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「小6女児の殺人事件は防げなかったか」  竹原泰三 ジャーナリスト 『月刊少年育成』2004.8月号【再掲載】 [読書記録 教育]

今回は 昨年11月の再掲載となりますが 現在休刊中の雑誌「月刊少年育成」より 
竹原泰三さんの 「小6女児の殺人事件は防げなかったか」を紹介します


再び 考えさせられました…



竹原さんは
「もっと根本的なことは、それぞれの家庭が子供たちが犯罪に走らないような子育
 てをすることではないか。」
と言います

しかし 具体的に何をしたらよいのか…

「子育てについてもっと真剣に考えるべきだ」には共感しますが 
思うようにいかないのが教育

やはり 子どもたちに常に語りかける中で 
一つ一つ課題を解決するしかないのだと改めて思っています



「いのちの教育」の大切さは言うまでもありません
学校教育ももちろん大切ですが 
家庭での教育 地域での教育 社会での教育の大切さを改めて感じています


また 竹原さんの言葉
「マスコミも育児書に任せず、子育てについてもっと積極的に支援する必要がある。」
教育に関して野次馬的なことばかり伝えるのではなく
「支援」の観点での報道を 期待します

それにしても 「月刊少年育成」誌の休刊が長く続いているのが残念です
育成誌なら 「育成」の視点で 最近の子どもたちの状況を知ることができるのにと…
大阪少年補導協会のHPを見ると 
2004年 9月号の特集が「佐世保小六女児殺害事件」だったと知ることができました
再刊を強く望みます
※社団法人大阪少年補導協会HP
  http://www.osaka-hodoukyokai.or.jp/index.html




 
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☆「小6女児の殺人事件は防げなかったか」  竹原泰三 ジャーナリスト 『月刊少年育成』2004.8月号【再掲載】

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 長崎県佐世保市の小学校で6年生の少女が同級生の少女を殺害する事件が起きた。

 しかも学校内で、少女をいすに座らせ、後ろからあごを押さえてカッターナイフで
首を切っている。

 小学校でこんな事件がおきるとは信じられないような話だ。

 被害者の父親が新聞社の支局長というのも、同じマスコミに携わる者として、同情
に堪えない。「何でうちの娘が」という気持ちは痛いほどわかる。日頃から事件・事
故の加害者に対して厳しい態度で臨んでいるマスコミの記者も、自分の子供がこんな
被害に遭うとはあまり考えていないのではないか。

 事件当日、父親は記者会見に応じているが、それだけでも取材を日常の糧としてい
る記者としての責任感が感じられる。その後、気持ちの整理がつかないとして、公け
の場に姿を見せないのもやむを得ない。



 それにしてもなぜ、こんな事件が起きたのか。


 事件当初、マスコミは加害者の少女も被害者の少女も仲のいい、ふつうの子供だと
伝えた。そして、インターネットの掲示板の書き込みが原因ではないかと指摘した。

 文字だけで相手の顔が見えない掲示板の問題点は、その後も様々なところで検討さ
れている。

 携帯電話のメールについても同じことが指摘されているが、最近の若者は他人と面
と向かって話をするのが苦手だが、メールのやりとりなら気軽にできるという。今度
の事件でも、掲示板の書き込みが何らかの理由で引き金になったのかもしれない。


 しかし、掲示板の言葉の行き違いだけで、殺人にまで発展したとはとても思えない。
加害者の少女は以前にもカッターナイフを撮り回したことがあるとか、「バトル・ロ
ワイアル」に興味を持っていたとか、新聞や雑誌はさまざまな例をあげて、以前から
異常な行動を見せていたと伝えている。


 また、犯行に当たって少女は、被害者の首を切った後、顔を何度も蹴ったり踏んだ
りした。さらに犯行のあと、体中に返り血を浴び、洋服も血だらけの格好で教室に戻
っている。


