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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑩(最終) /「地域住民から福祉・教育関係者等への無理難題要求をどう読み解き対応するか」~イチャモン研究の到達点~  大阪大学教授 小野田正利 2008年 ⑩【再掲載 2015.11】 [読書記録 民俗]

2023年締めくくりの今回は、12月11日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介10回目 最終です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生き
 ている。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よ
 く考えれば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)
 にも、なぜ投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を
 出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、
 自らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「贈与と交換を繰り返せば上下関係が並行になり絆が強化される」


・「上下関係(社会的関係)と厄払い(脱社会的関係)、2つの贈与。脱社
  会的贈与とは、お互いに恥じらいと思いやりを忘れた状態」


・「ケガレとは生命の対極に位置する死、生命力に対する死の力。『ケ
ガレの逆転』があり、埼玉県比企郡幾川村大野村の送神祭など、
  『汚いものが逆に縁起物になる現象』がある。」


・「貨幣には死が宿る。貨幣は死を内在させているものであり、貨幣は
すべてに死をもたらし、すべてを無化する。手切れ金、退職金がそ
れを表している」


・「稲を連想させる黄金色で藁のような筋目 がある大判・小判」


・「身近な生活の中の素朴な疑問から大きな謎が解けていく民俗学の
快感」






もう一つ、再掲載になりますが、小野田正利さんの
「地域住民から福祉・教育関係者等への無理難題要求をどう読み解き対応する
 か」⑩を載せます。

-「教育改革病」とも形容すべき矢継ぎ早で場当たり的な「教育改革案」
 の提示とそれらへの対応の強圧的姿勢も、急速に教職員の志気をそい
 でいます。

-「教師になんか絶対になるんじゃないぞ、と自分の子どもには言い続
 けている」と語る教師が急増し「こんなにも教師という職業が楽しく
 なくなったのはなぜでしょうか」と食って掛かるように私に質問する
 人もいます。


学校が「学びの場」でなくなりつつあるように感じます。
学びの姿勢を身に付けるために多くの無駄な時間を割いている現在の状況。
「チームで、チームで」と言われるようになってから、
教員個の力が低下しているのではないかと、わたしは思っています。
少しでも学校の状況がよくなるようにと来年に期待しています。




☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑩(最終)

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◇賽銭はなぜ投げるのか
1 民俗から見る貨幣
身近な疑問から
儀礼と貨幣
贈与の意味 
① 袋に入れてあげるお金         
        贈与交換による絆の強化
② みんなにまいてあげるバラ銭、コイン  
        領域侵犯に際しての贈与
贈与 
     あげた方が上
       → 返す 
     返した方が上 
       → 違う物を → …

◎ 贈与と交換を繰り返せば上下関係が並行になり絆が強化さ
     れる
贈与と領域侵犯
手土産をもっていくことにより±0
贈与  
      上下関係(社会的関係)
厄払い(脱社会的関係)
贈与と厄払い
脱社会的贈与 
       = お互いに恥じらいと思いやりを忘れた状態
忘我陶酔 
       芸能の状況世界

 
2 貨幣とケガレ
分析概念としてのケガレ
ケガレ  
       不潔、危険、感染性、強力

ケガレとは生命の対極に位置する死
         生命力に対する死の力
ケガレの逆転
埼玉県比企郡幾川村大野村の送神祭
= 汚いものが逆に縁起物になる現象
貨幣はケガレの吸引装置
① ケガレの逆転現象
② ケガレは貨幣に託されている

◎ ケガレを放ち捨てて祓い清めている
賽銭、厄払いのお金をまく

神社は人々のケガレの捨て場
神社はケガレの浄化吸引装置
ケガレから神へ
十字架のキリスト
貨幣には死が宿る
貨幣
      = 死(ケガレ)
  貨幣は死を内在させているもの 
        貨幣はすべてに死をもたらす
  すべてを無化する

◎ 手切れ金、退職金

 
3 貨幣の誕生
死は概念である
王権と貨幣 
     神を祀る者 
      = 時間と空間を解読する者こそが王の原点
神を祀る者
現世と他界の媒介者・境界人

◎ 王が解読する時間と空間のものさしのようなものとして
      つくられたのが貨幣ではないか
貨幣は王権の象徴である 
① 紀元前7世紀 
        リディア王 
        エレクトロン貨幣 
         → ペルシア金貨        
     ② 紀元前17世紀 
        宝貝 → 中国王朝
大判と石高制
日本独自の貨幣は金貨の大判・小判
大判・小判 
       ~ 稲を連想させる黄金色
わらのような筋目
大判金 
       十両 米十石
小判金
       一両 米一石

◇あとがき  
民俗学 
    ① 専門教育 学術研究
② 知識提供「社会還元」
    ※ ①+② 車の両輪
民俗学  
   - 身近な生活の中の素朴な疑問から大きな謎が解けていく民俗
    学の快感





☆「地域住民から福祉・教育関係者等への無理難題要求をどう読み解き対応するか」~イチャモン研究の到達点~  大阪大学教授 小野田正利 2008年 ⑩【再掲載 2015.11】

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(4)体力と体温を奪われる学校

 規制改革会議などの答申文書を見ればよく分かるのですが、政府の進
める「構造改革」のー環として「商品としての教育」があけすけに語ら
れています。


そして、学校などに、バウチャー制度や学校選択制という形で変革を
追っています。


 こういった風潮が喧伝されれば、学校教育は「消費する対象」として
しかみられず、満足できるような教育を「共に作り上げる当事者として
の子ども・保護者」という存在は消し去られていきます。


 このことが、子どもを前にして対等に協力しあう関係ではなく「顧客と
サービス提供者」という間違った関係性意識を生み出すことになります。


 したがって理不尽な要求は、必ずしも公立学校に多いというわけでは
なく、むしろ私立の進学校の方にも相当に厳しい現実があり、保育料を
払う保育園・幼稚園も悲鳴をあげているのです。
  


「教育改革病」とも形容すべき矢継ぎ早で場当たり的な「教育改革案」
の提示とそれらへの対応の強圧的姿勢も、急速に教職員の志気をそいで
います。


 教員評価制度と給与査定への反映は、教師文化の中にあった同僚性を
弱め「自分にさえ降りかかってこなければ」とか「火中の栗を拾うもん
じゃない」という孤立主義的傾向を強めさせ、結局は保護者からの多様
な願い(要求)を受け止める保水力を失いつつあります。
  

「教師になんか絶対になるんじゃないぞ、と自分の子どもには言い続け
ている」と語る教師が急増し「こんなにも教師という職業が楽しくなく
なったのはなぜでしょうか」と食って掛かるように私に質問する人もい
ます。


 複雑化する子ども遠の実態への対応、矢継ぎ旱に降ってくる上からの
「教育改革」への対処、能力を超えた過大な要望の前に苦悩する学校と
いうのが今の日本全体の状況です。


 定年前に「教師を降りる」人は急増し、能力的にも高く真面目な青年
が教職に就くことを忌避する傾向が進んでいることは危機的に思えるの
です。
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竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)⑧ /「図説 ふるさとの歴史シリーズ 浜松浜名湖周辺」上巻 郷土出版社 1992年 ⑤【再掲載 2015.2】 [読書記録 教育]

今回は、12月20日に続いて、かつての月刊『少年育成』誌コラムから、
「竹原泰三さんはこんなことを」⑧を紹介します。



およそ20年前の記事ですが、
この間に問題はさらに深刻になっているように感じます。


もう一つ、再掲載になりますが、
「図説 ふるさとの歴史シリーズ 浜松浜名湖周辺」⑤を載せます。
以前勤務していた学区に「木船廃寺跡」がありました。
校長室前の廊下に、それとなく展示されていた軒丸瓦を思い出します。
新東名高速建設前に発掘されていた篠場瓦窯跡で見つかった瓦が、
その軒丸瓦と同笵聞き、驚いたことを思い出します。




☆「指導力不足教員」はどうなる?」 竹原泰三 ジャーナリスト

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 今年2月、朝日新聞が社説で「指導力不足教員」の問題を取り上げた。

 力不足の教員は担任からはずし、研修を受けさせる。

 こうした制度が文部科学省の指導で、都道府県と政令指定都市の教育
委員会で広がっているという。


 こうした社説が出てきた背景には、文部科学省が去年の暮れに出した
国立学校の教職員に関する調査結果がある。

 セクハラ行為や体罰教員も後を絶たないが、この中では「指導力不足」
の教員が平成14年9月までの半年間に全国で187人、この2年半では
のべ399人にのぼったと指摘している。

 このうち63人が依願退職したという。


 朝日新聞の社説は指導力不足教員の例として「鬱状態で突然、学校を
休んでしまう」「激しく乱暴な言葉遣いで子どもを萎縮させる」をあげ
ていて、こんな教員に子どもを任せられないのは当然だろう、とコメン
トしている。

 しかし、同じ社説の中で続けて「問題は指導力不足として排除するだ
けでなく、どうやって教員の指導力を高めていくかということだ」と主
張している。

 そこには「教員が力不足かどうかを誰がどんな基準で決めるのか」と
いう疑問と反発がうかがえる。

 そして、「支援体制づくりのために提案したいのは地元の専門家の活
用である」「学校と保護者と地元が協力して、教員のカを高めていきた
い」と締めくくっている。

 教員の指導力不足は学校のシステムや社会が悪いのが原因というのだ
ろうか。


 同じような記事は産経新聞がすでに去年の年末に載せている。

 しかし、問題の受けとめ方は朝日新聞とは全く違っている。

 まず、指導力不足の例では「アルコール依存のため授業が満足にで
きない」「生徒にヒステリックに怒ることが多い」「プリントによる自
習が多い」をあげている。


 また、大阪では少し前まで、「雨が降ったら休む」「勤務時間中にパ
チンコ店やスポーツクラブに行く」あきれた教員もいたという。

 記事によると、大阪府教育委員会は、こうした教員はマンツーマンの
研修を受けさせたり、退職を勧めたりしている。


 その結果平成12年度の調査で指導力不足とされた教員は340人、こ
のうち50人が依願退職などで教壇を去ったということで、「他の自治体
も参考にすべき事例である」と書いている。


 産経新聞は、同じ記事の中で、不登校の児童・生徒がフリースクール
などに頼らず、教師が情熱を持って指導した結果、不登校が改善された
例はいくつもある、として、「教師が変わらなければ、子どもたちは変
わらない」と締めくくっている。


