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竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)⑤-子どものしつけは親の責任 竹原泰三 ジャーナリスト /「都道府県の急所」 いぢちひろゆき 新潮社 2002年 ①【再掲載 2014.7】 [読書記録 教育]

今回は、11月20日に続いて、かつての月刊『少年育成』誌のコラムから、
「竹原泰三さんはこんなことを」⑤紹介します。

何年の何月号かは不明です。

もう一つ、再掲載になりますが、いちぢひろゆきさんの
「都道府県の急所」①を載せます。
非常に楽しく読んだ記憶がありますが、およそ20年間経って、
どのように変わっているのでしょうか。



☆竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)⑤-子どものしつけは親の責任 竹原泰三 ジャーナリスト

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 十代の若者の40パーセントは他人に迷惑をかけても、権利は権利と
して主張する。


 生命保険会社の関連団体の調査で、こんな結果がでた。
 

 調査は去年の7月、16歳から69歳までの男女2500人を対象に、「生
き方」や「働き方」「家族」などについて質問したもの。


このなかで、「他人に迷惑をかけても権利を主張する」と答えたのは
全体では25パーセントだったが、十代では39パーセント、二十代も
38パーセントで、いずれも五年前の調査の時よりも増えている。


調査ではさらに、「努力や訓練が必要なことは、あまりやりたくない」
という答えが全体で12パーセントに対して十代は20パーセント、「他
人の権利を尊重していたら自分に不利になる」と考えているのが、全
体では21パーセントだが、十代は31パーセントと多く、四十代の18
パーセントを大きく上回っている。


 自分の子供が同じような考えだったら、親としての気持ちはどうなの
だろうか。


 よその子供のことだったら「冗談じゃない。こんな子供が増えるから
世の中がおかしくなるのだ」と思うのが一般的だろう。


 しかし、自分の子供のことになると、「よその子供だって同じじゃな
いか。それだけ社会がおかしいのだよ」と言いそうな気がしてならな
い。


 こうした結果について調査した団体は、「集団重視から自分重視へ
の傾向」や、「利己性や他者への依存性」を強めつつ、多様化が進んで
いる、と分析している。事実関係はその通りかもしれないが、そこは、
子どもが自己中心的になる一方で、親も結果的にそれを認めてきたと
いう一面も見逃すことはできない。


 私はこれまで少年非行や学校数育の問題を取り上げるたびに、家庭
教育の大切さや親の責任の大きさを指摘してきた。


 しかし、社会問題の根本として、家庭のありようを問題にする意見
はあまり聞かない。


 どちらかというと、社会が悪い、学校が悪い、政府が悪い、といった
論調ばかりである。


 そんな矢先、久しぶりに同感できる記事に出会った。


 イギリスの話だが、「しつけの責任は学校ではなく親」という見出し
が付いている。


 中身は「英政府はこのほど、小中学校で暴力をふるったり、いじめた
りした子どもの親に、最高千ポンド(約19万円)の罰金を科す方針を
公表した」というもの。


 記事によるとイギリスでは教師に対する暴力が急増しているが、暴れ
るのは子どもばかりではなく、子どもの処遇に不満を持つ親が教師を殴
るケースも報告されている。


 このため教師の側からは、子どもだけでなく、親をしつけるよう政府
に求める声が高まっていたという。


 新しい制度が導入されると、退学や停学になった子どもの親は、政府
の講座で子どもの育て方を学び直すよう命じられるとか。ここでは、 
しつけに責任を負うのは教師ではなく両親、学校ではなく家庭とする考
えを明確に示している。


 日本の政府がこのような規則や罰則を作ったら、大変な議論になるこ
とは間違いない。


 野党側は、子どもたちが暴力をふるうのは、教育制度が悪いからで、
家庭が責任を負う筋合いではない、と一斉に反論を展開するだろう。


 いまもある陰湿ないじめや学級崩壊などに対して、学校の責任は追及
するが、個人や家庭の責任は追及しないのと同じである。


 そして、問題に対する解決方法として出てくるのは、学級定員の削減
であり、教師の増加、授業時間の減少などである。


 これが通称インテリといわれる日本の知識人の考え方である。


 悪いものをはっきりさせ、ものによっては罰則も科すというイギリス
人の常識となんとかけ離れていることか。


 彼らから見ると、悪いのは常に学校であり、政府や社会である。


 つまりは、捕らえようのないものに責任を押しつけて、個人や家庭の
責任にしない。


 いや、問題の存在そのものを曖昧にすることで、誰も責任を取らない
体制を作ってしまう。


 まさに「問題は先送り」 の体質そのものである。

 なぜか?
 
 責任を取る自信がないからではないか。

 個人や家庭の責任を追及すると、自分の発言にも責任が出てくる。

 だから、批判がくるような追及の仕方はしない。


 社会や政府の責任にしておけば、具体的な個人や家庭が批判されるわけ
ではないから、反論もこないだろう。


 そんないい加減さがあるように思えてならない。


 しかし、そんな態度は問題の先送りでもなく、単に問題を避けている
だけである。何の解決にもならない。

 いま本当に必要なのは、リップ・サービスではない本音の議論である。








☆「都道府県の急所」 いぢちひろゆき 新潮社 2002年 ①【再掲載 2014.7】

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◇日本一の美容院好きは
  ①秋田 
  ②山形
  ③青森 
  ワースト 
    ①神奈川  ②奈良  ③千葉

◇日本一の酒盛り好き  
  ①高知
  ②新潟
  ③長野 
  ワースト
    ①香川  ②和歌山  ③三重
○ 高知県民の酒好き

◇日本一の中華蕎麦好き 
  ①山形
  ②新潟
  ③長野
  ワースト
    ①兵庫  ②愛媛  ③鳥取

◇日本一の病院世話 
  ①高知
  ②石川
  ③香川 
  ワースト
    ①埼玉  ②千葉  ③神奈川
○ 我の強さとの関連

◇日本一背高中2 
  ①秋田 
  ②青森 
  ③宮城・山形・新潟
  ワースト
    ①沖縄  ②鹿児島・山口  ③大分高知 

◇日本一ピアノ持ち 
  ①奈良 
  ②滋賀
  ③三重 
  ワースト
    ①青森  ②岩手  ③長崎 
○ 奈良は家財道具にお金を掛けるのが好き

◇日本一の肉食  
  ①兵庫 
  ②京都 
  ③滋賀 
  ワースト
    ①沖縄  ②群馬  ③茨城
○ 関西人の牛肉好き

◇日本一ストレスレス 
  ①埼玉
  ②沖縄
  ③奈良 
  ワースト
    ①長崎  ②佐賀  ③長野
○ 埼玉県民は健康
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「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」大場美鈴 ポプラ社 2016年 ① /「安岡章太郎15の対話」新潮社 ①【再掲載 2015.2】 [読書記録 教育]

今回は、大場美鈴さんの
「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の
  毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」の紹介 1回目です。



出版社の紹介には


「子育ては『コツ』と『工夫』でラクになる! 発達障害&グレーゾーン
 の3兄妹を育てる著者が、子どもへの接し方の基本や、学校・園生活
 の工夫、学習サポートなどについて解説する。『声かけ変換表』等をダ
 ウンロードできる。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「発達障害とは、得意なことと苦手なことの差が大きい子、発達に凸凹
があること」 


・「すべてのお母さんが『うちの子専門家』」
- うちの子の専門家と、自信をもってできると言いですね。


・「褒めライン  
当たり前を褒め認める、過程や取り組んだ気持ちを見る、できてい
   る部分を見る、子どもをよく見ている関心があることを伝える。少
   しでも妥協できたら感謝を伝える、よくないことを止められた時認
   める」


・「『安心させる』がサポートの基本」



もう一つ、再掲載になりますが、
「安岡章太郎15の対話」①を載せます。






☆「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」大場美鈴 ポプラ社 2016年 ①

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◇楽々かあさん流 お助けツール 楽々かあさん公式HP 
  1 階段の蛍光テープ    
  2 おうち標識     
  3 電子レンジの使い方
 4 ポイント手帳      
  5 できたら日記    
  6 したくカード
 17 連絡帳フォーマット   
  18 ランドセルの蓋用リスト
  19 透明の手提げバッグ
 21 運動会用プログラム   
  25 教科書ノート    
  26 ついたて
 27 仮名漢字サポートカード 
  30 カレンダーの付箋
   ○ 解説用イラスト  
   ○ 声掛け変更表 
   ○ 育児を頑張りすぎているときの対処法


