「一人ひとりが輝くほめ言葉のシャワー」菊池省三 日本標準 2012年 ① /「男もの女もの」丸谷才一 文藝春秋 1998年 ②(下)【再掲載 2017.1】 [読書記録 教育]
今日は5月9日、木曜日です。
今回は、菊池省三さんの
「一人ひとりが輝くほめ言葉のシャワー」の紹介 1回目です。
出版社案内によると、
菊池省三さんは 1959年愛媛県生まれ。山口大学教育学部卒業。出版当
時、福岡県北九州市立小倉中央小学校勤務。文部科学省の「『熟議』に基づ
く教育政策形成の在り方に関する懇談会」委員。毎週一回行う「菊池道場」
主宰
とあります。
出版から10年以上経ち、
このような状況が平常となっている小学校が多いのではないかと感じます。
学習に向かわせるまでに割くエネルギーが大変大きくなっています。
-叱っても状況は変わらない、ほめ言葉のシャワーでやる気を引き出そう
『北風と太陽』を思い出します。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「たとえば教師の指示に従わない友達が仲間のうちから一人でも出てくる
と、決まってその子と同じ行動を取ろうとする」
・「子どもたちの言動が粗暴になってきている。友達を『あいつ』『こいつ』
『お前』と呼んだり、授業中、考えることを放棄し、『できん』『分か
らん』『知らん』と平気でい言ったりする。それを繰り返す内に学力が身
に付かずますます言動が荒くなる」
・「自分の気持ちを言葉にすることができず、ちょっとしたことですぐに
『キレる』子どもたちがどの教室にもいるようになった」
もう一つ、再掲載になりますが、丸谷才一さんの
「男もの女もの」②を載せます。
☆「一人ひとりが輝くほめ言葉のシャワー」菊池省三 日本標準 2012年 ①
◇「ほめ言葉のシャワー」誕生の背景(1)
変わる子どもたち
1 「群れ化」する子どもたち
◎安易に仲間と同調
たとえば教師の指示に従わない友達が仲間のうちから一人でも出て
くると、決まってその子と同じ行動を取ろうとする
→ 自分だけがはじかれるから
- ただ仲間とあわせるだけの関係を強める
→ 群れ化するグループが増えると教室の中に正義が通用しなくなる
まじめさを否定しようとするから
= 「集団」になれない子どもたちが学年を問わずどの教室にも増えて
いる
2 粗暴な言動を繰り返す子どもたち
◎子どもたちの言動が粗暴になってきた
ある6年生の学級「教室からなくしたい言葉」アンケート
1位 死ね
2位 ばか
3位 消えろ
4位 むかつく
友達を「あいつ」「こいつ」「お前」
授業中「できん」「分からん」「知らん」
- ※ 考えることを放棄する
→ 学力が身に付かずますます言動が荒くなる
3 精神的に不安定な子どもたち
◎ちょっとしたことですぐに「キレる」子どもたちがどの教室にもいるよう
になった
- 自分の気持ちを言葉にすることができない子どもたち
- 授業中の私語
※ 教師が注意すると
→ 「チッ」と舌打ち
「えっ、何で私だけが」攻撃的
「分かってます」
厳しく注意すると
→ 泣いてわめいてふてくされて反抗的な態度
= 素直に注意を受け入れることができない
※ そのような子どもの多くは機嫌がよく落ち着いているときと、苛立っ
てそうでないときの落差がとても激しい
= 自分に自信が持てないから精神的に不安定
→ 相手のマイナス部分ばかりが気になり、そこへの不満を平気で口
にする
☆「男もの女もの」丸谷才一 文藝春秋 1998年 ②(下)【再掲載 2017.1】
[出版社の案内] キスを、豆腐を、漱石を論じて、源氏物語からピタゴラスに至る古今東西のゴ
シップ、文学、思想を縦横無尽。ゴリラは誰にキャベツを投げつける?切支丹
と歌舞伎の関係をさぐる!チョウチョは昔、日本にいなかった?コロンブスの