 同じ問題でも立場が変われば受け止め方も違ってくる。

 この点は新聞でも同じことだ。

 大切なのは、いろいろな見方があることがわかった上で、自分はどう
思うかである。

「問題教員」はなにも今に始まったことではない。

 しかし、最近になって「指導力不足教員」が大きな問題になり始め
たのは、平成12年度に教育改革国民会議が出した答申や、13年6月に
改正された地方教育行政法などがきっかけで、その後各都道府県の教育
委員会で指導力不足・不適格教員についての実態調査などが行われたり
検討されたりしているという。


 こうした動きは、インターネットで簡単に調べることができる。

 ちなみに「指導力不足教員」をキーワードに検索してみたら1800件
も出てきた。

そこでは各県の動きや、教職員組合の反論などがいくつも見つかる。

中には、「わたしも、長い間、教師をしていたが、失格教師の90%は、
教育委員会や議員の縁故で教師に採用された人物だった」という、教育
評論家の意見も見つかった。


 私は「指導力不足教員」は教師として不適格であり問題教員だと思っ
ているが、刑法に触れるような犯罪ではない。

 それだけに処分などの形で排除することは難しい。

 教職員組合が弁護に回るときはなおさらである。

 最終的には世論の判断に待つしかないのかもしれない。


 それにしても、朝日新聞はなぜ、この時期に「指導力不足教員」の問
題を取り上げたのだろうか。

 考えられるのは、教育基本法の見直し問題である。

 中央教育審議会の最終答申が追っている。

 そこでは「伝統・文化の尊重」「郷土や国を愛する心」などとともに、
教員の使命感や義務なども検討されている。

 基本法の見直しに反対する朝日新聞としては、今のうちにひと言いわ
ずにはいられないところだろうか?







☆「一事が万事」家庭の役割」竹原泰三 ジャーナリスト

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 文部科学省が去年行った学力調査で、社会と算数・数学の学力が低下
していることがわかったという話を前回、書いた。

 この調査では、もうひとつ興味を引いたことがある。

 学校に行く前に朝食をとる、学校に持っていくものを前日か、その日
の朝に確認するなど、基本的な生活習慣が身についている児童生徒が、
ペーパーテストの得点が高い傾向が見られる、というものである。

 朝食をとるとなぜ、成績がよくなるのかなどと考えるようでは話にな
らない。

 なに事もきちんとできる子が、勉強だってできるというのは当たり前
のことだろう。

 まさに生活習慣や心がけの問題である。

 子どもたちにこうした習慣や心がけを身につけさせるのが家庭の大切
な役割だと思うのだが、いかがだろうか。


 ところが、この点についてがっかりするような世論調査の結果がある。

 読売新聞が今の「十代」の子供についてどう思うかを聞いたものだ。

 その結果、「忍耐カがない」「社会常識やマナーが身についていない」
がともに86%、「責任感が弱い」84%、「人の痛みがわからない」77%な
どとなっていて、否定的な答えが多い。

 思わず「そうだろうな」と思ってしまう。

 しかし、問題はつぎだ。
 
 「今の十代の子どもが、自分の親を尊敬していると思うか」と聞いた
ところ、「尊敬していない」「どちらかといえば尊敬していない」が合
わせて56%に達した。「尊敬している」は37%にすぎなかった。


 さらに、子どもたちにとくに悪い影響を与えていると思うものを三つ
まで挙げてもらったところ、「家庭で、きちんとしたしつけが行われて
いない」が56%で最も多く、次いで「親子のコミユニケーションが足
りない」が49%など、家庭教育のあり方など問題視する意見が目立っ
たという。

 これでは子どもたちがまともに育つほうが不思議なくらいである。


 調査結果について読売新聞は、「最近、若い母親ほど、『子どもは子ど
も』『自分は自分』と、″自分探し″に熱中する傾向が強い」という教
育関係者の見方を紹介している。

 しかし、私にはむしろ、「私たちは子どもをしつける自信がありませ
ん」と宣言して、子どものしつけを放棄しているように思われてならな
い。


 「公文」という学習塾がある。

 現在はどうか知らないが、以前は計算力が身につくとして評判だった。
いまから15年くらい前になるが、その公文の社長を取材したことがある。

 知りたいのは、本当に計算力がつくのか、その理由は何か。

 ところが、社長は質問にまともに答えてくれない。
 
 もちろん、いい加減なことを言ってごまかそうというのではない。

 毎回宿題を出して勉強をやらせる。

 計算問題の量をたくさんやらせる。

 そんなことをずっと話している。


 そこでこちらからあえて質問してみた。

 「要は毎日勉強をする習慣をつけることですね」と。

すると社長は「そうだ」という。

「それでは塾に行かなくても、家で勉強をさせればいいじゃないですか」。

 ちょっと塾経営の妨害かな、と思ったが、そこで社長が言ったことが
今でも忘れられない。

「理屈はそうです。でも、子どもに毎日勉強をさせるように、今から親を
教育できますか。無理ですよ」。

 おっしゃるとおりである。

 親がだめで、子どもを塾にやるのは、最近だけのことではない。

 それにしても情けない話ではある。
 
 その結果、どうなったか。


 ロケットの打ち上げ失敗をめぐって損害賠償騒ぎになっているという
新聞記事が今年の1月、2件相次いだ。

 ひとつは去年2月、国産ロケット「H2A」2号機で打ち上げた実験
衛星がロケットから切り離されず、失敗に終わった。

 原因は技術者が設計図を書き写す際に聞違えたため、ロケットから衝
星に「分離」の信号が送られなかったためとわかった。

 もうひとつは去年の7月、オーストラリアから次世代超音速旅客機を
打ち上げた際、ロケットに点火した直後に実験機が脱落、ロケットは墜
落した。

 その原因は、電源を供給する配線がショートしたためだったという。

 いずれの失敗も技術的なものというよりも、「素人がやったような」
初歩的なミスが原因だという。


 ロケットの打ち上げはその国の科学技術の粋を集めて行われるもので、
失敗はつきものである。

 しかし、単純なミスが原因の失敗をなくすためにも、子どものころか
らやるべきことをきちんとこなす習慣をつける必要があるのではないだ
ろうか。








☆「図説 ふるさとの歴史シリーズ 浜松浜名湖周辺」上巻 郷土出版社 1992年 ⑤【再掲載 2015.2】

<白鳳期の瓦窯跡の篠場瓦窯>
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<奈良平安時代-1>
◇古代国家と西遠
  古墳
   = 各地豪族が大和王権傘下の記念物
  7世紀
   大和王権勢力が揺らぐ 
     ← 中央大豪族の勢力が強くなる
王権
   - 中央大豪族の勢力が脅かす
唐の制度 律令・明文法 律令格式により運営
近江令(668)飛鳥浄御原律令(689)大宝律令(701)
律令制  
    ① 公地公民制 班田収受法-条里制
  西遠にも条里制が見られたが消えてしまった
方形地割
        - 坪地名は各地に
② 人民に対する全国一律の賦課
 租(稲)庸調(物産品)
       雑徭(年60日以内 労働奉仕 兵役)
 正倉院 天平12(740)年 「浜名郡輸祖帳」
  伊場遺跡・城山遺跡
    148点の木簡と600点余りの墨書土器
   正倉院 天平12(740)『浜名郡輸祖帳』  


◇郡家と軍団
律令制  
   ③ 行政機構整備
  奈良平安 
        伊場・城山一続きに
   郡家(ぐうけ)?「こおりのみやけ」地方役所 正倉有
      西遠 古代6郡 敷智郡以外ははっきりせず


◇東海道と湖北の道
伊場・城山近く 「栗原」駅
木簡   
   - 荷札付札 ~ 移動可能性
墨書土器
   - 使用場所近く
「延喜式」遠江国 
     猪鼻,栗原,口摩(引摩),横尾,初倉 5駅
駅家 
      ① 公務出張役人のため人や荷を送り届ける
      ② 駅使に給食や宿を提供すること
  弥生
   ~ 古墳の遺跡・遺物
     湖北路に顕著(官道)
橘逸勢 
    842年  伊豆配流途中遠江国板築駅で病のため落命
娘妙仲が近くに墓,庵 逸勢塚と橘神社
          湖北道が東海の官道だったのは短期間  


◇寺院と豪族
浜松市和田町永田 
   - 木船神社 古い布目瓦
昭和29(1954)年区画整理でたくさんの布目瓦
軒先丸瓦 7世後半・県内最古
木船神社の北80Mに薬師堂 80㎝四方 50㎝高の礎石
= 木船廃寺
白鳳期瓦葺きの寺の推定
長田評
   → 702年長田郡 
→ 729年 長田上 → 長上郡,
     長田下 → 長下郡
  長田 
   = 永田 平野部政治文化中心地
 平安時代・蒲氏 
       大蒲町光禅寺大日如来
        - もと蒲氏の氏寺
平安後期 (11世紀)
  山岳寺院 
     - 大知波峠廃寺(平安時代)
 三ヶ日町只木
 幡教廃寺
引佐町奥山  新羅堂 → 真言密教の道場
     四箇所の礎石建物 人為的平坦地  


◇水辺の祭り
遠江国敷智郡の郡家 + 東海道栗原駅 = 伊場遺跡
大溝跡
   - S字状大溝
     河跡 杭列・階段に出土品集中(木製土製模造品)
  木製模造品 
       斎串(ゆぐし),人形,馬形,舟形 絵馬も
     土製模造品 
     陶馬(灰)土馬(素焼き)ミニチュア容器類,丸玉
- 水霊に献じて晴雨・豊作祈願 牛馬の健康祈願 
     木製模造品 
       京都奈良と共通
        - 大祓の行事 
        - 律令制との関連
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「PTA再活用論」川端裕人 中公新書 2008年 /「子どもの本のカレンダー」鳥越信・生駒幸子 創元社 2009年 ⑫【再掲載 2014.12】 [読書記録 教育]

今回は、川端裕人さんの
「PTA再活用論」を紹介します。



出版社の紹介には


「『親』どうし、顔を見て、一緒に仕事をするというのは、すごく健全
なことだ(著者)。大変化を迎えた公教育の一断面をリアルに見すえた
力作。忘れられた『PTA』を蘇らせる処方箋とは。」

 
とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「PTAことはじめ
 - 自由加入が原則 任意加入 自由な入退会」