◇はじめに
  発達障害とは?
   →「得意なことと苦手なことの差が大きい子」 
発達の凸凹 
     杉山登志郎『ギフテッド-天才の育て方』学習研究社
  自己紹介 
  すべてのお母さんが「うちの子専門家」


◇接し方の基本
 1 子どもを怒りすぎてしまう 
    → 手段として起こるのを変更する

 2 どうしたらよいか分からない
   → 子どもの自信になる選択をする 
     ◎ より自身になりそうな方を選ぶ

 3 子育てで一番大事なこと 
   → 愛情を分かりやすく伝える

 4 暴れて手が付けられない
   → スキンシップを多めに取る  
     ◎ ちょっとの触れ合い 

 5 ぜんぜん人の話を聞かない
   → 話を否定せず共感する(できる限り)

 6 失敗ばかりでトラブル続き
   → 当たり前のようなことでも褒める
※ こちらの「褒めライン」を凹の部分に合わせ、できるだけ下
     げて、当たり前のような子どものできているところ、頑張って
     いるところを見るように癖付け
 ・ 当たり前を褒め認める 
     ・ 過程や取り組んだ気持ちを見る
 ・ できている部分を見る 
     ・ 子どもをよく見ている関心があることを伝える
     ・ 少しでも妥協できたら感謝を伝える
     ・ よくないことを止められた時認める  

 7 あれもこれもできない
   → 課題は一つひとつ取り組む 
     ◎ 「一つひとつのできた」を!

 8 できない 取り組めない
    → 小さな「できた!」を増やす
   ◎「できた」を増やして成功体験を積んで自信を付けてあげる
      ことが大事

 9 指示・命令・禁止を聞かない
    → 「声掛け変換」で伝わる
     ◎ 声掛け変換の基本
・ 具体的 
     ・ 肯定語 
     ・ 命令は丁寧にお願いしたり合理的に説明する
     ・ 禁止は「私」を主語にして気持ちを伝える
        (Iアイ メッセージ)

 10 我が子のサポート方法が分からない 
    → 「安心させる」がサポートの基本 

 11 環境づくりその1 
    → 情報に「蛇口」と「ガード」を付ける
 ◎ 情報はある程度意識すればある程度コントロール可能

 12 環境づくりその2 
    → 「おうち標識」で家の中の交通整理
  ◎「おうち標識」(DL可)
        - 家の中が楽しい感じになる

 13 環境づくりその3 
    → 「使い方カード」で自分で出来る
 ◎ 道具は友達

 14 環境づくりその4 
   → タイマーアラームを活用する
 ◎ タイマー・アラーム 
        残り時間表示

 15 兄弟姉妹に愛情が行き渡らない 
    → フタマタ ミツマタ上手になる
     ◎ その子にあった愛情の伝え方  
     ◎ 言葉ボディタッチ 
     ◎ ことば 
     ◎ ボディタッチ 
     ◎ 合図 





☆「安岡章太郎15の対話」新潮社 ①【再掲載 2015.2】
 
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◇安岡章太郎 
  1920年  高知県生  
  1953年  第29回芥川賞受賞
 


◇坂口謹一郎(1897~1994)
「ワイン文化圏の諸相」
  酒・発光・醸造学の世界的権威
     =世界の酒博士 
   「世界の酒」「日本の酒」「古酒新酒」「愛酒泉酔」
  東西文化の断層
  大きな違いは味噌・醤油 
    カビの力
      ~ グルタミン酸・イノシン酸のうま味

◎  東洋の味
  ビール50年。ウィスキー70年、ワイン100年
→ 醤油と合わないのが葡萄酒のはやらなかった原因
二つの嗜好
人間が微生物を使い出した時代
    - 百年前
     日本のワイン 川上品種 
  西洋は目方で勝負 
   = うまいことに価値を付けないのが経済学の欠点
「軽み重み」の美学
   川上善兵衛翁が基礎 
     醸造用葡萄の品種改良
  明治初年20万円の財産を使う


◇伊谷純一郎
 「サル・ヒト・社会」
   1926年 鳥取生 サルの研究 
    「高崎山のサル」「ドゥルカナの自然誌」
       高崎山 … リーダーから離れたサル
日本猿 
    母系社会 = 群れは雌のもの
雄は出て行かなければならない
     → 弱いサルではなく張り切っているのが出て行く
  交尾
    特異的近接(翌年性行動をしなくなる)
   茶飲み友達
     = 性的パートナーがいなくなる
滅び行くゴリラ 
    「個体識別」の方法
チンパンジーのカルバリズム(共食い)
  犠牲は雄ばかり 
    30例ほどの報告
  進化論と終末論 
     人類は新しい革命を一つ迎えるたびにその下の基盤を一つずつ
    失っていく
◎狩猟 → 農業革命 → 産業革命 → 情報革命
→ ・私たちは大きな力で生かされている
    ・自然を保護するのは間違いで自然は大切に扱うもの

  なぜ早く近代国に
   = 一般庶民の能力と勤勉
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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑦ /「新しい歴史教科書の絶版を勧告する」谷沢永一 ビジネス社 2001年【再掲載 2015.2】 [読書記録 民俗]

今回は、11月25日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 7回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生き
 ている。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よ
 く考えれば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)
 にも、なぜ投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を
 出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「最澄は故郷へ。空海は異郷へ」


・「豆大師は観音三十三化身であり豆粒状画像の農作物の虫除け。
  角大師は降魔の姿の疫鬼の画像であ鋭く尖った針状のものに魔除け
  の力。」


・「院政期、貴族は石卒塔婆、中世武士は五輪塔、宝筺印塔、板碑」







☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑦

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◇比叡山の水脈

1 最澄 - 極愚の水源
    なぜ比叡山か
    神と仏の山 
      当時山林修行の場
    最澄と比叡山 
      近江平野を見下ろす
故郷と異郷
回帰飛翔
      最澄 - 故郷
空海 - 異郷へ


2 良源 - 権化の奔流
  権化の人 良源 18代天台座主(912-985)
①「権化の人」並はずれた能力
② 藤原氏に接近 
          異例の昇進
③ 石造墓塔造立供養方式先駆け
祈祷調伏
良源画像 
      山門の悪僧 
      暴徒の調伏の護符

飢饉 疫病外敵調伏

豆大師・角大師
      元三大師の豆大師や角大師の護符のもと
良源 
      永観3(985)年正月3日に入寂
       → 元三大師
元三大師のお札  
        虫除け・厄除け効験
豆大師:(観音三十三化身)
        - 豆粒状画像
        ~ 農作物の虫除け
角大師:(疫鬼退散・降魔の姿)
        - 疫鬼の画像~疫病除け・厄災除け

◎ 鋭く尖った針状のものに魔除けの力

 
3 別所と創造
得度と昇進 
      行基以来当代初の大僧正に昇進

右大臣 藤原師輔の後援
後継者 
      伊勢国朝明郡の郡領船木良見の尽力による
義昭(興福寺法相宗の英傑)と対論し弁舌の才が認められた
世俗権力 
      師輔と良源の接近
966年 55歳の若さで第18代天台座主に

宗外での活躍  
       - 巧みな朝廷工作
隠棲と研鑽 
      横川への隠棲
円仁との関連
藤原師輔
     - 横川に法華三昧堂の建立寄進
円仁という伝統的権威の巧みな活用
別所論 
      別所 - 僧の集まる自由の場
東塔の神蔵寺
西塔の黒谷
横川の帝釈寺・釈迦院・安楽谷

◎ 比叡山の五別所
京都大原も横川の別所
寺院から離脱した聖が住む

 別所が寺に
       → また別に
           別所再生のメカニズム
 墓所と別所 
      葬送造墓の先駆け
石卒塔婆 
      横川の良源の墓所
        - 恐れられる場所「みみょうの森」
    長い水脈 
      葬送造墓方式 
        良源 → 源信 → 法然 → その門流へ
院政期 貴族の石卒塔婆

中世武士 - 五輪塔 宝筺印塔 板碑

◎近世以降  石造墓塔








☆「新しい歴史教科書の絶版を勧告する」谷沢永一 ビジネス社 2001年【再掲載 2015.2】

◇私の検定では合格にならない
とかくメダカは群れたがる 
    中川八洋「新・日本国憲法草案」(昭和59.5.3山手書房) ↑↓
  つくる会 
◎「事前の大宣伝+人集め」
期待はずれのつくる会 
検定制度を考える  
   文部省が一流でないために検定が生まれた
   → 自分たちの仕事を多くしようとして必要のない検定制度
      を明治19年につくる
     → 「社会問題+国際問題」
      ◎つくる会 - 大宣伝と人集めのため
中国韓国の横やり
    -  内政干渉のため 
三つある近代国家の基準
  ① 条例を守れるかどうか
  ② 時効の概念
    ③ 内政干渉すべきでない


