『キャンプ&野外生活ワンダーランド』 神谷明宏 柴田俊明 いかだ社 1998年 ⑦(最終) /「宮本常一著作集43 自然と日本人」 未来社 2003年 ⑥ 【再掲載 2013.9】 [読書記録 教育]
今回は、8月28日に続いて、神谷明宏さん、柴田俊明さんの
「キャンプ&野外生活ワンダーランド」の紹介7回目 最終です。
出版社の紹介には
「一人でキャンプに行っても困らないよう、野外で生活するための基本的な装
備、技術を絵解きで分かりやすく解説。後半は、キャンプリーダーのための
組織キャンプの準備と運営のポイントを収録。」
とあります。
4,5年生を担任していた頃を懐かしく思い出します。
もう一つ、再掲載になりますが、
「宮本常一著作集43 自然と日本人」⑥を載せます。
少し前の風景が目に浮かびます。
夏期休業中に、講談社現代新書、畑中章宏さんの
『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民が作る』を読みました。
わたしにとって大変わかりやすい本でした。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆『キャンプ&野外生活ワンダーランド』 神谷明宏 柴田俊明 いかだ社 1998年 ⑦(最終)
◇食事計画
1.野外炊事のねらい
野外炊事は、「おなかがすくから」「ごはんをつくるのはあたりまえだ」
というだけで強制的・義務的に考えられがちですが、実はとても教育効果
の高いプログラムなのです。
たとえば以下のようにとらえることで、触発の機会として生かしたいも
のです。
a.意欲を高め、自信をめばえさせる
包丁を使って野菜を切る、火をおこして煮たきするなど、ふだんの生活で
はできにくい新しい体験にあふれているので、興味・関心そして意欲を高め
るチャンスになります。
また、生活技術をひとつひとつ体験し習得していくことが、キャンパーに
自信をめばえさせるチャンスになります。
b.班員の結束を高める
おいしい食事をつくるという共通の達成目標があり、班・集団の結束を高
めるチャンスになります。
C.協力のしかたを学ぶ
食事づくりのために経験や体力に応じて具体的な役割が分担され、それぞ
れが責任をもって仕事にあたる機会が生まれます。ひとつひとつの作業に目
的意識をもたせれば、協力のしかたを楽しみながら体験的に学ぶチャンスに
なります。
d.キャンパー同士の相互作用を生む
キャンプ経験者が、初めて参加したキャンパーに対してその経験を生かし
リーダーシップを発揮する場面が多く、キャンパー同士の相互作用が生まれ
るチャンスになります。
2.食事計画のポイント
キャンプ場でおこなう野外炊事は、つぎの項目をまず頭に入れて考えたい
ものです。要は、目的達成のための手段として、適切な食料、炊事計画を考
えることです。
a.キャンプのねらい、キャンパーの経験を考える
☆ 経験者が多い、時間にゆとりがある等のキャンプでは、食事づくりを活
動の中心に置いて、凝ったメニューに取り組むのもいいでしょう。
☆ 反対に活動プログラムを中心に展開させるなら、手早くできるメニュー
にしたり、本部スタッフによる給食や現地でお弁当をとることも考えます。
いくら野外炊事に教育効果があるといっても、不慣れな集団が3食炊事を
すると、それだけで1日が終わってしまうことにもなりかねません。
b.チームワークや、メンバーの相互作用が生まれるよう考える
☆ みんなで手順や役割分担を相談できる献立、または未経験者でも比較的
短時間でできあがる献立を中心に考えるとよいでしょう。
C.キャンプフログラムと疲労を考慮する
☆ たとえば長時間の登山のようなハードな活動の後や、キャンプ日程の後
半等は、キャンパーの疲労度を考慮し、前述の本部給食や仕出し弁当を積
極的に取りいれましょう。
☆ 一般的に朝食は食べる量が少ない。また登山等で朝早く出発する時や、
撤収活動をひかえた最終日の朝は、火を使わなくてもすむパン食などのか
んたんメニューでいくと合理的です。
d.キャンフ場の条件を考慮する
