には

「同志社大学出身で、現在各界の第一線で活躍する84人が自分の生き
ざま、学生生活、信条などを語った。同志社大学で過ごした青春の
日々が、彼らにどのような影響を与えることになったかを知ること
 ができる。」

とあります。



もう一つ、再掲載になりますが、佐藤秀夫さんの
「学校教育うらおもて事典」②を載せます。



☆「同志社からの道」朝日新聞出版社 1998年

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◇はじめに
□「AERA」に「同志社からの道」として3年6か月連載
同志社大学の広告  
     84人の
てきとうふき
    = 人に御せられない人
明快な明晰な考えを持っている人
 良き師・良き友・良き書物       1998.9


◇松井直  1951年法学部卒
まついただし 
    '26京都生 福音館書店創立 「こどものとも」
  子どもに対する大人の責任 
日本にとって国際性 
    アジアを知る
  同志社とわたし
    「学生を丁寧に扱え。ジェントルマンとして。」


◇大津健一 1969年神学部卒 
アジアの人たちと対等に支え合う新しい生き方を共有していきたい
  日本キリスト教協議会総幹事
  筑豊からアジアを見たとき  
「共に生きる」ことの難しさ
     ~ 多様性の中の共通の場
  アジアの一員として 
同志社とわたし
    「デモの中、信仰との関わりの中で社会的責任を」


◇野村かつ子 1951年文学部卒
他人任せでなく自分で考えて行動する生活者力がもっと出てほしい
  海外市民活動情報センター代表 
理屈だけでなく生活者の論理  
    社会問題への開眼
大きな構造に目を向けて
同志社とわたし 
   戸坂潤
   「学者は社会をいろいろ解釈するが問題の要は社会をいかに変革
    するかだ」


◇岩井彩 1969年法学部卒
能面もお能も人間の内面や普遍的な感情を表現するもの
  能面師へ自立の道  
内面を写す古面の奥深さ  
    普遍性を持つ感情の魅力
同志社とわたし
   「同志社は社会の上でなく、社会の下で働く人をつくる」
                          住谷悦治


◇長倉洋海 1977年法学部卒
  厳しい状況の中で見えてくる人間の生きざまや優しさを伝える
  フォトジャーナリスト 
痛みを知る人々が優しい  
    同じ人間として
  同志社とわたし
    探検部の仲間


◇山口忍 1991年文学部卒 
 何も形として残さなくても人が育ち自分たちで問題解決できるよ
  うに
  カンボジア 
    国連 ボランティア
  「生きるために学ぶ」すばらしさ  
引っ張るのではなく、押す 
    対等な関係に立って
  同志社とわたし
    寮生活


◇小川和久 1971年神学部中退
国民が本当に国の主人にならなければ平和も軍縮も実現しない
  国際政治軍事アナリスト 
民主主義へのハードル
日本社会は憲法違反だらけ
納税者としてもっと関わっていこう
 「全身に良心が満ちあふれた人間」新島襄  


◇士野(ひじの)繁樹 1965年経済学部卒
官僚もメディアも学者も日本人だけで議論している時代じゃない
TBSブリタニカ出版担当取締役
批評がない日本
比較の視点が必要  
    複眼の見方  
    国際貢献ではなく国際義務


◇春山直岳 1975年法学部卒
今の時代に通用するぼくのチェンバロをつくりたい
  難しいからこそ辞められない  
    手作りが何でもいいわけではない
  同志社とわたし  
    雰囲気のいい学校 
    何となくのんびり 
    人と違っても平気


◇石丸正運 1965年文学部卒  
感性を磨くにも心を磨くにも試練がいる
美術史家  
    滋賀県立近代美術館長
豊かさの中での教育の難しさ


◇木村政雄 1969年文学部卒
笑いの文化のほうが上等やとならんと日本はようならん
吉本興業制作担当取締役
やるのならド真ん中で
大阪弁は等身大でおもしろい  
    全国の7割をファンにしたい






☆「学校教育うらおもて事典」佐藤秀夫 小学館 2000年 ②【再掲載 2016.9】

[出版社の案内]
21世紀・学校の大改革を目前に、学校の慣行『モノ・コト』の成り立
ちをうらからおもてから掘り起こす事典。○×△、内申書、総合的な
学習、日の丸、君が代等39項目について徹底解明。

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◇選抜 
□選抜 
  = 過程よりも結果が唯一の判定基準 厳しい世界

□選抜の基本は「公正さ」
学校教育が殆ど唯一の社会階層上昇の制度階梯に仕向けられた近
  現代日本社会においては,学校制度への入学選抜による「公正さ」
  が一貫して強く求められてきた
- ◎「公正さ」追求の改革史

□「地獄」から「戦争」への展開
西欧のような「資格認定」主義でなく,「定員採用主義」の原則
   - 入学試験が特に「厳しさ」と「非情さ」を帯びた
予備校,受験雑誌,参考書
   - 受験地獄(20世紀初頭から)
→ 戦争 世俗化

□受験最大の問題 
  = 「過程」を抜きにした「結果」重視
 → 詰め込み


◇浪人
□「浪人」の定義 
  古代「浪人」より近世の「牢人」に近い
主君や所帯を失った「牢人」

□「牢人」から「浪人」へ 
  士分を捨てたり学芸に入ったり
 松尾芭蕉,近松門左衛門,宮本武蔵,小鹿素行,熊沢蕃山
「牢人は字さえあさましうかんむり,牛か牛かと人に言われて」
学校と「浪人」 
    入学目的の本音は「仕官」

□学校接続が連続化
  1921年以前は高等学校入学は9月 
   - 「現役」は軍隊用語
 

◇学校五日制
□2002年4月から完全五日制

□「一六」休業と「日曜日」休業 
  1960年代以降常態化
   リーダー
     = 大企業,官庁,学校
大学南校・東校「一六」休業
    = 五日毎に一日休業
太陽暦 明治6(1873)年以降
 日曜休日はキリスト風習として忌避された
     → 翌1874年より日曜休日制

□学校休業日とは?
近代教育発足当初は週休二日制が試行されていた
当初 
    日曜休日制廃止 
      = 反耶蘇教
   一六休日制廃止
      = 教え込み不足
  大戦中は勝手に休業日
  1945年以降
 国民学校初等科のぞく全学年授業1年停止
   「休むとは何事ぞ!」
   → 「授業するとは何事ぞ!」
◎学校休業日はその時々の教育権力や学校管理者の都合による
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「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ⑤(最終) /「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011.3 ①(前半)【再掲載 2016.12】 [読書記録 一般]

今日は3月28日木曜日です。

今回は3月25日に続いて苅谷剛彦さんの、
「知的複眼思考」の紹介5回目 最終です。



出版社の案内には、

「常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの
 奥義!!
 全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!
 逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。
 正解を見つける力より問題点を見出す力を。
 真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!
 常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
 の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が
 選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄!」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「ものごとの二面性(多面性)に注目する」


・「価値はあくまで人々の関係の中に現れる」


・「偏差値教育批判を関係論的に見直すと、『偏差値さえなくせば』
という発想が問題。変えなければいけないのは試験問題の中身
であり、入学試験などの選抜のやり方やそれに向けての進路指
導の方法の問題があったのに。」


・「日本は決して平等社会ではない。日本は出身階層による教育の不平
  等を抱えた社会であり、『生まれ』による不平等が…」




もう一つ、再掲載になりますが、吉崎誠二さんの
「行列ができる奇跡の商店街」①を載せます。




☆「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ⑤(最終)

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<複眼思考を身に付ける>
◇関係論理的ものの見方
□STEP1 ものごとの二面性(多面性)に注目する
(例)「就職難」「過労死」

□STEP2 関係の中でものをとらえる
社会科学「関係論」
マルクスの「貨幣論」
     ◎ 価値はあくまで人々の関係の中に現れる

□STEP3 偏差値教育批判を関係論的に見直す
偏差値の実体論
→ 「偏差値さえなくせば」 逆立ち発想
→ 変えなければいけないのは試験問題の中身であり、入学試験
    などの選抜のやり方やそれに向けての進路指導の方法の問題
→ 試験問題出題の工夫、採点の方法の議論を抜かしたことに問
    題がある