 結局、少女は精神鑑定を受けることになった。その理由として、少女の付添人は、

「冷静沈着な態度と残虐な犯行とのギャップを埋めきれない。普通の精神状態では説
 明できない」

と話している。


 新聞や週刊誌は、少女の家庭について、父親は数年前に脳疾患を患ったとか、母親
はスーパーでアルバイトをしているとか書き立てている。

 まるでこれが原因と言わんばかりだが、これは同じような環境にある、ほかの家庭
に対して失礼だ。


 同じような条件でも立派に子育てをしている家庭はいくらでもある。いや、むしろ
そうした家庭のほうが普通だろう。


 確かに、今の世の中は、子供たちが健全に育っているとは言い難い面がある。

 青少年による凶悪な犯罪は言うに及ばず、わがままだとか、すぐ切れるとか、欠点
をあげる材料には困らない。

 それだけに、今回の事件は教育現場にとっても大きなショックである。


 新聞は教育関係の専門家のコメントを数多く紹介している。しかし、同じような小
学生に事件についての感想を聞いたところ、友達関係で悩んだり頭にきたりすること
はあっても「殺してしまったらこちらが終わりだと思う」といった内容の話をした子
供が何人もいたと言う。

 これが普通の考え方だろう。少年事件が起きるたびに、学校や社会に責任を転嫁す
る教育者がいるが、ほとんどの子供は物事がきちんと理解できているのである。

 もっと根本的なことは、それぞれの家庭が子供たちが犯罪に走らないような子育て
をすることではないか。


 事件を起こした少女の両親は、少女は「問題なく育った。成績も良かった」と話し
ている。


 母親は教育熱心だったようだ。しかし、いい子で成績が良ければ問題ないと言いき
れるのだろうか。

 少女がホームページを持っていることを知っていたのだろうか。

「バトル・ロワイアル」に夢中になっていることを知っていたのだろうか。



 神戸で連続殺害事件を起こした「少年A」の両親も、子供が夜中にたびたび家を抜
け出していたことに気づいていなかった。


 親はもっと子供の行動に関心を持つべきである。

 子育てについてもっと真剣に考えるべきだ。

 世間では小学校の教育のあり方が問われている。

 しかし、子育ては生まれたときから始まる。幼稚園や小学校に期待するのでは間に
合わない。核家族化が進み、若い母親は子育ての方法がわからず悩んでいる。

 マスコミも「育児書」に任せず、子育てについてもっと積極的に支援する必要があ
る。
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コメント 4

tommy88

教員免許がなければ教師には、なれません。
親免許がなくても、親にはなれます。
資格制度が良いというのではなく、教育の最前線に親が居て、学校。
家庭環境や生育歴に問題を見いだそうとしたら負けます。
「なぜそうなったか」
歪み、爆発する瞬間の、「それ」が、必ずあると思います。
教育は科学ですから、共有できる再現性の提示が重要と思います。
・・・長崎が続いています。
by tommy88 (2014-07-30 05:14) 

ハマコウ

tommy88 さん ありがとうございます

同じようなことが起こるのはどうしてでしょう
「共有できる再現性の提示が重要」
本当にそうだと感じます

「歪み、爆発する瞬間の、『それ』」
に気付くようでありたいと思います
by ハマコウ (2014-07-30 06:46) 

starwars2015

親や学校が注目されますが、ゲームやネットのメディアは
どうなんでしょう。
ゲームなどは年齢制限を表示していますが、実際は機能
していないように感じます。あまりにも命を粗末にする内容や
暴力が前面に出ているものがあり、それなりに人気商品のようです。
by starwars2015 (2014-07-30 07:49) 

ハマコウ

starwars2015 さん ありがとうございます

ゲームの影響もあるのかもしれませんね
テレビCMを見ていてううんと考えてしまうのもあります
ゲームはゲームと割り切れる子がほとんどだと思いますが そうでない子もいるのかもしれません

by ハマコウ (2014-07-30 18:42) 

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