☆ 現地で新鮮な食材が手に入るかどうか、炊事場に十分な広さがあるか、
準備できる用具は何かなどを考慮しましょう。
☆ 細かな火力の調整、大量の水の確保等は現場ではできにくいものです。
☆ 早く火が通るように調理したい時は、材料をうすく切るなどの工夫もし
ましょう。
☆ バーベキューは火加減がむずかしく、まきをつかった調理には不向きで
す。食材の周りを焦がすだけです。鉄板・金網・七輪等で炭を使い、安定
した火力を得ることができればいいでしょう。
☆ 暑さで食欲のない時、メニューに変化をつけたい時にめん類は効果的召
です。ただし、大量のお湯をわかしてゆでるといった調理は時間がかかり
ます。器具や材料をそろえて早めに調理を開始し、できあがりをすぐに食
事に出せるよう段どりを組みましょう。
e.献立の工夫だけではなく・食べさせ方も計画の中に入れる
☆ 食事をつくるところは傾斜地を避けましょう。
☆ しゃがんで食べるようだと、おなかが圧迫されて食欲がすすみません。
☆ 野菜サラダは少しずつ個別に取り分けて配膳すると、案外食べてしまう
ものです。
☆ キャンプが短期間であれば、あまり栄養価にはこだわらず、キャンパー
の好みを考えモリモリおいしく食べさせることができる献立を考えましょ
う。
☆ 本部のリーダーを食客にお呼びすると、招待状をつくったり食卓に花を
飾ったり、工夫する班もでてきて楽しくなります。また、おしゃべりがい
つもよりはずむこともあります。
f.食材の搬入計画も忘れずに
☆ 食材を現地で鰐入すると、新鮮な野菜や肉などが手に入ります。ただし、
調味料、嗜好品などは都会と同じものがあるとは限りません。
☆ 実地踏査の際に調べておいたお店と早めに連絡をとり、注文表に必要事
項を記入して、ファックスや手紙でやりとりをしておきましょう。配達し
てくれるお店は1日1回がふつうです。お盆の時期はお休みするお店が多
くなります。
☆「宮本常一著作集43 自然と日本人」 未来社 2003年 ⑥ 【再掲載 2013.9】
◇春三月に節句の花見
モモは、邪気災難をはらうというような俗信がなくとも、その実をとって食
べた。しかも栽培の容易な木であった。
栽培が容易というのは、種類が多いということであり、それぞれの土地の気
候や土質に適した品種のモモがあった。
大阪の桃山でも、伏見の桃山でも丘ひとつを埋めつくすほどに植えて、伏見
の桃山などは
「桃花盛んなるとき、一処に咲き連なれること、吉野の桜より多し」(貝原益
軒「大和本草」、1709)
というありさまであった。
そしてその実は、商品として売り出されたのである。
このような現象の見られるようになったのは、16世紀の終わりごろからの
ようで、近世に入るとしだいに瀬戸内海の島々にも栽培が広まっている。瀬戸
内のモモの花も、春3月の節句の花見の対象になっていったようで、モモの多
く栽培されていた生口島、大崎下島などへは花見の客を乗せた船が多く集まっ
てきたといわれる。
実が熟すと、船に積んで浦々を売り歩き、愛媛県の島々にはこの桃船が多く、
祇園祭りにモモを売って歩いたのも、津和地島、中島、興居島などのものがほ
とんどだった。
しかしその後、水蜜桃や白桃が多くつくられるようになって、在来のモモは
次第に姿を消していくことになる。
関東でも近世に入ると、モモの花が観賞の対象としてつくられるようになり、
江戸では四谷、中野、中里、大師河原、隅田川堤、葛飾郡築比地などの名が知
られていた。
また大田南畝の『一話一言』(1820)によると、植木屋長七というもの
が、駒が原の屋敷のなかにしだれ桜、白桃などを100本あまりも植えて、新
しい名所をつくつている。モモは、名所をつくるのも簡単だったようである。
しかし、ウメやサクラより木の寿命が短いためか、姿を消すのも早く、今日
では、モモの名所といわれるところはなくなってしまっている。
信仰の対象となる植物は、多くは野生しているものであり、人の手が加わっ
たとしても、日ごろは放置されているものが多い。モモは、野生化しているも
のより栽培されるものが多くなる段階で、その呪性を失ってしまったようにみ