◇口絵は初歩的な見当違いで通す
「相当する」は逃げの常道
基本文献ぐらい読むべし 
    岡倉天心 
      美術紹介
       → 不倫で東洋美術学校追放
用語の誤用,卑屈な日本文化理解
西欧コンプレックスに取り憑かれた執筆陣
  江戸時代 
      第一芸術 雅
     第二芸術 俗   雅俗折衷の江戸文化へ

◇「序章歴史への招待」 は議論倒れと右脳左
中村幸彦学説の変装
和時計は西洋時計をさらに進化させたもの


◇第一章 原始と古代の日本
孔子は? 
    仁 礼に基づく自己抑制 + 他者への思いやり
愛 仁の内のある一面

 「三国志」司馬を讃えるために書かれた
   - 晋の功績 正史にしたかった
   → 架空の国 邪馬台国の誕生
神話を読解する問題意識の欠如
  朝貢 = 臣従ではない
   天皇 大王 → 天皇?
       天王 → 天皇?
百済と日本は親しい関係


◇藤原氏を低く扱い国家構造の原理をぼかす

<以下略>

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「30分で分かる教師のための叱る技術」上條晴夫 学陽書房 2015年 ① /「忘れられた日本人を読む」網野善彦 岩波セミナーブックス 2003年 ⑥【再掲載 2014.5】 [読書記録 教育]

今回は、倉本聰さん、上條晴夫さんの
「30分で分かる教師のための叱る技術」の紹介 1回目です。



出版社の紹介には


「騒がしい教室をどうにかしたい先生へ!生徒が素直になる叱り方、指導
 法がこの本1冊でわかる!
 今日からすぐに実践できる叱るときのコツから、叱らなくて済むように
 なる一工夫など、教師がラクになるノウハウが満載!」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「騒々しい教室を変えるには毅然とした態度で叱る技術が必要」


・「学級崩壊の特徴はコミュニケーションに関する問題。
  私語、おしゃべりや離席、立ち歩きが目立つようになる」


・「最低限のルールについて、その善し悪しを明示し、断固として叱る
  技術が必要」


・「従来の授、おとなしく座っている、黙って話を聞いているというよ
うな、二大ルールを前提としない新しい授業も工夫したい」




もう一つ、再掲載になりますが、網野善彦さんの
「忘れられた日本人を読む」⑥を載せます。
 - 我々は、ともすると前代の世界や自分たちより下層の社会に生きる
  人々を卑小に見たがる傾向が強い。それで一種の非痛感をもちたがる
  ものだが、御本人たちの立場や考え方に立ってみることも必要ではな
  いかと思う。百姓のことをどのくらい知っておるのだ。いったい進歩
  とは何だろうか




☆「30分で分かる教師のための叱る技術」上條晴夫 学陽書房 2015年 ①

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◇まえがき
□本書のめあて 
  = 騒々しい教室を変えること
   ◎ 毅然とした態度で叱る技術
  叱る以外 
    1 教室の空気を変える方法 
   学習クイズ 静かな音楽
    2 騒々しさの中で学ぶ方法 
「静かに」「座って」
        →「明るく」「体験的に」(アクティブラーニング)



◇前提の話
□騒がしい教室が増えている
学級崩壊の特徴
   = コミュニケーションに関する問題
       ① 私語(おしゃべり)
       ② 離席(立ち歩き)   

  
□騒がしい教室を叱る技術
  毅然とした態度で叱る「叱る指導法」
    ① 最低限のルールについて
    ② その善し悪しを明示し
    ③ 断固として叱る
     ※ 前提条件 
        教師の言葉に説得力があること
         =「なぜそうすべきか」納得させられる  

  
□教室の空気を変える対処の仕方もある
 私語への対処法
  ① 私語を叱ってやめさせる
 ② 私語の中で何かを始める
 ③ 私語のできる学びをする
    ◎ 空気を変えるための方法

  
□新たな学びを生むチャンスもある
 従来の授業
①おとなしく座っている
  ②黙って話を聞いている

◎二大ルールを前提としない新しい授業
・問題解決授業 アクティブ・ラーニング
・グループ討論を中心とした授業
     ・学習遊びを中心とした授業 
・表現活動を中心とした授業

  
□教室の騒がしさを指導の出発点に
 騒がしさ
    大学 → 高校 → 中学 → 小学校
葬式でもおしゃべり
   → この現象と付き合って行くには、ざわざわしている教室の空気
    を変えたり、ざわざわしていてもできる授業方法の工夫が必要







☆「忘れられた日本人を読む」網野善彦 岩波セミナーブックス 2003年 ⑥【再掲載 2014.5】

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◇東日本と西日本(2)
□先進・後進というのではなく社会構造の差異
  - 戦後歴史学への疑問
     
  宮本常一 
   「我々はともすると前代の世界や自分たちより下層の社会に生きる
    人々を卑小に見たがる傾向が強い。それで一種の非痛感をもちた
    がるものだが、御本人たちの立場や考え方に立ってみることも必
    要ではないかと思う」
「百姓のことをどのくらい知っておるのだ」
   石母田・藤間批判 清水三男評価
    → 「いったい進歩とは何だろうか」
宮本民俗学  
    女性、老人、子ども、遍歴民、病者に対する注目
     → 進歩、先進への批判         


□民族の差異が感じられるほどの大きい言葉の違い

  東と西の差
何本かの境 
      越後と越中
信濃・三河と飛騨・美濃・尾張
      フォッサマグナより若干西より
考古学、民俗学、言語学
宮本常一の分類   
     A西日本         B東日本
   a盆かま行事 b大師講
   a八朔の馬節句 b11.15アブラシメの祝い
     a両墓制
   a年齢階梯制       b同族的結合 


□東と西の違いの諸相
  aかまど b囲炉裏
a牛 b馬


□日本は孤立した島ではない
◎ 島国イメージは明治以後の政府が国民に刷り込んだ


□形質人類学から見た東西の差異 
  - 小浜甚次と植原和郎
小浜甚次 形質人類学 
    朝鮮半島人と近畿・瀬戸沿岸の人々との相似 (形質上は同じ)
    東北・北陸の人々はむしろアイヌに近い
◎ 差別されている被差別部落の人々は、東日本人、東北北陸型
     の人々と形質上は似ている
植原和郎「日本人の誕生」 
  縄文人の文化はアジア大陸と深く関わっている
  縄文前期より海を主な活動舞台とした人がいる
              (縄文人の動きはアジア的)
  紀元前3世紀から6世紀の千年間に数十万~数百万の人々が列
    島日本にやってきた
(北方アジア系、ツングース系の新モンゴロイド)
◎「植原百万人説」
   弥生文化の担い手 → 古墳文化 → 東部


□「日本国」7世紀末から
 「倭国」列島西部の国家が「日本」と名を変えた-7世紀末
  しかし東北北部は「日本国」の外
そこを「日本国」が侵略し、国境を北上
→  (11世紀まで下北・津軽は日本ではなかった)
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「毎日小学生新聞にみる子どもの世相史」NTTメディアスコープ 1997年 ④(最終) /「エリート×アウトロー世直し対談」堀田力・玄秀盛 集英社新書 2012年 ④(最終)【再掲載 2014.7】 [読書記録 教育]

今回は、11月23日に続いて
「毎日小学生新聞にみる子どもの世相史」の紹介4回目 最終です。



出版社の紹介には


「日本の子どもたちが、60年前に何を考え、どう生きてきたのか?そして、
 あなたが21世紀で実現する夢は?60年の時を超えて、歴史から21世紀へ
 のメッセージ!!毎日小学生新聞の60年の歩みから、無垢な子どもの心をう
 つしだす。」

「創刊60年を迎えた『毎日小学生新聞』に見える、時代と子どもたちの移り
 変わりを、紙面の復刻により紹介する。手塚治虫などのマンガや、教育制
 度の変遷による影響などの項目に分け、巻末には年表を付した。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「大人ってずるいなあ」
- わたしも子どもの頃、そう感じていたことを思い出しました。


