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「普通の子供たちの崩壊」河上亮一 文藝春秋 1999年 [読書記録 教育]

今回は 河上亮一さんの
「普通の子どもたちの崩壊」を紹介します

プロ教師の会 で知られる 河上さん
現在の中学生について語ってくれます


今回紹介文から心に強く残った言葉は
・「金八先生のように話せば分かるほど甘くない」
- 金八先生のような先生ばかりになったら…
・「中学生の質的変化」 
- 個々にあげられている六点 その通りだなと思います
・「校則は『子供』が『生徒』になる為の小道具」
・「体罰が悪いというなら,言うことを聞かない生徒をどうするか,具体的に示す
 必要がある」
- もちろん体罰はいけないことですが 

10年以上前に出版された本ですが
中学校現場のことが 少し分かる本だと思います

本の案内には次のように書かれています
「いじめ、不登校、固く脆い自我─。現役教師の日記から見えてくる十四歳の姿
 とは? 我が子がわからないと嘆く親たち、必読の書!」



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☆「普通の子供たちの崩壊」河上亮一 文藝春秋 1999年

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◇学級担任
○物わかりのいい教師は失格 
金八先生のように話せば分かるほど甘くない
→ 学校は大人になる為の学習・試練の場 = 好き勝手は許されない
   

○中学生の質的変化
ひ弱になった

生活能力低下

他人との関係作りが下手でいつも緊張している

わがままで頑固

欲望を上手にコントロールできない

悪いのは他人のせいと自分を正当化
  → 目的が個性の尊重に


○中学校生活の目的
一人前の大人になる為の基礎的な力を身につけ,社会的自立を目指す

  そのために ①基礎的学力

②基本的生活習慣  を身につける

③集団生活の仕方


○特別扱いにしない
→持ち物確認 忘れたら対策
   

○固まってしまう生徒
校則は「子供」が「生徒」になる為の小道具
   

○体罰
一方的に処分するだけでは解決しない



教師が黙って引くしかなくなる



体罰が悪いというなら,言うことを聞かない生徒をどうするか,具体的に示す
 必要がある
   = 現場は行政と違い 法律一辺倒では動かない
 



◇不登校
真っ先に攻撃されたのは学校だった → もっと広く原因を探るべき
 


◇特別扱い
 他のこと同じように生活できないなら注意するのはかわいそうだ。        
   → 担任が電話して持ってきてもらう。



◇学校
 教育の場である
子供の自由や人権を制限しなければならないことが山ほどある
   |
学校が子供の社会的自立にどうしても必要と言うのなら,このような生徒たち
 を前に悪戦苦闘する教師を支えて欲しい
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ちゃーちゃん

こんばんは!!
訪問有りがとうございました。
我家にも14才、16才、18才の孫が居ます・・・難しい年齢の子供達
の中に1人の孫が該当している様な気がしています。
基本的には親の責任に任せておりますが、バァバとしては無関心では居られません。 本に興味が有ります・・・

by ちゃーちゃん (2013-06-01 18:46) 

RuddyCat-Lalah

文科省やPTA等に読ませたい本ですね。
by RuddyCat-Lalah (2013-06-01 20:18) 

ディブ松本

なんでも教師の責任に転嫁するのは間違い
子供が先生に不満を投げるのは身近な大人だから
最も身近な親に愛情を感じられない・甘えられないストレスが
学校で発散させている
子供の些細な変化を感じ、教育のプロの先生とタッグを組んで
成長の喜びを分かち合うべきと思う
荒れる生徒の責任は100パーセント親にある。
by ディブ松本 (2013-06-01 21:18) 

風来鶏

基礎知識(私の若い“仕事の相棒”は、化学の基礎を全然理解していないため、仕事を教えるのに苦労しています^^;)も必要ですが、社会に出る前に“生きるための知恵”も習得して欲しいと思います。
最近の若い子たちは、ある方法が駄目でも、そこでストップしてしまうのではなく、他の手段を試してみるという“応用”が利かない子が多くなっているような気がします!?
by 風来鶏 (2013-06-02 01:22) 

ハマコウ

ちゃーちゃん さん ありがとうございます

教育について いろいろな立場から発言されていますが
プロ教師の会の河村さんは
「自由より規律を」というような主張をされています
by ハマコウ (2013-06-02 06:00) 

ハマコウ

RuddyCat-Lalah さん ありがとうございます

教育は学校教育だけではなく 家庭教育 社会教育も重要ですね
すべてを学校に…
となれば 無理が生じると思うのです
「学校の優等生」=「社会の優等生」とは必ずしも当てはまらないと思うのです
by ハマコウ (2013-06-02 06:03) 

ハマコウ

ディブ松本さん ありがとうございます

「子供の些細な変化を感じ、教育のプロの先生とタッグを組んで
 成長の喜びを分かち合うべきと思う」
同感です
保護者も 教員も 社会もすべて子どもの応援団
力を合わせることが大切だと感じます
by ハマコウ (2013-06-02 06:05) 

ハマコウ

風来鶏 さん ありがとうございます

「ちょっとした失敗であきらめてしまう」
「まわりの少しきつい物言いで傷ついてしまう」
子どもたちが増えているように思います
いろいろな体験 いろいろな関係づくりが大切だと強く感じています
by ハマコウ (2013-06-02 06:08) 

ちゃみっこ

こんにちは!私はこの河上亮一先生に習ったことのある生徒です。すごい先生でした。みんなから尊敬されてました。社会の授業、毎回ゲーム方式でした。グループごとにわかれ、そのグループのなかで発表して正解をもらわなければならない回数を、一人ずつ決めます。ただし、勉強ができる子は少ない回数、できない子は多く設定されます。グループ内で教えあうのはオッケー。その回数をすべてクリアしたグループが勝ちで結果は学期ごとに出され、勝つとなんらかのご褒美(内容は忘れましたが)がもらえるシステム。

このとき、勉強ができないからと回数をふやされても誰も傷つかなかった。みんなやる気に満ちてたから。

みんな真剣でした。楽しくてしょうがなかった。河上先生は冗談もいわないし、生徒にこびたりもしない、怖い先生。だけど、みんなから好かれてた。先生がお休みで授業が自習になると、みんなががっかりして、ブーイングの嵐。

あんな先生見たことない。転勤になったときは一人残らずみんな泣いた。ほんとうにすごい人です。
by ちゃみっこ (2013-09-13 01:15) 

ハマコウ

ちゃみっこ さん ありがとうございます
 
教え子であるちゃみっこさんからの言葉で 河上さんの学校での姿がよく分かりました
子どもたちにやる気を起こさせ 力をつける授業だったのですね

 勉強ができないからと回数をふやされても誰も傷つかなかった。
 みんな真剣でした。楽しくてしょうがなかった。

このような言葉を聞くことができるように わたしも今後精進しなければと思いました
by ハマコウ (2013-09-13 04:11) 

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