られる。
そしていまでは、花見の対象にもならなくなってしまった。
「キャンプ&野外生活ワンダーランド」の紹介7回目 最終です。
出版社の紹介には
「一人でキャンプに行っても困らないよう、野外で生活するための基本的な装
備、技術を絵解きで分かりやすく解説。後半は、キャンプリーダーのための
組織キャンプの準備と運営のポイントを収録。」
とあります。
4,5年生を担任していた頃を懐かしく思い出します。
もう一つ、再掲載になりますが、
「宮本常一著作集43 自然と日本人」⑥を載せます。
少し前の風景が目に浮かびます。
夏期休業中に、講談社現代新書、畑中章宏さんの
『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民が作る』を読みました。
わたしにとって大変わかりやすい本でした。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆『キャンプ&野外生活ワンダーランド』 神谷明宏 柴田俊明 いかだ社 1998年 ⑦(最終)
◇食事計画
1.野外炊事のねらい
野外炊事は、「おなかがすくから」「ごはんをつくるのはあたりまえだ」
というだけで強制的・義務的に考えられがちですが、実はとても教育効果
の高いプログラムなのです。
たとえば以下のようにとらえることで、触発の機会として生かしたいも
のです。
a.意欲を高め、自信をめばえさせる
包丁を使って野菜を切る、火をおこして煮たきするなど、ふだんの生活で
はできにくい新しい体験にあふれているので、興味・関心そして意欲を高め
るチャンスになります。
また、生活技術をひとつひとつ体験し習得していくことが、キャンパーに
自信をめばえさせるチャンスになります。
b.班員の結束を高める
おいしい食事をつくるという共通の達成目標があり、班・集団の結束を高
めるチャンスになります。
C.協力のしかたを学ぶ
食事づくりのために経験や体力に応じて具体的な役割が分担され、それぞ
れが責任をもって仕事にあたる機会が生まれます。ひとつひとつの作業に目
的意識をもたせれば、協力のしかたを楽しみながら体験的に学ぶチャンスに
なります。
d.キャンパー同士の相互作用を生む
キャンプ経験者が、初めて参加したキャンパーに対してその経験を生かし
リーダーシップを発揮する場面が多く、キャンパー同士の相互作用が生まれ
るチャンスになります。
2.食事計画のポイント
キャンプ場でおこなう野外炊事は、つぎの項目をまず頭に入れて考えたい
ものです。要は、目的達成のための手段として、適切な食料、炊事計画を考
えることです。
a.キャンプのねらい、キャンパーの経験を考える
☆ 経験者が多い、時間にゆとりがある等のキャンプでは、食事づくりを活
動の中心に置いて、凝ったメニューに取り組むのもいいでしょう。
☆ 反対に活動プログラムを中心に展開させるなら、手早くできるメニュー
にしたり、本部スタッフによる給食や現地でお弁当をとることも考えます。
いくら野外炊事に教育効果があるといっても、不慣れな集団が3食炊事を
すると、それだけで1日が終わってしまうことにもなりかねません。
b.チームワークや、メンバーの相互作用が生まれるよう考える
☆ みんなで手順や役割分担を相談できる献立、または未経験者でも比較的
短時間でできあがる献立を中心に考えるとよいでしょう。
C.キャンプフログラムと疲労を考慮する
☆ たとえば長時間の登山のようなハードな活動の後や、キャンプ日程の後
半等は、キャンパーの疲労度を考慮し、前述の本部給食や仕出し弁当を積
極的に取りいれましょう。
☆ 一般的に朝食は食べる量が少ない。また登山等で朝早く出発する時や、
撤収活動をひかえた最終日の朝は、火を使わなくてもすむパン食などのか
んたんメニューでいくと合理的です。
d.キャンフ場の条件を考慮する
☆ 現地で新鮮な食材が手に入るかどうか、炊事場に十分な広さがあるか、
準備できる用具は何かなどを考慮しましょう。
☆ 細かな火力の調整、大量の水の確保等は現場ではできにくいものです。