・「チラシみたいな小さな新聞 タブロイド判半分」


・「かつて戦費を集めるための賞金付き切手、
  弾丸切手があった」




もう一つ、再掲載になりますが、堀田力さん、玄秀盛さんの、
「エリート×アウトロー世直し対談」④を載せます。
最も印象に残った言葉は
 - 愛の反対は憎しみだと思うかもしれませんが、実は無関心なのです。
  憎む対象にすらならない無関心なのです。



☆「毎日小学生新聞にみる子どもの世相史」NTTメディアスコープ 1997年 ④(最終)

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◇作文・投書から見た子どもの世界
僕の夢わたしの夢

戦争を語る作文から平和を願う

すてきだなお父さんの働く姿
働く父の姿が見えず
少ない家族素材の作品

大人ってずるいなあ

悩みも喜びもみんなのもの

初めての号外 昭和天皇が亡くなられたとき 
    昭和64年1月7日(土) → 8日(日)より「平成」


◇毎小と子どもたち
プラネタリウムで星の散歩

戦前にもあった大きなイベント

チラシみたいな小さな新聞
1949年 タブロイド判半分 表裏2ページ

学校教育に新聞を 
    NIE運動

ぼくの新聞わたしの新聞
新聞をつくる力と読む力ともに育てる
「アリとキリギリス」ひろさちや

顕微鏡コンクール 
    出てこい小さな科学者たち

生きた社会科で社会勉強

広告は時代の鏡
スタートは広告なし 
    受験参考書の広告が出始める

  グリコのおまけで社会科授業

  弾丸切手って何だろう
賞金付き切手
     ~ 戦費を集めるため
1942(昭和17)年6月8日


◇未来を担う子どもたち
毎小とともに歩んで 
    昭和少年少女文学館

未来の夢を語ろう  
    大人年表・子ども年表


◇あとがき・奥付
「毎日小学生新聞に見る子ども世相史」1997年1月4日
発行者 高橋均
発行所 ㈱ NTTメディアスコープ





☆「エリート×アウトロー世直し対談」堀田力・玄秀盛 集英社新書 2012年 ④(最終)【再掲載 2014.7】

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◇無関心社会からの脱皮
  中途半端な自立意識
1981年 マザー・テレサ
「日本の多くの人は、弱い人、貧しい人に無関心です。物質的に豊か
   な人の多くは、他人に無関心です。愛の反対は憎しみだと思うかも
   しれませんが、実は無関心なのです。憎む対象にすらならない無関
   心なのです」

  偽善でもやった方が上等
  「ああーっ、またこんな人が出てきたんや」
       ~ 学校もボランティアのつもりで! 

  弱さが分かる人の幸せ
  昔の栄光だけを生きている人は寂しい

  60代からのボランティア

  幸せになるには気力がいる

  理解を得るための宣伝は必要で大切
  2011年7月 日本財団の助成事業に

  日本の寄付は「付き合い」
  「寄付させていただく」
  「そういう活動をやってくれてありがとう」
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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑥ /「遠江」28号【再掲載 2014.12】 [読書記録 民俗]

今回は、11月22日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 6回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きてい
 る。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれ
 ば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ
 投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「しっぺい太郎の伝説は東北から九州の日本各地にある。犬の名前は地方
により、『きんとも』、『三毛犬』、『こんぶの太郎』とも」


・「アジアに広がる信仰の一つに『厩につながられる猿』がある。かつて猿
回しは、『見せ物芸+馬医者』であった」


・「光東照宮の三猿は、庚申信仰、中国道教の三尸の説と関連がある(彭候
尸、彭矯尸、彭質尸が『見ザル言わザル聞かザル』に)。61日ごとに
めぐる干支の庚申の日の夜、三尸が入りその人のことを天使に報告す
ると言われていた。報告されないようにと徹夜する(『守庚申』
 『庚申(かのえさる)待ち』)。申の日をめぐる信仰が動物の猿に結びついた」


・「庚申の日にできた子、生まれた子は盗人になると言われていた(代表
石川五右衛門の伝)。それを防ぐため『金』という字を名前につけた。
夏目漱石も慶応3(1867)年1月5日庚申の日の生まれであり、金之
助と命名された」



もう一つ、再掲載になりますが、
「遠江」28号を載せます。
 - 浜松は爆撃を終了するためのごみ箱だった
この言葉に驚きました。


☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑥

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◇暮らしと信仰(3)

4 犬と信仰
□なぜ安産のお守りか  
  糸口「人身御供」伝説
    

□しっぺい太郎の伝説
犬の名前は地方により
    「きんとも」
    「三毛犬」
    「こんぶの太郎」
※ 東北から九州 日本各地で
「人間・文化」←→「自然・野生」
二つの世界の媒介項


□若い女性と人身御供伝説
成女式の隠喩?
    儀礼的処女破棄
見付天神社光前寺 
    しっぺい太郎
へいぼう太郎  
      へいぼう = 灰色の山犬、狼

※ 狼のイメージがある
  「おくり狼」
    - 狼の恩返し
人間と山犬の長い交流史


□人間と犬の結婚
犬供養
「犬婿入り」昔話



5 猿と信仰
□馬を守る霊力
人類 
   「死の発見」 = 生の発見
生と死、あの世とこの世
霊魂観念と高い観念の発生 
       = 宗教の誕生
石田英一郎「河童駒引考」


□アジアに広がる信仰
厩につながられる猿
かつて猿回しは「見せ物芸 + 馬医者」


□日光東照宮の三猿
庚申信仰 
   - 中国道教の三尸の説
61日ごとにめぐる干支の庚申の日の夜三尸が入り天使に報告

◎ 徹夜する 守庚申 庚申(かのえさる)待ち
申の日をめぐる信仰が動物の猿に結びつく


□遊宴から信仰行事へ


□庚申信仰と修験道  
  青面金剛と主尊
17世紀末江戸時代・元禄以降


□泥棒の守り神 
  彭候尸、彭矯尸、彭質尸が「見ザル言わザル聞かザル」に

夏目漱石
    慶応3(1867)年1月5日庚申の日の生まれ
金之助と命名
庚申の日は夫婦同衾も禁忌

※ 庚申の日にできた子、生まれた子は盗人になると言われていた
代表:石川五右衛門との伝
「金」という字を名前に
  新潟県津南町赤沢
60年に一度の庚申の土地に盛大な供養

庚申塔の下に60年間埋めた酒を掘り出し皆で飲む
再び60年後のために新しい酒を埋める






☆「遠江」28号【再掲載 2014.12】 

◇小笠原源太夫と伊藤東涯
小笠原源太夫基長 正徳・享保・元文(1711-1740)
  浜松藩主 
      松平安芸守資俊・資訓 2代に仕える
源太夫堀を開き新田開発  
    馬込川 ~ 天竜川
昭和8年2月  関市三編 『郷土史』五島村
古義堂学派領袖・伊藤東涯


◇岸田劉生のコレクター 浜松の山本貞次郎
山本貞次郎の劉生コレクションと山本家の家系
  「松竹山房」文化の店
     ~ 浜松駅前  竹村啓介
  貞次郎旧蔵は19点あった 
    ※2005年現在 浜松市に国宝が一点もない不思議さ
山本貞次郎 1890-1923


◇浜松艦砲射撃
C・E・ルメイの回想
    カーティス・E・ルメイ 
      米陸軍航空隊第21爆撃機集団司令官 
◎ 浜松は名古屋の南東,天竜川と浜名湖の間にあり海岸確認が容易
   だった
  「来る月も来る月もB29にとって浜松はなじみの場所だった。日本
   に侵入したもののトラブルに遭遇(故障等)した場合,パイロットた
   ちは浜松に積荷(爆弾)を捨てるように指示されていた。そして,浜
   松は数え切れないほどの爆弾を投下された。なぜなら,当時のB29
   には数え切れないほどの問題が発生したから…」  

「わたしは,浜松が何トンの爆弾を投下されたのか正確には知らない。
   誰だってそうだろう。そこは,本当に徹底的にやられた。我々は,
   搭乗員が浜松に爆撃しても,出撃に対する功績を認めることはでき
   なかった。浜松は爆撃を終了するためのごみ箱だったのだ…」


◇浜松名木 渥美登良男
颯颯之松(ざざんざの松)  
    938年八幡宮が小沢渡より曳馬野に遷座
音羽松   
    旧音羽松は音羽慎一家内、新音羽松は六所神社内
社より600m東(倉松町)に松振川という沼地
   → 鶴松
今も六所神社のすぐ北に「八幡山」「八幡河岸」の地名
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「愚者が訊く」倉本聰・林原博光 双葉社 2014年 ③ /「十人十色なカエルの子」落合みどり 東京書籍 2003年 ③(最終)【再掲載 2014.12】 [読書記録 一般]