□STEP4「ひとり歩き」を止めて考える 

□STEP5 関係論的見方を導く手立て
①「○○化」として問題をとらえる 
→ ○○を主語として語らない
② プロセスを見るために関係を見る



◇逆説(パラドツクス)の発見
□STEP1「行為の意図せざる結果」へのまなざし 
マックス・ウェーバー
「禁欲」的な生活態度が資本主義を生んだ
計画的・合理的会社の経営
      -「逆説の発見」

□STEP2 当初の狙いと実際の比較
(1) 副産物・副作用への視線
(2) 抜け道の誘発
      - 裏をかく人々への視線
(3) 小さな出来事の大きな意味
(4) 当たる予言・外れる予言



◇問題を問うことを問う
□STEP1 問題の流行り廃り
何でも「いじめ」に
    メタの視点
     ~ ひとつ違うレベルで当の問題自体をずらして見る   

□STEP2 作られる問題・隠される問題
「いじめ」「セクハラ」の一人歩き
◎ 日本は決して平等社会ではない
     - 日本は出身階層による教育の不平等を抱えた社会
=「生まれ」による不平等
しかし、日本の平等神話は変わらない
- ある問題(成績による序列化や学歴差別)が脚光を浴びる
      ことで、その問題に関連はあるもののその問題の陰になっ
      て目立たなくなってしまう問題(出身による教育の不平等)
  ◎ 逸脱者は作られる
     - ラベリング論
米国社会学者 ハワード・ベッカー教授「ラベリング論」
~ ものを見る視点によってその意味が違ってくる

□STEP3 問題とその文脈

□STEP4 メタを問う問いのかたち
  「ある問題を立てることでだれが得をするのか、だれが損をするのか」 






☆「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011.3 ①(前半)【再掲載 2016.12】

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◇商店街の歩んできた道
 似たような景色が広がる地方都市
地域の独自性のない店舗が広がる日本の郊外

  なぜ人は郊外に憧れたのか   
衰退の理由 
     = 商店街近隣住人の減少

  総合スーパーの進出が衰退に拍車を掛けたのは本当か
 スーパーマーケット
    ① チェーンストア 
      ② セルフサービス 
      ③ 最寄り品がそろう
      ④ 安価
食料品・衣料品・住宅関連品 
      それぞれ10~70%
       = 総合スーパー
  どれかが70%以上
       = 専門スーパー
都市      
      2大都市以上 
       = 全国スーパー
    4都道府県以上
       = 地域スーパー
     3都道府県以下 
       = 地方スーパー
流通の革命 
      ① セルフサービス方式
② チェーン方式 他店舗化・大型化
1号店
      1953(S28)年 
       「紀ノ国屋」東京・青山 セルフサービスレジ
    イメージ変化 
       「ダイエー」1857.9 大阪・千林商店街
      大きな反対運動は起こらず
         「主婦の店・ダイエー薬局」
   1964年 関東に進出
          ← 反対運動
  1973年 大規模小売店舗法

  商店経営者が直面した内なる事情 
    後継者問題

  復活への足音が聞こえ始めた
 2006.5 
     中小企業庁「がんばる商店街77選」原動力は商店主
      ・自分たちができることは何か
       ・この商店街だからできることは何か



◇「ここに来れば何か楽しいことをやっている」大須商店街(愛知県名古屋市)
 多彩なアイデアでにぎわいを取り戻した商店街
 
  「気付いたときには手遅れ」という教訓
 地下鉄:上前津駅
         矢場とん・青柳・大須ういろ・コメ兵
 まだどこもやっていないことをやる
空き店舗 70年代後半~80年代 
     → テナント調査活動
   → 着手 ① 商店街マップの作成 
          ② アーケード整備 
          ③ 公衆トイレ設置
→ 店のトイレ使用(トイレ協力店)
 資金がないからこそできたこと
   1975・1976 「アクション大須」
    1978    「大須大道町人気」
    1977    鶴舞線 アメ横
  人の流れを変える仕掛け
    イルミネーション
    「世界コスプレサミット」2003~
  如何に話題をつくるか
    如何に知恵を絞るか 
  祭り委員長は一人1年限り
 枯れることのない発想力の源泉
 「大須案内人」
     案内、質問に答える 16人のボランティア
  大須検定受検者の中から希望者を募る
  商店街の検定
 「20%でも改善されれば20%の成功」
 万松寺「身代わり餅」
   信長が朝倉攻めの帰路、杉谷善住坊の銃弾が万松寺の和尚
     からもらい受けた平餅にあたり難を逃れたとの伝 
      - 加藤清正命名
→ 毎月縁日は災難・厄よけとしてつきたてのもちを無料で振
     る舞う
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「他人の目を気にせず生きる技術」諸富祥彦 大和出版 2003年 ③ /「あるがままに老いる」大原健士郎 毎日新聞社 2001年 ④(最終)【再掲載 2016.1】 [読書記録 一般]

今日は3月27日水曜日です。

今回は3月24日に続いて、諸富祥彦さんの、
「他人の目を気にせず生きる技術」の紹介 3回目です。



出版社の案内には、

「気にしなければ、もっとラクになれる…もっとやりたいことができ
 る…わかっているのに、なぜやめられないのだろう?人生が変わる
 ヒント」。

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「あなたが人を嫌うことがあるように人もあなたを嫌うこともある。
だから人に嫌われたからと言って自信を失う必要はない」


・「自意識の高さ、プライドの高さこそ生きにくさの原因。しかし
 人間はよりよく生きようとするからこそ苦しい」


・「逃げても苦しみはなくならない」


・「とりあえず自分にストップをかける。相手に従う前にとにかくス
トップ」


・「すべては自分の受け取り方で決まる。減点主義から抜け出す」



もう一つ、再掲載になりますが、大原健士郎さんの
「あるがままに老いる」④を載せます。



☆「他人の目を気にせず生きる技術」諸富祥彦 大和出版 2003年 ③

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◇「他者中心の生き方」から「自分中心の生き方」へ 

 ※ 人生の主人公はあなた自身

□今の苦しみを心のパワーに変える   
「なぜみんな生きていられるのだろう」
・ 他の人は何を言おうとあなたの人生の責任を取ってくれ
     ることはない。
    ・ 人はあなたが思うほど他人のことに関心がない
    ・ あなたが人を嫌うことがあるように人もあなたを嫌うこ
     ともある。だから人に嫌われたからと言って自信を失う必
     要はない  

□自意識の高さが苦しみのもと
自意識の高さ、プライドの高さこそ生きにくさの原因
   しかし… 人間はよりよく生きようとするからこそ苦しい

□「巨大な悩み」がもたらしたもの - わたしの体験
  自分を変えるチャンス  
    転校 ギャグ
      ~ エネルギーの放出
  他人の目など気にしていられない
   自分に言い聞かせる
     「どう思われようと構わない」
       - 1日に何百回
     「本来的な苦悩にとらえられると非本来的な苦悩は消える」
                         キルケゴール
     ◎「なぜ生きるか」       

□恥は買ってでもかけ
プロレスがわたしを変えた  
    敢えて人の前に出る
  「笑われる自分」を演じてみる 

□自分の殻を破るちょっとしたきっかけ
  「誰」が自分を見ているか 
米・アルバート・エリス
「真っ黄色の靴下と真っ赤な靴下を片方ずつはいて、この
      ニューヨークの街を30分間散歩してきてみてください」
→ ◎ 笑った人は一人もいなかった
  思いこみが招く「五感のゆがみ」 
「すきなことをしていいんだ」
      ◎ あこがれの存在になりきる 
          わざとへんてこな踊り

□人生の主人公は自分自身
内面の変化が自分を救う
どんな時代であったとしても 
    - ◎ 逃げても苦しみはなくならない

□自分を世界の中心として生きる
  人生には2種類しかない   
① 他者の目を気にしてびくびくしながら生きる人生
    ② わたしはわたしの人生を生きる
人の数だけ中心がある
◎ 相対論的に見るなら宇宙の中心はあくまでもあなた自身
違いを認め合う関係
  映画「ビューティフルマインド」
    ロジャース 
     -論文「真にあるがままの自分になること」
        カウンセリングとは「自分はこの世界の端にいる」
       と感じている人が、「わたしは世界の中心にいる」
       「わたしの人生の主人公はわたしだ」と感じられる
       ようになっていくそのプロセス

□他人を気にするクセを変えるための方法
ストップをかける効果
    認知行動療法 
     「とりあえず自分にストップ」をかける方法
       - 相手に従う前にとにかくストップ
  「ちょっとまって」の一言を
    ちょっと考えさせて(ロールプレイング)            

