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「日本人として言い残しておきたい」会田雄次 大和出版 1995年 ⑦(最終) [読書記録 一般]

今回は 12月8日に続いて 歴史学者 会田雄次さんの
「日本人として言い残しておきたいこと」7回目の紹介 最終です



出版社の案内には

「平和に安楽に生活できるのはありがたいが、なぜか生きがいというものが感じられな
 い日本の現実。志なき民族は死滅する。大切なのはコツコツとなすべきことをなす心
 構え。これからの日本の進路を提示。」

とあります


やよそ20年前の本ですが
今読み返しても新鮮に感じました




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☆「日本人として言い残しておきたい」会田雄次 大和出版 1995年 ⑦(最終)

1.jpg
 
◇日本文化と他の照葉樹林文化との違い
慎みの文化


 米作りが培った日本人の合理主義
   水田 = 他との強調
 


◇社会発展の原動力としての稲作
結い 労働力のやりくり


 稲作文化が育んだ様々な能力
   日本は奴隷制を持たなかった珍しい国

水田稲作が交換経済の発展を促した
 


◇日本のメンタリティ
水田稲作は過酷な労働力


 厭離穢土を願うメンタリティ


 合理主義一辺倒にならない日本人の特性(感性) 
物作りの精神と細やかな感性

 <気候の影響 + 呪術,祈り>


 存亡の危機にある日本の農業
二宮尊徳の教訓
農業の本質は反自然 = 自然に逆らう営み



自然は許してくれる → 感謝
(米作りを許してくれる大きな自然への感謝)

 

◇日本の進路
  「無礼講」によって本当のつきあいをする日本
 


◇互いに察し思いやる心
プライバシーに対する日本人の繊細な心情
襖・障子 → 思いやる・察する
   

 日本人のこの意識は欧米のそれとは違う


 対照的な日本と欧米の子育て法
細やかな感性を育てる日本の子育て

欧米~幼い時に厳しく大人に成長すると自由に放任

↑↓

日本~幼い時に甘く,通過儀礼を経て大人に成長するにつれて厳しくなる
(共同意識)
感じ取ることが子育ての要諦

         感じ取る ~ 細やかな感性
 


◇バブル崩壊後の日本の進路
日本のもっともいい顔 「農民の顔」


日本の米作りは風前の灯火


 篤農家はどこへ


 慎みを忘れた日本人は嫌われている
家族の再構成 → 工匠国家 へ

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コメント 4

ojioji

今回、印象的だったのは、
水田稲作が促した交換経済
反自然たる農業を受け入れてくれる大きな自然への感謝
の二点。

良い笑顔は、サービス業の人と人との交流、デスクワーク、スポーツ、映像、インターネット、本、音楽・・・etc.いろいろなところにあるのでしょうが、自分の場合は畑や山野など自然の中で身体を動かしているときのものがいちばん本物かなと。
いろんな考えの人がいるでよいのですが、会田氏の願うような日本人の割合がもう少し増えてほしい気持ちです。

米作り、どうなるのだろう。
半世紀で農家が30%から5%未満に減った日本。
農業就業人口で言えばわずか2%あまり。
ぼくも含めて今の日本人が、事業としてではなく暮らしとして水田に戻るのは絶望的なのだろうか。
実際、ぼく自身、今からトラクターやコンバインを使う気は無い。
先進国と呼ばれている国々は日本よりもさらに文化としての農業を棄ててしまった。アメリカに代表される事業としての農業のみ。
現実にはベトナムやタイなど、日本よりも米作りに適した国々がかつての日本のような立国をしているのでしょうね。出向いている日本人も多いみたいです。

文化としての農、農のある暮らし。日本から無くなってほしくないです。
ガーデニングで稲を楽しむとかどうでしょう。出来た稲穂を脱穀所に持ち込むとか。事業でなければ楽しみながらやれる。一年草の世話をしている人はぜひ検討を(^O^)。

懐かしき会田雄次氏の本の言葉からいろいろなことを考えさせられました。
ハマコウさま、素晴らしい本の紹介をありがとうございました。長々とお邪魔いたしましたm(_ _)m

by ojioji (2014-12-11 13:12) 

ハマコウ

ojioji さん ありがとうございます

会田雄次さん 要約を読み直し 改めて大きさを感じました
「文化としての農、農のある暮らし。日本から無くなってほしくないです。」
まさにそう思います

農業を小規模に行っていた父や叔母がなくなり10年余
母の手伝いで農作業をしてきましたが その母も畑に出なくなり 私が中心に行うようになりました

タマネギやサツマイモを少量出荷していましたが今年はついに出荷をやめてしまいました

歩行型田植機も一昨年度壊れてしまい 業者に委託するようになりました
楽にはなりましたが寂しくも感じています

退職後に農業をと思い 少しずつ頑張っています

お金のことを考えれば まったくあうものではありませんが やはり生活と農をわたしは切り離せません

できる限り続けようと思っています

by ハマコウ (2014-12-11 20:06) 

ojioji

今は教育に打ち込んでいらっしゃることと存じます。
引退後は存分に農を楽しんでください。
また偶にお邪魔させてください。
by ojioji (2014-12-11 21:38) 

ハマコウ

ojioji さん ありがとうございます

たまの土曜日の午前中だけですが 息抜きにも役立ちます
by ハマコウ (2014-12-11 23:07) 

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