今回は、11月19日に続いて倉本聰さん、林原博光さんの
「愚者が訊く」の紹介 3回目です。



出版社の紹介には


「豊かな自然の中で環境教育活動を行なっている脚本家・倉本聰が、自然
 のあり方、ヒトの行く末、日本の未来について、一流の専門家たちに恥
 も外聞も捨て、愚者として初歩的な質問をどんどん問いかける対談集。
 『誇りを捨てなかったら得られなかった』- 珠玉の知識に溢れた一冊。
 対談相手は池上彰氏、ベストセラー『原発のウソ』の京大助教・小出裕
 章氏、地球惑星科学者で東大名誉教授・松井孝典氏など7人。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「宇宙=宇(時間)+宙(空間) 時間と空間という意味」


・「地球システムの側からするといろんな構成要素から成り立っているから
  こその地球システムなのに、人間圏が独り勝ちしちゃったら地球システ
  ムにならない」


・「日本は『ブレーキ』と『バックギア』を付け忘れた状況。『昔の王侯貴
族の生活を今は全ての個人がやっている』と言えないか。生きるとい
う意味で基本的に必要ないものはやめていいと個人的に思う」


・「人間圏はあと100年。最初に起こるのは『お金があれば物が買える』
状況ではなくなること。物が不足するようになり、お金の意味がなく
  なる…」


・「『世の中を経済学者が仕切っている間はだめでしょうね』」


昨今の気象の様子、政治の様子を見ると、
この本に書かれていることが起こるのではないか、
とわたしは想像してしまいました。




もう一つ、再掲載になりますが、落合みどりさんの
「十人十色なカエルの子」③を載せます。



☆「愚者が訊く」倉本聰・林原博光 双葉社 2014年 ③

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◇宇宙から環境問題を解く 理学博士・松井孝典 1946静岡県生 東大名誉教授  千葉工大・惑星調査研究センター長

□宇宙から見た地球と地球人
「富良野自然塾」
  「地球維新塾」


□宇宙の果てという不思議
「138億年という時間と空間、その座標軸」
宇宙 = 時間と空間という意味
         宇(時間)宙(空間)
  宇宙は無数にあってよい
    宇宙は常識が通用しないところ       
 

□生物圏から人間圏へ
人間圏を作って生きる生き方が「文明」
     |
   地球システムの側からするといろんな構成要素から成り立っているか
  らこその地球システムなのに人間圏が独り勝ちしちゃったら地球システ
  ムにならない
   → 環境問題    
 

□地球の変動を人は災害と呼ぶ
3.11A 地震・津波
1.11B 原発問題
       → 我々はこれからどういう文明を選択するか
               ↓   
◎東京解体 
         数千万人都市は原発なしでは成り立たない
         ホントに必要なものは?  
 

□駆動力による欲望の解放と加速
人間が1年生きる間に地球の物質破壊10万年分
物質環境が加速している
    1千万年分の変動がこの100年間に起こることもあり得る
             |
    日本 
      「ブレーキ」と「バックギア」を付け忘れた…
  ◎「昔の王侯貴族の生活を今は全ての個人がやっている」
          ↓
    生きるという意味で基本的に必要ないものはやめていいと個人的に
   思う                        (松井)
    → 覚悟を決める                        


□人間の限界  
中国とインドが駆動力を持つ人間圏クラブに加わろうとしている
           |
  ホントの問題 
   「新しい文明の型を真剣に考え生み出すこと」        
 

□再び地球は何もない更地の星に戻る
  太陽の一生 100億年
  地球は46億年 
    今が折り返し点
     →  まず人間圏がなくなる
        それから生物圏がなくなり大陸がなくなり均一に戻る     
5億年     10億 20億

    ◎ 人間圏はあと100年
        最初に起こるのは
        「お金があれば物が買える」
          → 物が不足しお金の意味がなくなる
  地産地消○○システム
    ◎「世の中を経済学者が仕切っている間はだめでしょうね」                 







☆「十人十色なカエルの子」落合みどり 東京書籍 2003年 ③(最終)【再掲載 2014.12】

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◇医学解説  宮本信也(3)

3 学習障害
□学習障害  
  知能は全体的に大きな問題ではない
  6つのうちの一つ以上がうまくできない状態
    ①「聞く」
    ②「話す」
    ③「読む」
    ④「書く」
    ⑤「計算する」
    ⑥「推論する」

□LD学習障害の用語は診断名ではなく教育領域の用語
  医学では3つ
   「読む 書く 計算する」        


4 発達性協調運動障害
□協調運動
  = 身体の複数の筋肉による異なる動作を同時にあるいは連続して行う
                        (例 なわとび)  

□症状 
  運動の遅れ   
  落としやすい   
  不器用   
  スポーツが下手 
  字を書くのが下手  
  動作がぎこちない  
  動きがゆっくり 
  バランスが悪い   


5 発達性言語障害
□話し言葉の遅れ
  
□表出性言語障害 
  語彙が非常に乏しい 
  過去形・未来形を間違いやすい
長文で話すのが苦手

□混合型受動性表出性言語障害
表出性言語障害 + 書き取りができない



◇よくある質問に答えて
1 軽度発達障害は増えている?
    実数は変わらないが、問題として取り上げられる子が増え、そうし
   た子どもが診断されやすくなった


2 軽度発達障害は問題なの?
   生活上支障をきたしている場合に対応
   子どもが問題なのではなく、それにより不都合が生じることが
    問題



◇おわりに
 「社会が変われば、同じことが障害と見なされなくなることもあり得る」
= バリアフリー
   ◎ 今日は楽しかったと思える日を一日でも増やしてあげる

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「毎日小学生新聞にみる子どもの世相史」NTTメディアスコープ 1997年 ③ /読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」 ⑩-「遠藤周作 人生には何一つ無駄なものがない」 鈴木秀子監修 海竜社 1998年 7【再掲載 2014.7】 [読書記録 教育]

今回は、11月12日に続いて
「毎日小学生新聞にみる子どもの世相史」の紹介 3回目です。



出版社の紹介には


「日本の子どもたちが、60年前に何を考え、どう生きてきたのか?そして、
 あなたが21世紀で実現する夢は?60年の時を超えて、歴史から21世紀へ
 のメッセージ!!毎日小学生新聞の60年の歩みから、無垢な子どもの心をう
 つしだす。」

「創刊60年を迎えた『毎日小学生新聞』に見える、時代と子どもたちの移り
 変わりを、紙面の復刻により紹介する。手塚治虫などのマンガや、教育制
 度の変遷による影響などの項目に分け、巻末には年表を付した。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「ウィルスとの戦いはまだまだ続く -戦後はハエ・カの退治から」


・「日本のSF小説の生みの親 、海野十三。 
 昭和初期にテレビ・ロケット・宇宙探検」


・「児童文学で子どもたちに力をあげたい」
- 「児童文学」の言葉が聞かれなくなったことを残念に感じます。
 児童文学大好き世代ですから。山中恒さんの作品が手大好きでした。


・「リサイクル商品は現代の代用品」




もう一つ、再掲載になりますが、「遠藤周作さんはこんなことを」⑩
「遠藤周作 人生には何一つ無駄なものがない」を載せます。
- 「プラスがマイナスになり、マイナスがプラスになる」
この頃強く感じています。





☆「毎日小学生新聞にみる子どもの世相史」NTTメディアスコープ 1997年 ③

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◇社会の動き・事件を子どもたちはどう受けとめたか
激動の時代を乗り越えて 
   「少国民新聞」

  お父さん、お帰りなさい

  新憲法の誕生で新たにスタート

  本物のゾウが見たい

  食糧難を救ってくれた鯨

  現代っ子は料理も作るグルメっ子

  少子化を食い止めよう

  どんどん進む車社会

  ウィルスとの戦いはまだまだ続く
戦後はハエ・カの退治から 

ネッシーはいるかいないか
   「ネッシー」「雪男」「ツチノコ」

  ボランティアでパワー全開

  たくさんもらったお年玉の行く先は貯蓄

  時代を語る十大ニュース
 
  いのちは大切 
    長い長い連続(ひろさちや) 1989.9.1
仏さまからすべての生き物に(ひろさちや) 1990.1.12


◇児童小説の中の子どもたち
日本のSF小説の生みの親
    海野十三 
      昭和初期にテレビ・ロケット・宇宙探検

  児童小説は子ども時代の思い出

  やっぱり漫画が大好き

  児童文学で子どもたちに力をあげたい


◇科学を通して世界が広がる
飯塚玲児の科学の世界

発明工夫は何のため

組み立て改造は科学少年の得意技

すごかったアポロ11号の月着陸

知る知るシリーズにお任せ

リニアモーターカーに乗れる日は近い

50年後はどうなっているかな
    50年後の初夢 1948.1.1


◇自然環境と子どもたちとのかかわり
リサイクル商品は現代の代用品

緑は僕らの宝物

リサイクルで地球を守ろう

自然ウォッチングで新たな感動  
    





☆読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」 ⑩-「遠藤周作 人生には何一つ無駄なものがない」 鈴木秀子監修 海竜社 1998年 7【再掲載 2014.7】