□あなたこそあなたを確実に幸せにすることのできる唯一の人
すべては自分の受け取り方で決まる
減点主義から抜け出す






☆「あるがままに老いる」大原健士郎 毎日新聞社 2001年 ④(最終)【再掲載 2016.1】

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◇臓器移植
日本人
   - 老荘思想「自然に服従し,境遇に従順になれ」

◇少子化
究極の幸せは今や施設ではない
   → 人の心
 「家族を幸せにできなくて何で患者さんを幸せにできるのか」
「幸せになる」「幸せにする」原点は家族

◇担任を辞めたがる教師
辞めてはいけない

◇男の顔は履歴書
顔だけでは判断できない

◇守破離
高良(武久)の森田療法
   - 森田の森田療法   
     ネオ・モリタセラピー

◇昔話
高良 
  「無駄な苦労はしない方がいいよ。いじけた人間になるから」
  浦島太郎症候群 と かぐや姫症候群

◇お墓 
蜆塚遺跡
   … 墓は炉のすぐそばにある

◇今どきの若い者は
 国に一大事が起こると若者たちが大きなエネルギーを発揮す
  ることがある
  明治維新 太平洋戦争
朝夕のあいさつとお茶くみ

◇県民性
メランコリー型
   … 几帳面,勤勉,頑固 秩序を重んじる性格

◇「毎日ライフ」1996.12~2001.1 5年2か月
森田正馬 
   「己の性をつくし 人の性をつくし 物の性をつくす」


◇大原健士郎
  1930年 高知生 東京慈恵医大卒 
  浜松医大名誉教授 横浜相良病院名誉院長
  月照庵クリニック 浜松市中区上島
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「あの町この町」加藤鎮毅 ひくまの出版 1981年 /「非行の予防学」佐々木光郎 三学出版 2011年 ③【再掲載 2016.5】 [読書記録 郷土]

今日は3月26日、火曜日です。

今回は、加藤鎮毅さんの
「あの町この町」を紹介します。
新しい任地が決まったときにその地域のことを調べますが、
駅南に勤めていた頃読んだ本だと思います。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「浜津が言いづらいからハーマツか?」


・「『八幡宮由来記』、『十六夜日記』から浜松か?」


・「天竜川の呼び名は、あら玉川、広瀬川、天中川、天竜川へと変遷し
  ていったか。」


もう一つ、再掲載になりますが、佐々木光郎さんの
「非行の予防学」③を載せます。

本日は勤務校で離任式があります。
わたしも40年間の学校勤務から離れます。






☆「あの町この町」加藤鎮毅 ひくまの出版 1981年

◇加藤鎮毅
1935生 中区曳馬町
 遠州の歴史を学ぶ会 浜松市かるた協会会長


◇ハーマツについて 
万葉集
巻一  白波の浜松か枝の手向けくさ幾代までにか年の経るらむ  
                            川島皇子
 いざ子ども早く日本へ大伴の三津の浜松待ち恋ひぬらぬ  
                            山上憶良
  巻二  磐代の浜松が枝を引き結びま草くあらばまたかへりみむ    
                            有馬皇子
巻三  昨日こそ君はありしか思はぬに浜松の上に雲たなびく   
                            大伴三中
  巻十二 豊国の企救の浜松ねもころになにしか妹に相言ひとめけむ
                           柿本人麻呂
  巻十五 ぬばたまの夜明かしにも船は漕ぎ行かな三津の浜松
        待ち変ひぬらぬ           中臣朝臣宅守
  巻二十 住吉の浜松が根の下延べて我が見る小野の草な刈そね   
                            大伴家持 
 普通名詞ばかり 
固有名詞は「倭名抄」の国衙 源順(911~983)
「浜松」「波万万都」「浜津」
- 浜津が言いづらいからハーマツか?
  
 浜の松から浜松  
「八幡宮由来記」
     小沢渡の浜辺より一本の松が引馬野に
浜の松より浜松
  「十六夜日記」 
     こよい引馬の宿と言うところにとどまる。この所のおおかた
    の名をば浜松といいし…

 天竜川と馬込川 
天竜川 
    あら玉川
    - 広瀬川 
    - 天中川
     - 天竜川(室町末頃)
「続日本紀」「文徳実録」平安中~


◇町名
江西地区 13町
海老塚町 海老 ~ 入江                              
    ① 海老を食してその殻をまとめて捨てた。                      - 塚を作ったこれより海老塚
    ② 大量の海老が打ち上げられた                           - 懇ろに葬る 塚 海老塚
    ③ 開拓者が、健康で腰が曲がるまで寿命を保って「生まれ、
     育ち、生活」した
      土地のために貢献しようと誓い合って海老塚村と命名
    ④ 「蛇塚」→「海老塚」  
    ⑤(著者)地形が海老のような形でないか                        - 水、津波の犠牲になった人々を弔った塚があったの
       ではないか
  
   駅南   4町                                  
    砂山町 「曳馬拾遺」1711年 杉浦国頭
      当時は沙山 
        「さして高きにあらず、かりそめの岡山也、たたいさ
         このみ有て、土石も見へすふりぬる松の生しけるに…」              - 高くない砂丘が点在していたのか?
        吉宗の頃から開墾 
        有数の美田 
         - 穀倉地区 
        いちめんの田
         ~ スズメ 俗称「スズメの村」                     - 当初 砂山(沙山)村
     → 白脇村大字砂山                          
1882(明治15)年 浜松八幡地
1904(明治37)年 浜松町に合併(竜禅寺 寺島と共に)
1925(大正14)年 
         この町に先祖が住み着いた頃、見渡せば砂山と松原
        だったと言われる昔を偲んで「砂山町」に
         高山定吉(菅原町自治会長 映画評論家・郷土史家) 



☆「非行の予防学」佐々木光郎 三学出版 2011年 ③【再掲載 2016.5】

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Ⅲ 配慮のある家庭環境

1 住まいと非行①
   住まいと年齢 
     中学生 
      ~ 一日の疲れを癒やす場が必要
勉強机    
     ないと「学ぶ楽しさ」から遠のく
心地の悪さ
    = 子どもの年齢に慎重な気配りを
別々の玄関  
   個室も使われ方による
    入室の許可

2 住まいと非行②
茂る雑草  
     総じて多くの困難を抱えた家族の場合は、周囲の清掃が行き
    届かず雑然としているところが多かった
環境と非行との相関関係は高い
ケリング・ウィルソン(米)「割れ窓理論」
     「だらしないままでもいいよ」    
     「きまりだったら守らなくていいよ」
= 非行準備制
   表札と玄関 
    (1)いろいろな困難を抱える家庭ほど表札がない
         親の自尊感情が低い 
         ひとりぼっちの子育て
(2)玄関 
        = それが親の対人関係の力量と養育能力を如実に物
         語る
◎ 玄関はオモテ(外)とウチ(個人)をつなぐ門
間取り  
     個室 ○自立への一歩
       ×たまり場
大切
      =「家の真ん中に居間を作り、子どもは居間から自室に行
        くような間取り」

3 離婚と再婚  ひとり親家庭と再婚家庭(ステップファミリー)
間違った認識(シナリオ) 
     ×ひとり親は悪い
     ×再婚家族に対する根拠のない見方
   うまくいかない家族
(1)生別した親の悪口を盛んに言う
(2)近隣親族から相手にされない
        「孤立した家庭」ネグレクトへ
(3)子どもからの「被害」を訴える親が実に多い
       子どもの前で「お前のために苦労している」と愚痴る
ステップファミリーの心入れ
(1)新家庭を作るとき、子どもの年齢や心の動きにどれほど
      配慮し、その意思を尊重したか
    丁寧な準備が必要
(2)「実親」を性急に演じようとしたか
(3)一方の実親との関係をうまく整理をつけたか
◎ 大人は子どもの最善の利益を考える余裕をもたない

4 ステップファミリーの知恵
年齢 
     小5~中学生 反発が強い
     = 兄弟でも年齢により反応が違う
ステップファミリーの知恵
うまくいかなかった理由
(1)パートナー紹介等のうまく取り持つ努力が成されていな
      い場合
(2)子どもの意見や意向を尊重しないで勧めている場合
(3)せっかちに「本当の子ども」を強いる
    → 大人がわだかまりを和らげる努力を!
     互いのよい悪いを認めあえる関係に!
非行の本当の背景  
     以前の大人観
離縁話  
     思春期のステップファミリーにはもろさがある