・「大人の学びとして出発-『両親と教師の会』
           PTAなくして学校給食なし」


・「自分の意志で入会する,これが当たり前
      任意でも100%加入の杉並区」


・「キーワードは『緩さ』と『生涯学習』」   


 




☆「PTA再活用論」川端裕人 中公新書 2008年

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◇PTAことはじめ
自由加入が原則 
  任意加入 
  自由な入退会


◇PTA・この素晴らしきもの
PTAってどんな組織?
縦ではなく横 
     - 保護者と教師が平等に

6つの柱
   ① 学校教育に対する理解と教育
       (参観会・懇談会,学校評議会,学校評価,行事への参加,広報
       活動)
   ② 家庭教育の充実
  (家庭教育と学校との関係,学年・学級・地域などの集会での話し
       合い,研修会・講座等)
   ③ 子どもの校外生活指導
 (PTA子ども会,交通安全教室,地域パトロール,通学路点検,
       親と子の集い 等)
   ④ 地域の教育力の向上
(地域諸団体との共催行事,地域諸行事への参加,健全育成運動へ
       の参加,青少年委員との連携,危険地域の改善 など)
   ⑤ 教育に関する正しい世論作り
(調査研究活動,学校評価,学級・地域などの集会での話し合い,
       広報活動,PTA研修会 など)
   ⑥ 教育環境と改善する要望活動

  キモは横並びの配置 
    役員の立ち位置って?
    忍び込む縦の発想
代表的な専門委員会と運営委員会

基本は学級PTA
必要欠くべからず要素
     ① 学級PTAの運営 
        クラス単位の懇談会懇親会
② パイプ役,学校やPTAに対する意見・提言くみ上げ
        学級PTAは自主的集まり  
PTA広報は風通しを良くする

  王者の今昔 
PTAの「イベント屋」文化厚生委員会
     ちょっと真面目なイベント屋
講座,ワークショップ,給食試食会,ミニコンサート
  親子サッカー教室,親子竹とんぼ設立
子どもの安全という大テーマ(校外委員会)

P連はボトムアップの組織
様々な階層
     - しかし上下関係ではない 
       最も大切なのは都市区レベルの連合体


◇PTA・この悩ましきもの
166日・403時間の現実
 言語化困難 
    頭の中が真っ白な春,走り続ける2学期,
    骨休めもつかの間

役員選びはどんどんきつくなる 
    仲良しグループの顔 
    選挙ではなく推薦
公平と平等を突き詰めると義務になる 
      → ポイント制度
         役員15点 学年8点 委員5点
卒業までに20点以上が目安等

  校長とPTAはどんな関係?   
 「PTAは学校の下請け?」
    「役員は学校の嫁?」
 校長はPTAを恐れている
 「学校の嫁」VS「要望を伝える窓口」  
     先生の笑顔 
      → 生徒のメリット

P連役員は人柱? 
    年間7000時間の負担


◇どんなPTAを目指すのか
PTA史をひもとこう
大人の学びとして出発,
    「両親と教師の会」,
    PTAなくして学校給食なし

廃止論が指摘する欠陥 
    1969年兵庫県教組 
    俗悪番組告発が転換点
日本の教育を支えて

自分の意志で入会する,これが当たり前
任意でも100%加入
     - 杉並区
心も体も痛めつけられて
      自由な入退会は基本

緩やかで自由な求心力を
秋津コミュニティの実践
      共著『パパ権宣言』
         川端裕人・岸裕司・汐見稔幸 2006 大月書店
町づくりのきっかけにまで
◎ キーワードは「緩さ」と「生涯学習」

今,PTAは変わり始めているのか
自由にものが言える風通しの良い雰囲気のPTA
学校を舞台にノリノリで楽しく活動する保護者
秋津コミュニティ 
       自発的な活動,自ら学ぼうとする大人
負担を分散させる工夫

先駆者の話を聞く

カワバタ私案
    義務から機会へ,サークルがPTAを変える

◇和田中学校PTA事件から見えてきたもの
PTAのリストラ
    ① PTA連合脱退 
    ② PTAからTが抜ける 
    ③ 地域本部へ編入
  元会長の危機感
   - 「もっと自由を!」

◇後書きに変えて
今,力を捨てる勇気 
『婦人公論』連載 2007.4~2008.3 







☆「子どもの本のカレンダー」鳥越信・生駒幸子 創元社 2009年 ⑫【再掲載 2014.12】

[出版社の案内]
「自分の誕生日が出てくるお話の本が読みたい」九州のとある公共図
  書館への子どものリクエストに応えて、1年間366日、毎日の日付
  の入った子どもの本を紹介する。
「○○ちゃんのお誕生日の本はどれかな?」
「次はお父さんのお誕生日の本を読んでみようか」
会話が広がり、自然と本好きになる楽しい本。
本書は、1996年にゆまに書房で刊行されたもののリニューアル版。
紹介する本を、現在書店や図書館で入手可能な本に改めた。

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◇12月 
2日 「奇才ヘンリー・シュガーの物語」 
        ロアルダ・ダール 評論社

  9日 「それゆけクッピー」 
        はらみちを 岩崎書店 1992年


11日 「マザー・テレサ」
        シャーロット・グレイ 偕成社 1991年


 16日 「もうすぐクリスマス」 
        ヘップナー 新教出版社 1983年


 20日 「鯨小学校」
        松谷みよ子 偕成社 1986年 民話集


 22日 「エリコの丘から」
        カニグス・バーグ 岩波書店 2002年


 24日 「飛ぶ教室」
        エーリヒ・ケストナー 岩波書店 2003年


 27日 「ソフィーの冒険」 
        ヨースタイン・ゴルデン日本放送出版協会 1995年


 29日 「アメンボ号の冒険」 
        椎名誠 講談社 1999年

◇あとがき
1996年5月「子どもの本のカレンダー」
         ゆまに書房 増補改訂版

 大阪国際児童文学館 
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「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ③ /「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ⑦【再掲載 2015.5】 [読書記録 一般]

今回は、12月24日に続いて橋本治さんの
「橋本治の古事記」の紹介 3回目です。



出版社の紹介には


「読みつがれてきた魅力。あなたのそばに古典を。第一線で活躍する作
 家が手がけた古典現代語訳の決定版シリーズ!日本最古の本『古事記』
 が新しくよみがえる。イザナギ、イザナミの国生み、天の岩屋戸、八
 俣の大蛇因幡の白うさぎ……など、だれもが知っているようで知らな
 い日本神話が、いきいきとした現代語で語られる。」

 
とあります。


神々が生まれた様子が記されていることが分かります。
橋本さんの文章ですから大変楽しく読むことができます。







☆「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ③

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4.黄泉の国
 約束を破り黄泉の国の神殿の扉をそっと開ける
櫛の歯に灯を点し神殿の奥に
イザナミの体に「雷(いかづち)」と呼ばれる黄泉の国の神々

逃げる 
    ① イザナミは泉醜女に後を追わせる
イザナギ 
        黒い蔓草の髪飾りを後ろに投げる
         → ヤマブドウの実
長い櫛の歯を地面に投げる
         → 竹の子
② イザナミは雷に後を追わせる
        - 黄泉の軍勢 
剣を振り回す
桃の実を投げる
          → 逃げ帰る
桃の実に感謝 「オオカムヅミの命」
③ イザナミの命自身が追う
  千引きの岩を動かして黄泉の国と葦原の中つ国との境
       を小さく12

岩を間に問答
「一日に千人が死に,一日に必ず千五百人生まれる」
イザナミの命 
          「黄泉津大神」「道敷の大神」
千引きの岩  
          「道返の大神」「黄泉戸の大神」
黄泉比良坂
         - (伝)出雲の国の伊賦夜坂

5.イザナキの命の禊
 九州の日向  
   橘の小門(おど) 阿波岐の原

イザナキの命の禊ぎ
全てを捨てる 杖,帯,袋,上着,袴,冠,腕輪
↓ → 様々な神々の誕生
水に潜る
◎よくないものが悪神として漂いだした
禍の神
          ヤソマガツヒの神 オオマガツヒの神
◎三柱の神が水から生まれ出る
神々しい神 
           - カムナオビの神
大いなる神 
           - オオナオビの神
その巫女  
           - イズノメ
◎体を揺らす毎に多くの神々が誕生
その多くが海に属する神々
◎両目,鼻を洗う
左目
         - 美しく光り輝く女神 
           アマテラス大御神「天照大御神」             
        右目
         - 聡明清らかな男神  
           ツクヨミの命「月読之命」 

         - 勇猛な力に満ちた男神 
           タケハヤスサノオの命
「建速須佐之男之命」

 アマテラス大御神に首飾り(稲の霊)をイザナ
           キが与える
  イザナキ 
    アマテラス大御神に「あなたは高天原を御支配しなさい」
ツクヨミの命に「あなたは夜の国を御支配しなさい」
タケハヤスサノオの命に「あなたは海原を御支配しなさい」







☆「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ⑦【再掲載 2015.5】

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◇枕草子
主観・客観が入り交じるエッセイの元祖
  「枕草子」成立のきっかけは大量の神束」
   薄幸の中宮定子に捧げる作品 
       尊敬する定子へのオマージュ
宮中をつぶさに観察するルポライター
  父・清原元輔 
    16歳で橘氏長男・則光と結婚 
      長男・則長 → 離婚
→ 藤原実方と愛人
    → 藤原棟世
  中宮定子の墓陵近くに住んだ晩年
  清少納言と中宮定子のすてきな関係
自然への関心が強い清少納言の鋭い感覚
  3タイプ 
     ① 類聚章段 
     ② 随想章段 
     ③ 日記的章段
連想ゲームのように発展する歯切れのよい文章
  自然と人間を観察の対象とする
   清少納言の好きなものと嫌いなもの


◇更級日記
夢と現実の間で揺れ動く女の回想日記
  菅原孝標女 
      9~13歳で上総国で父と 
       → 京に戻る旅から始まる
書名の由来は更級郡の姥捨て山伝説
夢見る少女から信仰の世界に至るまで
  33歳で結婚 受領層の橘俊通 
    51歳で死別 → 日記


<平安後期中古>
貴族 → 武士  
    宮廷文化の裏の権力抗争
創作中心 
    女性 → 男性
中古から中世へ過渡期の文学

 
◇大鏡
藤原氏を通して歴史全体を見ようとした物語
  二人の超老人と若者の問答スタイル
    190歳の大宅世継 180歳の夏山茂樹 30歳の若侍
「大鏡」と「栄花物語」の違い
     人物描写 
       性格の裏表を明快に語る
   その後の歴史物語の先駆的作品
分析的な歴史性と深見のある文学性を併せ持つ作品
    花山天皇を出家させた藤原道兼の策略
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キーワード 読書について56-「消える本、残る本」永江朗 編書房 2001年(1) /『ことばの風景』中西進 角川春樹事務所 1999年 ③【再掲載 2014.10】 [読書記録 一般]

