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「思春期の子に本当に手を焼いたときの処方箋33」土井高徳 小学館新書 2014年 ③ /「<特集>喜怒哀楽の人間学」の言葉 『致知』2004年11月号 【再掲載 2013.12】 [読書記録 教育]

今回は、9月4日に続いて、土井高徳さんの
「思春期の子に本当に手を焼いたときの処方箋33」の紹介 3回目です。



出版社の紹介には


「子どもの言葉が荒くなった。暴力をふるわれた。口をきいてくれないので何
 を考えているのかわからない......。10歳からはじまる思春期。子どもの突然
 の態度の変化に戸惑う親は多い。
 37年間に100人。福岡県北九州市の「土井ホーム」にやってくるのは、ほ
 かの施設では手に負えないほど心に傷を抱えた子どもたち。ともに暮らしな
 がら心の傷を癒し、社会へと自立させてきた日本でただひとりの『治療的里
 親』が、だれにでもできて、どんな子にもすぐによく効く10~22歳、思春期
 の子育ての処方箋を伝授。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「大声を上げれば上げるほど逆効果。接する側が変わることが大切」


・「『しつけ』とは親が自らの行動をコントロールしながら子どものモデルに
なって望ましい行動を学ばせること」


・「言葉のシャワーをかけてやる。子どもの問いかけに丁寧に応答する」


・「暴力や暴言は他害行為。『権利の一時停止』(タイムアウト)を宣言する」





もう一つ、再掲載となりますが、月刊誌『致知』2004年11月号より
「<特集>喜怒哀楽の人間学」の言葉を載せます。
いろいろなかたちの優しさがあることに気付きます。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。







☆「思春期の子に本当に手を焼いたときの処方箋33」土井高徳 小学館新書 2014年 ③

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◇思春期の子育てにすぐに効く処方箋 子どもとの接し方のテクニック(1)

1 子どもをダメにする10の叱り方
 ① 口汚く罵る   
    ② バカにする   
    ③ 脅す   
    ④ 一方的に命令する
 ⑤ 説教が長い   
    ⑥ 過剰に警告する   
    ⑦ 親が被害者の振りをする
 ⑧ 他の子と比較する   
    ⑨ 皮肉を言う   
    ⑩ ネガティブな予言をする

〈一口メモ〉
    心理的虐待
      ~ 虐待の世代連鎖


2 して見せて、言って聞かせて、させてみて
 大声を上げれば上げるほど逆効果
     → 親が変わることが大切

  〈一口メモ〉
    「しつけ」とは親が自らの行動をコントロールしながら子どものモデ
    ルになって望ましい行動を学ばせること


3「きちんと」「しっかり」では伝わりません 
 × 「ちゃんと」
      → 具体的な指示 1m以内で目を見ながら
 デジタルで具体的な指示
     1~5の大きさの声

  〈一口メモ〉
    親は将来 ←→ 子どもは現在 
具体的な指示 
      ユニバーサルデザイン


4 子どもの話をじっくり聞く 「傾聴タイム」をつくる
 初級
     ① からだと顔を子供に向け子どもの顔を見る
② 相づちを打ちながら子どもの言葉に耳を傾ける
③ 相手が言い終わるのを待つ

 中級 
     ① 子どもが言ったことを言葉で返す 
        「そうか○○は~したんだ」
② 傾聴タイムの時には子どもに指示やアドバイスをしない

 上級
     ① 子どもの気持ちに名前を付けてやる
「それはがっかりしたね」
「恥ずかしかっただろうね」

  〈一口メモ〉
    言葉のシャワーをかけてやる
    子どもの問いかけに丁寧に応答する


5 大事なことを伝える時にはしっかりと目を合わせる   
 「目は外に出ている脳」
     = 視覚の判断が80%

〈一口メモ〉
     言葉以外のコミュニケーションの重要性を紹介


6 子どもとの会話は「肯定的応答」
 親の肯定的応答は子どもの社交性、知的探索、学習を促進していく

〈一口メモ〉
     母親の情緒的な肯定的応答
      ~ 「安全基地」効果


7 制止する、無視する、称賛する
 子どもの争い
      → 制止する 無視する 称賛する
    まずはクールダウン
      暴力や暴言は他害行為
        → 「権利の一時停止」(タイムアウト)宣言   
      気が散らない場所に向き合う場所
1歳につき1分間 - すわる