5 親の付き合いと非行
親の背を見て育つ  
     親のもつまずい「能力」を学習し、自らも他とうまく交わる
    力を失っていく
非行をつくる親 
     親自身が今を生き生きと生きていない
       「自分に甘く、他者に非常に厳しい」
権威に頼る

6 父親の役割
負の父親像
父との風呂
教育家庭の父親
母親の役目

7 祖父母と非行
登場するさせられる祖父母
祖父母クローズアップ 
    (1)親権が祖父母にあるような雰囲気の家族
(2)祖父母がやむを得ず引き受けている場合
強すぎる祖父母
養育しない親  
     声掛けは必要
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「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ④ /「愛国者は信用できるか」鈴木邦男 講談社現代新書 2006年 ②(後半)【再掲載 2016.7】 [読書記録 一般]

今日は3月25日月曜日です。

今回は3月22日に続いて苅谷剛彦さんの、
「知的複眼思考」の紹介 4回目です。



出版社の案内には、

「常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの
 奥義!!
 全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!
 逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。
 正解を見つける力より問題点を見出す力を。
 真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!
 常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
 の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が
 選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄!」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「疑問をいくつかの具体的側面に分け問いにする」


・「『○○はどうなっているのか?』式の投げかけは、答えを調べれば
すぐ解答できるというような答え探しの発想に基づく場合が多い」


・「単眼思考の典型の言葉の例は、『生きる力』『偏差値教育』『青少年
の健全育成』『金融秩序の維持』『自然破壊』『人権』『合理化効率
  化』『報道の自由』など。これらを禁止語にして他の言葉で言い換
  えたい」


・「集団の均質性が高く、その集団への所属が強制されていればいる
ほど、集団内の異質性は集団から排除を受ける。これがいじめ」




もう一つ、再掲載になりますが、鈴木邦男さんの
「愛国者は信用できるか」を載せます。

昨日、本年度のジオラマの甲子園が終了しました。
NHKローカル局の生中継もあり、
雨にもかかわらず多くの観覧者に来ていただけました。
高校生の熱心な姿を見ることができ、話すこともできました。
ありがとうございました。
下のFacebookのページでその様子を見ることができます。
※ 浜松ジオラマファクトリー Fasebook

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☆「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ④

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<問いの立て方と展開の仕方>
◇問いを立てる
□STEP1「疑問」から「問い」へ 
疑問  
   - 感じるだけで終わる場合が多い
問い  
   - 自分でその答えを探し出そうとする行動につながっていく
  疑問をいくつかの具体的側面に分ける
   = 問いの分解と展開

□STEP2「どうなっているの」?<実態を問う>問い 
◎「問題関心を疑問文で表現する」 
→ 「○○はどうなっているのか?」
答えを調べればすぐ解答できるというような答え探しの
      発想に基づく場合が多い

□STEP2「なぜ」という問いかけ 
◎ 因果関係についての仮説(見込みや予想)を立てることに他な
   らない
→ ステップ1「どうなっているか」以上に考える力を働かせる
- 「なぜ」を上手に展開していくことが新しい問いの発見に
    つながっていく
どこまでいっても終わらない「なぜ」はタマネギの皮むき
 → 自分の視点を見直そう
     ステレオタイプの見方に対して新しい視点につながる可能性
    がある
 6つのなぜ
米国モトローラ社
 ◎ 「なぜかを最低6回は繰り返せ!」
= 徹底的な原因の追究



◇<なぜ>という問いからの展開
□STEP1 因果関係を問う
① 原因の時間的先行
② 共変関係
③ 他の条件の同一性

□STEP2 疑似相関を見破る
ステレオタイプにはまらないために

□STEP3 問いの展開例
◎「大きななぜ」を「小さななぜ」に分ける
=「なぜ」のブレイクダウン
主語を下位の集団に分解する
ポイント 
   ① 最初のグループを複数のサブグループに分ける
②「なぜ」「どうなっているのか」の組み合わせで問いを展開し
    ていく 
③ 問いを分解する場合には、どんな展開の影響があるのかを見
    当をつけながら分けていく



◇概念レベルで分ける
□STEP1 概念のはたらき
問いを立てるときの抽象度や一般性、具体性、個別性のレベルは?
  抽象性と具体性のレベル
   概念低のメリット
    = 共通性を高め個別の細かな事情を切り捨てていくこと
                         (捨象する)

□STEP2 概念とはサーチライトである
米国社会学者
    タルコット・パーソンズ「サーチライト」
概念導入はそれまで見過ごされてきたことに光を当て、新
     しい現象の発見に寄与する

□STEP3 概念・定義・ケース
◎禁止語のすすめ
抽象的概念をこなさず使う例の多さ
       = マジックワード
呪文のように人々の考えを止めてしまう魔力
  → 単眼思考の典型 
「生きる力」「偏差値教育」「青少年の健全育成」
「金融秩序の維持」「自然破壊」「人権」「合理化効率化」
「報道の自由」
   禁止語 
    = 他の言葉で言い換え
社会学者 佐藤健二「社会学入門」

□STEP4 問いを一般化・抽象化する
いじめ
   「集団の均質性が高く、その集団への所属が強制されていればい
    るほど、集団内の異質性は集団から排除を受ける」
◎「何のケースか」を考える 
     抽象的思考のすすめ







☆「愛国者は信用できるか」鈴木邦男 講談社現代新書 2006年 ②(後半)【再掲載 2016.7】

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[出版社の案内]
愛国者は偉いか?
愛国者は信用できるか!?
三島由紀夫が『愛国心は嫌いだ』といった意味は何だったのか?
そして意外にも女帝賛成論だったという事実!
新右翼の大物が書き下ろす全く新しい天皇制と国家論!


◇謙遜の日本史
「ベルツの日記」に描かれた自虐的日本人
     坂口安吾が「堕落論」で語る天皇制
   ベルツを戸惑わせた「謙遜」
   天皇の名の下の「自己否定」
     天皇は円の中心点?
     「古事記」「日本書紀」の日本精神
     もっと自由で人間くさい天皇のはずだった
◎ 謙虚で優しくちょっぴり自虐的なのが<日本精神>  

◇天皇論の革命
「我々には天皇を基にした変革がある」
     三島
  プロレタリア作家を殺した警察の勘違い
  竹中労こそが里見岸雄だった

◇加熱する女帝論議   
右翼少年をテロに走らせたが
皇太子妃は「男の子を生む機械」ではない

◇三島の改憲女帝論
  「皇位の継承は男系子孫に限ることではない」
  人間天皇の怨みごと 
    皇太子妃に押しつける国民のわがまま

◇愛国心の必要ない世界は来るのか
  藩から国へ,自分の家から国家へ
  ◎ 愛国心は小声でそっと言うべき言葉 
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本日24日(日)までハイスクール国際ジオラマグランプリ2024! 「他人の目を気にせず生きる技術」諸富祥彦 大和出版 2003年 ② /「あるがままに老いる」大原健士郎 毎日新聞社 2001年 ③【再掲載 2016.1】 [読書記録 一般]

span style="font-size:large;">第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 HiD2024


本日24日(日)16時までジオラマの甲子園が開催中。
観覧無料です。
時間があればぜひ。
※ 浜松ジオラマファクトリー Fasebook

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今回は3月19日に続いて、諸富祥彦さんの、
「他人の目を気にせず生きる技術」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、

「気にしなければ、もっとラクになれる…もっとやりたいことができ
 る…わかっているのに、なぜやめられないのだろう?人生が変わる
 ヒント」。

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「非合理な思い込み、人生の真実に即さない偏った思い込みである
『イラショナル・ビリーフ』は自分を不幸にする思いこみだ」


・「失愛恐怖は心の深いところに根付く。客観的に見たら、けっして
そんなことはないはずなのに、何かと相手を疑う。ちょっとした
  ことでも気になって、しつこく確かめたり追求したりしてしまう。
そしてそのことが実際に相手を離れさせてしまう」