今回は、11月21日に続いて、
「キーワード 読書について」56回目、
「消える本、残る本」の紹介 1回目です。


出版社の案内には、

「極端な新刊偏重に走る出版界。話題となっている本に一斉にむらがり、
 一つのブームが終わるとそれをすべて捨て去り、また次のブームに群
 がる。そしてひっそり消えていく本。しかし、確実に残る本もある。
 いったい生き残る本とはどんな本なのか。消える本に焦点をあてた本。」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「本がたくさん出てよい前提は2つ。『それぞれが違うこと』と『消費
  者にちゃんと伝わりいつでも入手可なこと』」


・「残る本とは、誰かに影響を与えられずにはいられない本、誰かに影響
されて書いた本、常に誰かに参照される本」


・「スポーツでたたえるべきは勝者。敗れ去るものには、その健闘に拍手」


・「褒め書評が多い理由の1つに『誌面がもったいないから,けなすぐ
らいならその本を取り上げない方がいい』」




もう一つ、再掲載になりますが、中西進さんの
「ことばの風景」③を載せます。




☆キーワード 読書について56-「消える本、残る本」永江朗 編書房 2001年(1)
 
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◇消える本残る本
 1979年 出版点数 27177点
1989年 39698点
1999年 66621点 20年間で約2.5倍

□本の贋金化
本はたくさん出た方がいい?
前提 
     ① それぞれが違うこと 
         クローン本が多い
② 消費者にちゃんと伝わりいつでも入手可能
日本の出版 再販制と委託制
洋書 「七掛け 委託6か月 終了時精算 」
↑↓
日本 一度仕入れ代金を払い返品すると返品分の代金バック

出版社
      返品が戻ってくる前に新刊をつくればよい
◎テープレコーダーとパソコンで簡単に作る
(リライター・ゴーストライター)

オンライン書店
「本屋さんには欲しい本がない」

□残る本とは? 
  ① 誰かに影響を与えられずにはいられない本
② 誰かに影響されて書いた本
③ 常に誰かに参照される本

 

◇ベストセラーを解読する
□「天才伝説 横山やすし」小林信彦・文藝春秋
ダウンタウン,ナインティナイン 
     「いじめ芸」
       = 芸になっていない芸
ミスタービーン 
     志村けんのネタ本
自滅型
     横山やすし

□「日本社会の歴史」(上中下)網野善彦・岩波書店
スポーツ
    - たたえるべきは勝者
      敗れ去るものの健闘に拍手

□「血と骨」梁石日 幻冬社 
   憎悪すべき人物 
    - 悪の権化

□「鳥頭紀行ぜんぶ」西原理恵子・朝日新聞社
   責任から逃れない辛口と毒舌

□「理由」宮部みゆき・朝日新聞社  
   完全無欠の幸福な家庭のうさんくささ

□「マガジン青春譜」猪瀬直樹・小学館

□「史実を歩く」吉村昭・文春新書  
   新書
    - 基礎知識

□「節約生活のすすめ」山崎えり子・飛鳥新社
三つのK
    「健康」「環境」「倹約」
= 見栄を棄てる
  
□「消費なき成長」内橋克人・光文社
役人は浪費のすすめ
    - 幼稚な発想
土建屋政治の発想と同様

□「リストラと能力主義」森永卓郎・講談社現代新書
日本型リストラの間違い
① デフレ下のタイミング 
     ② 速すぎるスピード 
     ③ 方向性
④ 能力主義の誤解

◎人事部中間管理職こそリストラを!
現在の規制緩和,リストラの方向は間違っている

□「朗読者」ベルンハルト・シュリンク・新潮社
本を読むことの根元的な喜びに向かって

 

◇書評・インタビュー
□ベストセラーは意図的に作るもの

□褒め書評が多い理由
「誌面がもったいないから,けなすぐらいならその本を取り上げな
   い方がいい」      『ダカーポ』デスク
オンライン書評 
    bk1 書評多く
書評家 
    池澤夏樹,荒川洋治,斎藤美奈子,坪内祐三

□新聞書評はおもしろくなくてよい
  = 高齢化

◇個性派書店
  「クラークケント」(長崎県有川町)
「ブックスステーション飯塚店」(福岡県飯塚市)







☆『ことばの風景』中西進 角川春樹事務所 1999年 ③【再掲載 2014.10】

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◇「いきる」(1)
□いきる
  命ふたつのなかに生きたる桜かな 芭蕉
「いける」→「いかす」
そのものの命を他者が与える
古代人の考え「別のものが命を生かす」
「自分の力で生きる」
    ~ つっぱり
    = 昔は反逆者
  かつての反逆者は,今日から見れば立派に自らの力を尽く
     してきた人たち
明日を夢見ることは,人間生かされて生きることが不満で
     自ら生きようとすることであった。

□中国も見渡す反逆児 - 藤原広嗣
◎あすはついにきのうでしかない
◎歴史とはうずたかく積まれた昨日のことだ
藤原広嗣 奈良時代(天平12年 740年に乱)
  太宰府の次官に 
      → 天平12年 天皇に意見書
  「玄昉・吉備真備が政治を誤らせている」

   4日間 九州一円の兵に動員
   「中央政府が言うことをきかないなら九州王国を独立させて
     みせる」気概
    → △失敗   
        中国に渡ろうとしたが捕らえられる
        夢
        - 九州一円の隼人を率いて九州の王を称する

□性急すぎた改革主義 - 恵美押勝
  天平宝字8(764)年9月恵美押勝の乱
押勝
   = 藤原仲麻呂
   孝謙女帝 ← 橘奈良麻呂クーデター未遂
政界は押勝の意のままに(一族独占)  
  官制を中国風に改めようとした
   「中国風」に燃えた男
   性急に過ぎた 理想主義者
反乱者になったのは孝謙女帝の寵愛が道鏡に移り焦った
  - 奈良麻呂らを拷問で殺した冷酷な押勝が女帝の寵愛の衰え
   故に焦燥し失脚していった人間ドラマ

□流沙のかなた真実求め - 高岳親王
真如(799~865)高岳親王(平城天皇 第三皇子)
「力遊に心有り,管摂に心なし」(空海)
 皇太子からおろされた「薬子の乱」の結果
  822年 四品位を返上して東大寺に 弘法大師門下
「皇子禅師」
  老齢になり四国修行の旅の願いを調停に
→太政官符 VIP待遇
中国への渡航を願い出る
864年 洛陽に着く
        → インドへ
途中死去

□悲願に倒れた才人 - 伴善男
866年3月10日 応天門炎上 不審火
  5ヶ月後
      大宅鷹取が善男が犯人だと訴える
9月22日 伊豆へ配流
   曾祖父 大伴古麻呂 橘奈良麻呂の乱に連座 拷問死    
    父 大伴国道 佐渡配流 20年間流人
→ のち恩赦 参議に
大伴善男 大納言に(大伴氏として133年ぶり)
   大伴善男 小男 態度でかく身勝手ずるい奴
   秀才 ~ 冷静 合理主義者
賢さは両刃の剣
長上のものに迎合 
     → 皆の反発
応天門は別名大伴門  
    真犯人は藤原氏か源信?
有罪の根拠 
      取り調べの中で善男が偽証したから放火も善男の仕業
     だと決めつける
→ 大伴氏・紀氏の13人が配流
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「井沢式日本史入門 (1) 和とケガレ」井沢元彦 徳間書店 2009年 ②(後) /「異次元緩和の先にあるとてつもない日本」上念司 徳間書店 2013年【再掲載 2015.2】 [読書記録 歴史]

今回は、12月22日に続いて井沢元彦さんの
「井沢式日本史入門① 和とケガレ」の紹介 2回目(後)です。



出版社の紹介には


「『私は専門の歴史学者ではありません。であるけれども私は、なまじ
 の学者より日本史のことがよっぽどよくわかっていると自負してい
 ます』。教科書に載らない日本史の『ホントのトコロ』を井沢史観
 でズバリ解説。隔月刊行シリーズ第一段は、日本固有の精神『和』
 『ケガレ』をテーマに、唯一無二の新解釈で飛鳥時代から江戸時代
 を再構築する。」

 
とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「太子の『和』に基づく談合主義。記者クラブも稟議書も」


・「西洋は神との個人契約で個人主義,日本は和の集団主義」


・「出雲大社が象徴する『和の精神』。『雲太和二京三』の意味するもの
は、第一が和の精神、第二が仏教、大さんが天皇」


・「日本史の根底に流れる「話し合い教」を見逃すな」


・「武士の誕生もまた,『ケガレ仕事の外注』」




もう一つ、再掲載になりますが、
「異次元緩和の先にあるとてつもない日本」を載せます。
10年の時が、見立ての正誤をあきらかにしてくれているようです。
「とてつもない」日本、そうだなあとわたしは思います。




☆「井沢式日本史入門 (1) 和とケガレ」井沢元彦 徳間書店 2009年 ②(後)

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◇日本人が知らない日本固有の信仰 -それが「和」-
  日本人が宗教音痴な理由 

聖徳太子は仏教より「和」を重視している
太子 「世間虚仮」 
    この世は幻
     - 彼岸主義

  話し合いで決まったことは絶対にうまくいく?
「和に基づく談合主義」 
       記者クラブも 
       稟議書も

  西洋は神との個人契約で個人主義,日本は和の集団主義

 「和」という調整法は八百万の神々の国だからこそ

  神話切り捨ては大間違い 
    日本書紀
     - 天武天皇の命令
         編集責任は息子の舎人親王

 「国譲り神話」の根底にあるもの,それはやはり「和」
大国主
     ~ 日本に最初からいた先住民族の王様
話し合いで正当に譲られた


◇歴史から失われた真実
敗者大国主の「出雲神社」が一番大きかったという事実
口遊  
   「雲大和和二京三」出雲大社,東大寺大仏殿,大極殿

  出雲大社は「日本の特異性」を体現している

  太子の憲法十七条は「和の宗教」を高らかに歌い上げるもの
    = 協調性の大切さ  

  日本史の根底に流れる「話し合い教」を見逃すな
  
  出雲大社が象徴しているものは明らかに「和の精神」だ 
「雲太和二京三」
      → 第一が和の精神,第二が仏教,大さんが天皇
  
  日本の歴史教科書は前後のつながりが抜け落ちている 

  官僚が大臣の命令に従わない理由

  徳川家に見る「話し合い文化」 
    ボトムアップ型システム(五人の老中の合議制)