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◇不幸がなければ幸福は存在しない
□人間教育は家庭という場でのみ成功する
  1 作法や礼儀を教えるのは家庭であり学校ではない。
    学校は人間教育よりも,読み書きそろばんを仕込む場所。

  2 教育とは親の人生観、幸福感なしには成立しない。

 
 3 劣等生に必要なこと 
  = 埋もれている美点,隠れた才能を教師と大人が発見すること。
    劣等生をほめてやろう。自信を持たせてやろう

 4 ロビンヌ夫人(仏)下宿家人
「大学に行けばもうあなたは学生として暴れたり無作法なことをして
    も良いのですよ。けれども私の教えたことは,作法を知らないで無
    作法をするのと,それを知りながら暴れることの違いです。」

 5 「おそれを知らぬ子供たち」
   畏怖を知らない
  恐れを知らなくても良いが、畏れは知っていてほしい。
     - 尊敬の対象としての畏みを戦後捨て去ってしまった
  

□おだててほめろ

 1 母親のブツブツがみがみは子どもにとって何ら有害ではないと思う。
  しかし,有害なことは,母親が自分の子どもについて観察もせず,で
  きあいの教育方法を押しつけることだ。

 2 男は自分の男の子に対しては,自分の人生の延長,復活という気持ち。
→ 後継者・運命をやり直す次の走者
  → 育てる感情より鍛える感情

 3 父親は息子にとって本質的に「ライバル」であり,娘にとって「かり
  そめの保護者」である。
  ◎叱るとき  
     ① 所謂「いい子」になるために友達の悪口や告げ口をしない。
 ② 身体の不自由な人を見つめることをしない。
③ 叱られないために嘘をつかない。
◎いやな人間 
     ① 小利口
② 自分だけ正しいと信じて他人を高みから裁く偽善者
     ③ 外観や貧富や社会的地位だけで他人を評価するような男

4 大人が子どもに期待すること
純真さ と 賢さ
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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑤ /「職員室の経営学」 飯田稔 ぎょうせい 1998年 ①【再掲載 2015.3】 [読書記録 民俗]

今回は、11月18日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 5回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きてい
 る。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれ
 ば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ
 投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「道祖神は道路の神さま、村境で人々の安全を守る神さま」


・「道祖神は人々を病気にする神さま。人々の厄災を除くために焼かれる神。
  人々の厄災を一身に集めて祓え清めたるための人形の神さま」


・「神武天皇の軍が熊野の山中で険路に迷い、苦しんだとき天照大神、もし
  くは高木の神 に派遣され天皇の軍を大和に道案内した八咫烏」
 


もう一つ、再掲載になりますが、飯田稔さんの
「職員室の経営学」①を載せます。



☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑤

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◇暮らしと信仰(2)

2 道祖神と性

□人々の安全を守る神
道祖神
   = 道路の神さま、村境で人々の安全を守る神さま


□平安京の道祖神
路傍 
  男女双体像、陰陽を描く
    ~ 平安京で流行
石造
   - 江戸期  それぞれに地域的特徴


□近親婚タブーの匂い


□焼かれる神
兄妹婚の禁忌     
    群馬・長野・新潟
サイトヤキに投げ込む 
    神奈川・静岡県西部
新潟県か
    ドウロクジン焼き(わら人形を焼く)
一年間に病気にする予定の村人一人一人

道祖神
      人々を病気にする神さま


□人々の厄災を除く
焼かれる神

人々の厄災を一身に集めて祓え清めたるための人形の神さま


□伝播論の可能性
性的要素の強調 
   = 汚らわしいものではあるが、それが逆に人々に生命力を賦与する
    神になるということを象徴的に表現している



3 カラスと信仰

□鳴き声を聞き分ける人々
ハシボソカラス     
    ~ 環境変化の一つのバロメーター
  鳴き声を聞き分ける人間
    ~ 環境変化の一つのバロメーター  


□葬儀とカラス
葬式団子をほしがって鳴く?


□八咫烏神話と御烏喰神事
八咫烏  
     神武天皇の軍が熊野の山中で険路に迷い、苦しんだとき天照大神、
    もしくは高木の神に派遣され天皇の軍を大和に道案内した
     ~ 賀茂県主の先祖伝 神社も 
烏喰の儀
    烏に供物
烏喰の神事
    安芸の厳島神社


□神事の中の共感
  厳島神社
   - 養父崎神社 
       御烏喰神事
烏との共感


□烏呼びと烏占い 
東北 
   1月11日「山入り」烏に焼き餅を投げあげた





☆「職員室の経営学」 飯田稔 ぎょうせい 1998年 ①【再掲載 2015.3】

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◇出会いの印象・出会いの評価
リーダーの条件 
    『統帥綱領』(昭和3年)
    高邁ノ品性 公明の資質 無限ノ包容力
    堅確ノ意志 卓見ノ識見 非凡ノ洞察力
Q校長
    「当地不案内,校長初体験,非力なわたしをたすけてほしい」
 - 要点を押さえて具体的 同行を促す
        「一緒に考えよう」「一緒に進もう」
◎ 話し方のトレーニングを
底に:実践の蓄積,何を話すかの判断力


◇挨拶は人間関係の潤滑油
されてからする人
学校の廊下 
   ~ 気軽に会釈を
   だれにでも挨拶の言葉をかけるとよい
<礼儀正しくガードの堅い学校>
「ございます」が抜けた
   「実るほど頭の垂れる稲穂かな」
「お世話様」の一言が 
    仕事の手伝い・助勤

 
◇管理職のあり方・生き方
海外旅行を
   ~ おみやげは見聞だ
  博物館・美術館・遺跡
話・報告文・挨拶文に抽象的な言葉を並べない
   - リアリズムの目
酒席のスマートさ 
    ◎酒の席で兵を語るのは戦の下の下


◇なぜ校長室があるのか
艦船の例から
   - 「高度の判断」のため
テレビ・ラジオ
    ~ 非常災害時の情報
  緊急用通報連絡
    ~ 電話
  書棚    
    ~ 運営の策を練るため
教頭は職員室の中央で
  教頭
     ~ 様々な案件処理
     = 副長 オフィサールームの中心
教頭の役割の重大さ 
    校内の伝声管の役割・レーダーの役割

  ◎ 自重・自戒・自律・自粛・自制・自学
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キーワード 読書について55-「なりたい 学芸員・司書」Dai-X出版事業部 2003年 (2) /「兼好さんの遺言」清川妙 小学館 2011年 ③(最終)【再掲載 2014.6】 [読書記録 教育]

今回は、11月11日に続いて、
「キーワード 読書について」55回目、
「なりたい 学芸員・司書」の紹介 2回目です。


出版社の案内には、

「図書館・博物館で働きたい人のために、学芸員・図書館司書についての必
 要最小限の知識を効率的に得られ、疑問点を解決できるように解説。資格
 取得後の活用法についても説明する。」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「公立図書館では職員の1/4が司書、3/4は一般職。
先進諸国では一館あたり、1000~5000人。日本では一館あたり73000人」


・「博物館の四機能、資料の収集、資料の保管、資料に関する調査・研究、
教育普及活動」


・「博物館の種類は8つ。①総合博物館 ②歴史博物館 ③美術館 
④科学博物館 ⑤動物園 ⑥水族館 ⑦植物園 ⑧動植物園」



もう一つ、再掲載になりますが、清川妙さんの
「兼好さんの遺言」③を載せます。



☆キーワード 読書について55-「なりたい 学芸員・司書」Dai-X出版事業部 2003年 (2)

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◇司書の現在
司書の要件 
    ① 利用者を知ること
② 資料を知ること
③ 利用者と資料とを結びつけること