・「基本的信頼が大事」



もう一つ、再掲載になりますが、大原健士郎さんの
「あるがままに老いる」③を載せます。



☆「他人の目を気にせず生きる技術」諸富祥彦 大和出版 2003年 ②

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◇自分を縛る「呪文」を書き換える  生きづらさから抜け出す方法
□自分を不幸にする「間違った思いこみ」
思いこみが強い人ほど人の目が気になる
① すべての人に受け入れられる人間でなければ自分には価値
    がない
② あらゆる面において、人並み・世間並以上でなければ恥ず
    かしい
③ 仲間作りが下手で、いつも一人になりがちな人間は惨めだ
④ グループや同僚といつでも仲良くなじめないのは社会性が
    欠落しているからだ
        |
  間違った思いこみ
   =「イラショナル・ビリーフ」
      非合理な思いこみ
      人生の真実に即さない偏った思いこみ
   ◎ イラショナル・ビリーフこそ「自分を不幸にする思いこみ」
  論理療法
   ① 先ず自分の心を支配してるイラショナル・ビリーフに置き
    換える    
   ② そのイラショナル・ビリーフをラッショナル・ビリーフに
    置き換える
「心を縛る考え方」を手放す
◎ イラショナル・ビリーフをラッショナル・ビリーフに置
     き換える
きっぱり断ちたいことは
  ハイデッガー
   「人には世界から事故を解釈する傾向」
「常識」のもつ囚われの力はそれほど強力

□「失恋愛恐怖」が見捨てられる不安を生む 
他人に拒否されたくない
イラショナル・ビリーフの背景 
     = 「失愛」の恐怖
失愛恐怖は心の深いところに根付く
      客観的に見たら、けっしてそんなことはないはずなのに、
     何かと相手を疑う。ちょっとしたことでも気になって、し
     つこく確かめたり追求したりしてしまう。そしてそのこと
     が実際に相手を離れさせてしまう

□心が不安定になる原因
失愛恐怖 ←→ 特に母親との関係によるところが大
   エリクソン
   「母親の愛によって培われるはずの基本的信頼の欠如に始まる」
   ◎ 基本的信頼が大事   

□いい人間関係に必要なのは「ひとり」でいられること
ひとりが平気になったとしたら…
思いこみ
     「みんなと同じでなければ居心地が悪くなる」思いこみ
    他人の目が気になる 
     ~ 「一人じゃ入られない症候群
     = 孤独嫌悪シンドローム」   
傷つけたくない傷つきたくない
混乱した人間関係を変えるには

□「分かっているのにやめられない」のはなぜ?
  「意志」が「不安」につぶされる
   ◎イラショナル・ビリーフ
     「すべての人に受け入れられなければ生きていけない」   
「人並み世間並以上でなければ恥ずかしい」
「仲間作りが下手では一人になりがちな人間は惨め」

◎ラッショナル・ビリーフに
     「すべての人に受け入れられるのは不可能であり必要なこ              
とではない」
     「すべての人に受け入れられなくても十分生きられる」
     「大切なことはザ・ベストよりもマイ・ベスト」           

□「ダメ」の呪文は本当に自分をダメにする
自己嫌悪の果てなき悪循環

□「いい子でいたい」気持ちが劣等感を生む
「ダメな子」と言われないための努力
    「やっぱりお母さんのいい子じゃないと生きられない」
   生きづらさは連鎖する
   いつも誰かと比べてしまうクセ       
母親がする呪文の圧迫
現実を超えた「自己イメージ」
「人間は自己イメージの生き物だ」

□自分は自分で変えられる
  ゆったりと待つ親 待てない親
   「現実を受け止める力」を身につける






☆「あるがままに老いる」大原健士郎 毎日新聞社 2001年 ③【再掲載 2016.1】

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◇ルーツ
タイガー・ウッズ 
    アフリカ系米国人の父とタイ人の母
中国人とチェロキー族の血も混じっている
◎ ルーツをとやかく詮索するよりも自分がルーツになるように
   努力する

◇老人の鬱状態
老人の病気 
    ① 神経症・軽い心の病気 原因探し
② 鬱病

◇幽霊
自分の心が作り出すもの

◇神信心
中国の雲門禅師「日日是好日」にちにちこれこうじつ
  やるべきことを目的本位・行動本位にやることにより毎日が
   よい日になる。

◇名優名監督の自殺
孤独
   - 輝いている人たちの背景の弱さと虚偽

◇贈与の愛
鬱病の人たちは優しい心を持っている

◇三つ子の魂
「陸幼」
   - あめとむちの教育

◇読書の勧め
教師の本離れによるもの

◇定年後の準備
40~50歳頃から男性は定年後の準備を!
自分が工夫しなければだれも何もしてくれない
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明日24日(日)まで第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024  「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 ⑤(最終) /『子どもから大人になれない日本人』深谷昌志 リヨン社 2005年 ①(前半)【再掲載 2016.8】 [読書記録 民俗]

今回は、3月20日に続いて、斎藤卓志さんの、
「世間師 宮本常一の仕事」の紹介5回目 最終です。



出版社の案内には、

「『忘れられた日本人』などで知られる民俗学者・宮本常一の生涯を
追った評伝。日本全国を旅した宮本の仕事を探索するとともに、学者
的でも民俗的でも高踏的でもない、宮本の人間に対するやさしさと温
かさを伝える。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『宮本は神(宗教)の問題をやらなかった』 『宮本にとっての神は庶民
  だ』- 谷川健一」


・「お猿さんの芸で笑うんだけど人が笑っている笑顔も目に入る。全然知らない人
たちが一緒にお猿産の芸を見て童心に帰っていい笑顔になる。猿まわしは輪の
  芸能だ。- 宮本常一」


・「『電波の流れる先に行って,野良でも炉端でも聞いて帰って話をする。
スタジオで考えるな,現場で考えろ。』 - 宮本常一が永六輔に」


・「人が人を信頼し得るということが,しあわせというもので,しあわ
せというものは人が人を信じる以外にないのです。人を信じない
  世界にしあわせというものはないのです。 - 宮本常一」




もう一つ、再掲載になりますが、深谷昌志さんの
「子どもから大人になれない日本人」①を載せます。
- 「ギフテッド」と「スローラナー」二対する教育
この考え方は大切だとわたしは思うのですが、
日本に導入されたらどうなるだろうと考えてしまいました。

第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 HiD2024


いよいよ明日24日(日)までジオラマの甲子園が開催中。
観覧無料、直接投票もできます。
会場はザザシティ浜松 西館1階特設会場です。
時間があればぜひ。
※ 浜松ジオラマファクトリー Fasebook

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☆「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 ⑤(最終)

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◇周防大島に帰る
□兄・村崎義正と弟・村崎修二
村崎修二 S52(1977)4.8宮本常一と会う
「修ちゃん」と呼ばれた
猿回しの芸の復活を頼んだ 
      「文化を守ることは命を守る行為」
    宮本は村崎を京大の今西錦司に紹介している
  生きた文化 
       「体験」「想像」「記憶」「関心」

□最晩年 
  『東和町誌』全一巻
  『民衆の生活と文化』未来社 昭和53年
後書き 
      米山俊直,田村善次郎,宮田登
寄稿者 
      伊藤幹治,網野善彦,竹田亘,村武精一,宮田登,
      米山俊直、祖父江孝男,坪井洋文,田村善次郎,石毛直道,
      稲垣尚友、加藤俊秀,神崎宣武,潮田鉄雄,高松圭吉
  谷川健一
    「宮本は神(宗教)の問題をやらなかった」
    「宮本にとっての神は庶民だ」   
猿回しは「輪の芸能」(宮本)
     お猿さんの芸で笑うんだけど人が笑っている笑顔も目に入る。全然知
らない人たちが一緒にお猿産の芸を見て童心に帰っていい笑顔になる。
暖かいムード
 

            
◇旅駆けた常一
□民俗学者宮本常一の孤独
終始アカデミックの外に
武蔵野美大,観光文化研究所 
~ 友には恵まれたが朋のいる場所ではなかった    
    ◎ 聞いた内容が,それを誇ってくれた人への信頼によって裏
     打ちされている
- 自分が見てきたことへのこだわり 
        研究者の領域からはみ出た
  永六輔「時代の証言者」(朝日新聞 平成18年2月2日)
宮本が永に…
     「電波の流れる先に行って,野良でも炉端でも聞いて帰って
      話をする。スタジオで考えるな,現場で考えろ。」
→ フットワークの良さ
生き物としての芸能再生のために 
      鬼太鼓座
木下忠(愛知大学) 
     「宮本さんにはカリスマがある」
      東の菅江真澄 西の宮本常一
立ち位置は常に「いま」
      多くの年寄りから話を聞いた