もうひとつの新発見?などなど-。目を洗われる18篇。
◇ゴシップ
「吾輩は猫である」
= 逸話集
- イギリス人は逸話好き
漱石
ゴシップ好き
愉快な,気鬱の晴れるおもしろい話を聞いたりしたりするのが
人生の一楽だった人
◇東西食器論
西洋
「空白の恐怖」
壁の一面に絵
食卓に見せ皿を置く
東洋
空白を喜ぶ
余白の美
西洋の食器
一種の意匠のバリエーション
日本の食器
ユニホームになっていない
◇菜の葉にあいたら桜にとまれ
蝶が王朝文化に出ないのは当たり前
和歌では字音の語を用いない
= 訓読みの語だけでゆく 和訓(仏教語を除く)
蝶にも訓はあった(古訓)
カハヒラコ
「川にひらひら飛ぶ」意味(大言海)
= 禁忌があった
蝶が人の魂であるという俗信
網野善彦
「蝶が人の魂と考えられむしろ不吉とされていたのではないか。人々
は蝶の美しさに恐ろしいものを感じていたのではないか。」
- 戦乱により非業の死を遂げたものの生まれ変わり
カワヒラコも用いず
◇小説論的王室論
フォスター
「小説の読者は自分より下の階級の登場人物には関心を持たない」
イギリス = 階級制度の厳しい国
上流 中流 労働者
↓ ↓
読書階級(上流、中流のみ)
◇命令形について
金田一春彦、大野晋は唱歌上手
本居長世
童謡作曲家 「青い眼の人形」「七つの子」「めえめえ子山羊」
本居宣長の子孫
わらべ歌には命令形が多い
童謡にも命令形が多い
「子供は簡単・直截(ちょくせつ)な表現を喜ぶ」から
(金田一春彦)
民謡にも命令形が多い
◇日本史再考 丸谷才一
政治家は公約を踏みにじる
→ 日本の政治では公約を破ってかまわない
明治維新以来
薩長土肥 = 攘夷をやらず開国に転じた(方便)
◇昔の日本人 丸谷才一
二木謙一(國學院大學)史学者
「昔の日本人は戦争の後で敵味方双方の戦死者の供養をした
= 敵に礼節を尽くした
しかし近代にはいると敵を弔うことをしなくなった
◎ 昔の日本人に比して低級になった
御霊信仰
放っておいたのでは怨みを呑んで死んでいった者の霊が祟る
今回は、菊池省三さんの
「一人ひとりが輝くほめ言葉のシャワー」の紹介 1回目です。
出版社案内によると、
菊池省三さんは 1959年愛媛県生まれ。山口大学教育学部卒業。出版当
時、福岡県北九州市立小倉中央小学校勤務。文部科学省の「『熟議』に基づ
く教育政策形成の在り方に関する懇談会」委員。毎週一回行う「菊池道場」
主宰
とあります。
出版から10年以上経ち、
このような状況が平常となっている小学校が多いのではないかと感じます。
学習に向かわせるまでに割くエネルギーが大変大きくなっています。
-叱っても状況は変わらない、ほめ言葉のシャワーでやる気を引き出そう
『北風と太陽』を思い出します。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「たとえば教師の指示に従わない友達が仲間のうちから一人でも出てくる
と、決まってその子と同じ行動を取ろうとする」
・「子どもたちの言動が粗暴になってきている。友達を『あいつ』『こいつ』
『お前』と呼んだり、授業中、考えることを放棄し、『できん』『分か
らん』『知らん』と平気でい言ったりする。それを繰り返す内に学力が身
に付かずますます言動が荒くなる」
・「自分の気持ちを言葉にすることができず、ちょっとしたことですぐに
『キレる』子どもたちがどの教室にもいるようになった」
もう一つ、再掲載になりますが、丸谷才一さんの
「男もの女もの」②を載せます。
☆「一人ひとりが輝くほめ言葉のシャワー」菊池省三 日本標準 2012年 ①
◇「ほめ言葉のシャワー」誕生の背景(1)
変わる子どもたち
1 「群れ化」する子どもたち
◎安易に仲間と同調
たとえば教師の指示に従わない友達が仲間のうちから一人でも出て
くると、決まってその子と同じ行動を取ろうとする