  司書の特性 
    ① 専門知識を高める
② 利用者と積極的に話す
③ 気長に前向きに考える

   公立図書館
     1/4が司書 3/4は一般職
先進諸国 一館あたり 1000~5000人
日本 一館あたり73000人

 
◇司書資格を取るには
司書講習 
    通信も 
    4~6月ごろ申し込み「学校図書館」
資格<司書> 
      ① 大学2年在学
② 2年以上司書補
大学・短大での養成
厳しい就職 
    職員のうち専任司書は3割
通信
   - 明星大学,玉川大学,仏教大学,近畿大学

 
◇博物館
博物館の四機能
    ① 資料の収集
② 資料の保管
③ 資料に関する調査・研究
④ 教育普及活動
博物館の種類  
    ① 総合博物館 
    ② 歴史博物館
    ③ 美術館
    ④ 科学博物館
⑤ 動物園 
    ⑥ 水族館 
    ⑦ 植物園 
    ⑧ 動植物園
分類
    ① 登録博物館  
       - 県教委 2割
② 博物館相当施設
        水準には満たないが一定水準
③ 博物館類似施設 

「国立」は対象外
  資格認定試験
    毎年1回 11月頃
願書受付 5~8月
必要書類 
      ① 願書(一科目につき1200円の収入印紙)
② 受験資格証明書類
③ 履歴書
④ 住民票写し
⑤ 写真
⑥ 免除科目の証明書類
書類提出先 
      県教委
試験科目








☆「兼好さんの遺言」清川妙 小学館 2011年 ③(最終)【再掲載 2014.6】

[出版社の案内]
賢人・兼好法師がわたしたちに遺してくれた、かずかずの言葉を、90歳と
なった人生の達人・清川さんが、自らの90年の人生に重ねあわせて語る、
最高の生きかたエッセイです。
生まれた息子が耳が不自由だと知ったとき、主婦から物書きへと転進した
とき、53歳で英語を習いはじめたとき、65歳で初めてイギリスにひとり
旅をしたとき、夫と息子に相次いで先立たれたとき、それらの試練のとき、
清川さんの傍らにはかならず、兼好さんの言葉がありました。
『一瞬一瞬をたいせつに生きよ』『死は知らないうちに、すぐ後ろに迫って
いるのだ』『思い立ったら、時を移さず実行せよ』『自分の頭で考えよ』『ひ
とりで自立して生きよ』『いつも素直に、みずみずしく生きよ』。
そして、清川さんは最後に語ります。
『人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや』
- 生きてあることじたい不思議なことなのだから、と。
人生に悩む人に、人生をあきらめる心に、最強のカンフル剤となる一冊で
す。

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◇よき友、わろき友
まずは<わろき友>の話から
  友とするにわろき者 
     1 高くやんごとなき人  
     2 若き人 
     3 病なく身強き         
     4 酒を飲む人 
     5 猛く勇める人 
     6 虚言(そらごと)する人   
   7 欲深き人

  つづいて<よき友>
  よき友3つ 
     1 物くるる友 
     2 医師 
     3 智恵する友 117段

  智恵ある友とふれあう喜び

  エイジシュートを目指したい

 

◇おなじ心の友
真実の友を求めて

  困った客 
   「さしたる事なくて、人のかり行くは、よからぬ事なり。用ありて行
    きたりともその事果てなばとく帰るべし。久しく居たる、いとむつ
    かし」    170段

  好ましい客

  自筆の手紙がいちばん
  「手のわろき人の、はばからずぶんしょさらすはよし。見ぐるしとて、
    人に書かするはうるさし」  35段


◇教養とセンスある生き方
朝夕の心づかいが教養をつくる

  これぞ古典の味わい方

  いくつになっても五感をとぎすませて


◇人は皆寂しいのだ
恋の別れの寂しさ

  死別の哀しみ

  生き形見の勧め

  生きていくことが一番大切


◇生きていることはすばらしい
  すべてのことは始めと終わりがおもしろい 

  心で味わう人、からだで味わう人

  生きている
   - このすばらしい不思議


◇悔いなく老い、悔いなく生きる
四季の移り変わり 
    「時節の移りかはるこそ、ものごとにあはれなれ」19段

  歳月の人の一生

  悔いなく生きよ


◇おわりに
  雑誌「いきいき」 2009.7月号~2010.10月号


◇清川妙
1921年山口県生 
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竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)④-教師は教育改革についていけるか? 竹原泰三 ジャーナリスト /「昭和史をどう生きたか」半藤一利 東京書籍 2014年 ④【再掲載 2015.8】 [読書記録 教育]

今回は、11月10日に続いて、かつての月刊『少年育成』誌のコラムから、
「竹原泰三さんはこんなことを」④紹介します。


もう一つ、再掲載になりますが、半藤一利さんの
「昭和史をどう生きたか」④を載せます。
読んでいると、悲しさとともに静かな怒りがわいてきました。





☆竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)④-教師は教育改革についていけるか? 竹原泰三 ジャーナリスト

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 東京・品川区の小学校に「すまいるスクール」というのがあるそうだ。


 小学生が放課後や土曜日に遊んだり学んだりする場所として、去年9月
に第1号が開校、今年9月には新たに3校が開校した。


 場所は学校の空き教室を利用したり、敷地内に別の建物を建てたりとそ
れぞれ工夫している。


 少子化で学校の教室が余っているのもこうした試みができる理由の一つ
である。


 その中身だが、「教室」はパソコン教室や英会話など、各学校で異なる
が、自由時間は好きなように過ごすのが原則。


 囲碁やトランプなどのゲームをしたり、校庭での運動、折り紙、自習
を想定しているという。


 補習を中心とする勉強会もあり、一、二年生は週一回、それ以外は週2
回で、プリントなどを活用している。


 子どもたちの相手をするのは、専任の指導員一人と非常勤スタッフ8人
で、教職経験者や志望者が当たっている。


 PTAや地域の「達人」の力を借りているところもある。放課後は午後
5時まで、土曜日や夏休みなどは午前9時から午後5時まで開いている。


 登録制にしているため、毎日受付で名前を書かせて出席を確認している
が、全校児童の6割から8割の児童が登録しているという。


 学習指導要領が改訂され、新たな教育のあり方が大きな課題になってい
る時だけに、なにかと参考になりそうだ。


 この新聞記事を読んで、団塊の世代の我々の時代はどうだったか、思い
出してみた。


 かつてないほどの大勢の子どもたちが一斉に小学校に入学する時期を迎
え、教室が足りない。


 いや、学校そのものが足りない。


 新しい学校が次々にできて、マンモス校は分割され、子どもたちは転校
していく。


 同じ学校にいても、新しい枚舎ができて、学校の様子はめまぐるしく変
わる。


 それでも教室が足りず、二部授業、三部授業も経験した。


 今となっては懐かしい思い出である。
 

 小学校の校庭はおおむね地域に開放されていたように思う。


 私は地方で育ったが、小学生の頃は地域の子供会のソフトボール部に所
属していたので、土曜日や日曜日は遅くまで校庭で練習をしていた。


 同じグラウンドでは自転車に乗る練習をしたり、ドッジボールを楽しん
だりする子どもも多く、小学校は地域の交流の場になっていた。


 先生や保護者は今ほどは授業のことにうるさくなかった。


 これは勉強をしなくてもいいという意味ではなく、子どもは勉強するの
が当たり前と考えられていたから、口に出して言わなくてもよかっただけ
である。


 けんかをして少しくらいけがをしても、けんかは子どもにはつきもの、
親の出る幕ではないと、おおらかだった。


 子どもが学校でけがをすると、すぐに学校に文句を言うようになったの
はずっと後のことである。


 日本の教育は今、大きく変わろうとしている。今年は「教育改革元年」
といってもいいのかもしれない。


「学力の低下をどうやって食い止めるか」「子どもたちに休日をどう過ご
させるか」手探りの取り組みが続いている。


 こうした現状を、全国の公立中学の先生たちは、「もっと学校の現実を
ふまえた改革にしてほしい」「改革が速すぎて余裕をなくしている」と考
えていることが、国立教育政策研究所の調査でわかったと、朝日新聞は紹
介している。


 この記事を読むと、読者の多くは、現場の先生たちは大変だ、と思うこ
とだろう。

 しかし、調査結果はその通りであっても、結果をそのまま受け入れるこ
とはできない。


 教師たちの不満の背景には、この春から導入された新しい学習指導要領
では「学力が低下する」という反発が強く、文部科学省が急きょ「学びの
すすめ」を出して学力の維持を呼びかけた、といういきさつがある。