□絵巻の仕事
絵と解説

□宮本最晩年の講演から
「人が人を信頼し得るということが,しあわせというもので,しあ
   わせというものは人が人を信じる以外にないのです。人を信じな
   い世界にしあわせというものはないのです」


◇あとがき
□稲武の夏焼温泉へ 
  設楽町名倉の後藤治夫さんに呼ばれて
後藤さん 93歳
      『シベリア抑留記』春風社 2005年
序文は澤地久枝

□谷川先生より教えられた「宮本のテーマは人だ」
  = 宮本の人間に対する優しさ温かさ

□宮本アサ子さん 
  「常一伝は書き手によってさまざまな形になりましょう」





☆『子どもから大人になれない日本人』深谷昌志 リヨン社 2005年 ①(前半)【再掲載 2016.8】

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◇親離れ子離れした人間関係に
① 子どもの意見や考えに耳を傾けよう = 子どもも中学生になると、
自分の世界を持つ。
  親が自分の意見や考えをいう前に、子どもの考えを話させよう。親
 が思っている以上に成長している子どもの姿が浮かんでくる。

② 自立のプログラムを作ろう = こづかいでどこまでまかなうか。門
 限を何時までにするか。ケイタイの費用限度をどう考えるかなど、領
 域を分けて、子どもの自立を具体的 に考えよう。
  そして、子どもの年齢に応じた形で自立のプログラムを考えよう。

③ 弱みを見せよう
  = 子どもは親をビッグな存在と思っている。そして、親をいつま
   でたっても超えられないと感じている。それだけに、子どもが中
   学生くらいになったら、親は子どもに弱みを見せよう。
    弱みを突破口として、子どもは自立の道をたどれるようになる。

④ 時には、本音でぶつかる
  = 親としての弱みを見せ、子どもの意見を聞くのがすべてではな
   い。時には、本音でぶつかろう。とくに絶対に譲れないと思うよ
   うなことは、安易に妥協しないで、親としての権威を示そう。
    強い親とぶつかって、自立するから、しっかりとした子どもが
   育つのである。

⑤ 親をやめる
  = 母親が細かく世話をしていると、子どもはそれを当たり前と思
   い、そうした環境に安住しやすい。
    そこで、子どもが中学生くらいになったら、世話をするという
意味での親をやめる時があってよいのではないか。

⑥ 親も自分の世界を持つ
  = 親、とくに専業主婦の母親は、子育てに専念するので、自分の
   世界を持ちにくい。そのため、子どもが親離れの時期になった時、
   子どもにしがみつきがちになる。
    子どもが小学校高学年になったら、子離れの準備として、母親
   は自分の世界を持つための努力を重ねるべきであろう。


◇個人差への対応
  海外へ行く時、小学校を訪問するようにしている。
  高校や大学はどこの社会でもそれほど変わりはない。
  しかし、義務教育の学校は津々浦々まで設置されるので、その社会
 の問題がストレートな形で学校の姿に現れてくる。
  アメリカ・サンフランシスコの学校を訪ねた時、小学4年生のクラ
 ス23名の内、メキシコ、中国、韓国、エジプトなど、14の母国語を
 話す子どもがいた。5年生は23名で、13言語だった。
  もっともそうした他民族社会の姿は、ヨーロッパの学級にも見られ
 る。
  ドイツのフランクフルトを訪ねた時、ドイツ系と思えない子どもが
 多かった。担当官に聞いてみると、市内の学校に在籍する生徒の内、
 ドイツ人は4割で、半数以上が他国籍だった。
  さらに、ニュージーランドのオークランドでもサモアやフイージー
 など、少数民族との共存問題が学級内にも影を投げかけていた。
  マニラでタガログ語と英語、マレーシアでは、マレー語、中国語、
 英語など、教室内で使う言語が問題になるくらいに、多民族の状態は
 教育を難しくしている。
  使用している言葉が異なるから、着る物から勉強への構えまで、す
 べての面で子ども一人一人が異なる。
  そうした多様さへの対応が学校として困難な課題となる。
  日本では考えられない事態だが、サンフランシスコの給食を例にと
 ると、食事は、
  ① 全部を家から持ってくる子、
  ② 主食を持参し、飲み物だけ買う子、
  ③ ランチを食べる子

 とにわかれ、③のランチも、アジア、アメリカ、メキシコの選択があ
 り、その上、アレルギーなどの対策もとられていた。
  韓国育ちの子どもはキムチが好きだし、中国生まれは饅頭が好物だ。
  宗教上の理由から肉を食べない人もいるし、信条的なベジタリアン
 もいる。したがって、日本のように一つのメニューで学校給食を展開
 することはできないらしい。
  子どもの個体差への対応が浸透しているので、欧米の学校では、普
 通のことのように、学力別の編成がおこなわれている。
  数人の子どもがいれば、一人一人の顔かたちが違うように、学習に
 対する構えが異なる。
  だから、個人差に対応する形で、授業が展開される。
  しかし、学校で尋ねてみると、かなり慎重に個人差への対応を実践
 しているのがわかる。
  どこの親も、可能なら「ギフテッド」(知的に恵まれた)クラスの子
 どもを入れたい。そして、「スローラーナー」クラスは避けたい。「ギ
 フテッド」の子どもが自信を持ち、スローラーナーはひけ目を感じが
 ちだ。
  そこで、多くの学校では、スローラーナーのクラスは
   ① 少人数で、
   ② 校内のよい場所に教室があり、
   ③ 力量の優れた教師が担当する。
  それと同時に、ギフテッドのクラスでは、
   ① 授業の進度を速めるのではなく、
   ② ボランティア活動を重視する、
   ③ アメフトのようなチーム・スポーツを大事にする、
   ④ デイベイト(討議)を多用する、
   ⑤ 読書を薦める
 などを配慮している場合が多い。
  校長に話を聞いてみると、ギフテッドの子どもは知的に恵まれてい
 るのだから、勉強を教えれば小学生でも高校レベルの教材をマスター
 できる。
  しかし、そんなに先回りして教えても意味があると思えない。ただ、
 ギフテッドの子どもは、いずれ一流の大学へ進学して社会のリーダー
 になる人材だ。
  それなのに、スローラーナーを蔑視したりしがちだ。
  だから
   ◎ 福祉施設などで社会的な弱者への共感性を育てると同時に、
   ◎ 団体スポーツをして、集団内での行動の仕方を習得させる。
   ◎ 読書で自分なりの見方を作るだけでなく、
   ◎ 話し合いの技術を磨くことが大事だ。
  ギフテッドの子どもは、傲慢な若者に育ちやすい問題児だと思って
 対応すべきだという。
  こうした指摘を、特定の校長だけではなく、多くの学校で聞くこと
 ができた。
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第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024開催中!  「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ③ /「友だち地獄」土井隆義 ちくま新書 ②(後半)【再掲載 2016.10】 [読書記録 教育]

今回は3月17日に続いて苅谷剛彦さんの、
「知的複眼思考」の紹介 3回目です。



出版社の案内には、

「常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの
 奥義!!
 全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!
 逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。
 正解を見つける力より問題点を見出す力を。
 真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!
 常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
 の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が
 選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄!」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「批判的読書から批判的議論へ。非難でなく建設的な批判。よりよく
  するための案にするための代案・厳密にできる方法を」


・「自分自身が賛成か反対かとは別に相手の立場に立って考えることが
複眼的思想を身に付ける上では大切なトレーニングになる。ひとり
ディベートをやることがよい練習となる」


・「レポートに『考えた形跡があるかどうか』がアメリカでは第一の評
価の対象となる」




もう一つ、再掲載になりますが、土居隆義さんの
「友だち地獄」②を載せます。


第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 HiD2024


本日22日から24日の日曜日までジオラマの甲子園が開催中。
観覧は無料、直接投票もできます。
会場はザザシティ浜松 西館1階特設会場です。
ぜひ、足をお運びください。
※ 浜松ジオラマファクトリー Fasebook

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☆「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ③

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<考えるための作文技法>
◇論理的に文章を書く
□STEP1 批判的読書から批判的議論へ
非難でなく建設的な批判に
  代案・厳密にできる方法 
   = よりよくするための案を


□STEP2 書くことと考えること
書く
   = もやもやしたアイデアに明確な言葉を与えていくこと


□STEP3 接続の言葉の役割を知るSTEP2
ポイント
① まず結論を先に述べ、それからその理由を説明するスタイ
     ルをとる
② 理由・説明を数字であらかじめ示す
③ 根拠をはっきり示す
④ 推定か断定か分かるように書く
⑤ 文と文の関係を明確に
        接続の言葉に気を配る