  あまりに日本的な「談合」と「天下り」


◇武士と差別の根源 日本人が最も忌み嫌う「ケガレ」とは何か
  差別の原因は宗教にある 

割り箸と湯飲み茶碗から日本人の特異性が透けて見える
    ケガレ
     - 数値では確立できない

 「ケガレ」を流せるのは「ミソギ」だけ

  死にかかわるものはすべて「ケガレ」になった
  
  日本人の中にある差別意識 
    それは「死のケガレ」から来る
  
  武士の誕生もまた,「ケガレ仕事の外注」 


◇言霊の魔力
日本史は怨霊信仰を置き去りにした

日本史は言霊信仰を置き去りにした






☆「異次元緩和の先にあるとてつもない日本」上念司 徳間書店 2013年【再掲載 2015.2】

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◇超金融緩和で激変し始めた日本の経済
 1年間で実質金利は2.7%も下がっている
  反アベノミクス論者たちのうろたえぶり
3本の矢 
     ① インフレ率2%まで上昇
     ② 財政政策   国土強靱化
     ③ エネルギー  先端医療 女性活用
安定・成長・再分配
  デフレとはお金に対する需要が増えること
  「目標の独立性」をミスリードした○○


◇脱デフレで消える企業
  ブラック企業
   ① 低賃金
   ② 長労働
   ③ 高離職率
  安さを追求するビジネスモデルの終焉
  人手不足という現実
  公務員人気はあと数年で下火になる
  デフレ
     = 競争しなくてもいい世の中
  イノベーション促進のために政府は何をすべきか
  中小企業のアグレッシブな投資


◇被正規雇用の黄金時代がやってくる
  これから労働市場は人手不足になる
  ブラック企業は人手不足で行き詰まる
  最初に恩恵を受けるのは被正規雇用・パート・アルバイト

◇バブル再来とその崩壊の行方
  アメリカの尻ぬぐいをして起きた前回のバブル


◇日銀マネーが世界を変える
  円安で韓国の衰退が始まった  
    韓国のイチャモンは懐具合
 ほとんどの大手銀行が外資系となった韓国金融
  韓国は通貨危機の可能性が高まっている
  世界中が支那にそっぽを向き始めた 
    間もなく自滅 
    379兆円の不正資金流出
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「愚者が訊く」倉本聰・林原博光 双葉社 2014年 ⑥(最終) /「学力づくりで子どもが変わる」久保齋 子どもの未来社 2002年 ③【再掲載 2014.11】 [読書記録 一般]

今回は、12月15日に続いて倉本聰さん、林原博光さんの
「愚者が訊く」の紹介6回目 最終です。



出版社の紹介には


「豊かな自然の中で環境教育活動を行なっている脚本家・倉本聰が、自
 然のあり方、ヒトの行く末、日本の未来について、一流の専門家たち
 に恥も外聞も捨て、愚者として初歩的な質問をどんどん問いかける対
 談集。『誇りを捨てなかったら得られなかった』- 珠玉の知識に溢れ
 た一冊。 対談相手は池上彰氏、ベストセラー『原発のウソ』の京大
 助教・小出裕章氏、地球惑星科学者で東大名誉教授・松井孝典氏など
 7人。」

 
とあります。


山下惣一さんは昨年亡くなられましたが、
著書から農業の課題についてたくさんのことを教わりました。


日本の土台を支えていた「小農」が年々少なくなっています。
わたしが少し畑に出ていると「若いのに頑張るね」と言われます。
還暦を過ぎているのに…。また、「お金にならんのに」とも。
外国人が耕す畑が多くなりました。
20年前には思いもしなかったことです。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「農水省は構造改革を進めたいから借金しないで地道にやっている小
さい農家をどんどんつぶしたがっているとしか思えんのですよ」


・「今の畜産なんか見ていると、なんか昔の女郎さんと一緒ですよね。
  先に借金させられて、その借金返すために一生懸命働いてそのま
  ま生涯を終えるという…」


・「そんなこと知るかって百姓が言やあいいんだよ。別に日本の農業
  のためにやっているんじゃないんだから。そう言うようにならん
  と百姓は強くならんですよ。」


・「日本にスラムがないのは小農を土台にしている国だから」



もう一つ、再掲載になりますが、久保齋さんの
「学力づくりで子供が変わる」③を載せます。




☆「愚者が訊く」倉本聰・林原博光 双葉社 2014年 ⑥(最終)

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◇段々畑に染みこんだ農業の真実 
□農民作家・山下惣一 1936佐賀県唐津市生
  佐賀県唐津市 

  なんだ坂こんな坂唐津坂
  くみ取り
      - 網元の便所  肥桶10たる


  ライトバン登場
  浅丘ルリ子にショック
     - 都市型工業型社会の美女


  複合農業から単作型へ
  大規模農業は引き返すことも路線変更もできないから倒れるま
   で進むしかないというのが宿命

「農水省は構造改革を進めたいから借金しないで地道にやっている
   小さい農家をどんどんつぶしたがっているとしか思えんのですよ」

  「実家が幸せになっちゃ困るんですよ、あの人たちは」

  「今の畜産なんか見ていると、なんか昔の女郎さんと一緒ですよね。
   先に借金させられて、その借金返すために一生懸命働いてそのま
   ま生涯を終えるという…」


  後継者問題
「そんなこと知るかって百姓が言やあいいんだよ。別に日本の農業
   のためにやっているんじゃないんだから。そう言うようにならん
   と百姓は強くならんですよ。」

「じゃあいいよ。自分の食う分だけ作ったらやめるよの話じゃないか」

  「命は自然からしか生まれない」

  「満腹の子に躾はできない」

   ◎安藤昌益 直耕      


  高齢化問題
  80が限度
「俺たちの強さはね、小規模で少量生産で自分の食う分をしっかり
   押さえていると言いうことの強さがある」


国を支える農の業
農業 = 生命維持産業
   ロシア「クーチャ」 600平米 モスクワ市民の70% 


農村という国の防衛線
共同体
    ~ 水  
         協力するしかない
         お前も頑張らないと俺も頑張れない

  「日本にスラムがないのは小農を土台にしている国だから」        







☆「学力づくりで子どもが変わる」久保齋 子どもの未来社 2002年 ③【再掲載 2014.11】

[出版社の案内]
どんな教育方法にも、子どもをスポイルする危険性がある。心地よさの
なかで子どもたちに学習能力をつけていくためにどうしたらいいのか、
教育観・子ども観を見直し、これからの授業づくりを探る。

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◇<読む>読解力にかける
読解力を付ければ学力回復ができる

読解力は最も大切な学習能力

  どうすれば読解力を高められるか 
  小学校では…
    「文から情報を得,自分の思いを文で表すことができる子に育
     てること」

  授業で…
  ① 音読 
    ② 文字語による発問 
        板書・ノートに 
    ③ 文字言語による問答
  ④ 回答への受容的態度 
    ⑤ 意見交流の保障 
    ⑥ 教育的変容の奨励
⑦ 正しい回答提示とその説明 
    ⑧ 学んだことの文章化(5分間 父母に話すつもりで)

  説明文の授業で読解力を付ける

  算数と同様国語の答えも一つ

  発問
    学習する範囲の設問を用意し,板書する。設問は簡単なものか
   ら難しいものまで用意し,全体としてその日の課題がこなせるよ
   うにする。
    板書問題はそれぞれのノートに書き写させる。

  読解
    答えの書かれている文を見付けさせ,線を引かせ問答する。

  交流
    隣と答え合わせをさせ正しい理由を発表できるように準備させ,
   発表させ,交流させる。
    × ワークシート主体  
◎ 子どもの発言に対してははっきりコメント  
    
  「行間を読む」より「行を読む」
  
  授業での教師の過ち 
    ① 教師が文に則さず教材を説明する過ち  
② 単純化への迎合の過ち
    ③ 教材研究の浅さ,教師の読みの浅さの過ち 
    
  問い直しの力を付ける  
    読解力の低い子は問い直しの方法を知らない
     → 問い直しを自分でできるようにする
       
  発問の板書       
   発問を文字言語で固定すると子どもたちの答えはその文字言語に
  対する内容のものに限定される。その答えを見れば,つまずき傾向,
  問題点,発問の問題点や曖昧さが分かる。 

   ◎  教師が発問を板書し固定すること 

  読解力を高める日常的な取り組み
  質より量が必要なこともある 
    読書は学習ではなく一生誇れる趣味だ
    「いつでもどこでも読書」
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「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ② /「子どもを英語嫌いにしない11の法則」安河内哲也 学研新書 2010年 ③【再掲載 2015.7】 [読書記録 一般]

今回は、橋本治さんの
「橋本治の古事記」の紹介 2回目です。



出版社の紹介には


「読みつがれてきた魅力。あなたのそばに古典を。第一線で活躍する作
 家が手がけた古典現代語訳の決定版シリーズ!日本最古の本『古事記』
 が新しくよみがえる。イザナギ、イザナミの国生み、天の岩屋戸、八
 俣の大蛇因幡の白うさぎ……など、だれもが知っているようで知らな
 い日本神話が、いきいきとした現代語で語られる。」

 
とあります。


次々と神の誕生した様子が記されています。
読んでまとめた当時は、割合はっきりとしていたのですが、
時間が経った今、要約から記憶を再生するのが難しくなっています。


もう一つ、再掲載になりますが、安河内哲也さんの
「子供を英語嫌いにしない11の法則」③を載せます。    



☆「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ②

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2.イザナギの命とイザナミの命
□「神代七代」(かみよななよ)
 イザナギ,イザナミの命の2柱
  神々が相談し,頼りなく漂っているばかりの国土をしっかり
    と確かなものにする役目を与えた。天の沼矛(ぬぼこ)を授けて
    命令