 確かに現場の立場としては、教育方針がころころ変わっては、たまった
ものではないだろう。


 しかし、教育改革の議論の推移を見ていると、教師が反発している本当
の理由は、そのことではなく、これまで「ゆとり路線」一辺倒できていた
教育改革が、「学力優先」に方針転換しようとしていることに対する反発、
危機感ではないだろうか。


 今回の調査でも、自由記述で「教科内容の削減への不安」などを指摘し
た教員は17パーセントしかいなかったという。


 世論の多くが「学力の低下」を心配しているのに、現場の教師はほとん
ど気にしていないという、教育界の現実離れを物語っている。


 この記事の最後は「今は大改革期で、教員に、これまで以上に力量の真
価が問われているという自覚が必要だ」という言葉で締めくくっているこ
とを現場の教師も忘れないでほしい。







☆「昭和史をどう生きたか」半藤一利 東京書籍 2014年 ④【再掲載 2015.8】

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◇指揮官たちは戦後をどう生きたか 保阪正康 (後半)
□樹を植え続けた吉松喜三
  吉松喜三大佐
   … 戦争が終わると黄色の大地に植樹
戦中戦後に400万本
「緑の連隊長」第三連隊は「植樹部隊」

靖国神社境内の樹の実から苗木 
       → 遺族に!
戦場での勇猛果敢な指揮官ほど、物静かな方が多い


□佐伯静丈大佐 乙戸昇 田辺弥八
「真の勇気とは?」
    → 「義務に従って精一杯努力することでしょう」 
長谷川稔
     →  藤沢高校の英語の先生に
            ↑↓
大本営の参謀  
    生き死にが遠い世界
    計算をする生き方 



□責任を感じない人々
  愚将が戦後も復職や国会議員になった例が多い
  辻政信
   → バンコクで終戦 戦犯指定を遁れるため「僧に変装して」 
   S24.8帰国ベストセラー
  S27 参議院議員
  よくしゃべる
   反省の「は」の字もない人
      戦争中も常に責任逃れし、さんざん失敗し日本兵を殺し、戦後
も同様、責任を取らずに反省もせず 
    → こういう人物を議員に選ぶ日本人 
   

□牟田口康也の自己弁明
自分は悪くないと言い続ける
ことある毎に部下には「失敗したら腹を切れ」
            ↓
     ◎しかし自分は責任を取らない
 最後まで犠牲となった兵士たちへの謝罪はなかった


□宮崎繁三郎の部下
顔色を変え
  「あの人は畳の上で死んではいけない人間なんだ。そういう指揮官が
   何人かいるんだ」


□内藤良一中佐  
  ミドリ○○初代社長 731部隊
石井四郎 731部隊幹部
戦犯に問われるのを恐れて、偽の葬式まで出した
        |
    部下の内藤がアメリカと交渉して731部隊の研究成果を引き渡す
   代わりに免責   
かつてのミドリ○○には社員に731部隊の出身者が多い


□三波春夫と加藤大介の戦争
 加藤大介『南の島に雪が降る』回顧録
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「愚者が訊く」倉本聰・林原博光 双葉社 2014年 ② /「教師 大村はま96歳の仕事」大村はま 小学館 2003年 ④【再掲載 2015.12】 [読書記録 一般]

今回は、11月16日に続いて倉本聰さん、林原博光さんの
「愚者が訊く」の紹介 2回目です。



出版社の紹介には


「豊かな自然の中で環境教育活動を行なっている脚本家・倉本聰が、自然
 のあり方、ヒトの行く末、日本の未来について、一流の専門家たちに恥
 も外聞も捨て、愚者として初歩的な質問をどんどん問いかける対談集。
 『誇りを捨てなかったら得られなかった』- 珠玉の知識に溢れた一冊。
 対談相手は池上彰氏、ベストセラー『原発のウソ』の京大助教・小出裕
 章氏、地球惑星科学者で東大名誉教授・松井孝典氏など7人。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「流氷はちょっとだけしょっぱい。凍る時80~90%の塩分が抜ける
  から」


・「流氷面積は30年間で約20%減。容積体積では30~40%減。   
海が凍ることによって保たれるバランス。気候を決めているのは海」


・「一匹のミツバチがとる蜂蜜は、一生でスプーン一杯にならない」


・「ミツバチの大量失踪、CCD『蜜蜂崩壊症候群』の原因としては、ネ
オニコチノイド農薬説が主流。有機リン酸系と比べ毒性が極端に低い
と言われるが慢性毒性により免疫自体が落ちてしまうのかもしれない」






もう一つ、再掲載になりますが、大村はまさんの
「教師 大村はま96歳の仕事」④を載せます。



☆「愚者が訊く」倉本聰・林原博光 双葉社 2014年 ②

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◇極致の海で今何が起きているのか 大島慶一郎 海洋学者 1960釧路市生 北大教授
 
□お風呂の水と石けんとシャボン  
北極  
     水深3000m 
     流氷・海氷平均2~3m厚 
     シャボン
   南極  
     降雪が積もった平均3000m近い厚さの氷の大陸 
     真水 石けん 
70万年前まで南極の氷で過去をさかのぼれる
 

□塩のさじ加減が循環の決め手
流氷はちょっとだけしょっぱい
      (凍る時80~90%の塩分が抜ける)
世界一重い氷は南極低層水
重い水が沈み込む 


□湯気が天井からぽつりと滴で


□流氷の生まれ故郷沿岸ポリニャ


□太平洋の心臓 オホーツク海
巨大な沿岸ポリニャ
     流氷がどんどんできる
      - 重い水
10000m深さまで循環


□「流氷の故郷はアムール川」の間違い
アムール川からは1%以下 
     0.1%くらい
北極海の氷 
     昔は3.4m 
      → 今は2~3m  今年ものや4年もの
   流氷面積  
     30年間で約20%減 
     容積体積では30~40%減   


□海が凍ることによって保たれるバランス
海の生態系と海の酸性化  
     動物プランクトンが無くなる
   気候を決めているのは海  


□氷がとけると海水面は上がる?
北極の氷が全部とけても海水面は上がらない
   グリーンランドの氷がとけると海水面は上がる       



◇ミツバチが教えてくれる環境汚染  養蜂業・山田英生 1957岡山県生
 
□○が合体して六角形に
   ミツバチは丸いつもりで作っている 
同じ大きさの円を並べて隙間をなくすと六角形になる


□ミツバチの蜂蜜
ミツバチ一匹一生でスプーン一杯にならない


□ミツバチは家族
コロニー 群 家族 
     働き蜂は雌 
     一匹だけは女王蜂
女王蜂のみローヤルゼリー 
     寿命は働き蜂の30~40倍
働き蜂も生まれてから三日間はローヤルゼリー
女王蜂
     ~ 一生ローヤルゼリーを食べながら卵を産み続ける
働き蜂は蜂蜜(ごはん)と花粉(おかず)を食べている
先に生まれた女王蜂が後の女王蜂を殺してしまう
 

□女尊男卑の社会
冬の間雄はいない
3万匹 
     女王蜂は一匹 雄が数百匹
雄は生殖だけ 一匹1回 外れて死ぬ
300匹で5匹だけ交尾できても295匹は野垂れ死に
秋になると蜂蜜が少なくなり巣から追い出される
 

□ミツバチの大量失踪
CCD「蜜蜂崩壊症候群」
ネオニコチノイド農薬説が主流 
        → 神経をおかしくしてしまう
          死骸がない
   ネオニコチノイド農薬
     有機リン酸系と比べ毒性が極端に低いと言われる     

◎ 慢性毒性か?
         免疫自体が落ちてしまう
     ネオニコチノイド
 ~ 殺虫剤 カメムシ  商品名「ダンレツ」    


□沈黙の春・喧噪の夏
東京・夜泣きゼミ  
     ネオニコチノイド
      - 益虫も害虫も一緒にいなくなる
スズメが減っている 
     → ネオニコチノイド農薬が効く虫を食べる?


□その安心・安全はどの目線で見たもの?
ネオニコチノイド系
    -  浸透性残留性が高く種子の状態の植物の中に入れる使い方も
      工夫されている
イネ  
     もみごと農薬に漬ける
      - ドブづけ
     毒性が低い
      = 毒性が分かりにくい
   ▲ネオニコチノイド系の農薬の害  







☆「教師 大村はま96歳の仕事」大村はま 小学館 2003年 ④【再掲載 2015.12】 

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<続きはこちらから>


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