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樋口清之さんはこんなことを⑧-「日本の風俗の謎」 大和書房 2011年 (2) /「宮本常一さん 教育について」 ②【再掲載 2017.5】 [読書記録 歴史]

今日は5月8日、水曜日です。


今回は、5月5日に続いて「樋口清之さんはこんなことを」8回目、
「日本之風俗の謎」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、


「『挨拶でお辞儀を意味』『敷居を踏んではいけない理由』『年越しソバの
真の起源』…礼儀作法から年中行事まで、この一冊でわかる!」


とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「赤は燃える火の色、太陽の色で、幸せ・魔よけを表した。足利時代末
まで米の色は赤だった」


・「茶道の影響で『茶碗』に。お茶を飲む椀に飯を盛るようになり、飯茶
碗が茶碗になった。また、一杯盛り切りだったのがおかわりをするよ
うになった。」


・「牛車の印が家紋の始まりで魔除け,家の繁栄を願い、縁起のいい植物
が選ばれた。江戸時代最盛期となった。町人・農民も全部家紋を持っ
  た」


・「末期の水は供食信仰からうまれたもので、送別会と同じ。死出の旅路
への送別と魂の連帯の確認を表す」

・「日本人の戦後は、捨ててならないものまで捨ててしまった。例えばし
つけ」



もう一つ、再掲載になりますが、
「宮本常一さん 教育について」②を載せます。





☆樋口清之さんはこんなことを⑧-「日本の風俗の謎」 大和書房 2011年 (2) 

1.jpg

◇座布団   
  だんだん物を開く
   = 縁が開ける おめでたい


◇手紙の形式  前文 頭 謹啓
  時候挨拶  
   - 朝夕大分涼しくなりましたが
安否挨拶  
   - 皆々様にはいかがお過ごしですか
お礼挨拶  
   - 常日頃お心に掛けていただきながら
お詫び挨拶
   - 御無沙汰にのみ打ちすぎ何とも申し訳ございません
  自分の安否 
   - お陰様にて私方一同も無事に過ごさせていただいております

  本文 
    興しの言葉 
     - さて,まことに突然恐れ入りますが
主文    
     - ○○大学の山田文夫氏を紹介していただきたく
末文 
     結びの言葉
      - 右何分にもよろしくお願い申し上げます
別れの挨拶
      - まだしばらくは暑さも残りますが
伝言依頼  
      - 皆様にはご自愛くださいますように
- 御奥様にもよろしくお伝えください

  結び                  
    敬具
        
  後付
    日付    
     - 9月17日
署名    
     - 浜松太郎
宛名敬称  
    -  磐田二郎様
脇付     
    - 机下


◇お赤飯   
  赤  
   - 燃える火の色-太陽の色 
   → 幸せ 魔よけ
足利時代末まで米の色は赤だった
   = 古代米の色の再現

 
◇食器の配列 
  箸
   - 手元 … 頭を左に
  刺身・焼き物
   - 右斜め前

   - 真ん中      
  汁碗
   - 左手前
飯椀
   - -右手前
茶碗
   - 茶道の影響で茶碗
・ お茶を飲む椀に飯を盛るようになった
・ 一杯盛り切りがおかわりをするように
◎ 飯茶碗が茶碗に
 

◇箸     
  もとは一本
   - ピンセット
タブー 
   - 握り箸 突き箸 透かし箸 迷い箸 及び箸 探り箸 回し箸
     こめ箸 ねぶり箸 かため箸 箸休め

 
◇おかわり  
  茶碗底に一口だけ残した
   = 何もなくなると縁が切れる 
   = まだ食べ終わっていない
◎ おかわりは2杯3杯かまわず = 1杯はタブー

 
◇お茶    
  点心作法が起源(禅寺)
お茶を飲み頭をすっきりさせる

 
◇蕎麦    
  2度の加工が必要
粉をひく 
    そばがき → つなぎ
関東だけで許される蕎麦の音
労働者 屋台

 
◇家紋    
  牛車の印が家紋の始まり 
縁起のいい植物が選ばれる = 魔除け,家の繁栄
- 江戸時代最盛期
名字帯刀禁止令はあっても紋章禁令はない
  町人・農民も全部家紋を持った


