「土のいろ」集成 第九巻 84~92号 ① [読書記録 郷土]
今回は「土のいろ」集成 第九巻 84~92号の紹介1回目
本ブログでは「土のいろ」を幾たびか紹介してきました
柳田国男の民俗研究に連動して生まれた浜松の郷土誌「土のいろ」
(柳田国男さん 南方熊楠さんも寄稿されています)
「土のいろ」は地域の行事や町の歴史などを紹介した郷土民俗雑誌
子供たちの郷土を愛する気持ちを育てることを目的に
浜松子供協会から発行されていました
今回は「土のいろ」集成第九巻84号~92号の抜粋を載せます
戦中に休刊されたものが戦後再刊された当時のものです
およそ半世紀前の地域誌です
飯尾さんを中心とした教員が同人となり寄稿した雑誌
教員の意欲と地域を大事にしようという思いを強く感じます
1924年から68年まで発行されていた「土のいろ」全140巻
浜松在住の児童文学作家那須田稔さんの尽力で ひくまの出版より
「土のいろ集成」全12巻、別巻1巻集成として復刻されました
那須田さんの言葉(「Net de びぶれhttp://www.vivere.jp/yomu/yomu/post_29.php 」より)
「この組織は大正時代、紙芝居で子供に昔話や民謡などを伝えていた小学校教師
やお坊さんたちが集まってできたもの。浜松の郷土文化発祥のルーツには、そも
そも『子供』がキーワードとしてあったんですよ」
今回紹介分からは…
・「その筋の命令により休刊 発行停止命令」
おそろしい時代だったことが分かります
・「かまの淵」
わたしは近くに住んでいるのですが 聞いたことがありませんでした
・「ばんばが池」
切り捨て御免とはよく言われることですが 滅多になかったそうです
そんなことをすれば批判されることは分かっていますから
この場所はかつての勤務校の近くですが 聞いたことはありませんでした
・「赤池」
浜松市のかわな野外活動センターの近くです
林間学校の折 夜 電気を暗くして 子どもたちに語ったものでした
・「山口幸洋さん」
遠州の方言で知られる方ですが 在野の研究者だということを知りました
わたしの子どもの時は「ウマトビ」とよんでいました
浜松市立図書館には置かれている館と置かれていない館があります
大変おもしろく 興味深く読める本です
講談師 田辺一邑さんの会が8月12日に浜松で開かれます
夏らしく怪談と浜松出身テレビの父・高柳健次郎さんの話
楽しいですよ
※田辺一邑さんHP http://www.tanabe-ichiyu.com/
☆「土のいろ」集成 第九巻 84~92号 ①
◇月報9
民俗芸能学会発足のこと 鳥越文蔵
一富士二鷹三茄子 石川純一郎
「土のいろ」校訂余録 佐藤彰
◇復刊第1号 通刊84号 昭和30年8月
○復刊の辞 飯尾哲爾
・浜松子供協会
童心芸術尊重の機運 童話・童謡・自由詩・自由画・児童劇
文化グループ~自由児童文化研究団体
研究が目的ではなく蒐集を目標
|
その筋の命令により休刊 発行停止命令
・創刊大正13年1月~昭和15年9月号休刊(~17.2 83冊)
「郷土童話論」 → 郷土的童話・伝説の蒐集
伝説と土俗 目的は研究ではなく蒐集
○浜松城下町時代の民業 渥美静一
<十職>大工・畳屋・木挽き・紺屋師・檜物師・塗り師・鍛冶・屋根屋・瓦師 (留め職として領主の保護)
準ずるものとして 仕立職 他に塩・肴・糀業等
・十職の公役
1か年 - 定期日 領主の御作業所において労役義務
→ 諸役地子免除の特典
出役職人に 扶持米一日一人に一升五合,作陵は上中下
↑
中世以来職人の負担として重要な地位
賃金の公定 十職居屋敷 生業及び職人の保護
○光明寺古墳の実測図と蜆塚貝塚の見取り図 鈴木謹一
浜松おぼえがき(一) 渥美実 菅原町子育て地蔵
雫(湖沼の話の一つ二つ) 鈴木実
①かまの淵 大きな沼(蓮池,高塚川)-若林・新橋間
お嫁さんが洗い掛けの釜を水中深く~一緒に
→ 小沢渡の北に水神社-水神
②ばんばが池 明神野 神田町にばんばが池
紀州徳川家参勤交代の折り八丁畷松の木から見下ろししゃべる
→ 切り捨て田圃にうち捨て立ち去る
死骸が流れてばんばが池にとどまり長らく捨てられていた |
明神野眼蔵寺の住職により供養のお施餓鬼
毎年8月某日ばんばが施餓鬼
現在は立派な田圃になり毎年秋には稲穂
③赤池(浜商・足立憲由 報告)
伊平村新田(引佐郡)
現在水が少しあり赤みを帯びる 下は岩石
<伝> 大蛇住み水絶えず。そこに川が流れていた。川の場変化。
その池があった場所を田として作ろうと試みたが,その人は長く
床に就きついに死すという。
○浜名地方のうまのり遊びの方言 山口幸洋
・浜松市やその西の村や町 「ウマノリ」
気賀・雄踏・入出・知波田・新所 「ウマトビ」
・浜松の東 「ドーノリ」 中の町・長上・積志・北浜・二俣・磐田
「ウマノリ」 旧小野口村・二俣
「ドーツブシ」北浜・豊西・赤佐
・篠原・可美 「モクバ」
・新居 「ナガウマ」
○浜松の「ボーイ・スカウト」の歩み 内田嘉一
昭和29.6.29 木全大孝氏の提唱