☆ 早く火が通るように調理したい時は、材料をうすく切るなどの工夫もし
ましょう。
☆ バーベキューは火加減がむずかしく、まきをつかった調理には不向きで
す。食材の周りを焦がすだけです。鉄板・金網・七輪等で炭を使い、安定
した火力を得ることができればいいでしょう。
☆ 暑さで食欲のない時、メニューに変化をつけたい時にめん類は効果的召
です。ただし、大量のお湯をわかしてゆでるといった調理は時間がかかり
ます。器具や材料をそろえて早めに調理を開始し、できあがりをすぐに食
事に出せるよう段どりを組みましょう。
e.献立の工夫だけではなく・食べさせ方も計画の中に入れる
☆ 食事をつくるところは傾斜地を避けましょう。
☆ しゃがんで食べるようだと、おなかが圧迫されて食欲がすすみません。
☆ 野菜サラダは少しずつ個別に取り分けて配膳すると、案外食べてしまう
ものです。
☆ キャンプが短期間であれば、あまり栄養価にはこだわらず、キャンパー
の好みを考えモリモリおいしく食べさせることができる献立を考えましょ
う。
☆ 本部のリーダーを食客にお呼びすると、招待状をつくったり食卓に花を
飾ったり、工夫する班もでてきて楽しくなります。また、おしゃべりがい
つもよりはずむこともあります。
f.食材の搬入計画も忘れずに
☆ 食材を現地で鰐入すると、新鮮な野菜や肉などが手に入ります。ただし、
調味料、嗜好品などは都会と同じものがあるとは限りません。
☆ 実地踏査の際に調べておいたお店と早めに連絡をとり、注文表に必要事
項を記入して、ファックスや手紙でやりとりをしておきましょう。配達し
てくれるお店は1日1回がふつうです。お盆の時期はお休みするお店が多
くなります。
☆「宮本常一著作集43 自然と日本人」 未来社 2003年 ⑥ 【再掲載 2013.9】
◇春三月に節句の花見
モモは、邪気災難をはらうというような俗信がなくとも、その実をとって食
べた。しかも栽培の容易な木であった。
栽培が容易というのは、種類が多いということであり、それぞれの土地の気
候や土質に適した品種のモモがあった。
大阪の桃山でも、伏見の桃山でも丘ひとつを埋めつくすほどに植えて、伏見
の桃山などは
「桃花盛んなるとき、一処に咲き連なれること、吉野の桜より多し」(貝原益
軒「大和本草」、1709)
というありさまであった。
そしてその実は、商品として売り出されたのである。
このような現象の見られるようになったのは、16世紀の終わりごろからの
ようで、近世に入るとしだいに瀬戸内海の島々にも栽培が広まっている。瀬戸
内のモモの花も、春3月の節句の花見の対象になっていったようで、モモの多
く栽培されていた生口島、大崎下島などへは花見の客を乗せた船が多く集まっ
てきたといわれる。
実が熟すと、船に積んで浦々を売り歩き、愛媛県の島々にはこの桃船が多く、
祇園祭りにモモを売って歩いたのも、津和地島、中島、興居島などのものがほ
とんどだった。
しかしその後、水蜜桃や白桃が多くつくられるようになって、在来のモモは
次第に姿を消していくことになる。
関東でも近世に入ると、モモの花が観賞の対象としてつくられるようになり、
江戸では四谷、中野、中里、大師河原、隅田川堤、葛飾郡築比地などの名が知
られていた。
また大田南畝の『一話一言』(1820)によると、植木屋長七というもの
が、駒が原の屋敷のなかにしだれ桜、白桃などを100本あまりも植えて、新
しい名所をつくつている。モモは、名所をつくるのも簡単だったようである。
しかし、ウメやサクラより木の寿命が短いためか、姿を消すのも早く、今日
では、モモの名所といわれるところはなくなってしまっている。
信仰の対象となる植物は、多くは野生しているものであり、人の手が加わっ
たとしても、日ごろは放置されているものが多い。モモは、野生化しているも
のより栽培されるものが多くなる段階で、その呪性を失ってしまったようにみ
られる。
そしていまでは、花見の対象にもならなくなってしまった。
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