天の浮き橋の上に立ち天の沼矛の先をおろした

  最初の島  
    オノゴロ島  二神降りて「天の御柱」を立てた

    社を建てる
男女の交わり
→ 失敗1 手足のない水蛭子(ヒルコ)
            → 海に流した
失敗2 形も定かでない淡島 <声のかけ方の違い>
男から先に声
 → ① 淡路島 
               ② 四国 
               ③ 隠岐の島
               ④ 九州
               ⑤ 壱岐の島
 ⑥ 対馬 
               ⑦ 佐渡島
               ⑧ 大倭豊秋津島(本州)

大小8つの島々から
     ~「大八島国」 おおやしまぐに
  その後6つの小さな島々
① 吉備の小島
          ② 小豆島
          ③ 大島
          ④ 姫島 
          ⑤ 五島列島
⑥ 双子島

    日本の国土を生み終えると神々を生んだ
初 オオコトオシオの神 男性「大事忍男」
「これから大きな事を頑張って始めるぞ」
次 イワツチビコの神 男性 家の土台を作る石の神
イワスヒメの神 女性 家の土台を作る土の神
そして4柱 門の神・屋根の神 強い男性神
大きな建物の神・風に耐える住居の神
                      <家の神々>
オオワタツミの神 「偉大なる海」<海の神>
男女一対の港の神
河方面 男性 ハヤアキツヒコの神 <水の神>
海方面 女性 ハヤアキツヒメの神
<風の神><木の神><山の神><野の神>
オオヤマツミ(男) カヤノヒメの神(女)
<土地の神><霧の神><谷間の神><人を迷わせる神>
<船の神> <食物の神>
トリノイワクスフネの神 オオケツヒメの神(女)
「天の鳥船」

大なる食物の女神が生まれた後大事件が…
◎ <火の神>をお産みになったイザナミの命が大やけど


3.イザナミの命の死
□火の神出産大惨事 
   口からげろ → 鉱山の男神と女神
大便    → 粘土の男神と女神
小便    → 噴き出す水の女神
ワクムスヒの神「和久産巣日」
   若々しい生命力の神
ワクムスヒの神の子
- トヨウケヒメの神 稲の神

しかし,イザナミが死す
イザナキは泣いて涙  
     涙からナキサワメの神 泣沢(奈良)
泣きながら出雲・伯耆間の比婆山に葬る

剣を抜く「アメノオハハリ」-火の神の首をはねる
その血から 鋭さ強さを表す神々
岩  イワサクの神,ネサクの神,イワリツノオの神
別の岩(つばから)威力の激しさ,恐ろしさを表す神々
ミカハヤヒの神,ハヒヤヒの神,タケミカヅチの神 ↓
 火の神の血から生まれた神々の社は各地に
  イザナキの命の剣の力によって生まれた神々

イザナキ  
       イザナミのいる黄泉の国を訪ねる
火の神の体から8種類の山の神






☆「子どもを英語嫌いにしない11の法則」安河内哲也 学研新書 2010年 ③【再掲載 2015.7】

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◇法則7 学校を賢く利用する
学校の授業はきちんと 
    先生の悪口はノー
   
  教科書の英文は暗唱する 
    教科書の英文を繰り返し音読し全部暗唱してしまう
    暗唱 → 暗写 

  教科書ガイドやドリルで足りない部分を補う 
    必要 
     - 教科書ガイド  教科書ドリル

  中1最初の難関は「三単現のS」と「進行形」
   
  次の難所は「不定詞の用法」

  学校の授業を三ヶ月分先取りする

  余力があったら市販ドリルも 
    文法「フォレスト」

  高校の授業は文法が不足

  理想的な中高一貫教科書 
   「プログレス」

  
◇法則8 4技能のバランスを実践する
バランスが悪い日本人の英語
  英語の4技能 
      ①読む ②聞く ③書く ④話す
※ 4つをバランスよく

 「読む、聞く、書く、話す」をまとめて練習 
     教科書 + CD

  学校のタイプを見極めて家族でバランシング 
    音読重視

  塾を利用してバランシング

 <英語学習成功の法則> 
    4技能の学習バランスを整えて練習すれば、英語力は速やかに
   上達する。


◇法則9 文法で学習効率を大幅アップ
  文法は時間短縮の素晴らしいツール

  安河内
   「第2外国を学ぶなら文法を学ぶことは不可欠」
    文法は時間短縮ツール

  文法学習では、「自然な表現」にこだわりすぎない 
    分かりやすい例文はO.K

  基本的な文法をしっかり身につけさせる 
    親がバランシングを

 <英語学習成功の法則> 
    英語力を早く伸ばしたいなら文法の勉強は不可欠である。
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「中世の東海道をゆく」榎原雅治 中央公論新社 2008年 / 読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」⑫-『安岡章太郎15の対話』安岡章太郎 新潮社 1997年より「井上洋治・遠藤周作との対話」【再掲載 2014.7】 [読書記録 歴史]

今回は、榎原雅治さんの
「中世の東海道をゆく」を紹介します。



出版社の紹介には


「弘安3年(1280)11月、ひとりの貴族が馬に乗り、わずかな随伴者
 とともに東海道を京から鎌倉へと向かっていた-。中世の旅路は潮
 の干潮など自然条件に大きく左右され、また、木曾三川の流路や遠
 州平野に広がる湖沼など東海道沿道の景色も現在とかなり異なって
 いた。本書は鎌倉時代の紀行文を題材に、再伸の発掘調査の成果な
 どを取り入れ、中世の旅人の眼に映った景色やそこに住む人々の営
 みを再現するものである。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「明応の大地震は明応7(1498)年8月25日辰の時(午前7~9時)に発
生した。御前崎で発生し本州中部が揺れた。大波で海辺2,30町の
  民家がことごとく流された。M8.2~8.4。」


・「明応の地震で、竜川右岸の地は裂け3~5尺の波が来て、山は割れ、
崩れた。ほどなく大波が天をついて襲ってきた。幾万人か知らず流
された。」


・「浜名湖は淡水湖だったか?鎌倉時代にすでに汽水湖となっていた。
浜名湖淡水説の誕生、汽水化説は江戸時代中期より」


・「天竜川は天中川か天竜川か?『続日本紀』には、麁玉河、広瀬河、
天ちうといふ河、天中川」





もう一つ、再掲載になりますが、
「遠藤周作さんはこんなことを」⑫を載せます。
短いメモです。




☆「中世の東海道をゆく」榎原雅治 中央公論新社 2008年

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◇湖畔にて-橋本
□浜名の風景 
浜名へ 
   明応の大地震 
     明応7(1498)年8月25日辰の時(午前7~9時)
御前崎で発生 → 本州中部
大波で海辺2,30町の民家がことごとく流された
M8.2~8.4

   天竜川右岸 
     地は裂け3~5尺の波,山は割れ崩れた
ほどなく大波が天をついて襲ってきた
幾万人か知らず流される
「円通松堂禅師語録」
大きな引き潮現象
      - 伊勢大被害


 浜名湖の変容
明応地震以後 
    「橋本宿」の名は消える
→ 近世「新居関」宿も
しかし,風光明媚の地、橋本宿は壊滅

  今切 2説 
     ① 地震直後の津波により出現
② 地震で浜名湖全体の沈降 → 海水流入
翌6月10日台風による高潮により今切出現

浜名湖変化
     ① 遠州灘と浜名湖はつながっていなかった
② 浜名川 
         以前は遠州灘に向かい西に流れていた
③ 地震により1m沈降
         満潮時には海水が逆上する汽水湖に     |
◎ 3㎞以上隔たったところに

古代・中世資料の描く浜名湖
地震以前 
       … 橋が架けられていた「浜名の橋」
長さ170m 広さ4m 高さ4.8m
9世紀前半にはすでに架けられていた
明治初期まで橋本村有り 
        現在も新居町浜名の内に
※ 入江があったかなかったか

橋本の形 
     P92 図3-2


 浜名湖は沈降したか
浜名湖は淡水湖だったか 
     - 鎌倉時代にすでに汽水湖
浜名湖淡水説の誕生 
     汽水化説は江戸時代中期より
沈降説の誕生と進化 
     地震学者 都司嘉宣氏 1980年



◇平野の風景 遠州平野
遠州の内海
野津には津あり
      「曳馬」は明治になって命名された新地名
中世の引間の位置はまだ特定されていない

    内陸水面,今之浦  
      都市・見付 裸祭り


 天竜川
天中川か天竜川か
『続日本紀』
       麁玉河 715年 
     → 広瀬河 853年
→ 天ちうといふ河 11世紀後半 
天中川     1223年
◎ 鎌倉時代 「テンデューガワ」か?





☆読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」⑫-『安岡章太郎15の対話』安岡章太郎 新潮社 1997年より「井上洋治・遠藤周作との対話」【再掲載 2014.7】 

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・口語訳聖書のなじみがたさ

・明治になってからも隠れキリシタンが捕まった
浦上村全村の人間を捕まえて日本各地へ
→ 津和野・金沢・高知

・日本のキリスト教徒 100万人                           
(60万人がプロテスタント 40万人がカトリック)


・隠れキリシタンと留学生
   プロテスタント 
     - マリアを拝まない
カトリック   
     - マリアを拝む エファソの公会議

・隠れキリシタンは元々転び者
   転ばなかったら死んでいる

・水と禊ぎ
   水に対するイメージと宗教とは密接な関係

・プロセスの時代
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「井沢式日本史入門(1)和とケガレ」井沢元彦 徳間書店 2009年 ①(前) /「大きな学力」寺内義和 労働旬報社 1997年 ③【再掲載 2015.8】 [読書記録 歴史]

今回は、井沢元彦さんの
「井沢式日本史入門(1)和とケガレ」の紹介 1回目(前)です。



出版社の紹介には


「『私は専門の歴史学者ではありません。であるけれども私は、なまじ
 の学者より日本史のことがよっぽどよくわかっていると自負してい
 ます』。教科書に載らない日本史の『ホントのトコロ』を井沢史観
 でズバリ解説。隔月刊行シリーズ第一段は、日本固有の精神『和』
 『ケガレ』をテーマに、唯一無二の新解釈で飛鳥時代から江戸時代
 を再構築する。」

 
とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「『憲法17条』が談合と護送船団方式の生みの親
物事は何でも話し合いで決めなさいから協調性の国へ」


・「信長は宗教戦争や宗教テロを起こす人間,起こすぞといった人間も
  含めてみんな殺した。しかし本願寺が『もう戦争行為はしません』
と誓ったとき,一転して信仰の自由を決めている。信長・秀吉以
降,お寺はすべて非武装地帯となった」


・「『宗教は人間の基本的行動を決定する』という世界標準」




もう一つ、再掲載になりますが、寺内義和さんの
「大きな学力」③を載せます。
本当の学力とは何か、読んだ当時考えさせられたことを思い出します。





☆「井沢式日本史入門(1)和とケガレ」井沢元彦 徳間書店 2009年 ①(前)

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◇既存の歴史学が本末転倒であると断じる理由
  「憲法17条」が談合と護送船団方式の生みの親
物事は何でも話し合いで決めなさい
     → 協調性の国

  信長が宗教テロを根絶してくれた?