◇扇      
  ① 送風  
  ② 神を招く  
  ③ 武器  
  ④ 恭順の意
平安末期京都の扇を輸出
   - 倭寇のはしり

   「セン」→「ファン」
日本 → 中国 → ヨーロッパ

 
◇色直し   
  婚家の色に染まるは誤解
結婚式は神を祭り神に仕える式
女は神を祭る人
       = 神仕えの風俗
                    
 
◇末期の水  
  供食信仰から 
   送別会と同じ
◎死出の旅路への送別 と 魂の連帯の確認

 
◇天冠    
  死者の顔に三角布
    = 閻魔 町人・農民通るとき失礼のないように

 
◇お通夜   
  もがり 
  魂呼びの神事 
   → お通夜

 
◇戒名    
  僧侶になるだけでその人の七代の孫まで救われる

 
◇絵馬    
  雨乞い・日乞い
   - 馬を献上
静岡・伊場遺跡に平安初期のものが

 
◇しつけ   
  日本人の戦後 
   ◎ 捨ててならないものまで捨ててしまった
    - しつけ  
        本来物事の道理をわきまえさせ美醜善悪の区別を子ども
       の行動の中に教えていくもの
○ 物事や他人を愛する心(知恵)
○ 色のついていないうちに

 
◇日本の民主主義  
  柔軟性と流動性








☆「宮本常一さん 教育について」 ②【再掲載 2017.5】


◇民話
□話には型がある
  語り口調で覚えられる
  + 神秘力と超能力性(夜の暗さが必要)

□民話 
  ① 昔話 伝説
② おとぎ話(明治)
  御伽衆
    … 戦国時代終わり  
    → 大名の暇つぶしに
昔は寄り合い等話す機会が多かった。が,少なくなった。
    年寄りが語り手に。
日本 … 自然は人間と関わりがある
  「継子の話」
    シンデレラ  紅皿欠け皿  お月お星
幸せはいろいろの苦しみを経た中で得られるものだ
     = 成人式
民話は知恵のあり方を教えてくれる
 「本格説話」「派生説話」「笑い話」「機知話」

□昔話 
  言葉の訓練でありものの考え方の基礎である。
   - 理屈ではなしに自分の生活とやや離れたところでしていくこと
    によって自ずから身につけさせていく
  言葉の表情が大切
    → 抑揚をつけて話を作る
「むかしむかし」・・・・・「ぽんと市がさけた」
昔語りの場
    ① 子供に手伝わせるとき
        「昔を語ってやるから手伝え」
② 昔を語る場(青年会)
③ 旅人(薬売り)
 ※ 村落共同体の崩壊と共に急速に崩れつつある

□日本の昔話の特徴
① 日本
     - 抜け道がある  
・関所でも(犬なら)
・村八分(二分は)敗者復活もある
        ・泥棒にも三分の理
② 抜け道を日本全体が許している
③ 動植物が話をすること

□言葉遣い
① 幸せな言葉は多く使えばいいことではない。
      言葉は少なく。
② 女中奉公に 出稼ぎに
・言葉遣いを習ってくる 
     ・行儀見習い

□昔話の伝承
① 家の中の伝承 
     祖父母の役割 
      「かたり」
② 村の中の伝承 
・若者宿 
・日待ち 
・祭り
③ 世間師 
      旅僧・山伏・薬売り・魚や・大工・博労等

□語る民話から読む民話へ
  柳田国男
   「柳田先生の学問は播州での十三までの見聞の中にある。体験が
基礎。」
  環境が大切 
   = 自前の文化(目に見えない言葉・ものの感じ方・考え方)
生活の場・生産の場

□教育の場
◎ 家庭・社会・職場・学校

□わらべ唄 
 - ルールがあった
田植え歌 
      360で1セット - 360ずっと歌うと夕方に
伊勢音頭 
      作業唄・酒のもろみ作り
唄  
      自分の居場所を伝えるもの(山の中の馬子唄)
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