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『学校ってなんだろう』産経新聞 「じゅくーる取材班」 新潮社 1997年 [読書記録 教育]

午後 職員室でパソコンに向かっていると
つい 眠くなってしまうときがあります
暑さのために
十分な睡眠が取れていないのでしょうか
早い時間に 寝なければいけせん

昨日は 
今シーズン最後のプール
ものもらいができ 入れなかった子どもが
入ることができない悔しさに
涙を出していました
最初は水が怖くてふるえていたのに
プールが大好きになったのだなと
可哀想だなと感じるとともに うれしく思ってしまいました

今回は産経新聞の「学校って何だろう」
新聞の連載記事をまとめたものです

「親らしくない親が増えている」
「戦場並みのストレスにさらされる教師」
「退職後の余命は七五三」
に首肯してしまいます

下村哲夫さんの言葉
「学校というのは幼稚園や大学のように時間がゆっくり流れ        
 る場に変えていくべきなのです。世間が忙しくなればなる        
 ほど,そうなるべきです。」

ぜひそうあってほしいと願います







☆『学校ってなんだろう』産経新聞 「じゅくーる取材班」 新潮社 1997年

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◇不登校
「学校へ行かなければならない理由」がないから
しかし,高校だけは違う → 学歴主義の蔓延
文部省 
  昭和41年から「学校嫌い」を理由に50日以上欠席で「登校拒否」
昭和50年 小中約   1  万人
平成 元年 小中約   4.7万人 
平成 7年 小中約 6.6万人


◇不登校その後

○学校の機能

「根本的な目的は,子供を社会化させること。人間は一人一人異なる存在だか     
 ら社会を維持するには,それぞれの価値観に一定の共通部分を作ることが必     
 要なのです」

「行きすぎた個人主義は社会の機能を破壊してしまう。『社会化した上での個     
 性化』でなければ意味がない。今や学校以外で社会化を遂げることは不可能     
 に近く,『集団の場としての学校』の存在価値はむしろ大きくなっているよ     
 うに思う」 耳塚寛明・お茶の水大・文教育学部助教授(教育社会学)

○不登校児支援グループ

学校否定派       VS    学校支援派
学校に行かない選択を 行きたいけど行けない
カウンセラー →学校に戻す

登校拒否サポート協会 吉岡康雄代表
「塾やスポーツクラブは何かを好きな者だけで構成する集団だが,学校には雑     
 多な人間が集まる。そういう場で人間は他人と比較して自分を知るのです。     
 比較しないと自分を当たり前だと思い,他人を認められなくなってしまう。     
 自己表現は本能だが他人を認めることは文化であり学ばなければできないの     
 です。」

耳塚助教授
「学校へ行かない子供をある程度認めることはできる。豊かな時代だからそう     
 した子供が生きていくことも可能でしょう。ただし,大多数に当てはめてよ     
 いわけではありません。社会性を身に付けない子供が増えれば日本の社会機     
 能は壊れる。他人を認めずに自分しか信じられない社会になってしまう」

河上亮一
「個人主義の当然の帰結として学校や社会を否定する考えは出てくる。学校に     
 通わなければその子が社会の一員になるのは難しい。一生親元から離れられ     
 ないこともあるだろう。しかし,親と子供がそれでいいというなら,私たち     
 に何が言えるのか。ただ半数が不登校になる事態は考えにくい。ごく少数の     
 選択に過ぎないなら,認めても問題はないでしょう。」


◇少年院

叱るだけの教師に不信感を抱く子供たち
生徒が心を開くような安心感を与える教師の存在


◇変わった子
いじめの原因はクラスで突出しているから
変わった子観
①少子化  違う見方や違う考え方に接する機会の減少
②情報化  感情の交流が減少
③学校において「人間を測る尺度」が減少
異質な考えを持つ子 = 変わった子  と評価される
優越感・劣等感は大切 ~ いろいろな機会で
成績という尺度だけが肥大化


◇多忙な日々

生徒とのふれあいがますます少なくなる学校現場
教師の多忙化とバーンアウト 
 七五三-退職後の余命
平7年,教頭5年,校長3年
業者テストの追放が多忙化を再び


◇多様な価値

責任回避をする親へ不満を募らせる教師
多様化が進むにつれて基本的な生活習慣が身に付いていない子供が         
 増えている

親らしくない親が増えている
「任せている」のではなく親としての責任を投げ出している
親 権利意識は強いが何かあった時に責任を完全に回避してしまう

◇駆け込み寺

戦場並みのストレスにさらされる教師
三楽病院 精神神経科
2学期 教師の不登校が出始める

教師の理想が大きく揺らぐ時代

「大学卒の母親が増え,あんな馬鹿な先生と教師を見下す。子供はそれを聞いて    
 教師を尊敬できなくなる。」

敬意に基づく秩序を育てる場としての機能を失っている


◇脱皮 公立高校の凋落傾向(首都圏)

私立志向 ①受験対応の私立へ
     ②いじめ荒廃のない私立へ


◇魅力ある学校づくりへの提言

○ スリム化  学校自ら不必要な役割を放すべき時代が来た

「学校にもっと権限を!」河上亮一
学校機能の縮小
生徒の処分権を第三者機関に

平成8年 自殺予告による学校恐喝

個人の自由をあまりに強調すれば学校機能が破壊される
→ 管理・画一性の再評価

○ 脱「学級王国」 これからの教師は「暇」をつくって社会に出よう!

○ 下村哲夫(筑波大学教授)
「学校というのは,本来,地域の共有財産です。つまり,学校改革を進める      
 ためには,今のように学校と先生が主体性を持ちすぎてもいけないのです。     
 先生の学校での勤務時間は午後2時ぐらいまでとし,あとの管理は教育委      
 員会などに任せればよいと思います。先生は2時以降,研修をするなり家      
 庭訪問をするなりまたは自らが住む地域の学校活動に参加することが望ま      
 しいのではないでしょうか。」
 

教師に今必要なのは時間と体験

「学級王国」に安住している時代の終わり
  「教師は学校から飛び出せ」
「教師を学校から開放しよう」

○ 地域との連携 - 教師と親の双方が「垣根」を取り払う努力を!

深谷昌志(静大教授)
「今教師がすべき事は子供の問題のスペシャリストになることだ」

日台利夫(元静大教授)
「学級通信をこまめに出すとか日常の細かなことが大切です」

○個性化と個別化
「共通のメニューを一人一人どんなふうに食べるかが個別化で,メニュー
 がいろいろある中でどのメニューを選ぶかが個性化なのです」

○エリート教育  変革の担い手となる真のリーダーの育成が急務

○ゆとりの意味  学校現場の裁量の度合いをもっと高めるべき
下村哲夫 「学校というのは幼稚園や大学のように時間がゆっくり流れ        
       る場に変えていくべきなのです。世間が忙しくなればなる        
        ほど,そうなるべきです。」


◇取材班からの提言(略)

◇あとがき
産経新聞 平成8年9月18日~平成9年1月28日
夕刊「じゅく~る面」36回連載

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