◇批判的に書く
□STEP1 反論を書く
ディベート 自分自身が賛成か反対かとは別に相手の立場に立って
       考えるということが複眼的思想を身に付ける上では大切
       なトレーニング
→ ひとりディベートを


□STEP2 違う前提に立って批判する
① ひとりディベートをやろう
② 自分で仮想立場を複数設定してそれぞれの立場から批判や反論
   を試みよう
③ 様々な立場に立った反論を書くことで、書き手がよって立つ複
   数の前提も見えてくる。
④ 反論や批判は、頭で考えるだけでなく必ず文章にする。文章に
   すると、論理の甘さも見えてくる。

 ※ アメリカの大学での優れたレポート
高評価 
     = 「考えた形跡があるかどうか」による
       ◎ 問題の立て方の独創性と、それを説明するときの論
        理、展開の精密さ・緻密さ、さらには、論理の根拠を
        きちんと示しているかどうかが重視される






☆「友だち地獄」土井隆義 ちくま新書 2008年 ②(後半)【再掲載 2016.10】

[出版社の案内]
誰からも傷つけられたくないし、傷つけたくもない。そういう繊細な
『優しさ』が、いまの若い世代の生きづらさを生んでいる。周囲から
浮いてしまわないよう神経を張りつめ、その場の空気を読む。誰にも
振り向いてもらえないかもしれないとおびえながら、ケータイ・メー
ルで、お互いのつながりを確かめ合う。いじめやひきこもり、リスト
カットといった現象を取り上げ、その背景には何があるのか、気鋭の
社会学者が鋭く迫る。

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◇リストカット少女の痛みの系譜
高野悦子と南条あやの青春日記
高野悦子 『二十歳の原点』1971
南条あや 『卒業式まで死にません』2000
自分と対話する手段としての日記
ウェブ日記を書く若者達の心理
自分をつなぎ止める思想と身体
若者の対抗文化と世代闘争の消失
抽象的な他者と具体的な他者 
    それぞれの自傷行為が語るもの
「変わりゆくわたし」から「変わらないわたし」へ
「自立したいわたし」から「承認されたいわたし」へ
束縛感と浮遊感を巡る生きづらさ
「より望ましい自分」をめぐる格闘


◇ひきこもりとケータイ
「自分の地獄」という悪夢
「優しい関係」という大きな壁
コミュニケーションへの過剰な圧力
  反面カーストシステム
脱社会的な純愛物語
純度100%を願う若者達
生まれ持った純粋さへの憧れ
    障害系と壮絶系
「善いこと」から「いい感じ」へ
「まなざしの地獄」の新たな価値


◇ケータイによる自己ナビゲーション
ケータイは電話機ではない
    「ふれあい」のためのメディア
触角器官としてのケータイ端末
  身体性を協調するコミュニケーション 
リセット可能なネット上の関係
ケータイ可能なネット上の関係
ケータイメールによる地元つながり
自己確認のための常時接続ツール
    不安の強さが生み出す過剰反応
ジレンマを克服するケータイ空間
    メールで繋がる「本音の関係」
自己承認としてケータイする若者達


◇ネット自殺のねじれたリアリティ
ネット集団の自殺が見せる不可解さ
    現実世界のリアリティの希薄さ
 死のイメージをまとうゴスロリ少女 
    現実回帰のためのトラウマ物語
人間関係の多元化とリアリティの喪失
  市場化するコミュニケーション能力  
リアリティの確認目指した
自己期待値の高さと自己肯定感のもろさ
現実世界とネット世界の融合


◇終わりに
「自分らしさの檻」からの脱出へ
生きづらさを正面から迎え撃つ
比類なき「優しい」人々の時代


◇土井隆義 
  1960山口県生 筑波大学大学院教授(社会学)
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HiD2024 いよいよ明日から!  キーワード 読書について64-「ぼくが読んだ面白い本ダメな本」立花隆 文藝春秋 2001年 /「今どきの教育を考えるヒント」清水義範 講談社 1999年 ③【再掲載 2016.7】 [読書記録 一般]

第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 HiD2024


今年も明日22日から24日の日曜日までジオラマの甲子園が開催されます。
観覧は無料、直接投票ができます。
会場はザザシティ浜松 西館1階特設会場です。
ぜひ、足をお運びください。

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今回は3月11日に続いて、
「キーワード 読書について」64回目、
「ぼくが読んだ面白い本ダメな本」の紹介です。



出版社の案内には、

「ふだん書評では扱われない面白本三百冊を紹介し、ダメな本は徹底的
 に批判する。立花隆の知的好奇心、知的ノウハウを凝縮した一冊。
 1995年11月~2001年2月の読書日記を中心に構成。」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「一冊の本は『キーワードの拾い出し』+『論理の流れ』で、一枚の
  チャートにすることができる」


・「統一市場の崩壊。価は無関係で、高くても買う人は買う」


・「どれだけ多くの本を読みどれだけ多くの小世界の住民となり、自分
をどれだけ多くの他世界存在者にしたかによりその人の小宇宙の豊
かさが決まる」


・「書物は万人の大学である。生涯書物という大学に通い続けなければ
何ごとも学べない」



もう一つ、再掲載になりますが、清水義範さんの
「今時の教育を考えるヒント」③を載せます。




☆キーワード 読書について64-「ぼくが読んだ面白い本ダメな本」立花隆 文藝春秋 2001年

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◇序・宇宙 人類 書物

□書店
 「一国の文化の最前線基地」
 本の内容を3~5分間で伝えてみよ!
 一冊の本は一枚のチャートにすることができる
「キーワードの拾い出し」+「論理の流れ」
パラグラフの文頭+文末(一行)

□全体の流れとキーワードをつかめ
粗雑なつかみ から 具体的把握へ
音楽的読み から 絵画的な読みへ

□インターネット
「生涯情報の海に浸り、一個の情報体として情報の新陳代謝を続け
   ながら情報的に生きる時代」
= 情報新陳代謝

情報社会サバイバル技術
    = 素早い情報スクリーニング術
「絵画読み」の技術
① 頭から終わりまで 
         パラグラフ単位でとばし読み
② 二度目を読むかどうか
  
□価格の分岐点
大出版社
    低価格でベストセラーの道
小出版社 
    少部数でコストが確実な回収
-  分岐点は初版1~2万部 1700~1800円ライン

かけ算 
      定価と部数の関係
  
□出版文化を支えているのは誰か
渡辺美知子『日本の小出版』柘植書店
柘植書房・西村祐竑氏
    統一市場の崩壊
     = 定価は無関係、買う人は買う
2000部を基本に
「出版業」と「出版産業」
少部数の本
      = 作る側と読者の共同作業
  「どれだけ多くの本を読みどれだけ多くの小世界の住民となり、自
   分をどれだけ多くの他世界存在者にしたかによりその人の小宇
   宙の豊かさが決まる」

□良書の世界 
  編集者個々人の心意気で支えられている(大手出版社でも)
<金儲けの世界> と <歴史に残る本づくり> とがある
高価な本と安い本
「その情報を単独購入するために適当な情報提供者と家庭教師
     を雇ったとしたら…」

□円本時代に匹敵する現代
円本
   → 出版資本主義の時代(バブリーな商売)
大正・昭和前期
円本以前の本づくりの手法に(マイクロメディア的商売)
- ポリシーの違い 
       価格・部数・思惑
リスキービジネスとノンリスキービジネス
2000~3000円がライン

□紙の本は電子メディアに勝る
オンデマンド出版
   ~ どんな本でも2000円くらいで作れる
モノとしての所有

□ビジュアルが本の理解を助ける
写真・図版・図表が伝達効率を高める

□書物は万人の大学
  - 生涯書物という大学に通い続けなければ何ごとも学べない



◇立花隆読書から → 読みたい本
ピーター・ヘイニング 
    『図説世界霊界伝承事典』 柏書房
高山文彦
    『霞ヶ関陰の権力者たち』 講談社
町田京鳳
    『エロスの国熊野』 法蔵館
竹内実
    『日本史を海から洗う』 南風社
永沢光雄
    『AV女優』 ビレッジセンター
志村有弘
    『超人役行者小角』 角川書店
吉田敦彦
    『世界の始まりの物語』 大和書房
網野善彦
    『日本中世に何が起きたか』 日本エディタースクール出版部
笹川良一
    『巣鴨日記』 中央公論社
平塚柾
    『日露戦争陸戦写真史』 新人物往来社







☆「今どきの教育を考えるヒント」清水義範 講談社 1999年 ③【再掲載 2016.7】

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◇教育論の原点に立つ
 「大人がちゃんと子供たちに関わらなきゃ教育なんてできっこない」
面倒でもちゃんと子供に関わらなきゃ教育なんてできっこない
   教師は? 
     親は?
     大人は?
   - ◎ 子供はちゃんと関わってやれば必ず反応するものだ


◇校長先生という職業
 「権限少なくストレス多い,校長先生の必要性が分からない」
    教師は本業以外の雑務をやらされすぎている
    → ◎ 校長とは県教委・文部科学省の伝達者?