  日本における宗教テロの代表「天文法華の乱」
    日蓮宗
     - 教徒の寺すべて焼き討ち
  
  日本でも「敵対する宗派は皆殺し」が当たり前の戦国時代 

  日蓮宗は本願寺を焼き討ち
   → 山科本願寺
     石山本願寺(現在の大阪城の場所) 
       二度と焼き討ちにあわないように 

  日本人は今でも信長が残した歴史的恩恵の中にいる
  信長は宗教戦争や宗教テロを起こす人間,起こすぞといった人
   間も含めてみんな殺した。しかし本願寺が「もう戦争行為はしま
   せん」と誓ったとき,一転して信仰の自由を決めている。
→ 信長・秀吉以降,お寺はすべて非武装地帯


◇世界史との比較では日本史の「特異性」が見えてこない
名前があるかないかで「考古学」と「歴史学」が分かれる
     名前が分からない物や人 
      → 考古学 

  「文字」が生まれて初めて「文明」が生まれる
猿 - 火や道具 → 猿人 -体ごつく脳小
    → 原人 → 現世人類(クロマニョン人)
    5千年前 
      ① エジプト 
      ② インダス 
      ③ メソポタミア 
      ④ 黄河 
      文字がない
  
  記録メディアの進化 
中国文明 - 紙の発明 
     エジプトのパピロス 
      メソポタミアの粘土板 
      インドの石文

  口伝から記録へ 

  四大文明がすべて大河のほとりにある理由
    - 精神文化を代表するのは宗教
技術的文化 と 精神文化


◇文明の個性が宗教に集約される
  最初宗教はすべて多神教だった 

「一神教誕生」こうしてユダヤ人は世界を変えた
  創造主 - 排他的 - 独善的  
     ユダヤ ~ エホバ
モーセ 「エクソダス」エジプトからの大脱出→
          プロンストランド(イスラエル)
         十戒

  待望のメシア「イエス」を殺したユダヤ人
  イスラエル王国のソロモン王 DC10世紀 ローマの植民地に
→ 独立への期待 
       英傑の出現を期待 = メシア

ユダヤ人の怒り 
      死刑にしろ ピラト助命を蹴ろうとす
映画「ザ・パッション」

  ユダヤ人迫害の原点に立ち返る
イエス死後  
      古代イスラエル王国は過酷な運命 - ちりぢりに
ユダヤ人   
      キリストを磔にした責めを負うべき

いい飯,いい服 迫害  ユダヤ人居住区「ゲットー」
ナチスドイツ 「ホロコースト」

  ホロコーストとユダヤ人の国「イスラエル」再建
「シオンの丘」の名を取り「シオニズム」建国運動 
      19世紀後半

  キリスト教が一神教である根拠 
   「三位一体の神学とは何か」
エホバ = カトリック・精霊の三位一体説「トリンティ」
神父-カトリック     牧師-プロテスタント
法王 たくさんの宗派

  ユダヤ教は不十分,キリスト教はニセモノ
    - そして仏教が誕生した
マホメット 
      「わたしは本当の神の言葉を聞いた」 アッラー
  
  ユダヤVSキリストVSイスラム 
    嘘つきはどれだ  
    妥協点がない 

  キリスト教徒イスラム教の対立の裏には「石油」がある
かつては棲み分け  
      イスラム-砂浜 キリスト-森林
  
  日本にもあった 一神教と同じ構想の図式

  「宗教は人間の基本的行動を決定する」という世界標準








☆「大きな学力」寺内義和 労働旬報社 1997年 ③【再掲載 2015.8】
 
[出版社の案内]
70年代に私学運動に登場して以来、戦略家、組織者として恐れられ、
全国に影響を与え続けた著者が、波風体験がうみだす人間力を豊富な
事例で解き明かす。偏差値教育をのりこえる21世紀への羅針盤。

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◇「大きな学力」の基本的な力

1 目標をつくり,それを追求する力
   - 目標はどこから生まれるか
① 目標とは要求を自覚し組織すること
② 鋭い危機感,ハングリー精神が目標を高める
  謙虚さとむさぼるような吸引力
軽蔑
       … 何でも知ったかぶりをして自己満足,自己完結して
        いる人間を見ると,うんざりし,いらだつことがある
  ③ 達成体験,感動体験が確信を与える
  次なる挑戦に向かわせる
④ 触発が行動を喚起し参加を広げる
  「要求」「現状認識(鋭い危機感)
     「達成・感動体験」「触発」
  

2 生きて働く知識,技術,体力,感性
    - 要求,関心,生活体験に裏付けられたもの
・ 生きて働く知識(身に付く)
・ 「もっと学びたい」と探求心を起こさせる知識
・ 活用される知識

   ◎結局は,自分の要求や興味・関心・生活体験と切り結んだ知識
  

3 関係を広げ,深める力
   - 共感力,総評価,聞く力,表現力,行動力
  ① 要求の一致が土台
② 説得は「魂」と「関係」でするもの
  「働きかける」能力
③ 聞く力について
  「説き,教え,感化する教師」
      → 「認め,寄り添い,引き出す教師」
  ④ 究極は共鳴能力と総評価の人間観
⑤ 「対立者」が「共鳴者」に変わるとき
 


◇「大きな学力」はどこからつくか
1 波風の立つ体験  
    絶望・感動・達成感・発見・出会い

2 主体的体験  
    参画と挑戦
絶望・辛さ・苦しさ 
      → 転化 → 感動・喜び・達成感
 


◇波風の立つ体験
1 「お年寄りを大切にせよ」

2 「絶望体験がつくる人間力」
生きる目標の喪失・挫折
     「生きがい」
関係の断絶        
     「関係」
    キューブラー・ロス 
      「波風のたくさん立つ,満たされた瞬間の多い人生を送り
       ますように」
      
  ※ 人間の幸・不幸は置かれた状態で決まるわけではない。その中
   で,自分の個性や力を精一杯発揮し,さらに,自分の中にある新
   しい力を発見していく。そこに感動が生まれる。それが幸せの大
   きな要素である。 
   
3 「感動体験がつくる人間力」
今学校は子供たちにどれだけ感動体験を与えているか
「私たちが目指すのは,一人一人が求められる学校,若さと魅力
    を十分発揮できる学校,かけがえのない仲間ができる学校,そ
    して夢と感動のある学校」
   
4 「出会い」がつくる人間力
 


◇絶望から希望へ
「罪と罰」   ドストエフスキー
「個人的体験」 大江健三郎 - 異質との共生
「イエスの生涯・キリストの誕生」 遠藤周作

  ◎ 民衆から普遍的な信仰を集めた人は皆深い人間愛を持ち,人の
   弱さを糾弾するのではなく,むしろ,人の不可解さに共感してい
   るのではないか。
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「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ① / 東井義雄さんの言葉 24-「喜びの種をまこう―誰でもできる無財の七施」東井義雄 柏樹社 1990年 ③【再掲載 2014.7】 [読書記録 一般]

今回は、橋本治さんの
「橋本治の古事記」の紹介 1回目(前)です。



出版社の紹介には


「読みつがれてきた魅力。あなたのそばに古典を。第一線で活躍する作
 家が手がけた古典現代語訳の決定版シリーズ!日本最古の本『古事記』
 が新しくよみがえる。イザナギ、イザナミの国生み、天の岩屋戸、八
 俣の大蛇因幡の白うさぎ……など、だれもが知っているようで知らな
 い日本神話が、いきいきとした現代語で語られる。」

 
とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「この世はイザナギ,イザナミの二柱から誕生。アマテラス大御神が
  大和の朝廷を守護する神孫のニニギの命が天皇家の先祖」


・「『各種の言い伝えを全て暗誦し,全ての文章を正しく読み解くこと
ができるようになれ』と天武天皇が28歳で舎人の稗田阿礼に」




もう一つ、再掲載になりますが、
「東井義雄さんの言葉24 『喜びの種をまこう』③」を載せます。             




☆「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ① 

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◇序
  太安万侶 天武・持統・文武・元明の四代に渡って 
  この世はイザナギ,イザナミの二柱から
  アマテラス大御神が大和の朝廷を守護する神
孫のニニギの命が天皇家の先祖
 
  天武天皇寄りの立場
 
  稗田阿礼 舎人 28歳
「各種の言い伝えを全て暗誦し,全ての文章を正しく読み解く
     ことができるようになれ」と天武天皇
| 天武帝死去
元明天皇の命で「古事記」編集執筆

  困難
    正式文章の漢文でない形で書物を作った 上中下巻
上巻  アヌミノナカヌシ~ニニギの命の孫ウカヤフキカ
         エズの命まで
中巻  ウカヤフキカエズの命の子神武天皇から第15代
         応神天皇まで
下巻 第16代仁徳天皇から第33代推古天皇まで



<上の巻>
1.神々の始まり
  混沌の中から天と地
  高天原
3柱 
       最初  アメノナカヌシの神 
             天の中心 「天の御中主」
次   タカミムスヒの神  
             生命の力 「鷹御産巣日」
その次 カミムイヒの神 
             人に働きかける生命の神 「神産巣日」 

    大地
2柱 「勢い」ウマシアシカヒヒゴヂの神
          ウマシ「立派」アシカビ「草の若芽」ヒコヂ「男」
 - 形を持たぬ大地から勢いが生まれた
「豊かな天」アメノトコタチの神 「天の常立」

5柱 「天の崇高」を表す神々 <特別な神々>
   
    新たに二柱
1代 クニノトコタチの神 
          「国の常立」
           国土が永遠にゆるがないことを祝福     
     2代 トヨクモノの神 
          「豊雲野」
           豊かな雲を仰ぎ見ることの出来る素晴らしい
大地を称える 
◎ 以上は独身の神々
   
   男女一対の神々の出現 
3代 ウイジニの神とスイチニの神 
         スの住む土地を表す神 
4代 ツノグイの神とイククイの神 
         土地の境界を表す「杭」の神
    5代 オオトジの神とオオトノベの神 
         人の住む家の門口を守る神
6代 オモグルの神とアヤカシコネの神 
         男性女性のすばらしさを称える神

