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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ④ /「日本例話大全書」有馬明人・中西進ほか 四季社 2001年 ⑥【再掲載 2015.6】 [読書記録 民俗]

今回は、11月15日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 4回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きてい
 る。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれ
 ば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ
 投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「過去からの不満と未来への不安」


・「『境界』はどっちつかずで曖昧で不安定な場所であり、空間的境界と時
間的境界がある」


・「初物はもともと神さまに供えるものであり、それをおろして食すから縁
起物となる。初物を食べるには一定の手続きがいる。東を向いて(太陽
信仰)笑いながら食べること。」



もう一つ、再掲載になりますが、四季社から出されている
「日本例話大全書」⑥を載せます。





☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ④

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◇暮らしと信仰(1)
1 縁起を担ぐ
□縁起担ぎ 
  心の負担 
    過去からの「不満」
未来への 「不安」

心の癒し
   
□「類感呪術」
   類感呪術
接触呪術

□古代人の「言霊信仰」
    寿(ことほ)ぎ(言祝ぎ(ことほぎ))の気持ち

□「境界」としての正月

□「境界」としての玄関
   胎盤処理

□歓迎会という儀礼
境界 
   = どっちつかずで曖昧で不安定な場所
       空間的境界、時間的境界  

□禁忌、儀礼集中
 
□A.V.ジェネップ(仏民俗学者)
  「通過儀礼」(1907 1977訳) 
分離-過渡-統合
    
□境界から周縁へ  
  独身者 
  → 婚約者
  → 夫婦者
V.ターナー「儀礼の過程」(1969 1976訳)
中 心  と   周 縁
秩序 反構造・無秩序
芸術・宗教
コミュタニス論

□古い世界から新しい世界へ
「初物七十五日」
    美味く 縁起物

初物はもともと神さまに供えるもの
それをおろして食すから縁起物
  ↓
◎ 初物を食べるには一定の手続き
       東を向く(太陽信仰) 笑いながら
           ∥
       最初が肝心

□呪術信仰の秘密
女性髭の毛
   - 船魂様の御神体
女性陰毛
   - 兵士の弾除け
fetico フェティーノ
聖遺物 お守り

もと15世紀後 西アフリカの呪物

□不気味なもの不潔なもの
呪物 
   ① 珍奇なもの   
四つ葉のクローバー、茶柱
② 不気味なもの
陰毛、蛇の抜け殻






☆「日本例話大全書」有馬明人・中西進ほか 四季社 2001年 ⑥【再掲載 2015.6】

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◇人生の道しるべ
□障害者にしかできないこと
   乙武洋匡

□こころで思う長寿法
   良寛 「少欲知足」

□小食を心がける健康法 細川幽斎
細川幽斎(534~1610) 武人・歌人

□一休
一休(1394~1481) 室町中期・臨済宗の禅僧
とんち話は江戸時代に作られた
一休
    = 後小松天皇の皇子 幼くして寺に
足利義満が皇位を狙い皇子は皆出家
五山派
    → 反主流派の大徳寺派の弟子に
  貧窮の中で厳しく自己を鍛え自由独立の自己

      外見ばかりを飾る偽僧の仲間にはなりたくない!
  |
  ◎ 風狂の人
 権威主義・形式主義を批判し
      真実を生きることの大切さを教えている

□こころとからだの養生訓 
   貝原益軒(1630~1714)

□老いてこそ活力を養え 朝倉宗滴
朝倉宗滴(教景 1474~1555)
越前国守護朝倉孝景の子 生涯12回合戦
人生訓「朝倉宗滴話記」

□貧乏な人との問答 山上憶良
山上憶良(660~733) 
   生きることは苦しみを伴う
    = 苦しみつつ生きることに人間存在価値

□故国故郷を思う歌 阿倍仲麻呂(698~770)

□流罪の地で月を眺める 菅原道真(845~903)

□方丈の庵に自足する 鴨長明
鴨長明(1155~1216)
  こころの持ち方ひとつでこの世界をどのようにも受け止めるこ
    とができる
◎ 自足することの大切さ

□無常の風景にたたずむ 松尾芭蕉
松尾芭蕉(1644~1694)
  奥の細道の旅
      元禄2(1689)年3月
5月 平泉 
          滅び去るものと不朽の姿をとどめているもの(自然)
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