◇教育,そして日本の危機
「日本人は二世代に渡り着実におかしくなった」
    今の親
     - その親に「不自由はさせない」と育てられてきた
   何でも買ってあげる
         = 経済本位で育てられてきた
   ◎ 欲望は無限である
  ※ 私たちが何かを見失っているのではないか?


◇教育の根本原理
「学校とは知的文化の継承と社会性の伝授がなされる場所である」
   ① 知的文化の継承 と 
   ② 集団のルール

 
◇若者の問いに再び答える
 「個人の利己的暴力が否定される社会だからこそ人殺しは許されない」

 
◇名先生の思いで
「先生に受けいられていると感じた時,子供は変わり,教育はうまく
  いく」


◇褒める教育の勧め
「先生に褒められた喜びが子供の才能を伸ばし成長に結びつく」
  ◎ その子の持っている能力を褒める 
     = 子供を見つめなければ褒めることができない
  × 途中経過(態度や努力)を褒めるのではなく
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第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 22日より  「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 2008年 ④ /「学校教育うらおもて事典」佐藤秀夫 小学館 2000年 ①【再掲載 2016.9】 [読書記録 民俗]

第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 HiD2024


今年もジオラマの甲子園が今週末に浜松で開かれ、
一般公開展示が行われます。
観覧は無料、作品をご覧になり直接投票ができます。
会場はザザシティ浜松 西館1階特設会場です。
ぜひ、足をお運びください。
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今回は、3月12日に続いて、斎藤卓志さんの、
「世間師 宮本常一の仕事」の紹介 4回目です。



出版社の案内には、

「『忘れられた日本人』などで知られる民俗学者・宮本常一の生涯を
追った評伝。日本全国を旅した宮本の仕事を探索するとともに、学者
的でも民俗的でも高踏的でもない、宮本の人間に対するやさしさと温
かさを伝える。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『今日歴史学者は多いが歴史家は極めて少ない』 桑原武夫」


・「宮本のキーワードは『実践者』」


・「あるくみるきくが理念 →『わたしの日本地図』シリーズ」


・「だれにも分かるように書け」
「学者に向かって書くな」
「行かなければ話にならない」


・「『自然は美しい しかし 人の手が加わるとあたたかくなる
そのあたたかなものを求めて 歩いてみよう」宮本常一」



もう一つ、再掲載になりますが、佐藤秀夫さんの
「学校教育うらおもて事典」①を載せます。
本書を読み、初めて知ったことがかなりありました。




☆「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社  2,008年 ④

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◇豊かな国の民俗学
□文化財保護委員会 
  昭和37~
    3カ年計画 緊急調査 30箇所
自分で直接聞いた体験から言葉を紡いでいる

□池沢夏樹『忘れられた日本人』の感想
◎ この人の学問の特徴はまず持って明るいことではないだろうか。
    風通しが良くて,開放的で,明るい 
   = 論文は書かないがメッセージは伝える

□桑原武夫 
  『日本の名著』中公新書 1962
「今日歴史学者は多いが歴史家は極めて少ない」

□宮本の文章は私的なもの
宮本のキーワード 「実践者」
「民俗をやってきたのは人間が生きる尊さ,生きる意味は何かの
    追求でしかないんですよね」
本来の伝説とは
   -「ものを産みだし変えていく力」

□猿回しの復活 
  村崎義正,村崎修二兄弟
人は繋がりの中で生きている,人とつながることが人として生
   きることだ。

□司馬遼太郎 
  「宮本常一 - 同時代の証言」日本観光文化研究所
『21世紀に生きる君たちへ』平成8年



◇滞在地 「東京・府中」
□谷沢明(愛知淑徳大学) 
  「宮本は褒めて育てる人」
  「どうじゃ,おもしろいじゃろか」
「あるくみるきく」
    → 「あるくみるきく」が理念
      『わたしの日本地図』シリーズ

□昭和36年 
  府中市に家 54歳  
    大西伍一(旧友)が図書館長 慶友社

□昭和40(1965)年
  武蔵野美術大学教授

□須藤功 
  民俗学写真家 
  『お祭りさん』昭和38年 
    浜松自衛隊で広報 「まつり同好会」
 「だれにも分かるように書け」
      「学者に向かって書くな」
『昭和のくらし』全十巻 
  『西浦のまつり』 未来社 1970
「行かなければ話にならない」



◇タネを播く
□「その気にさせる」
テレビ番組『日本の詩情』 
     自然は美しい
しかし
人の手が加わるとあたたかくなる
そのあたたかなものを求めて
歩いてみよう         宮本常一







☆「学校教育うらおもて事典」佐藤秀夫 小学館 2000年 ①【再掲載 2016.9】

[出版社の案内]
21世紀・学校の大改革を目前に、学校の慣行『モノ・コト』の成り立
ちをうらからおもてから掘り起こす事典。○×△、内申書、総合的な
学習、日の丸、君が代等39項目について徹底解明。

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◇一条校  
□正規の学校
 = 学校教育法・第一条規定 
文部省所轄
小学校・中学校・高等学校・大学・聾学校・盲学校  
養護学校・高等専門学校・中高一貫校(中等教育学校)

□「正規の学校」観 
専修学校と各種学校は含まれない
各種学校への道を選ぶ
自由学園(羽仁もと子)文化学院(西村伊作) 明治学院
  在日外国人学校には極めて冷たい 国権主義的教育観


◇中学校
  三等区分 
    大中小 
     ~ 明治日本の開発
中学入学
    他の社会的特権性は認められなかった
 

◇大学校  
  大学校
   = 文部省以外の官公庁所管の学校の名称
「大学」の登場
    1886年 森有礼の「諸学校令」
最頂点
   - 帝国大学に
   「校」をつけない
  文部省の縄張りから外れたもの
- 警察大学校,防衛大学校,防衛医科大学校,海上保安大学校
~ 無視できない


◇予備校  
  進学の予備 
   = 自校の専門教育課程への予備課程に他ならなかった
  受験の予備 
    公正な選抜 
     → 入学時の選抜試験の厳密化に収斂
    ヨーロッパのような「二つの国民」の形成回避
    → 受験予備 激烈化
  予備校の成立 
   - 私立大学によるものが多かった


◇父母会(保護者会)
父兄,保護者そして父母
「父兄」の系譜 
    1872年「学制布告書」最初で最後
「父母後見人等」から「学級児童保護者」へ
 1879「教育令」     
       - 父母及後見人等
   1890「第二次小学校令」
       - 学齢児童ヲ保護スベキ者
   1891「文部省令」
  保護の内容
・ 就学させる義務主体
・ 授業料納入
父母
   → 父母及戸主
    → 後見人
     → 後見人及戸主
1900「第三次小学校令」
      - 学齢児童保護者
「父兄会」と「母姉会」
  父兄の存在? 
    親と学校との関係 
     = 特殊日本的事情
親の協力のありよう
制度管理・教育内容
   =「オカミの学校」
維持・運営面 
   =「地域の学校」
教員給与
    ◎ 1940年まで地域負担
 = 親の金銭的・労働的な協力が不可欠
       - 家族財産に権限を持つ「父兄」集団の協力
 よって戸主会・父兄会が深く関わった
     ①ハード担当
         「父兄会」年一回
      ②ソフト担当
         「母姉会」しばしば
◎ 父兄会の母姉会化
1920年~
◎ 名目上は「母姉会」の解消,「父兄会」への吸収だったが,
     実体的には「父兄会」の解体,母姉会への単一化という矛盾
     に満ちた過程であった。
  母姉のみの父兄会は戦前から
◎西日本では「育友会」と呼ばれる
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