「タイムアウトはおしまいいよ」
          そのあと機嫌を取らず普通に! 
親が通常モードに!
          親からの「応答」が何よりの喜び、最高の報酬

   〈一口メモ〉
     「無視する」「タイムアウト宣言」








☆「<特集>喜怒哀楽の人間学」の言葉 『致知』2004年11月号 【再掲載 2013.12】

 少年は両親の愛情をいっぱいに受けて育てられた。珠に母親の溺愛は近所の
物笑いの種になるほどだった。


 その母親が姿を消した。


 庭に造られた粗末な離れ。そこに寵もったのである。


 結核を病んだのだった。


 近寄るなと周りは注意したが、母恋しさに少年は離れに近寄らずにはいられ
なかった。


 しかし、母親は一変していた。


 少年を見ると、ありつたけの罵声を浴びせた。

 コップ、お盆、手鏡と手当たり次第に投げつける。

 青ざめた顔。

 長く乱れた髪。

 荒れ狂う姿は鬼だった。


 少年は次第に母を憎悪するようになった。

 哀しみに彩られた憎悪だった。



 少年6歳の誕生日に母は逝った。


「お母さんにお花を」と勧める家政婦のオバサンに、少年は全身で逆らい、決
して柩の中を見ようとはしなかった。


 父は再婚した。

 少年は新しい母に愛されようとした。

 だが、だめだった。


 父と義母の間に子どもが生まれ、少年はのけ者になる。


 少年が9歳になって程なく、父が亡くなった。やはり結核だった。


 その頃から少年の家出が始まる。


 公園やお寺が寝場所だった。


 公衆電話のボックスでうを二つ折りにして寝たこともある。


 そのたびに警察に保護された。



 何度目かの家出の時、義母は父が残したものを処分し、家をたたんで蒸発し
た。


 それからの少年は施設を転々とするようになる。



 13歳の時だった。

 少年は知多半島の少年院にいた。

 もういっぱしの「札付き」だった。


 ある日、少年に奇蹟の面会者が現れた。


 泣いて少年に柩の中の母を見せようとしたあの家政婦のオバサンだった。


 オバサンはなぜ母が鬼になったのかを話した。


 死の床で母はオバサンに言ったのだ。


「私は間もなく死にます。あの子は母親を失うのです。幼い子が母と別れて悲
 しむのは、優しく愛された記憶があるからです。憎らしい母なら死んでも悲
 しまないでしょう。あの子が新しいお母さんに可愛がってもらうためには、
 死んだ母親なんか憎ませておいたほうがいいのです。そのほうがあの子は幸
 せになれるのです」


 少年は話を聞いて呆然とした。

 自分はこんなに愛されていたのか。

 涙がとめどもなくこぼれ落ちた。


 札付きが立ち直ったのはそれからである。



 作家・西村滋さんの少年期の話である。
                                        

 喜怒哀楽に満ちているのが人生である。


 喜怒哀楽に彩られたことが次々に起こるのが人生である。


 だが、その表面だけを掬い取り、手放しで受け止めてはなるまい。


 喜怒哀楽の向こうにあるものに思いを馳せつつ、人生を歩みたいものである。

 その時、人生は一層の深みを増すだろう。われわれが人間学を学ぶ所以もそ
こにある。


 中江藤樹の言葉がある。 


「順境に居ても安んじ、逆境に居ても安んじ、常に担蕩々として苦しめる処な
 し。これを真楽というなり。萬の苦を離れてこの真楽を得るを学問のめあて
 とす」
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