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新津の伝説① 「音羽の松」 浜松市南区小沢渡町 [読書記録 郷土]

今回は 浜松市南区の海岸沿い新津地区に伝わる伝説の紹介一回目
小沢渡町の「音羽の松」を紹介します

新津 よいところです
浜松市の海岸沿いに防潮堤を築くようにと多額の寄付をした
一条工務店の元の本社があるところ
わたしが大好きな地域です

「音羽の松」
小沢渡町の六所神社に 何代目かの音羽の松がたっており
その掲示にも同様のことが書かれています


それにしても いろいろないわれがあるものですね


そういえば 浜松市出身の女性講談師・田辺一邑さんも
以前この神社の近くに住まわれていました



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☆新津の伝説① 「音羽の松」 浜松市南区小沢渡町

DSCN0079.JPG


 浜松地方は、昔は市松、名優の良かった所である。それの故に、浜松の名が生れたと
さえいわれている。



 野口鴨八幡宮の泉にあった颯颯の松。

 五社神社境内にあった.五社松。

 当時の浜松城内、今の税務署のあたりにあった鎧掛けの松。

 旧新津村小沢渡の音羽の松。

 可美村増楽の叟羅の松。

 若林の秀衡の松。

 曳馬町の江間殿松。

 馬込川東の諏訪神社の六本松

 旧和田村橋羽の法橋の松。


 この外、数え来ると近郷近在に限りなくあっかが、今は全部枯死した後である、し
かし何れの松も、樹齢数百年、枝は地につく程にも垂れて、その枝間、実に数十メー
トルに及ぶという、名松ばかりであったのである。


 中でも野口町の八幡宮の颯々の松は、永享年間というから、今から凡そ530年の
昔、時の将軍足利義教が東行してきたころ、もう立派な松だったということである。


 また小沢渡町の音羽の松は、二条天皇の保元3年(1158年)に生えた松といわ
れているから、その通りとすると、明治10年に枯死するまで、実に720年の樹齢
を保ったわけである。


 昔は、野口の八幡宮の神興が、毎年8月15日に、音羽の松の下に渡御したという
ことから見ると、この二つの松は兄弟の松で、音羽の松が弟なので、弟松、即ち音羽
の松となったのであろうという人もある。


 この松の起りについては、白狐がどこからかくわえてきて、ここに植えたのが大き
くなったという人もあるが、また次のような話もある。


 昔このあたりに大東院という寺があった。そのお寺の傍らで、音羽婆さんという老
婆が、小さな茶店を出していた。

 その頃ここは、東海道の通りで、道行く人は多かった。

 春の暖い日である。老婆は店の前に立って、

 「いいお天気じゃ」

と空を見上げていると、どこからか一羽の丹頂の鶴が舞ってぎた。

 「あ、珍しい、鶴がきた」

 見るとその鶴は、松の小枝をくわえていた。

 鶴は低く舞い下りてきて、幾回か老婆の前を行きつ戻りつした。

 「おかしな鶴よ」

 見ている中に、鶴はその小枝を老婆の前に落すと、そのまま、何れともなく飛び去
ってしまった。

 「鶴が苗木をくれた。しかも松じゃ」

 老婆はそれを、大東院の西の荒地に植えておいた。これが音羽の松であるという。


 また一説には、このあたりに、妙齢の美女があった。彼女は歌を唄うのが好ぎだっ
た、しかもその美声は、近隣にその比がなかった。

 ある日、常の如く美声で唄っていると、一羽の鶴が舞ってきて、その妙音に聞き惚
れて、くわえていた松の小枝を落としていった。

「あっ、松の小枝」

 彼女はその小枝を待って、鶴の飛び去った後を見つめていたが、やがて何かの訳が
あろうと、大東院の西に植えたのが、この音羽の松であるともいう。



 この松は、幹は曲りくねって、地を這う程であったので、子供達はこれに登って遊
ぶのであったが、上るとたちまち落ちて、足を怪我するので、

「あの松に上ってばならぬぞ」

と、親達は注意するのであった。


 また、この松を写生しようとしても、毎日姿が変化して、その枝葉が一定していな
いので、写生でか得なかったともいうことてある。


※付記
 戦前、浜松市の神明町に、音羽屋というそば屋があった。明治の頃には、田舎から
浜松に行くと、「音羽屋のそばを食べなけりや」と、名物化したことがあったが、こ
の家が小沢渡から出た人で、この松の名を取って音羽屋と名づけ、明治の初期には、
音羽の松の版画を出していたということである。

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