→ 自分だけがはじかれるから
- ただ仲間とあわせるだけの関係を強める
→ 群れ化するグループが増えると教室の中に正義が通用しなくなる
まじめさを否定しようとするから
= 「集団」になれない子どもたちが学年を問わずどの教室にも増えて
いる
2 粗暴な言動を繰り返す子どもたち
◎子どもたちの言動が粗暴になってきた
ある6年生の学級「教室からなくしたい言葉」アンケート
1位 死ね
2位 ばか
3位 消えろ
4位 むかつく
友達を「あいつ」「こいつ」「お前」
授業中「できん」「分からん」「知らん」
- ※ 考えることを放棄する
→ 学力が身に付かずますます言動が荒くなる
3 精神的に不安定な子どもたち
◎ちょっとしたことですぐに「キレる」子どもたちがどの教室にもいるよう
になった
- 自分の気持ちを言葉にすることができない子どもたち
- 授業中の私語
※ 教師が注意すると
→ 「チッ」と舌打ち
「えっ、何で私だけが」攻撃的
「分かってます」
厳しく注意すると
→ 泣いてわめいてふてくされて反抗的な態度
= 素直に注意を受け入れることができない
※ そのような子どもの多くは機嫌がよく落ち着いているときと、苛立っ
てそうでないときの落差がとても激しい
= 自分に自信が持てないから精神的に不安定
→ 相手のマイナス部分ばかりが気になり、そこへの不満を平気で口
にする
☆「男もの女もの」丸谷才一 文藝春秋 1998年 ②(下)【再掲載 2017.1】
[出版社の案内] キスを、豆腐を、漱石を論じて、源氏物語からピタゴラスに至る古今東西のゴ
シップ、文学、思想を縦横無尽。ゴリラは誰にキャベツを投げつける?切支丹
と歌舞伎の関係をさぐる!チョウチョは昔、日本にいなかった?コロンブスの
もうひとつの新発見?などなど-。目を洗われる18篇。
◇ゴシップ
「吾輩は猫である」
= 逸話集
- イギリス人は逸話好き
漱石
ゴシップ好き
愉快な,気鬱の晴れるおもしろい話を聞いたりしたりするのが
人生の一楽だった人
◇東西食器論
西洋
「空白の恐怖」
壁の一面に絵
食卓に見せ皿を置く
東洋
空白を喜ぶ
余白の美
西洋の食器
一種の意匠のバリエーション
日本の食器
ユニホームになっていない
◇菜の葉にあいたら桜にとまれ
蝶が王朝文化に出ないのは当たり前
和歌では字音の語を用いない
= 訓読みの語だけでゆく 和訓(仏教語を除く)
蝶にも訓はあった(古訓)
カハヒラコ
「川にひらひら飛ぶ」意味(大言海)
= 禁忌があった
蝶が人の魂であるという俗信
網野善彦
「蝶が人の魂と考えられむしろ不吉とされていたのではないか。人々
は蝶の美しさに恐ろしいものを感じていたのではないか。」
- 戦乱により非業の死を遂げたものの生まれ変わり
カワヒラコも用いず
◇小説論的王室論
フォスター
「小説の読者は自分より下の階級の登場人物には関心を持たない」
イギリス = 階級制度の厳しい国
上流 中流 労働者
↓ ↓
読書階級(上流、中流のみ)
◇命令形について
金田一春彦、大野晋は唱歌上手
本居長世
童謡作曲家 「青い眼の人形」「七つの子」「めえめえ子山羊」
本居宣長の子孫
わらべ歌には命令形が多い
童謡にも命令形が多い
「子供は簡単・直截(ちょくせつ)な表現を喜ぶ」から
(金田一春彦)
民謡にも命令形が多い
◇日本史再考 丸谷才一
政治家は公約を踏みにじる
→ 日本の政治では公約を破ってかまわない
明治維新以来
薩長土肥 = 攘夷をやらず開国に転じた(方便)
◇昔の日本人 丸谷才一
二木謙一(國學院大學)史学者
「昔の日本人は戦争の後で敵味方双方の戦死者の供養をした
= 敵に礼節を尽くした
しかし近代にはいると敵を弔うことをしなくなった
◎ 昔の日本人に比して低級になった
御霊信仰
放っておいたのでは怨みを呑んで死んでいった者の霊が祟る