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「土のいろ」集成 第六巻 52~59号 1932~1933年  発掘された日本列島2011 [読書記録 郷土]

柳田国男の民俗研究に連動して生まれた浜松の郷土誌「土のいろ」
今回は「土のいろ」集成第六巻52号~59号の抜粋を載せます
昭和7年から昭和8年 
およそ70年前の地域誌です
飯尾さんを中心とした教員が同人となり寄稿した雑誌
教員の意欲と地域を大事にしようという思いを強く感じます

「村櫛村酒専売所」は現在でもガーデンパークで
「むらちゃ」として運営されています
地域の生活を大切にしようとする思い…感じます

わたしも勤務経験のある浜松市・五島地区の「おんべ」
以前は浜松付近の各地で行われていた行事ですが
時代の流れと共になくなっていきました
しかし、五島地区では、今でも大晦日に行われています
「おんべやいとささやいと…」
と唱えながら 夜半に各戸を回る子どもたち
地域を、伝統を大切にする姿 
できる限り残してほしいものです

「土のいろ」 
本を開いているとあっという間に時間が過ぎてしまいます
宮本常一さんも大阪で同様の運動をしていました


昨日は 妻と静岡市・登呂遺跡で行われている
「発掘された日本列島展」に出かけました
ちょうど地域の祭りと重なっており にぎやかで
駐車場に入るまで40分ほど待つ盛況ぶりでした
昨年度日本各地で発掘された代表的な遺物を展示する
「発掘された日本列島展」にも 多くの人が来ていました
江戸東京博物館を皮切りに日本各地で開催されている本展ですが
静岡では今月いっぱい開催されています
いっとき「歴男 歴女」になることができました


※登呂遺跡イベント情報
 http://www.shizuoka-toromuseum.jp/event/detail.asp?r=36
※「発掘された日本列島2011」展開催のお知らせ
 http://www.bunka.go.jp/oshirase_event/2011/hakkutsu_2011.html





☆「土のいろ」集成 第六巻 52~59号 1932~1933年

1.jpg

◇月報6
教育者・民俗学者 中道朔爾先生のこと 鈴木波男
児童個性への配慮


◇第9巻第5号 通刊52号 昭和7年9月
 遠州の方言地域 佐々木清治


◇第10巻第1号 通刊53号 昭和8年1月
 遠州引佐の「普請講」に就いて 新田勇次

 還魂志料遠州雑記 横田大一     
①大井川川越人足の話 谷川関
②見付宿スッポン屋の話 泥亀屋
③隠語「小夜の中山」の話
④森繁子墓誌の写し
⑤八木美穂の話

村櫛村酒専売所の概況
創設 安政元年大地震 → 倹約 酒専売禁止 5か年倹約の儀
次第に緩む ← 専売で節酒勤倹の美風を
消防組で経営

 祭狂言のことども 飯尾哲爾


◇第10巻第2号 通刊54号 昭和8年3月  国文学号

 類題和歌 近藤用一(紺屋町に宝林堂=古書) 

 内山真龍の浜松歌附引馬地名考 岡部壌 
印波 → 引馬(インバ) 稲葉(イナンバ) 西伊場北方の高丘一帯 縁故有り

 広告「遠江積志村民俗誌」郷土研究者 中道朔爾


◇第10巻第3号 通刊55号 昭和8年5月
 遠江郷土歌集 鈴木覚馬 平松東城 中道朔爾 飯尾哲爾 近藤用一  
遠江国 「和名抄」止保太阿不三
「万葉集」等保都安布美,等保多保美,遠淡海の義


◇第10巻通刊4号 通刊57号 昭和8年10月  遠江郷土歌集


◇第10巻第6号 通刊58号 昭和8年8月
郷土伝説植物考 原田和
1 七つ森の片葉の葦 磐田郡久努村国本
  2 京丸の牡丹    周智郡気多村小俣京丸
3 大谷の三度栗   磐田郡三川村大谷幕ヶ谷
4 菊川の月の輪   榛原郡金谷町菊川付近
5 熊野寺の座論梅(ザロンバイ) 磐田郡池田村行興寺境内
花一輪に五つ六つ実がなる
6 巨松と名松 遠江三松 ①浜松の蛇松(浜松篠原・南浜辺付近)
②美園の松
③諸井の産松
  7 見名の蛇銀杏 豊田郡見付町 
8 大見寺の梅  磐田郡見付町
9 興禅寺の白牡丹 小笠郡国安村
  
 おんべ  伊藤茂市 五島村松島
   旧12月8日と2月8日の2回,夜中12時から夜明け前
尋常4年~高等1年くらいまでの男子
準備 ①鐘を担う棒 打つ槌
      ②打つ棒は神社内の樹の枝
③女竹で堤防かちとり1本に二三条の七五三縄

神社数軒前の渡辺斧三郎宅に
お願い 大きい者は鐘太鼓を打ち,会計をしたり年下の世話をする
他の者2,3本 拝殿を祓う
「おんべとやいと,とうととやいと」太鼓

3日祓い三周回って神社のお払い → 各家へ
地についた竹ではお祓いしない
お礼 2~3銭 多い家は5銭
  ↓
全部お祓いが終わると竹・棒・土等は下方の井堀に流して
       しまう。もらった金は会計・平等に分けてから家に帰る。
余白 八日神・神送り場
  八日神は浜松市南の農村
2月8日,12月8日
悪神を村から追い出す行事
子供が未明に家々を巡り鉦を叩き村境まで送り出した

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