 ともに誘い合う一対の男女の神
7代イサナキの命とイザナミの命







☆東井義雄さんの言葉 24-「喜びの種をまこう―誰でもできる無財の七施」東井義雄 柏樹社 1990年 ③【再掲載 2014.7】

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◇身施 - この身をどう活かすか
□家主さんを感動させた女子学生
平野寿先生の娘さん 
    部屋がピカピカ
     → 家主さんを感動させた 

□「本物は続く続けると本物になる」
  竹箒の整頓

□おばあちゃんの寝床
おばあちゃんの寝床の世話を毎日
 ◎ 教育は理屈ではない。「この子を見てください」と言える
    ような子供を育てること

□「だって,私たちの学校だもん…」
小学校卒業までに1万個のゴミを拾う実践
   - 古賀君(6年生)

□行動の輪を広げるために
見えないところで見えるところを支える
   = 根っこの役目

□「おばあちゃん」そのもののような百枚のぞうきん
坂村真民先生
    「巡り会いの不思議に手を合わせよう」

□ある高等学校のあり方を変えたもの
  小児麻痺を持つ子をプールの学級リレーに(番長)

校長が背広で飛び込む
   = 言葉を超えた身の叫び

□もらってばっかり


◇心施 - この,こころ貧しい時代
□建物は美しく立派になったが  
  個室
   - 寂しいおばあちゃん

□おべんとうの大切さ  
 「かつおぶし」の日記
  ◎ 「私は長い間子供が弁当を開く時の何とも言いようのない輝
      く顔を見てきたから」

「あんたたちが結婚してご主人のお弁当を作ってあげる時には,どう
  か食べ物だけではなくあつい心を入れることを忘れないようにして
  ください。お弁当を風呂敷で包む時も、どうか、あつい心をこめて
  しっかり風呂敷を結んでおいてください」

□修学旅行の弁当   
おむすび + 手紙

□ものをかわいがる心
愛物展覧会 
   → 卒業展覧会
   物いのちを大切にする子供に!

□銀杏の実のお年玉
心のお年玉

□大切な「心」を確認し合う卒業式
子供から子供へ
子供から先生へ

□心を大切にしあう家庭

□愛情利息論
大きな利息の中にいる自分

□これでよいのか?「他罪主義」の横行
広島県のお寺の境内・掲示板に
※「一億総裁判官 自分以外 皆有罪」
  映画監督・松林宗恵さん
「世界で一番反日的な国は日本」
  ◎ ぬくもりを!


◇床座施 - 席を譲るということ譲られるということ
  席を譲るということ
   「ありがとうの期待は他罪主義」
高席と末席
席を温かくする
職席を譲る時譲られる時
   - 前任者を大切に


◇房舎施 - 家・建物・施設設備の移り変わりの中で
もらい風呂の思い出
「囲炉裏も風呂も子供の頃には自分の家だけのものでなく,み
     んなが使わせてもらったものでした」
 「報恩講」の思い出
ご馳走はなくなった
  村休みの思い出
村芝居
   - お堂
  家の中はどうか
  うれしい施設設備、軒下がなくなった
  気になること
   老人ホーム=人間のエゴイズム
福祉の施策の進行がエゴイズムを促進させることになった
眠るところが恵まれるということ
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竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)⑦-「学力低下」論争に判定が下った 竹原泰三 ジャーナリスト /「安岡章太郎15の対話」新潮社 1997年 ③【再掲載 2015.2】 [読書記録 教育]

今回は、12月10日に続いて、かつての月刊『少年育成』誌のコラムから、
「竹原泰三さんはこんなことを」⑦紹介します。

このごろの児童を見ていると、
学びへの厳しさが必要だとにわたしは強く感じます。


もう一つ、再掲載になりますが、
「安岡章太郎15の対話」③を載せます。



☆竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)⑦-「学力低下」論争に判定が下った 竹原泰三 ジャーナリスト 

1.jpg

 文部科学省が去年初めに行った小学校五年生から中学校三年生までの
学力調査の結果が発表された。


 平成5年度から7年度にかけて行われた前回調査と比べて、算数・数
学と社会の学力が低下したという結果になっている。


 たとえば、小学校5年生で、半径10センチの円の面積を求める問題
の正答率は53%で、前回と比べて16ポイント近くも下がった。


 公式や計算の規則などの基礎的な内容を理解できていない子どもが増
えている。


 また、社会では、知識を問う問題や年表や統計の内容を読みとる問題
で正答率が下がっているうえ、資料を読む問題では解答をあきらめて答
えを全く書かない子どもが多いことがわかった。


 今回の調査結果について遠山文部科学大臣は
「全体としてはおおむね良好であったと考えます。一部に必ずしも良い
 とはいえないものもみられたが、今後の課題として受け止めたいと思
 います」
という談話を出した。


 しかし「おおむね良好」という文部科学省としての総括には、マスコ
ミからも教育関係者からも疑問の声があがっている。


 マスコミの受け止め方をみてみよう。


 新聞各紙はそろって、学力は低下したという見方をしている。


 その上で、関係者などの話の形で、原因を分析している。


 大学教授は

▼家庭でも学校でもコツコツ計算する訓練の部分がおろそかになってい
 る。誰でも出来ると思われていた計算問題が出来なくなっている。

▼90年代から加速したゆとり教育路線で、単純な反復学習などを軽視
 する傾向が強まった。

▼算数・数学と社会とも思考力の部分が十分に育っていない。算数・数
学では計算問題を解く以前に数や式の意味を深く考えさせる学習がお
ろそかになっている、

などと話している。


 今回の学力調査は、そもそも、平成14年度から新しい学習指導要領
が実施されるのを前に、これまでの指導要領の内容がどの程度身に付い
ているかを調べ、新たな指導法に反映させようと計画された。


 その背景には、授業時間や学習内容を減らそうという新しい学習要領
では学力が低下するという批判を検証しようとしたものと思われる。


 一方で「学力は低下していない」という根強い意見もある。


 今回の調査結果は、こうした「学力低下」論争に一応の判定を下すこ
とになった。


 同じような調査結果はほかにもある。東京大学が去年の2月、関東地
方の小学生6200人を対象に行った算数の学力テストである。


 問題は20年前に行ったテストと同じで、どの学年の子どもも1年か
ら6年までの内容を網羅した同じ問題を出来るところまで解く。


 その結果は、平均の正答率が65%で、82年より11ポイント下がっ
た。


 学習要領が変わったにも関わらず、同じように教科書に扱われている
問題だけを比べた正答率でも67%で、8ポイント下がっている。


 この結果について担当した大学教授は

「学力低下が改めて裏付けられた。学力の水準が下がっているだけでな
 く、格差が開いていることに注目し、できない子や家庭を支援する方
 策を考えるべきだ」

と話している。


 今回の調査では、問題のほかにアンケート調査を行っている。


 この中で「勉強は大切」と思うかどうかでは、8割を超える子どもが
肯定的に答えている。


 しかし「勉強が好きか」どうかについては、中学2年生の76%が
「嫌い」と答えている。


 つまり「勉強が大事なことはわかっているが、やりたくない」という、
わがまま、身勝手がそのままでている。


 これが「ゆとり教育」の現実の結果ではないだろうか。
 

 最後に調査結果を受けてマスコミが取り上げた、教育関係者の意見を
紹介しよう。

▼今の学習指導要領は教える内容が極端に減らされて基本的な計算の方
 法も十分に教えられない。早く改訂すべきだ

▼知識を活用する力が身につかないまま教える内容が減らされた今の学
 習指導要領で学べば、学力はもっと下がるのではないか。

▼教える時間をきちんと確保してゆったりと学べるように授業時間を増
 やすべきだ。学校週五日制も見直す必要がある。


 以前にもふれたことがあるが、OECD(経済協力開発機構)が13
年12月に発表した世界の子どもたちの「学習到達度調査」で、日本の
子どもたちの勉強時間、読書量ともに、参加国で最低の水準だった。


 もうそろそろ子どもを甘やかすのはやめにして、勉強すること、努力
することの大切さを教えてはどうだろうか。







☆「安岡章太郎15の対話」新潮社 1997年 ③【再掲載 2015.2】

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◇渡部昇一 1930~ 上智大学教授
「日本人は生き残れるか」 
     孤立する日本  
     イギリス →「イエロー・ペリル」
日本人なかりせばブリタニアは永遠
        偶像破壊は財布の問題
孤立
    = 有色人種として近代化を行った唯一の国としての十字架
日本人に対する尊敬の一番の理由は天皇
戦争で負けたのに天皇を変えない
         = 重厚な民族
  カメラと日本文化
    戦後対日感情の良いところ 
      台湾
        = 後から入った国府軍がひどすぎた 
内南洋諸島
        = 一時日本復帰運動
ヨーロッパにおいては日本人のやることは小面憎い
趣味が向こうの上流階級と合っている

     今まで貧乏だと思っていた連中がそれをやる
世界征服業種 
       内需が圧倒的に強い
日本崩壊の危惧
  「満鉄の株をロックフェラーにでも少し持たせればよかった」
    多少はうまい汁を米国が吸っていたとすれば…
言葉の喪失 
    大学
      何も教えないという機能

若い人に職人的なことを教えれば,それはそれで熟練する
     けれど,全然応用が利かない場合が多い

 習わないで済んだ
  ↓
技術革新に驚かない
流行歌の世界から言葉が失われている
ジャパン・イズ・アワ・ホープ
  仏 バカローレア(大検)日本語の選択可能に
   文明史  (普遍性の問題)
    農本主義の喪失
長子相続制度の廃止
      土地を売って分けて現金もうけて終わり
 

◇井上洋治 1929年~カトリック司祭  
 遠藤周作 1923~1996
   口語訳聖書のなじみにくさ
明治になってからも隠れキリシタンが捕まった
   ↓
  浦上村全村の人間を捕まえて日本各地へ
日本のキリスト教徒 
     100万人  
       60万人 プロテスタント
40万人 カトリック
隠れキリシタンと留学生
  プロテスタント 
       … マリアを拝まない
     カトリック
       … マリアを拝む
   エフアソの公会議
    隠れキリシタンは元々転び者
  転ばなかったら死んでいる
   水と禊ぎ 
     水に対するイメージと宗教とは密接な関係
プロセスの時代
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