7.16 浜松第一隊育成会
9.11 結成式
本ブログでは「土のいろ」を幾たびか紹介してきました
柳田国男の民俗研究に連動して生まれた浜松の郷土誌「土のいろ」
(柳田国男さん 南方熊楠さんも寄稿されています)
「土のいろ」は地域の行事や町の歴史などを紹介した郷土民俗雑誌
子供たちの郷土を愛する気持ちを育てることを目的に
浜松子供協会から発行されていました
今回は「土のいろ」集成第九巻84号~92号の抜粋を載せます
戦中に休刊されたものが戦後再刊された当時のものです
およそ半世紀前の地域誌です
飯尾さんを中心とした教員が同人となり寄稿した雑誌
教員の意欲と地域を大事にしようという思いを強く感じます
1924年から68年まで発行されていた「土のいろ」全140巻
浜松在住の児童文学作家那須田稔さんの尽力で ひくまの出版より
「土のいろ集成」全12巻、別巻1巻集成として復刻されました
那須田さんの言葉(「Net de びぶれhttp://www.vivere.jp/yomu/yomu/post_29.php 」より)
「この組織は大正時代、紙芝居で子供に昔話や民謡などを伝えていた小学校教師
やお坊さんたちが集まってできたもの。浜松の郷土文化発祥のルーツには、そも
そも『子供』がキーワードとしてあったんですよ」
今回紹介分からは…
・「その筋の命令により休刊 発行停止命令」
おそろしい時代だったことが分かります
・「かまの淵」
わたしは近くに住んでいるのですが 聞いたことがありませんでした
・「ばんばが池」
切り捨て御免とはよく言われることですが 滅多になかったそうです
そんなことをすれば批判されることは分かっていますから
この場所はかつての勤務校の近くですが 聞いたことはありませんでした
・「赤池」
浜松市のかわな野外活動センターの近くです
林間学校の折 夜 電気を暗くして 子どもたちに語ったものでした
・「山口幸洋さん」
遠州の方言で知られる方ですが 在野の研究者だということを知りました
わたしの子どもの時は「ウマトビ」とよんでいました
浜松市立図書館には置かれている館と置かれていない館があります
大変おもしろく 興味深く読める本です
講談師 田辺一邑さんの会が8月12日に浜松で開かれます
夏らしく怪談と浜松出身テレビの父・高柳健次郎さんの話
楽しいですよ
※田辺一邑さんHP http://www.tanabe-ichiyu.com/
☆「土のいろ」集成 第九巻 84~92号 ①
◇月報9
民俗芸能学会発足のこと 鳥越文蔵
一富士二鷹三茄子 石川純一郎
「土のいろ」校訂余録 佐藤彰
◇復刊第1号 通刊84号 昭和30年8月
○復刊の辞 飯尾哲爾
・浜松子供協会
童心芸術尊重の機運 童話・童謡・自由詩・自由画・児童劇
文化グループ~自由児童文化研究団体
研究が目的ではなく蒐集を目標
|
その筋の命令により休刊 発行停止命令
・創刊大正13年1月~昭和15年9月号休刊(~17.2 83冊)
「郷土童話論」 → 郷土的童話・伝説の蒐集
伝説と土俗 目的は研究ではなく蒐集
○浜松城下町時代の民業 渥美静一
<十職>大工・畳屋・木挽き・紺屋師・檜物師・塗り師・鍛冶・屋根屋・瓦師 (留め職として領主の保護)
準ずるものとして 仕立職 他に塩・肴・糀業等
・十職の公役
1か年 - 定期日 領主の御作業所において労役義務
→ 諸役地子免除の特典
出役職人に 扶持米一日一人に一升五合,作陵は上中下
↑
中世以来職人の負担として重要な地位
賃金の公定 十職居屋敷 生業及び職人の保護
○光明寺古墳の実測図と蜆塚貝塚の見取り図 鈴木謹一
浜松おぼえがき(一) 渥美実 菅原町子育て地蔵
雫(湖沼の話の一つ二つ) 鈴木実
①かまの淵 大きな沼(蓮池,高塚川)-若林・新橋間
お嫁さんが洗い掛けの釜を水中深く~一緒に
→ 小沢渡の北に水神社-水神
②ばんばが池 明神野 神田町にばんばが池
紀州徳川家参勤交代の折り八丁畷松の木から見下ろししゃべる
→ 切り捨て田圃にうち捨て立ち去る
死骸が流れてばんばが池にとどまり長らく捨てられていた |
明神野眼蔵寺の住職により供養のお施餓鬼
毎年8月某日ばんばが施餓鬼
現在は立派な田圃になり毎年秋には稲穂
③赤池(浜商・足立憲由 報告)
伊平村新田(引佐郡)
現在水が少しあり赤みを帯びる 下は岩石
<伝> 大蛇住み水絶えず。そこに川が流れていた。川の場変化。
その池があった場所を田として作ろうと試みたが,その人は長く
床に就きついに死すという。
○浜名地方のうまのり遊びの方言 山口幸洋
・浜松市やその西の村や町 「ウマノリ」
気賀・雄踏・入出・知波田・新所 「ウマトビ」
・浜松の東 「ドーノリ」 中の町・長上・積志・北浜・二俣・磐田
「ウマノリ」 旧小野口村・二俣
「ドーツブシ」北浜・豊西・赤佐
・篠原・可美 「モクバ」
・新居 「ナガウマ」
○浜松の「ボーイ・スカウト」の歩み 内田嘉一
昭和29.6.29 木全大孝氏の提唱
7.16 浜松第一隊育成会
9.11 結成式
コメント 0